この話で完結となります
今日は櫛灘家にいない方が良さそうだと思った坂田金時は、書き置きを残して櫛灘家から出ると近場の山へと向かう。
小説の挿し絵にでも使えるかと思って山中で自然の風景をスケッチしていた坂田金時は、近付いてくる複数の気配を察知し、スケッチに使っていた紙と鉛筆を鞄にしまうと構えることなく自然体で待ち、気配の主達が現れるまで青空を眺めていた。
雲1つない青い空が、とても綺麗だなと考えていた坂田金時の前に現れた八煌断罪刃。
誰1人欠かすことなく8人全員が揃っている八煌断罪刃が静動轟一を使って身体能力を引き上げていて、八煌断罪刃の8人が連携して坂田金時に襲いかかってくる。
本来の実力は超人級でありながら極めた静動轟一によって坂田金時の身体能力に近付いていた世戯煌臥之助。
無敵超人、風林寺隼人と並ぶ伝説の二天閻羅王、世戯煌臥之助が極めた静動轟一で身体能力を上昇させて振るう二刀。
不動の武士、來濠征太郎が間合いを詰めて突き出す小太刀。死神と踊る武王、ミハイ・シュティルベイが刈り取るように動かした大鎌。
百本武芸、立華凛が両腕を使って連続で突く十文字槍。恍惚武姫、保科乃羅姫が薙ぎ払う薙刀。
装甲武帝、マーマデューク・ブラウンが振り下ろすハルバード。偃武の執行人、エーデルトラフト・フォン・シラーが斬り上げるエクスキューショナーソード。
重瞳武弓、ミルドレッド・ローレンスが放つ弓矢。静動轟一を用いて身体能力を本来の実力以上に引き上げている八煌断罪刃全員の攻撃を、武術を用いることなく単なる身体能力だけで容易く回避していった坂田金時。
世戯煌臥之助を中心として連携された八煌断罪刃の攻撃が坂田金時に当たることはない。
一時的に超人級に至っている7人と超人級すらも超えた領域に辿り着いている1人が完璧に連携していても坂田金時には全ての動きが見えているようだ。
実力が段違いである坂田金時は、一瞬で八煌断罪刃全員を倒すことができるが、全力の世戯煌臥之助の動きを見る為に手加減していた。
世戯煌臥之助以外の7人の動きと技は全て覚えている坂田金時は、世戯煌臥之助の全てを覚えて、弟子達に対武器の鍛練を積ませる時に八煌断罪刃8人の武術を使ってみようかと考えていたらしい。
坂田金時がそんなことを考えていなければ、この戦いが直ぐに決着していたことは間違いないだろう。
攻めてこない坂田金時を見て、坂田金時が手加減していることには気付いていた八煌断罪刃。
しかし坂田金時が自分の弟子達の教材にする為に八煌断罪刃を利用しようとしていることには気付けてはいなかった。
妖拳怪皇、坂田金時を殺さなければ久遠の落日は失敗すると考えている八煌断罪刃は全員全力で坂田金時を殺そうとしていたが攻撃は全て避けられていく。
1番坂田金時に身体能力が近付いている世戯煌臥之助の二刀が坂田金時に触れられもしない。
八煌断罪刃が技を放とうが全て坂田金時に見切られて回避されていき、空だけを斬る武器。
坂田金時を囲み、全ての方向から連携して武器を振るう八煌断罪刃に残像だけを残して攻撃を避けていく坂田金時。
静動轟一の限界が来る前に八煌断罪刃7人で坂田金時の動きを封じることに徹して世戯煌臥之助が渾身の奥義を放つという連携攻撃。
放たれた世戯煌臥之助の真剣涅槃滅界曼荼羅は坂田金時に受け止められて、二天閻羅王、世戯煌臥之助の全ての技を見たと判断した坂田金時は攻撃を始めていく。
手始めに世戯煌臥之助の四肢の関節を素早く外して持っていた二刀を奪い取った坂田金時は、見ただけで完璧に覚えた世戯煌臥之助の動きで八煌断罪刃8人に峰打ちを叩き込んだ。
完全に気を失った八煌断罪刃達から武器を奪い取って持ち帰っていく坂田金時。
