IS<インフィニット・ストラトス> ~青年で男の娘はアリですか?   作:イイ日旅立ち

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もういやああああああああああああああああああああああああああああ!!

…こほん失礼。何か色々あって溜まった鬱憤が妙にハッスルしてしまいました。

ともあれ、お待たせしました番外編後半戦。すなわちラスト。本当なら境ホラの方もまだ残ってるんですけど、自分に驚くほど気力が無かったことに驚きあちらの方もあと一度書いたら凍結しようと思います。何と言うか、本当に何も書ける気がしない………。


それではこちらでは最後の更新となります。今までお付き合いしてくださった読者の方、感想を下さった方々に深い感謝を。そしてこれからのよりより二次小説ライフを祈りまして、これをもってこの作品の本当の意味で終わりにしたいと思います。本当に、今までありがとうございました。


番外編~暇を持て余した大人達の暇つぶし【後篇】

 

 

 

 

 

『えー、それでは厳正なるくじ引きの結果、決まった配役で新婚ごっこを取り行うという形を取りたいと思います。―――――文句はありませんね?』

 

「えぇ、大丈夫です。こう見えて私、道端でお年玉を拾った事もあるんですよ? 当然、それは交番に届けていますっ」

 

「ふんっ。私はスクラッチくじで三回に一回のペースで一万以上を当てる事が出来るぞ? つまり、一枚百円だとして三百円で一万円と引き換え、どちらが幸運かなんて比べる必要も無いな」

 

「ちょろ甘過ぎる自慢だねぇお二人さんっ。なんとっ、束さんはこないだみっちゃんが食堂で女装して生徒限定三十名しか食べられなかった特製プリンパフェを食べてる姿を激写に成功してるんだよっ!」

 

「「『何それ詳しく』」」

 

 

 

 たまの宣誓の下に、本来ならこんな遊びをするのがアホらしい筈の僕達大人組とIS組は、宿直室ではなく全員揃って真っ白な空間に卓袱台とホワイトボードしかない不思議空間にいた。

 

 僕にはよく覚えのある光景だったのだが、柳崎や山田は初めてなので不思議そうにあたりを見渡し、篠ノ乃は一応話だけはしていたのでそこまで驚いてはいなかったけど何かしら思うところがあるのか思索にふけっているようだった。

 

 

「それよりこーして会うのひさしぶりだねっ、みなとっ!」

 

「結構前に会ったっきりだもんね。いつも一緒にいるけど、“ここ”じゃ久しぶりになるのか」

 

「私もですぅ! えへへ、私からご主人様に触れるなんて……。もういっそずっとここにいて欲しいぐらいですぅっ!」

 

「…それは、流石に無理かな?」

 

 

 僕の両脇にはそれぞれ、日本人形を連想させる幼女と、西洋のクラシックなメイド服に身を包んだ中学生ほどの少女。

 

 それぞれ“ちかね”ちゃんと“風子”ちゃんであり、彼女らのコアのイメージがこの場所ではこうして具現化している。

 

 

 それを可能としているのがこの世界。

 

 

 IS知識によるところの『クロッシングアクセス』なる現象の応用なんだとか言っていたような気がするけど、用は全員が全く同じ夢を見れる世界みたいなものだ。

 

 機械で脳波を同調させて、たまと外部のイクスちゃんの管理の下、全員が同じVRを体験しているのが今の状態らしい。何だかゲームみたいな話だけど、これを応用すれば本格体験型のゲームが出来るそうで、実用化の暁には学園の訓練メニューに加えるとのこと。

 

 ……ただ、そんな実験段階でまだ汎用化が進んでいないシステムを、ただの遊びで使う僕らって……まぁ開発者が進んで提案しているから僕が気に病んでも仕方ない。

 

 

『ええいそこの妹共私の湊様にくっつくの止めるっ! 今からくじを引くからこっち来なさいっ!』

 

「え? 僕は?」

 

「何言ってるのみっちゃん。みっちゃんが引く訳無いじゃん」

 

「お前の役は固定だからな、引く意味が無い」

 

「という訳なので、そこで湊君は待機してて下さい。すぐに決まりますから」

 

 

