Dr.Monster~科学でモンスターの謎を暴け~   作:アママサ二次創作

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第20話 竪穴式住居・3

「そこに差してこっちにのせろー」

「オーライ、オーライだ、ニャ!」

「1回しか言ってねえのに良く覚えてんな」

 

 背の小さいアイルー達に人間サイズの建築は厳しい、かと思ったが、人間より小柄な体と猫由来のバランス感覚を活かして支柱に登って見事に作業をしてくれている。千空はどちらかというと重たい木材運び係兼現場監督だ。

 

「センクー、ささできたニャ」

「おーサンキュ。そんじゃあお前らもこっちに参加してくれ」

「ハルと同じことニャ?」

「2匹でペアになってやってくれ」

「りょーかいだニャ!」

 

 今現在は、床に突き立てた4本の支柱とその上の梁に垂木を乗せ紐で縛る段階に来ており、スペースが狭いので二手にわかれて並行作業をしてもらっていた。垂木もあとわずかでのせ終わるので、最後に4匹全員で作業をしてもらう。ちなみに千空は垂木に枝を縛り付けながら現場監督を最後までする。身長より高い梁に登る能力は千空にはない。

 

「出来たにゃ!」

「ニャ!」

「おーう、そんじゃ次は横棒つけんぞ」

「終わりじゃないニャ!?」

「雨貫通し放題じゃねえか」

「ニャニャア……」

 

 垂木まで出来たことで家の概形が見えてきた。アイルーたちはそれに歓喜しているが、残念ながらまだまったく家は完成していない。家の概念を今一度説明した方が良いだろうか。

 

「家になる建物の条件覚えてっか?」

「寝れるニャ!」

「風がビュービューしないにゃ! あと雨も降らないニャ!」

「そうだ。そうするためには何がいるか、考えてみろ」

 

 千空の出した問題にアイルー達が唸っている間に作業を進める。こういうとき、ハルとナツが悩んだり考えたりするのに対して、フユはよくわからないけど取り敢えずやっておこう、という行動を取り、アキはやってみながら考える、という行動を取る。そしてハルとナツは、大抵しばらくしたら考えるのに飽きて作業に参加してくる。

 

「わかったか?」

「わかんないニャ!」

「正解を教えてやる。風がビュービューしないためには何がいる?」

「むむむ……」

「……木の中だったらふかない、ニャ?」

 

 作業しながらのアキの答えにうなずく。

 

「そうだ。木の中っていうのはどういう場所だ?」

「わかったニャ! 木があるから風が入れないニャ!」

「そうやって、風が入れない場所を作んだよ。そうすりゃ風を防げる」

 

 今のアイルーたちの知能水準を、千空は小学生低学年ぐらいだと思っている。なので、何故風が入らないか、そもそも風とは何か、なんてレベルまで無理に話してしまうつもりはない。いずれアイルーたちから聞かれたら答えるし、知能が成長してきたりしたら教えるつもりだ。

 

「雨も同じだ。木の下なら濡れないだろ?」

「雨宿りニャ!」

「葉っぱが冷たいの止めてくれるニャ!」

「雨は上から落ちてくる。斜めにも落ちてくるが基本上から下だ。だったら、上に何かがあれば雨は当たらねえ」

 

 そういう構造を考えろ。論理的に思考する、という行為そのものをお手本とともに示すことで、千空はアイルー達に思考の成長を促していた。

 

 千空が下の方の地面に近い位置の横棒を結び、アイルー達が、その結んだ横棒に登って上の方から横棒を縛っていく。もってきた繊維を編んだ紐以外にも、剥いだ木の皮なんかも利用する。

 

 その作業にこれまた1日以上の時間がかかり、最後に下から順に、アイルー達が作った笹の塊、茎の部分から追った熊笹を複数重ねたものを、魚の鱗のように重なり合うように並べていく。

 

 下から順に上の方へと結んでいき、天頂部は、笹で出来た壁の側面に穴が空くように設計した。入り口部分にも屋根をつけて、ようやく。

 

 半月近い時間をかけて、ようやく。新たな拠点となる竪穴式住居を作り上げることが出来た。

 

「出来た」

「やったニャー!」

「疲れたニャー!」

 