持ち帰っていった八煌断罪刃達の武器を坂田金時は、弟子達の対武器の修行に使うらしい。
八煌断罪刃全員の技と動きを完璧に覚えている坂田金時はジークフリートと櫛灘千影を、静動轟一を使っている八煌断罪刃に勝てる程度の実力まで鍛えていくつもりのようだ。
ジークフリートを櫛灘家に呼び出した坂田金時は、さっそくジークフリートと櫛灘千影を相手に武器を使った対武器の鍛練を積ませていく。
弟子達が慣れてきたら武器を変えていき、新たな武器を使った動きと技で弟子達と戦っていく坂田金時は、始めは手加減していたが徐々に手加減を緩めていき、今では特A級の達人すらも超えた動きで動いていた。
かなり手加減していても準超人級の動きをしている坂田金時に弟子達は怯まず立ち向かう。
準超人級の動きに対応していったジークフリートと櫛灘千影は特A級すらも超えていき、ついに準超人級の領域に到達する。
弟子達の実力を引き上げていった坂田金時は、特A級を超えた弟子達がもっと強くなれるように更に激しい鍛練を積ませていったようだ。
武器を使った対武器の鍛練で弟子達を怪我させないように気をつけていた坂田金時。
この2人ならもっと強くなれそうだと弟子達を見て思った坂田金時は、弟子達の身体が壊れないように修行内容を調整していき、暇な時間を狙って定期的にジークフリートを櫛灘家に呼び出す。
櫛灘家で修行を行っていくと実力が凄まじい勢いで上昇していった坂田金時の弟子達。
日々修行を積み重ねていった努力はジークフリートと櫛灘千影を裏切ることはない。
高校を卒業する前には、超人級の領域にまで到達していたジークフリートと櫛灘千影。
これで静動轟一を使った八煌断罪刃7人とは互角の実力にまで辿り着いていた坂田金時の弟子2人。
超人級の弟子が2人いても満足していない坂田金時は、更に先を目指して弟子達を育てていく。
自分が居なくても弟子達が殺されないようにしたい坂田金時は弟子達を超人級を超えた領域に向かわせようと更に修行を積ませる。
風林寺美羽と結婚する為に風林寺隼人に勝ちたいと考える白浜兼一も櫛灘家を訪れるようになり、梁山泊の修行に加えて坂田金時の修行もする白浜兼一。
これまで梁山泊で鍛えられた白浜兼一の身体は、凄まじい修行にも耐えていった。
活人拳として使えるものはなんでも使って勝ちにいくつもりの白浜兼一は、本気で風林寺隼人に勝ちたいと考えていて、なんとしても美羽さんと結婚するという気持ちを原動力に動いていたらしい。
白浜兼一の想いを応援する坂田金時は、修行に手を抜くことはなく容赦なく白浜兼一を鍛えていく。
先を進んでいる坂田金時の弟子達の存在が白浜兼一の負けん気を刺激していたようだ。
何度倒れようとまだまだと立ち上がる白浜兼一を見て、坂田金時の弟子達も負けてられないという気持ちになっていた。
競い合う相手が居ると伸びが違うと知っている梁山泊の面々も、梁山泊での修行を終えた白浜兼一が櫛灘家に行くことを止めることはない。
凄まじい修行を経て、見事に気の掌握を成功させて達人にまで至った白浜兼一。
達人に到達した白浜兼一に合わせて手加減の度合いを変えた坂田金時は、更に白浜兼一に修行を積ませる。
梁山泊の修行も一段と厳しくなっていたようで白浜兼一を風林寺隼人以上に強くする為に師匠として試練を与えていく梁山泊の面々。
倒れ込んで魂が擦りきれそうですと言った白浜兼一に、美羽ちゃんと結婚するんだろうと言って立ち上がらせた坂田金時。
何度倒れようと心が折れることのない白浜兼一を見ながら、坂田金時の弟子達も激しい修行を積む。
弟子達が大切だからこそ強くなってほしいという坂田金時の気持ちを理解しているジークフリートと櫛灘千影。
