クソを下水で煮込んだような性格の男になっちまったよ…… 作:猫太郎
「読者の皆様、感謝永遠に」
個性把握テストの翌日。今日は午前中が必修科目の英語や数学などの授業。つまらな過ぎて寝ようかとも思ったが、あまりに寝すぎると中学の時みたいに家の方まで電話が行きかねない。
しょうがないから、起きて授業を眺める事だけにした。一応、授業を受けてるように見せる為に机の上に教科書だけ出しておく。
昼休みは弁当派と食堂派がいるのだが、俺は弁当派である。食堂の方は昨日覗いただけでも相当混んでいるようだったし、何より食堂まで行くのが面倒。
時短とか手間とか色々と考えた結果、弁当を作る事にした。前世の高校時代は自分で弁当を作っていたので、手作りはそれほど難しくは無かった。
雄英では、ヒーローが作る一流の料理を格安で食べれるという事で食堂派が主流らしいが。俺の場合は「飯なんて食えればいいだろ」精神なので料理の良し悪しはあまり興味が無い。
それで午後になったら、あれが始まる。
昼休み終盤、待ち望んでいたあの授業が始まるという事でクラスが浮足立っている。超が付くほどのヒーローオタクである出久なんかは見て分かるくらいいにはテンションが上がっている。
これまでオールマイトに特訓を受けさせてもらっていたはずだが、修行と授業は別という事なのだろうか。俺としてはどっちも同じ気がするのだが、オールマイトに関してはガチ勢の出久の思考が良く分からない事が多いので、こればかりは理解を諦めている。
なんて思っていると……
「わーたーしーがー普通にドアから来たッ!!」
午後の授業であるヒーロー基礎学の担当教員であるオールマイトが叫びながら教室に入ってきた。正直に言って、喧しい。入るなら静かに入って来てほしい。
若干げんなりしている俺とは違って、この教室が歓喜の叫びで満ちる。オールマイト以上にクラスメイト共が五月蠅い。これでは他のクラスから苦情が来そうである。
クラスが少し静かになった頃を見計らって、オールマイトがこの授業についての簡単な説明を開始した。
「これから行うのはヒーロー基礎学! ヒーローとしての土台を作る為に様々な訓練を行う科目だ! 今日行うのは、早速だが戦闘訓練! そして、それに伴い、君達が入学前に送った個性届けと要望に沿って製作した
そう言って配られたのは、各自に合うように作られた
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自分で要望を出した
まず、俺が出した要望は3つ。口元を覆うマスクと髪をすっぽりと覆うフードがあり、袖無しである事。それ以外はサポート会社に一任したのだが、俺の担当員は中二病だったのだろうか。何故にコートなんだ。コートじゃなくても、ガスマスクにフードという
勿論、要望は俺の個性が関係している。というのも、俺の個性は”爆破”である。そうなると、大量の煙が発生したり、髪が焦げたりする。
個性が手から爆発を起こすというものだったからか、腕には爆発の耐性があったのだが、それ以外の耐性があまりないのである。肺も煙を多く吸い込むと運動能力が低下してしまうのだ。
いつもの訓練は常に外で行っていた為、煙が大量に肺に入るなんていう事も無かったし、威力を抑えめでやっていた為に髪が焦げるなんていう事はあまり無かった。
だが、ヒーロー科に所属したからには全力で爆発を起こす機会は何度もある。それ対策の
口元を覆うマスクは防煙仕様。フードは髪が焦げないように。服の素材も爆発の衝撃や高温に耐える素材を使っているらしい。ちなみに袖がないのは一応秘密がある。それはまぁ、原作通りに出久と戦いになるとしたら、戦闘訓練で分かる事になると思う。
”OFA”をある程度使い熟している出久相手に奥の手を手加減したままで勝てるとは思えない。
相手が誰であろうと真正面からぶっ潰して、俺がトップに立つだけだ。
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クラスメイト全員がグラウンドに集まる。見た感じ、原作と大きく異なる
それでも、基本的な見た目は殆ど変わっていないが。
「かっちゃん、見た目がその、完全にヒーローじゃないよね……」
人が気にしている事をさらっと言ってくれた出久。心に弓矢でも刺さったかのような精神的な痛みが俺を襲う。ならば、俺も少しは仕返しをしてやろう。
「お前の方こそどうしたんだよ、頭のソレ。オールマイトまんまじゃねぇかよ」
出久の
特徴的なのは、俺が言ったようにその頭部。笑顔を模したマスクと頭から生える2本の角のようなもの。後ろからは出久の特徴とも言えるポニーテールが飛び出ている。