 歓声を上げるアイルー達と千空の前には、笹で覆われた大きな塊。のように見える新しい家。早速アイルー達が飛び込んでいこうとするのを千空は制止する。

 

「待て、もう1つやることがある」

 

 アイルー達にそう告げた後、あるものを集めてくるように指示した千空は、竪穴式住居の中に入って、4本の支柱の中央付近に穴をほった。そして外で焚いている焚き火に薪をくべつつ、アイルー達が戻ってくるのを待つ。

 

「持ってきたニャ!」

「何するニャ?」

「ハル、それ少しだけ、火の中に放り込んでみろ」

 

 アイルー達が持って帰ったもの、それは海岸沿いならそのへんに普通に生えている松の木の生の葉っぱだ。集めてきたそれをハルが火の中に放り込む。するとしばらくして、もくもくと尋常ではない量の煙が出てきた。

 

「煙を部屋の中で立てる。そうすっと家全体が煙で燻される」

「イブされるニャ?」

「燻す、ってのは、煙がたくさん出てモクモクってなることだ」

「もくもくニャ」

「そうやって家を燻して、虫がつかねえようにする。ついでに家が長くもつようにもな」

 

 出来上がったばかりの竪穴式住居だが、このまま行くと虫の楽園になってしまうだろう。生態系の変わった世界だが、蟻だったりの小さな虫類は千空も確認している。そんな虫にとって、障害物がたくさんある竪穴式住居というのは身を隠しやすく隠れやすい場所になる。

 

 箸のように持った木の枝で燃えている薪を持った千空が、それを落とさないように住居の中に運び入れ、真ん中にあけた穴へと放り込む。それを数回繰り返したところで、アイルー達が拾ってきた松の葉を穴の中へと放り込ませた。

 

「モクモクするニャ!」

「モクモク! ニャ!」

「ウニャー!!」

 

 水分を多く含んだ松の葉が燃焼することで多量の水蒸気が発生して煙となり、更に温度が下がることで煙の量が増える。先に外に出ていた千空が、屋根に開けた煙突代わりの穴から煙が抜けてくるのを見守っていると、煙に巻かれながらアイルー達が飛び出してきた。

 

「しばらくはあのままモクモクだ」

 

 家全体から染み出すように煙が溢れ出している。あの煙が虫除けの成分となることで、家を虫から守ってくれるのである。

 

 

 

 

******

 

 

 

 

 家を燻した煙も一段落したところで、千空たちは帰路の準備を始めていた。せっかく拠点が出来たのになんぞやという話だが、この海に来ているメインの理由は『塩の採取』だ。それを達成する為の道具を取りに戻らなければならないのである。

 

 だが行きとは違って、持ってきたものの一部を置いていくことが出来る。特に寝泊まり用の皮革は、直接地面につかないように住居の中に並べた丸太の上に積んでおいた。他にも石器などの道具類も、全員がそれぞれ持ってきたもののうち半分ほどを置いていく。

 

 他にも採集用のかごと革袋を一部置いて、ツリーハウスの拠点への帰路に出発する。帰り道は行きをそのままたどることになるが、行きで見つけた特徴のある木であったり、対岸の様子や川の蛇行具合などを参考に帰り道をたどる。

 

 そして帰りは少し急いで7時間ほどで家に到着して。

 

 数日間外で過ごし寝る間も惜しんで作業を続けた千空は、疲労でツリーハウスに入った途端に崩れるように睡眠に落ちたのだった。

石神村がどう原作から変化しているかについて。  モンハン世界だとハンターのいる村になってるかな、とか、自然の生命力が高いので原作より人が生きてそうだなとかあります。 後は、石神村は原作だと鉄を扱うという考えがなかったので、武器はボーン系、モンスターの骨を加工したのとかがメインかなとか。 回答選択肢はたくさん作っておきます。

  • 原作そっくり。モンスターは避けている
  • 規模は原作 ボーン武器でモンスターと戦う
  • 規模が大きい ハンターいる
  • モンスターに襲われるので規模は原作
  • モンスター素材加工で発展した村
  • モンスター素材加工でちょっとだけ発展
  • モンスターによって滅亡の危機(イビル等)
  • 瑠璃を助けるのに秘薬がいる
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