坂田金時の弟子というだけでジークフリートと櫛灘千影の2人が、闇の武器組の上位である八煌断罪刃に狙われる可能性は高い。
だからこそ八煌断罪刃の動きと技を知っている坂田金時は、弟子達にも八煌断罪刃の全てを教えていき、自分の弟子達が八煌断罪刃に殺されないようにしていく。
静動轟一を極めた世戯煌臥之助よりも強くなるまで弟子達を鍛えるつもりの坂田金時が目指す先は遠いようだが、日々修行を積み重ねて確実に1歩1歩進んでいる坂田金時の弟子達。
組手をするジークフリートと櫛灘千影を見ながら思いついた小説をパソコンに打ち込んで文章にしていく坂田金時。
弟子達の激しい組手が終わるまでに1つの小説を完成させていた坂田金時は、できあがった作品を友人に送信する。
しばらくしてから作品を見た感想が坂田金時の友人から送られてきて素晴らしい作品だと小説を絶賛する内容だったようだ。
作家として小説を書いていたり、護衛として仕事をしていたりもしている坂田金時は、忙しい日々を過ごしていても弟子達の修行に手を抜くことはない。
ジークフリートが高校を卒業して更に本格的に音楽家として活動を始めていき、白浜兼一は大学生となって作家となる勉強も進めていく。
高校3年生となった櫛灘千影は最後の高校生活を楽しんでいたようで、園芸部として活動していた。
白浜兼一に教わった花の育て方もしっかりと覚えている櫛灘千影は園芸部で再び花を花壇で育てていき、適量の水を花壇に埋めた種にかける。
高校生活にも慣れて、普段高校で話す相手や遊ぶ相手も増えており、賑かに過ごしていた櫛灘千影。
櫛灘家で一緒に過ごしている坂田金時に櫛灘千影は高校での出来事を話すこともあり、楽しげな櫛灘千影に安心していた坂田金時。
今日も修行をすることになり坂田金時と組手をしていくジークフリートと櫛灘千影に白浜兼一。
ジークフリートと櫛灘千影に比べて、まだ達人の領域である白浜兼一が大怪我をしないようにしっかり手加減していく坂田金時は、それぞれの実力を正確に把握しており、手加減を間違えることはない。
順番に1人ずつ戦うこともあれば、全員一緒に坂田金時と戦うこともある組手。
今回は1人ずつ戦うことになるようで、最初はジークフリートが坂田金時に挑む。
超人級を超えた領域に辿り着いているジークフリートでもまだ届かない坂田金時の実力は凄まじく、手加減した坂田金時に圧倒されるジークフリート。
弟子を鍛える為に数多の武術を用いて戦う坂田金時は、ジークフリートに武術家として経験を積ませていった。
ジークフリートの次は櫛灘千影であり、櫛灘流柔術を受け継ぐ櫛灘千影の技量を更に高める為に激しい組手を行っていく坂田金時。
兄弟子のジークフリートと同じく超人級を超えている櫛灘千影であっても坂田金時には追いつけておらず、手加減した坂田金時に投げられる櫛灘千影。
武術も動きも変えて別人と戦っているような気持ちにさせる坂田金時は、数多の武術で弟子を育てる。
坂田金時との激しい組手によって鍛えられていったジークフリートと櫛灘千影は、更なる領域へと進むことができたようだ。
最後は白浜兼一の番となり、立派な達人となっている白浜兼一より上程度に実力を抑えた坂田金時との組手が始まっていき、全力を出して組手で戦う白浜兼一は、これまでの修行で身につけた技の数々を坂田金時に放つ。
ティー・ソーク・トロンからティー・ソーク・ボーンに続いてティー・ソーク・ラーンを放ち、最後に拳槌を振り下ろす拳槌打ちを繰り出す最強ショートコンボを近距離で使っていく白浜兼一。
それだけに留まることなく魂が磨り減るまで鍛えた技である双纏手という双掌打を放ち、素早く距離を詰めて気をつけの体勢から、4つの武術の要訣を組み合わせた突きである無拍子を繰り出す。