笑顔と2本のソレ。何処からどう見ても、誰を意識しているのかが丸分かりである。
その意識された本人も分かっているようで笑っている。弟子に真似されてちょっと嬉しいのだろう。真似した弟子は俺に揶揄われて赤面している様子だが。
「さて、今日やるのは既に言った通り、戦闘訓練だ! それも君らに
そこから生徒からの多くの質問が嵐のようにオールマイトを襲う。質問するのは良い事なんだろうが、同時に話し過ぎてオールマイトの顔からして困っているのが丸分かりである。この状況で困らないのは聖徳太子ぐらいだろう。
オールマイトはパンッと1回だけ拍手して、クラスメイトの質問を途切れさせる。その隙に訓練の詳細な事を言い始める。
「はい静かに! これから説明するから! 状況設定は
オールマイトの訓練の説明が終わり、くじを引かされた。
結果、俺は眼鏡委員長とDグループとなり、対戦相手は出久と丸顔が一緒のAグループとなった。どうやら、轟や出久が女性になっていたり、既に”OFA”をある程度使い熟している等の違いはあれど、大体が原作に沿った動きになるらしい。
5分後にヒーロー組を突撃されるらしいから、それまでに核兵器の隠し場所とかを色々と決めておかないと。
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訓練の舞台となるビル。ハリボテの核は最上階に設置されているらしい。こちら側の勝利条件は、時間オーバーか、ヒーローの全捕縛の2つ。
「とりあえず、俺が遊撃でお前が核を守れよ。”爆破”の個性を核兵器の周りで全力で使える訳もねぇしな。2対2の授業だが、実戦では3人目のヒーローが来る事も有り得るだろうから、お前は絶対に核を守れよ。俺とお前の機動力なら、今の丸顔の方は何とでもなるだろうから…… なんだよ? ちゃんと聞いてんのか?」
思い付いた作戦や役割を言っていると、ヘルメットを取っていた眼鏡委員長の顔が鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。
「聞いてはいるが、君がそんな理知的な性格をしていたとは思わなくて……」
「は……? 馬鹿にしてんのか、てめぇ!?」
思わず叫んでしまった俺は悪くないだろう。眼鏡委員長は面と向かって「君は馬鹿だと思っていた」と言ったのだ。本人を目の前にして、いきなり悪口を言われれば誰だって怒りはするだろう。
別に俺は罵倒されて喜ぶような特殊な性癖は持っていない。そんなものは変態チビだけで十分だ。
……でもまぁ、確かにこいつの前ではネクタイ捨てたとか言ったからなぁ。眼鏡委員長からしたら俺は不良みたいなもんか。つまり、馬鹿とか思われてたのって自業自得という事か。
「だから、本当にすまないと思っている。人を見かけで判断するとは、ぼ、俺もまだまだ。しつこいようだけど、君には本当にすまないと思っている。それで作戦を聞いてもいいだろうか……」
自業自得の結果であり、しかもこうやって謝罪を受けた以上、何かを言う事も出来ない。てか、そういうものは内心に留めておけばいいのに、それを本人に言うとは眼鏡委員長は本当に不器用というか生真面目というか。
「ちっ、次に馬鹿とか言ったら眼鏡を爆発させるからな、覚えとけよ。つか、こんな幼稚園児でも考えそうなのを作戦なんて言えねぇよ。お互いにほぼ初対面で連携なんか出来る訳がねぇんだから、今回は個人戦をメインでやんぞ」
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『それではSTARTだ!』
インカムからオールマイトの合図の声が聞こえた。普通にうるさい。
それと同時に開始地点の窓から外に飛び出した。眼下には入り口を通り過ぎようとしている2人の姿が目に入った。最初から飛び出してくるとは思わなかったのか、2人は目を大きく見開いていた。
ここで最大火力をぶち込んでもいいのだが、度が過ぎると中断されるだろうから、最大火力はアウト。ならば、威力のない妨害系の技がいいだろう。屋内の戦闘は俺だと最悪の場合、建物自体を倒壊させる可能性があるから、屋内戦はあまりやりたくない。
オールマイトからすれば、出来れば屋内戦の方が良いだろうが、俺の個性は授業だとしても危険過ぎる。
だから、ここで一気に流れをこっちに持ってくる必要がある。
「奇襲は
火力は0だが、目を潰して行動を消すにはもってこいの技だ。出久でさえ、俺の
俺の狙い通り、最初から仕掛けてきた俺に目が釘付けだったおかげで目潰しをもろに受けてくれたようである。2人とも暫くは目を使えないだろう。
