攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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鬼に金棒!アンジェとランレイ、あと葵!!

「あ、相変わらずおばあちゃんからの信頼が薄い気がするのもどうかと思うけど! とにかくそう決まったってんなら行くわよランレイ、葵! 私らトリオチームの、これが初戦ってやつよ!!」

「クワァァァァッ!! クゥウォォォォォォォッ!!」

 

 祖母にしてWSO特別理事である、マリーさんたっての希望ということで今後ランレイさんと葵さんとの三人で行動することとなったアンジェさん。

 能力者犯罪捜査官の仕事をバトルだけだと誤解してるだなんて、相変わらず孫には手厳しい評価をしてくることに唇を尖らせつつも部屋へと突入すれば、そこに待ち構えていたモンスターが戦意も顕に鳴き声をあげた。

 

 A級モンスター、ライトニングファルコン。結構有名なやつで、そのフォルムと特徴から"かっこいいモンスター"の一例として人気が高かったりする。

 ライトニングというだけあって、紫電を纏い放電しまくっている巨大な隼なのだ。2mほどもある怪鳥で、しかもその翼は金色に煌めき、派手なエフェクトマシマシですらある。

 

「よ、よろしくね葵ちゃん────いいや葵ッ!! 心強い存在だッ、ともにモンスターを仕留めてみせよう、新たなる友よッ!!」

「はっはっはー! なんか勢いのままにヌルーっと新チームでのバトルスタートですが、ライトニングファルコンとは相手にとって不足なしですね! というわけでさっそく支援しますよ《雷魔導》! サンダーバリア・フィールド!!」

「! 先ほどのサンダーウェーブ・フィールドとはまた、別の技!」

 

 ランレイさんもバトルモードに突入、葵さんもフーロイータを携えてアンジェさんへと続く。

 さあ、バトルだ。開口一番さっそくニュー・カマーである葵さんの支援技が飛んだ。さっきのとは名前が違う、おそらく別口の支援技だ。

 

 先ほどのサンダーウェーブ・フィールド同様、部屋全体にフーロイータが増幅した《雷魔導》の電撃が拡散する。

 ウェーブのほうはそれをもって味方の攻撃支援につなげていた──あらゆる攻撃に、追加で電撃による一撃をプラスするという破格の効果を備えていたんだけれど。

 今回はサンダーバリアというんだ、あからさまに防御支援の効果だろう。

 

「葵! 今度はどんな素敵な技かしら!?」

「サンダーバリア! あらゆる敵の攻撃を一分間、みなさんの周囲に張った電磁バリアがオートで弾き飛ばして撃退します! まあ、あんまり強烈なのだと貫通されちゃうのが玉に瑕ですけどね!」

「葵……攻撃ばかりじゃなく、防御部分の支援法も編み出してるよねそりゃあ。ハッハッハー、そういうところは光太郎くん譲りかな。いつでも仲間を想っていた、あの大親分の血筋なだけはある」

 

 やはりか。サンダーウェーブのほうが追加攻撃効果なら、サンダーバリアのほうは当然追加防御というべきか、むしろ自動防衛効果だろうとは思っていた。

 こういうところ、葵さんの適性はどうにも支援方面にこそ向いている気はするよ。前に出て戦うのでなく、仲間がそうするのを支援していくサポーター、あるいはバッファーか。

 

 エリスさんなんかは葵さんのそんな姿に、彼女の祖父である早瀬光太郎さんの遺伝子を見たみたいだ。

 第三次モンスターハザード解決の立役者。その後も早瀬会の大親分として中部地方はおろか、この日本の探査史にも名を刻んだ大探査者。伝え聞く限りでも偉大なるその人もまた、今の葵さんのようだったのかもしれないね。

 

「電撃による障壁!! 攻撃支援のほかにもこんな手札を持つかッ!! ならばここは、防御はそれに任せて攻めるのみかアンジェッ!!」

「面白い……! 元より護るよか攻め立てるのが性分なのよねぇ! ありがたいわ、まったくさあッ!!」

「怖ぁ……」

「マリーさんが危惧するのも分かる前のめりぶりですね……まあだからこそ、バトルの実力は信頼できるのですが」

 

 基本的に二人揃ってバトルジャンキーゆえ、超攻撃的な傾向のあるアンジェさんとランレイさん。

 そんな彼女らからすれば、オートディフェンスとも言うべきサンダーバリア・フィールドはむしろ追加攻撃よりも相性がいいと判断したんだろう。嬉々として獰猛な笑みを浮かべ、ライトニングファルコンへと駆け出していく姿は率直に怖い。

 

 これには香苗さんも苦笑いしているけれど、しかし不安気や疑念は見られない。探査者としての戦闘力、実力においては二人を信じていることがよくわかる反応だ。

 俺やエリスさんも同様だ……バトルそのものへ傾倒しているところはちょっと理解できないところはあるけれどね。その腕前、強さ、そしてなんだかんだと使命感と信念を貫くところはマリーさんの心配だって杞憂だと思えるくらい、立派なものだと思えるもの。

 

「クワァオオォォォォォッ!! クワァァァァァッ!!」

「ッ──どうぞご遠慮なく突っ込んでくださいお二人とも! 私もできる限りの、ことを!!」

「サンキュー葵! やるわよぉ、ランレイ!!」

「後顧の憂い無し! 行くぞ、アンジェリーナッ!!」

 

 あたり構わず放電しまくるライトニングファルコンだが、なんら怯むことなく突っ込む能力者犯罪捜査官二人。

 そしてその後ろからの支援者、葵さんも続けて駆け出す。サンダーバリア・フィールドによるある種の防御結界のなか、そうして三人の戦いが始まった!




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