 何だか思っていた通りの展開になってきたようだが、どの道この遊びをやる事が決まった時点で僕の配役が一つしか無いのは分かりきっている。

 

 

「分かったよ……大人しく新郎役をやればいいんでしょ、やれば。これで何気に心労とかけてるって言ったら流石にキレるけども」

 

『ふぇ?』

 

「え? 何その反応。あの風子ちゃん、僕は当然新郎役だよね? そうだよね?」

 

『違いますよ? ご主人様は“アマアマ新妻役”ですぅ。ですから、これは夫役を競うくじ引きサバイバルなのですぅ』

 

「ち ょ っ と 待 っ て」

 

 

 前言撤回。確かに僕が思っていた通り厄介な展開にしかならないと思っていたけど、この方向は予想外だ!

 

 しかし既に僕の新妻役……しかもブリっ娘Verが強制されると聞かされては黙っている訳にはいかない。早速物申そうとして、不可思議な力に体が抑えつけられた。しかも何やら体が発光しているような……ッ?!

 

 

『―――私から補足しておくと。新妻オプションとしてのフリルエプロンドレス。タートルネックのトレーナー。ミニスカートのコスは鉄板だと思うの』

 

「だからって無理矢理強制さすなバカあああああああああっ!?」

 

 

 ゲームだからって僕の服装まで自由自在かっ!?

 

 こちらを管理しているイクスちゃんによる干渉により、服装はおろか髪型まで以前切った筈の三つ編みが復活していて、何処となくだけど顔つきまで変わって気がする。

 

 

『―――バカにしないで。貴方の顔を変えるような干渉はしていない。そもそも不必要。その認識は単に想像以上に今の格好の貴方が可愛いだけ。現実逃避乙』

 

「うっせぇばああああああかっ!!」

 

 

 

 ・・・こうして、僕の方の準備は粛々と僕の意志を無視して進められている中、背後のくじ引き組はと言うと・・・・

 

 

 

「「「・・・・・」」」

 

『『『・・・・・』』』

 

 

 ……と、とりあえず僕は見ないことにした。

 

 何だか明らかに人が発しちゃいけない類のオーラとでも言うのか、魔王って言われたらそのまま信じるんじゃねぇかってぐらい険悪な雰囲気を漂わせながら六人がこれから行うのは、あくまでくじ引きだ。決してハルマゲドンでも無ければラグナロックでもない。

 

 何がそこまで六人を駆り立てるのか。そのモチベーションの原因が決して、今の僕を視界に収めたからとかではないことを祈りたい。

 

 

「それじゃ、恨みっこ無しだからね……?」

 

「当然です。でも、もし私が夫役を引けなかったら…………憎しみでどうにかなっちゃうかもしれませんねっ★ でもでも、仕方ないですよねっ★」

 

「星が黒いぞお前……ま、まぁ? この中で誰が一番男らしいかと言えば遺憾ながら私だし、引くべき人間が引くだけだろう、うん」

 

『湊様の新妻エプロンハァハァタートルネックにかかる三つ編みハァハァミニスカから覗くおみ足ハァハァ……ここは、絶対に譲れませんッ! 伴侶としてッ!』

 

『ぼくがみなとの……えと、おむこさんになるー! そしていっぱい甘えるー!』

 

『うぅぅ、どちらかと言えばメイド役の方が良いのですが……立場逆転というのもそそるものが』

 

 

 どうしよう。個人的にロリコン呼ばわりされてもいいから、断固ちかねちゃんを応援したくなってきた。

 

 

「(神様仏様魔王様……! どうか、どうかあの純粋無垢で負担が少なそうなちかねちゃんを! どうか!)」

 

 

 ひたすら祈りを捧げる中、一斉にくじは引かれ、そして―――――――。

 

 

 

 

