今回はリハビリということもありシリアス薄めのギャグ回です。
今日は土曜日。休日だ。
「ま、最近は毎日が休日だけどな。ハッハッハ!」
ベッドで仰向けになったまま、大口を開けて笑う。現在時刻は朝8時、爆笑しているが寝起きである。
何故だろう、今日はとっても気分が良い。気分が良いというか、なんかこう、テンションが上がる。すごく昂る。
カーテンを開いて外を見てみれば、とんでもねぇ風とえげつねぇ雨。台風直撃、季節外れの大雨だ。
「気分はいいが………天気は最悪!これもまた人生ってことかぁ?」
とりあえず、朝飯食うか。
ベッドからバッと飛び降り、台所に軽い足取りで向かう。さてさて、今日の朝飯は何を作ろうか。
確か、卵が結構な数残っていたはずだ。あぁ、あと賞味期限の近いベーコンもあったな。……よし、今日の朝飯はベーコンエッグにでもするとしよう。
台所に隣接した位置に置いてある冷蔵庫を開き、目当てのものを探す。
「ベーコンはどこに入れたっけなぁベーコンベーコン……っとあった。あとは……卵はここのはず……。お、あったあった」
豚バラベーコンを1パックと卵を一つ……いや2つだな。
右手に卵、左手にベーコンを持ち、すぐ横の台所に転がすように置く。
キッチンフックに掛かったフライパンを手に取り、コンロの上に置く。
フライパンに油を適量敷いて、うちのコンロはレバー式コンロなので、レバーを下方向に押して火を点ける。これで準備は完了だ。
「うっし、作るか」
◆
朝食後、歯磨きを済ましたその後、今日は特にすることもないのでとりあえずベッドの上に寝転んで目をつむってみた。二度寝の体勢である。と言っても、今朝は寝起きから元気いっぱいだった俺だ。全く寝れそうにない。
「……暇だな」
エネルギーが有り余っているので体を動かしたいのだが、生憎の悪天候。外出という選択肢は仄暗くなっている。
さてはてどうしたものか。目をつむったまま、首をひねって唸る。
「んー、どうしたもの……か。……あ」
首をひねり過ぎて俺が人間を引退しフクロウと成るのではないかというくらい考え込んだ辺りで、ハッとひらめいた。
「曲、作ろう」
神からの天啓である。ふとした思い付きが、俺の創作魂に火を点けた。
◆
パソコンの画面に食い入るような姿勢で作曲作業を進めていく。作曲するのはかなり久し振りで、なんだかんだでDAWには一ヶ月以上触っていなかったのだが……
「手がとまんねー……!」
フレッシュな音の組み合わせが面白いくらいに止めどなく湧き出てくる。作曲ってこんなに簡単なものだったっけ?
「ここに808突っ込んで……微調整微調整……あー、このグルーヴ最高。天才か?もしや」
ここ最近の出来事のせいで、制作は愚か音楽そのものすらが嫌いになりかけていたのだが、久し振りの作曲をしてみて、今一度再確認した。
俺、音楽が大好きだ。
楽しい。ひたすらに楽しい。その一つの感情に心を支配され、時間を忘れて制作に没頭した。
◆
現在時刻は20時、夜である。
「もうこんな時間……」
制作を始めてから、今の今までのノンストップで作業をしてきた。そして気付いたら11時間くらい経ってた。集中力の鬼かよ俺は。
「飯にするか。ラーメン食いてぇ」
昼食を摂ることをも忘れて制作に取り組んでいたので、べらぼうに腹が減っている。こういう、胃の中がすっからかんの時は決まってラーメンが食べたくなる、こってり系のやつ。なぜかはわからない。
窓の外を確認してみると、空はすっかり暗くなっており、雨が上がっていた。
「雨が降っていない……ということは」
外に出れるということだ。つまりそれは……
「天一にガンダ!!!」
マンションから徒歩五分くらいのところに天◯一品があるの本当に素晴らしい。駅近より価値あるだろマジで。
防寒着を来て、外に出た。
◆
夕食を終え、天下◯品から家に帰ってきた。
「あー、食った食った」
久々にラーメン食ったけど、やはり安定のコッテリMAXだな。美味が過ぎる。
「あー、ねみぃ」
ベットにごろりと転がると、自然と身体の力が抜ける。今日はあまり動いていないのにも関わらず、かなり疲れた。それと同時に、かなり充実していた。やりたいことやって、やなことは考えずに楽しんで、1日が終わる。最高じゃないか。
仰向けのまま、目を閉じて、深呼吸をする。
「明日は何をしようか……」
あぁ、次の朝が楽しみで仕方がない。
◆
翌日。午前7時、天気は快晴。カーテンの隙間から差し込む太陽が眩しくてしょうがない。うっとおしい。
身体が重い。だるい。動きたくない。
目は冴えているのに、まぶたが重い。
「あー、つら」
天候とは真逆の、最悪な気分だ。なに?俺の感情は天気と反比例するシステムなんですか?