避けられる技を全て受け止めている坂田金時は白浜兼一の正確な実力をより詳細に感じ取る為に、あえて白浜兼一の技を受け止めていた。
自分が出せる技の中で1番威力がある蹴り技の孤塁抜きを放った白浜兼一は、出せる力の全てを込めた孤塁抜きを坂田金時に片手で受け止められ、片足を掴まれて引き寄せられた状態で反撃の拳を喰らって吹き飛んだ。
一撃で気を失った白浜兼一に活を入れて起こした坂田金時は、どこが悪かったのか自分でわかるかなと問いかけていく。
安易に孤塁抜きに頼ったのが駄目だったような気がしますと答えた白浜兼一に、そうだね、大技を使う前にもっと他の技を使って、使うべきタイミングを確かめてから孤塁抜きを使った方が良かったかなと坂田金時は言う。
坂田金時からアドバイスを受けた白浜兼一は坂田金時に感謝をして梁山泊へと帰っていった。
風林寺隼人に勝たなければ風林寺美羽の夫にはなれない白浜兼一は坂田金時との組手を糧にして実力を更に高めていき、日々の積み重ねで強くなる。
ジークフリートと櫛灘千影にも助言をした坂田金時は、自分の弟子達にも更に強くなってもらいたいと思っていたようだ。
組手も修行も終わり、それでは我が師よ、これで失礼しますと言って櫛灘家から去っていくジークフリート。
一緒に夕飯を作りましょう金時師匠と言った櫛灘千影と共に手を洗ってから台所に移動した坂田金時。
身長が少し伸びたとしてもまだ台所が高い櫛灘千影に台を用意した坂田金時は、弟子の櫛灘千影と一緒に台所で料理を始めていく。
今日は焼きサンマに大根おろしをつけて、味噌汁は野菜たっぷりの豚汁にしようかと言った坂田金時は豚汁に入れる野菜を櫛灘千影に渡していき、切ってもらう。
大根をすりおろした坂田金時は櫛灘千影が切った野菜と一緒に豚肉を炒めて火を通す。
出汁と昆布に水を入れた圧力鍋に炒めた野菜と豚肉を入れて煮込んでいき、沸騰して浮いてきたアクを丁寧に取って最後に味噌を入れて味を整えた。
次はサンマを焼いていき、焦がさないようにひっくり返してしっかりと両面が焼けて完全に火が通るまで待つ。
焼きサンマが完成したら皿に乗せて大根おろしも用意していき、温め直しておいた豚汁をよそう。
炊いていた御飯を茶碗に盛り、できあがった料理と一緒に食卓へ運ぶ。
櫛灘千影と並んで食卓に座り、両手を合わせて、いただきますと言った坂田金時。
味をつけてはいない焼きサンマに大根おろしと醤油をかけて食べていく櫛灘千影。
豚汁をおかずにご飯を食べる坂田金時は、美味しくできていて良かったと内心で思いながら無言で頷く。
食事中は喋ることのない坂田金時と櫛灘千影は静かに食事を続けていき、何も喋ることなく意思が通じる程度には食事を共にしている2人。
一緒に作った豚汁が美味しかったようで直ぐに空になった櫛灘千影の椀。
豚汁のおかわりがほしい櫛灘千影に無言でおかわりを用意した坂田金時が櫛灘千影に豚汁が入った椀を差し出す。
頭を下げて感謝をした櫛灘千影は受け取った椀に入っている豚汁を食べていった。
しばらくして食事が終わり、ごちそうさまでしたと言った坂田金時と櫛灘千影の2人は、空になった食器を食器用の洗剤をつけたスポンジで洗っていく。
泡を水で洗い流していき、水気を拭いた食器を戻していった坂田金時と櫛灘千影は、仲良く会話しながら作業をしていたようだ。
作った豚汁が美味しかったという話をしたり、サンマが良いサンマで大根おろしと醤油でちょうど良い味になったと話したりしていた坂田金時と櫛灘千影。
洗い物が終わったところでデザートもあるけど食べるかなと聞いた坂田金時。
もちろん食べますと答えた櫛灘千影は、金時師匠が作ってくれるデザートが毎日の楽しみですと内心で思っていたらしい。