 

 ~~~~~

 

「…今帰ったぞ」

 

「! お帰りなさい、あなたっ」

 

 

 とたとたと、我ながらはしたないなと思いつつも抑えきれない感情のまま玄関に駆け寄り、そのまま数時間ぶりに顔を見る夫に抱きついた。

 

 

「っ、こ、こら。急にひっつくな、驚くだろっ」

 

「えへへー、ごめんね? でも、今日はほら……はじめての、日だから。その、待ちきれなくって」

 

「……それはわた……俺も一緒だよ、湊。俺達の初めての結婚記念日。忘れてなんかいない」

 

「~~~っ!」

 

「だ、だから急にひっつくな離れろっ!? てかお前何か役に入り過ぎてないか!?」

 

 

 ……役? 何を言っているんだろうこの人は? 照れてるからって、言葉が少しおかしくなってるのかな?

 

 

 でも、そんなところもまた凄く愛らしい。見た目はすごく格好良いのに、こうして抱きつくとすぐ慌てて顔を赤くするし、離れろと言いながら本気で引き剥がそうとしないのは、この人が素直じゃないからだろう。

 

 ――――だから決して、これはイクスちゃんからの干渉により口調にまで制限がかけられた腹いせに徹底的に辱めてやろうとか、そんなことを考えての行動ではないのだ。うん、僕悪くないもんっ。

 

 

 しかし何時までも玄関にいる訳にはいかない。ある程度進めないとこのSAN値直葬ゲームは終わらないし、さっさと行程を終えてしまわねば。思考を新妻モードにもう一度………うんっ、これでよしっ。

 

 

 さてと……ここから先は、新妻湊ちゃんモードだ。羞恥心は……今、死んだ!

 

 

「それでね、貴方に喜んでもらおうと思って、今日はいっぱいお料理頑張ったんだよ? だからはやく食べよ?」

 

「あ、あぁそれは勿論嬉しいんだが、先に風呂に入らせてくれないか? 今日は仕事が忙しくて疲れてるんだ」

 

「えー! そ、そんなの気にしないから一緒に食べようよっ! お風呂ならご飯食べた後で私が背中流してあげるからっ!」

 

「ぶフッ?! な、ちょ、お前湊本気で何言ってる?!」

 

「…ふ、夫婦だから別に普通だよ、ふつー。そ、そっちこそ変なこと考えてるくせにーっ! 來蓮のすけべっ!」

 

「んなぁぁぁっ!? だ、だからそういうんじゃないというかというか今こんな時に名前呼びとか反則……っ!」

 

 

 うん、やっぱり照れてる姿を見るのは大好きだ。

 

 勿論嫌がられないように線引きは難しいけど、この人なら自分の全部を預けてもきっと大丈夫だと信じている。これが愛だというなら、きっとそうなんだろう。

 

 でも本当に我儘を通したい訳じゃないので、冗談もそこそこにスーツの上着を預かって來蓮には風呂場に先に行ってもらい、自分の方はスーツを片付けてから着替えとバスタオルを用意する。

 

 ……にしても流石はVRというか、家だけじゃなくて小物まで再現するとか手が込んでるなぁ。っと、いけないいけない。

 

 着替えを持って脱衣所に到着。籠の中に着替えとバスタオルを置いてから、ドア越しの來蓮に話しかける。仮にもはじめての結婚記念日だというのに、妻をほっといて風呂なんかに入る夫には一言言ってやらねばなるまい。

 

 そんな新妻マインドが自分に理解できてしまった事に激しくのたうちまわりたくなる衝動を理性で封殺して、僕はせめてもの憂さ晴らしをすべく口を開いた。

 

 

「あの、着替え持ってきたからここに置いておくねー」

 

『お、おぅ……それじゃもう上がるから、とりあえず出てって……』

 

「―――――あの、ね…その、お背中流してあげたいなぁーって、思ってたんだけど」

 

『あqwせdrftgyふじこlp!?!?』

 

 

 動揺してる動揺してる。ドア越しで湯船が激しく動いているであろう音を聞きながら、そのあまりのリアルさと想像出来る來蓮の慌てふためきっぷりに笑みを濃くしながら、『冗談だよっ、一人でお風呂に入ったお返しっ』と残して脱衣所を後にした。

 

 

「(残りの行程は……夕食と、ベッドインまで、か………………)」

 

 