「最初は厄介なてめぇだ、出久ッ!」
そう言って、俺は
体を硬直させている丸顔にテープを巻き付けて、早々に1対1の状況を作り出す。
そんな風に思っていたのだが、テープは空振りに終わった。それと同時に風が俺を襲う。
目を潰されていたが、丸顔の位置と入り口の方向は覚えていたのだろう。咄嗟に出久が丸顔を掴んで、ビルの中へとぶん投げたのだ。俺がテープを巻くよりも速く。味方をぶん投げるとか嘘だろ、お前。
俺に襲った風は、その時に発生した風。投げるだけで風を起こすとか、本当にオールマイトみたいな化け物身体能力である。あの人の個性を継いでいるのだから当たり前なんだけど。
「目くらましが成功したなら、何も言わなければどちらを狙ってるのか分からなかった。でも、目が見えない状態でわざわざ私の名前を言うメリットなんてない。私が警戒するだけだから。つまり、ただの嘘だった、でしょ?」
成程、俺は何も言う必要が無かったと。何が「 目が使えないからこそ、頼れるのは聴覚だけ」だろうか。恥ずかし過ぎて、今なら死ねるわ。
「説明ありがとよぉ、出久! くたばりやがれぇ!」
恥ずかしさを誤魔化すのもあるが、目潰しが効いている内に攻めた方が良いに決まっている。多少なりとも目が見えるようになったのか、こちらを見ているが、目の焦点が定まっていない今が好機。
地面に向かって、思いっきり爆発を起こす。爆煙と巻き上がった粉塵で視界を出久の視界を潰す。
目が見えない状態でありながらも、即座に俺に向かってパンチを繰り出してきた。
「デトロイト・スマッシュ!」
”OFA”によって増強された身体能力が放つパンチはオールマイトを幻視する高速のパンチだった。何とか、紙一重で避けるが、パンチの風圧だけで煙は散り、風が俺の頬を切り裂き、油断すれば吹き飛ばされかねない風を生む。一旦、距離を取って風が止むのを待つべきか……
いや、ここで引いたらなんつーか負ける気がする。男の意地的なやつで。
「爆速ターボ!」
両の掌を後方に向けて、爆発を起こす事でその風以上の推進力が俺を前に進ませる。”爆破”は確かに人体に使うには危険過ぎる個性だが、出久相手にそんな舐めプはちょっと失礼過ぎたな。お前相手には、個性解禁だ。怪我したらリカバリーガールに治してもらえ。
「パンチにはパンチで返してやるよ、出久」
「まずっ──」
爆速ターボの勢いに任せ、拳を握って出久に振るう。漸く、視界がある程度回復してきたであろう出久は、俺が何かしてくると察したのか、慌てて後ろに跳ぼうとするが遅い。俺のパンチは更に加速するのだから。
「
パンチを繰り出している方の
爆速ターボに加えて、肘の爆発の推進力。それらが組み合わさったパンチは加速に加速を重ね、出久の回避行動よりも素早く、俺の右ストレートが腹部に直撃する。
「うぐっ──」
それなりの1撃だったと思うのだが、痛みに呻く声を上げながらも、その目は俺をしっかりと捉え、闘志に燃えていた。痛みに顔を歪めながらも、俺の腕を自分の左手で掴んで、右腕からまたスマッシュを繰り出そうとしている。
「
肘から爆発を起こしたように、俺は掌以外からも爆発が出来る。勿論、拳からも。出久のスマッシュが俺に届く前に拳から爆発を起こす。
黒い爆煙が晴れると、そこには立つ俺と倒れる出久がいた。
『
どうやら、眼鏡委員長の方も丸顔を倒したらしい。まぁ、丸顔の手に触らなければいいだけだから、足が速いあいつなら何とでもなるだろ。
それにしても、気絶した出久をどう運ぼう……なんて事を俺の爆発で軽く火傷した場所を冷却剤で軽く冷やして、応急処置しながら考えていた。冷却剤は俺の個性の事を考えて、ポケットに忍ばせておいたのだが、それが功を為してくれたようで何より。
久しぶりにcode veinやったらガスマスクに魅了された中二病患者の作者です。
作者の趣味をフルに詰め込んだ中二病戦闘服ですね、はい。ガスマスクは譲れない。
加速殴打をイグナイト・スマッシュと呼ぶ作者の頭が心配です。イグナイトって発火とか点火って意味なのに、どこから加速が湧いて来たんだ……
犯人はパス特化のシックスマン君です。もしかしたら「
轟焦凍を焦凍ちゃんにするか、焦凍くんにするか。どうしましょう?
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焦凍ちゃん見てみたい!
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焦凍くんのままでいい
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ぶっちゃけ、どってでもいいよ