用意されたデザートを食べた櫛灘千影は、幸せであると一目でわかるような表情になっていて、よほど坂田金時が作ったデザートが美味しいようである。
美味しいかいと聞く坂田金時に、美味しいですと即答する櫛灘千影は物凄く幸せそうな顔をしていた。
まあ、そこまで喜んでくれたなら作った私も嬉しいよと言って坂田金時は笑う。
あっという間にデザートを食べ終えてしまった櫛灘千影に、おかわりは必要かなと問いかける坂田金時。
必要です金時師匠と即座に答える櫛灘千影の前にデザートのおかわりを置く坂田金時は、食べ過ぎは良くないからこれで終わりだよとデザートを食べさせ過ぎることはない。
おかわりのデザートを食べ終えて満足した櫛灘千影にお茶を用意した坂田金時は、櫛灘千影の隣に座って自分のお茶を飲む。
お茶で口の中がさっぱりした櫛灘千影は、湯飲みのお茶を飲み干す。
坂田金時がお茶を飲み終えた時に櫛灘千影は距離を詰めて坂田金時に寄りかかっていった。
坂田金時は体重を預けてきた櫛灘千影を支えながら頭を優しく撫でていく。
どうしたのかな、千影ちゃんと言う坂田金時に、金時師匠は、わたしのことをどう思っていますかと聞いていた櫛灘千影。
少し考えてから自分の正直な気持ちを話そうと思った坂田金時は、そうだね、可愛くて大切な弟子で、守っていきたい存在で、私よりも長生きしてほしいと思っているよと答えた坂田金時は真剣な眼差しで櫛灘千影を見る。
とても嬉しいです金時師匠、でもわたしは悪い子なのかもしれません、それだけじゃ足りないって思ってしまいましたと言い出した櫛灘千影は坂田金時の頬に手を伸ばした。
頬を優しく撫でる櫛灘千影の手は熱を帯びていて、坂田金時の頬に熱が移っていく。距離が近い坂田金時と櫛灘千影は互いを見ており、坂田金時は櫛灘千影の次の言葉を待つ。
金時師匠と一緒に過ごしていると幸せだなって思えることが凄く多いんですよ、だから金時師匠には感謝をしています、ありがとうございます一緒に生活してくれて、と言って微笑む櫛灘千影。
立派な大人になるまで一緒にいてくれると言ってくれたことも嬉しかったですけど、もっと一緒にいたいと思ってしまうんです、金時師匠とずっと一緒にいたいと思ってしまうんですよ、と櫛灘千影は言った。
でもこの先は、まだ言いません、わたしがもっと強くなってから金時師匠に言います、それまで待っていてくれますか金時師匠と言う櫛灘千影に、いくらでも待つけれど、きっと千影ちゃんが望む答えは返せないよと言って櫛灘千影を見る坂田金時。
美雲師匠には負けませんからと言いながら坂田金時に抱きついた櫛灘千影は嬉しそうな顔で笑う。
満足するまでしばらく坂田金時に抱きついていた櫛灘千影は、坂田金時から離れると、金時師匠、明日も修行と組手をよろしくお願いしますね、それでは、おやすみなさいと言って笑顔で去っていく。
櫛灘千影という弟子に自分が物凄く好かれていることを気付いている坂田金時は、さて、これからどうしようかと非常に頭を悩ませていたようだ。
悩みながらも日々を過ごしていく坂田金時は、修行とは別に思考を続けていても的確に弟子達と白浜兼一を鍛える。
小説で再び賞を取った白浜兼一を祝う新白連合の集まりとやらで、弟子達と白浜兼一が不在で坂田金時に暇ができていた。
そんな時に櫛灘美雲から連絡を受けた坂田金時は、シャワーを浴びて服を着替えてから出かけることにしたらしい。
待ち合わせていた場所で合流した坂田金時と櫛灘美雲は、駐車場まで移動すると高級車であるスーパーカーに乗り込んで、ドライブをすることになった2人。
それからスーパーカーで乗馬ができる場所まで行って一緒に乗馬をした坂田金時と櫛灘美雲。次はゴルフ場に行き、ゴルフをした坂田金時と櫛灘美雲の2人は、主に櫛灘美雲の趣味に付き合う形で楽しむ。