 ―――――――――――――うん? 最後の方、何だって?

 

 

 某ゲームのようなメニューウィンドウを開きながら残りのお題を確認し、特に最後の項目を見て血の気が引く思いがした。これ夢みたいなものの筈なのに、やけにリアルな悪寒を感じた。

 

 それは今まさにこの光景をリアルタイムで他の五人にも見られているからなのかもしれないが、これを開く前からも來蓮に抱きついた時や新妻モード時の発言をしていた時にも射殺すような視線を感じてはいた。

 

 

「(篠ノ乃なんて本気で悔しがっていたし、山田は山田で………あぁ、埋め合わせさせられるのが納得いかないけどしなきゃ死ぬって理不尽過ぎる……)」

 

 

 しかし、こんな人生がもう彼此二十余年。いい加減諦めもついたし、仮にも告白された身。その誠意に応える形がこれってどうかと思うけど、僕なんて所詮こんな扱いである。最早涙も出やしない。

 

 さっさと終わらそう。やってることは下らなくても、やってるこっちに悲壮な覚悟を強いるこのゲームを終えるべく、風呂から上がってきた來蓮を食卓に迎えた。ここからはノンストップ新妻タイムだ、死ぬ気でやれ、崩上湊……ッ。

 

 

「んもうっ、遅かったよ、來蓮っ」

 

「……お前、もうなりふり構わないんだな」

 

「なりふりってなぁに? ささっ、早く食べよっ。あ~んしたげるから!」

 

「あぁいいさ。そっちがそのつもりならこっちだって乗ってやるよ! ほらよこせっ」

 

「じゃあこのエビフライからね、あ~……」

 

「あむっ、……んっ、美味いな。流石は湊だな」

 

「……うっ」

 

 

 開き直ったのか、來蓮のやたらイケメンな微笑みに運んでいた箸が思わず止まった。

 

 一度開き直った來蓮は怖い。元よりさばさばした性格と口調ということもあるんだろうけど、意図的にイケメンを装うと下手な男よりも格好良く見える。

 

 それが今、目の前で自分だけにしか見えないであろう笑顔を浮かべている。にわかに鼓動が早まりだしそうで、隠すようにもう一度を箸を突き出す。けど、

 

 

「なぁ、湊」

 

「…っ、な、何、貴方?」

 

「こんなに美味しい料理を俺だけが食べるのは勿体ないし、今日が結婚記念日なら、お前にだってその幸せを噛み締めて欲しい」

 

「そんな、気にしなくても……。そ、それにね? 貴方が私の作った料理を美味しそうに食べてくれるのが、私にとって凄く幸せなことだから……えへへ、すごく恥ずかしいこと言ってるね、私」

 

「………ぅっ」

 

「ふふっ」

 

 

 向こうの反撃も強力だけど、こっちだって負けない。そもそもにおいて開き直った回数はこちらの方が圧倒的に上だしね。

 

 そのまま、一口二口と箸で來蓮の口に料理を運びながら、その度に言われる甘い言葉に顔が赤くなるがこちらもそれ以上の言葉で反撃し、互いに赤面する本当に新婚というか付き合いたてのカップルような気分のまま、気が付けばいつの間にかテーブルの上の料理が全て無くなっていた。自分が食べた覚えも無いし、そもそもここが現実じゃないのだからそれは満腹感なんて無い。無い筈だ。

 

 

 ……ただまぁ、それとは全く関係無くて、料理が無くなるといよいよ次に回る訳で。

 

 

 その次というのがすなわち、ベッドイン直前という訳で。

 

 

「(ど、どこまでやるんだそれって!? 本番前って、そもそも本番って!)」

 

「(落ち着こう來蓮。多分、それっぽくしてればあっちが勝手に終了させてくれるだろうから)」

 

「(…そ、そうだよな、兎達が何とか止めるよな、うん。だからこっちは、やりたいようにやれば……!)」

 

 

 それでも自制はお願いしたいところだけど、この場合抑えなきゃいけないのはあっちだけじゃない訳で。

 

 僕の方は既に風呂上りの設定なので風呂に入る必要はなく、これが終われば本当に寝室に向かうのみ。

 

 ……いやいやいや、あの、これいくらゲームだからって色々と緊張がヤバいって。告白された一人と寝室が一緒って、よくよく考えなくてもこの状況は心臓に悪いって色々とぉ!?

 

 