コンディション最低。マジ憂鬱。
「ゔぁぁ……う」
なんとか身体を起こし、壁に寄りかかり伝うようにして顔を洗いに行く。
洗面台の鏡の前に立つ俺の顔は、酷いの一言だった。一夜にして何があったんだよ俺の顔面。
俺が昨日と打って変わって寝起きからここまで弱っているのは、今日見た夢が原因だと思う。
ニーゴのみんなと、一緒にいる夢を見たんだ。
☆
その夢では、皆んなとファミレスで楽曲完成の打ち上げをしていた。
『えー、皆さま、お手元のグラスを掲げてください。……はい、それでは、制作の完了を祝って……乾杯!』
『か、乾杯』
『かんぱ~い!』
『……乾杯』
『乾杯。……って、なにこれ』
絵名が呆れたようにこちらを見つめてくる。
『なにってそりゃあ……乾杯の音頭』
『いや、それは分かってるけど』
『なにか不満がお有りで?』
『むかつくわね……』
ジト目の絵名、かわいいね。かわいいからね、そのね、逸る気持ちが抑えきれていない拳を収めてね。それが当たったら痛いよ?俺が。
『ちょっと〜、なにイチャついてんのさー!』
瑞希がコーラを片手に茶々を入れて来たことによって絵名の剛拳を喰らわずに済んだ。助かった。ありがとう瑞希。
『はぁ!?どこをどう見たらイチャついてるように見えるわけ目腐ってるんじゃないの!?』
『……絵名、早口になってる』
『焦ってら〜』
『ぶっ飛ばすわよアンタ!?』
『いや~ん、助けてゆたろー。絵名がボクのことをイジメてくるよぅ』
『おー、よすよす』
瑞稀がわざとらしく引っ付いてきたので頭を撫でてやる。よしよし、俺はいつだってお前の味方だからなぁ……
『……』
次の瞬間、隣に座っていたまふゆが俺の脇腹めがけて手刀をぶち込んできた。
『ぐべっ!……なんスカまふゆさん』
『……ん』
無言で自分の頭を差し出してくるまふゆ。……ははーん、これはつまり、私の頭も撫でろということだな。かわいいやつめ。
『……』
まふゆの頭を撫でてやると、彼女は依然無言のままだがどことなく満足気な様子になった。
『いいな……』
正面に座る奏がそう声を漏らしたのを俺は聞き逃さなかった。アイアム地獄耳。
奏の方に腕を伸ばし、頭を優しく撫でる。
『今回の曲は奏の新境地を見たな。最高の曲だったよ。お疲れ様』
『あっ、うん。……えへへ』
『お待たせいたしました────以上でよろしいでしょうか?』
『はい、ありがとうございます』
そうこうしているうちに、料理たちが到着した。
『よっし、食うか』
『わ~い!あ、ポテトはボクの近くに置いといてね!』
『へいへい』
その後は、みんなでご飯を食べながら他愛もない話で盛り上がり、とても楽しい時間を過ごした。
幸せな一時だった。夢のようで、こんな時間はずっと続けばいいと思った。
☆
そして、目が覚め、今に至るというわけだ。
夢と現実の落差にくらって体調を崩した。ギャップ萌えならぬギャップ萎えである。
「辛いなぁ……」
あたま痛くなってきた。吐きそう。
躁鬱って、どんな感じなんですかね。
次回更新は未定です。なるべく早めに投稿したいとは思ってます。
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