ドライブ、乗馬、ゴルフ、を終えてから食事を済ませた坂田金時と櫛灘美雲は、夜景が綺麗に見える場所まで車で行き、2人で眺めていた。
何か悩んでいるようじゃな金時と言ってきた櫛灘美雲に、そうだね、悩んではいるねと頷いた坂田金時。
金時を好いておる千影のことかのうと言う櫛灘美雲に、よくわかるねと言った坂田金時は櫛灘美雲を見る。
金時のことは誰よりもよくわかっておる、それに千影の気持ちもある程度は想像がつくからのう、千影の元師匠としては当然じゃな、と言いながら櫛灘美雲は坂田金時の頬に触れた。
正直に言えば金時に想いを寄せる女は殺してやりたいが、金時にとっては大事な弟子であるからのう、金時は必ず守りきるじゃろうな、だから殺せぬと言うとため息をつく櫛灘美雲。
わしは金時を誰にも渡すつもりはないがのうと言った櫛灘美雲は、坂田金時に口付けをする。
金時を閉じ込めて誰にも触れさせないようにしたいという気持ちになることもあるが、誰にも縛られることがないのが金時じゃからのう、直ぐに逃げられてしまうことはわかっておる、今夜の金時を朝まで独り占めできるだけで満足しておくとするかと櫛灘美雲は考えていたようだ。
夜から朝まで2人だけの時間を過ごした坂田金時と櫛灘美雲だが、満足している櫛灘美雲の肌が艶々していて、とても幸せそうな顔で寝ている櫛灘美雲が起きるまで待っていた坂田金時。
1日程度寝ていなくても問題はない坂田金時は櫛灘美雲の寝顔を見て、昔のことを思い出していたらしい。
遊び疲れていつも美雲が先に寝てしまっていたなと坂田金時は昔を思い出して笑う。
山で美雲と出会ってから随分と長い付き合いになったなと考えていた坂田金時は、熊を投げ飛ばして思いついた坂田金時という自分の名前も随分としっくりくるようになっていると感じていた。
坂田金時になる前の自分の名前は、やっぱり思い出せないな、でもそれで良かったのかもしれない、坂田金時として新しく生きていくことができたからなと坂田金時は頷く。
美雲と出会えたことは幸運だったんだろうな、というか私が助けなかったら美雲は熊に喰われていたんじゃないかという気がするから美雲も幸運だったのかもなと考えた坂田金時は、あの時美雲を助けられる力があって良かったと思いながら寝ている櫛灘美雲の頭を優しく撫でる。
頭を撫でられても起きることのない櫛灘美雲は完全に安心して熟睡していたようだ。
殺気を感じれば起きることは間違いないが、坂田金時という存在を信頼していることで熟睡できている櫛灘美雲。
全く起きない櫛灘美雲が自然に起きるまで待ち続けている坂田金時は、櫛灘美雲と過ごしてきた過去を色々と思い出す。
楽しかったこともあれば敵対したこともよくある櫛灘美雲と坂田金時は複雑な関係だと言えるかもしれない。
まあ、何があっても美雲と私の縁が切れることはないんだろうなと思っていた坂田金時は寝ている櫛灘美雲を穏やかな顔で見ていく。
本当に幸せそうな顔で美雲は寝ているなと考えた坂田金時は、寝顔を見ながら思いついた小説を脳内で書いていき、完成させると、これは誰にも見せたくないから私の脳内にしまっておくとしようと判断して考えを打ち切った。
闇との戦いのない穏やかな日を過ごすことができていた坂田金時が待っている櫛灘美雲の目覚めは、まだまだらしい。
今日は随分とよく眠っているなと思った坂田金時は、まあ、好きなだけ寝ればいいさと焦ることはなく、気長に待つことを決める。
完全に熟睡中であった櫛灘美雲が目覚めたのは、それから3時間が経過してからだったようだ。
おはよう美雲、よく寝ていたねと笑いかけた坂田金時に、朝目覚めて初めて見るのが金時だと嬉しいのうと言って笑った櫛灘美雲。