「…今日の夕食、美味しかったよ、湊」

 

「っ! う、うんっ。ありがとう、貴方」

 

「俺の為に作ってくれたんだもんな……本当に、可愛いな、お前は」

 

「!? ちょっ、來蓮何……きゃうっ」

 

 

 ここからどう運べばいいのか全くプランが練れていなかった僕に対し、ここでもイケメンモードの解けなかった來蓮が動いた。

 

 耳元で囁かれ一瞬の硬直の隙を突かれ、やたら大きくシルクのシーツの光沢がみょ~にイヤらしいベッドに押し倒される。肩を抑えつけられ、顔同士の距離も十センチにも満たない。

 

 予想の出来なかったそれにただただ動け無くて、來蓮の瞳を見つめ返すことしか出来ない。

 

 そしてそんな來蓮の瞳は………今まで見たこと無い光を宿して僕を見つめていた。

 

 

「らい、れ、ん…」

 

「本当に可愛いよ、お前は。これがごっこ遊びじゃなかったら、本当どれだけ良かったか分からない」

 

「…痛、いよ? 手、凄く力籠ってる……」

 

「だってここで離したらお前は私を選んでくれないだろ? 束か真耶か、それとも他の誰かをお前は選ぶだろ?」

 

「……っ」

 

 

 息を飲んだ。

 

 別に初めてという訳じゃないけど、それでもただただ、十年以上一緒にいてくれた女の子の泣きそうな顔は、ひたすらに心が震えた。

 

 かろうじて伸ばせた手で彼女の顔に触れる。零れそうな涙に指を添えて、そっと拭う。

 

 

「…バカだなぁ。何でそこで、自分は選択肢に無いの、お前は」

 

「だって、私は束みたいに可愛くないし、真耶みたいに健気でもない」

 

「それでもりゅ…來蓮に魅力が無いなんてことは無いよ。じゃなきゃ、十年も一緒にいようと思わないもん」

 

「…でも、私はこんなに大きいぞ? 男のフリをした方が良いぐらいだ」

 

「それなら僕だって女装が似合いすぎて性別間違ってるって言われるよ? 格好良いって、良いじゃない。僕は好きだよ?」

 

「……、なら、お前は」

 

「來蓮」

 

「っ!」

 

 

 あぁ、本当に駄目だ。これはゲームだ。遊びだ。分かっているのに、止まらない。

 

 涙を拭った指を舌で舐めとる。それはとても甘美で、今溢れそうになる感情の堰が一気に決壊していくのを確かに感じながら、それを止めようと思わなかった。

 

 互いの上下を変えながら、自然と僕が彼女の上に移りながら再度彼女の顔に手を添える。再現されただけの筈の物がやけに温かく感じる。嗚呼、止められない。

 

 

「……これ、ゲームで良かったよね、いや本当に」

 

「私としては、少し残念なんだけどな」

 

「……僕も同じって言えば、少しは自信を持ってくれる?」

 

「なら、私がして欲しいこと―――――分かるよな?」

 

「ふふっ、勿ろ――――――」

 

 

 

 

『『『「「ちょぉぉぉぉぉおおおおおっと、待ったあああああああああああああああああ!!!」」』』』

 

 

 

 

 ……その後の事は、よく覚えていない。

 

 ただ何故かその前後の記憶が欠如していて、覚えているのは柳崎と揃ってたんこぶを作りながら篠ノ乃達に説教をされていたことぐらい。

 

 何があったのかを聞いても教えてくれないし、新婚ごっこをしなくていいのかと聞いたら阿修羅オーラで返された。どうやらせずに済んだらしいけど、だったらなんでこんなに不機嫌なんだろう?

 

 

「…僕ら何かしたのかな?」

 

「さぁ? でも、何かすっごく幸せだった気がするんだよなぁ………何でだ?」

 

「何でだろうね?――――――――――――――來蓮」

 

「ふぁっ!?」

 

「? どうかした?」

 

「えっ!? いや、あのっ!……ん? あれ、気のせいか?」

 

「さーね」

 

 

 

 ……ただ、覚えていなくても、感情まで忘れた訳じゃないってことで。

 

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