一緒にシャワーを浴びるぞ金時と言い出した櫛灘美雲に、起きてからずっとテンション高いねと思いながらも付き合っていく坂田金時。
シャワーを浴びてさっぱりした坂田金時と櫛灘美雲は、朝食を食べに向かう。
朝からしっかりと軽い朝食を食べた2人は町中を腹ごなしに歩いていき、穏やかな日常を過ごす。
久遠の落日が成功していたら訪れることはなかった穏やかな生活を楽しむことができているのに、美雲は久遠の落日を諦めてはいないと感じていた坂田金時は、美雲も穏やかな生活を楽しんでいたのに、久遠の落日を諦めてくれないのは何故かなと櫛灘美雲に聞いた。
戦いなき世界では人は、動物にも劣る空っぽな何かになり果ててしまう、歴史が証明するように、人は、戦の中でのみ、人でいられるのじゃ金時と答えた櫛灘美雲。
ある程度は戦いが必要なのかもしれないけど、久遠の落日による世界大戦は、どう考えてもやり過ぎだよ美雲と坂田金時は言うと櫛灘美雲を迷いない真っ直ぐな眼差しで見る。
幼い頃わしの命を救ってくれた金時が自由に力を振るえるようになる世界が来ることは、悪いことではないと思うがと言ってきた櫛灘美雲に、確かに美雲を熊から救えたのは私に力があったからだけど別にこの力が自由に振るえなくても私は構わないよと言った坂田金時。
金時にとって世界は窮屈ではないのかのう、わしは窮屈じゃがなと言うと櫛灘美雲は坂田金時に手を伸ばす。
手を繋いで歩いていく坂田金時と櫛灘美雲は、町中を歩きながら会話を続けていき、選んだ道が違う2人が同じ道を歩いていった。
わがままを言うのは昔からわしの方じゃったな、金時がわがままを言っておるところは見たことがないのうと言いながら歩いていく櫛灘美雲の手を引いて坂田金時は前に進んだ。
そうだね、美雲にわがままを言ったことはないかなと坂田金時は頷いて歩いていく。
じゃあ、初めてわがままを言ってもいいかな美雲と言うと立ち止まった坂田金時は櫛灘美雲を見ながら懐から指輪を取り出すと、私と結婚してくれないかと自分の想いを言葉にして伝えた。
物凄く驚いてから嬉しくて目から涙を溢れさせた櫛灘美雲は、はい、と坂田金時に答える。
よかった、断られたらどうしようかと思ったよと笑う坂田金時。
わしが断るわけないじゃろうと言いながら涙を流したままの状態で櫛灘美雲は微笑む。
笑っている美雲が、やっぱり綺麗だなと思っていた坂田金時は、色々と考えなければいけないことはあるけど今は素直に喜んでおこうと判断したようだ。
どうやら幸せになれそうだと考えた坂田金時は、櫛灘美雲の涙を拭って、愛してるよ美雲と抱きしめていく。
坂田金時に抱きしめられた櫛灘美雲は、とても幸せそうな顔をしていて、喜んでいたことは間違いない。
わしも金時を愛しておるとだけ言った櫛灘美雲は、坂田金時から結婚を申し込まれたことが物凄く嬉しかったようで、ずっと笑顔でいた。
とても長い付き合いである坂田金時と櫛灘美雲の2人の関係がこれからは少し変わっていくだろう。
プロポーズをするまでに随分と時間がかかってしまったような気がすると考えていた坂田金時。
それでも伝えたいことを伝えられて良かったと思った坂田金時は、とても晴れやかな気持ちになっていたらしい。
これから大変だと思うけど、まあ、頑張っていこうと考えて坂田金時は笑った。
櫛灘美雲の幼なじみになった転生者は、幼なじみの櫛灘美雲とずっと一緒に過ごしていく。
ただ、それだけだ。
去年で完結させるつもりでしたが色々なことがあって今年になり、なんとか完結させることができました
前作とはまた違う作品になっていたら嬉しく思います
最後まで読んでくださってありがとうございました