闇の書の蒐集を初めて3ヶ月たった。
ページもほとんど埋まりもう少しで完成だった。
今日は最後の蒐集をするためにシグナムと一緒に無人世界にきていた。
デカいミミズみたいな生物から蒐集していたらなのはちゃんとフェイトちゃんがやってきた。
「今日こそお話を聞いてもらうの!!」
「大人しくしてください!」
2人ともやる気十分といったところだ。
「やれやれ、君たちからはもう蒐集出来ないのだからようはないんだがなぁ」
ふぅとため息を付きながらなのはちゃんたちにいう。
「あなた達になくても私達にはあります」
「ちゃんとお話してくれないとわからないの」
どうやら引く気はないようなので、適当にあしらって帰るとするか。
「S、あの金髪の子を頼む」
「おまかせを、主」
そう言ってシグナムはフェイトちゃんた戦い始める。
「こっちもいくの!」
そう言ってなのはちゃんが俺に向かってディバインバスターを撃ってくる。
「おいおい!話し合いたいんじゃないのかよ!!」
「お話はしたい!でもあなたは逃げちゃうからうげけなくしてからじゃないとお話してくれないと思うから!」
そう言いながら砲撃魔法やアクセルシューターと言った誘導弾を打ちまくってくるたびにガシュン!ガシュン!とガートリッジをロードしていく。
そんなに連発してると体に良くないよ!!と心の中で叫びながら俺は高速移動でなのはちゃんの周りを移動しながら細いワイヤーをなのはちゃんにからめていく。
これはただのワイヤーをなので魔法感知ばかりしている魔導師はよくひっかかるのだ。
「にゃあああっ!!からだがうごかないぃぃぃっ!!なにこれぇー!!」
ワイヤーで動けなくなったなのはちゃんはワイヤーを解こうとジタバタするが逆にしまっていってる。
「なのはっ!!」
フェイトちゃんがなのはちゃんを助けるために高速で飛んでくる。
「フェイトちゃん」
「待ってて!今切るから!!バルディッシュ!」
[YesSir]
バルディッシュは金色の魔力刃を出してなのはちゃんを傷つけないようにワイヤーを切っていく。
俺達はその好きに転移魔法で逃げようとするが、それに気づいたなのはちゃんがシューターを一発撃ってきた。
突然のことと、この間使った八門遁甲の疲れがあったので避けきれずに仮面に当ってしまい仮面が壊れた。
「えっ!仁太っさん?」
今更だが俺は顔を隠して転移していった。
まさか俺が身バレしてしまうとわな。
バレるならヴィータあたりだと思っていたんだけどなぁ。
そんな事を思いながらこれからの事を考える。
なのはちゃんにバレたという事は当然管理局に伝わるだろう。
そうなれば管理局員たちがこの家に詰め寄ってくるに違いない。
もしかしたらはやてを人質に取るかも知れい!!
そんな事させるか!!俺はこうなった時のために考えていたシナリオで動くことにした。
まずはグレアムさんに身バレしたことを報告した。
グレアムさんは少しの間管理局員を足止めしてくれると言ってくれた。ありがたい。
その後俺はシグナム達を呼び出してあらかじめ伝えていたシナリオどおりに動くように頼んだ。
みんな渋い顔をしていたが「はやてが犯罪者にならずにみんなで幸せに暮らすにはこれしか方法がない」と言って納得させた。
そして迎えた12月24日、クリスマスイブ。
石田先生に許可をもらって病室にケーキを持ち込んではやてたちと小さいながらのクリスマスパーティーをする。
ケーキを食べ終えた時になのはちゃんたちがサプライズできてくれた。
きっとこの子達といればはやては淋しくないし立派に成長してくれるだろう。
俺は電話がきたと言ってはやての病室を出て屋上に行く。
しばらくするとなのはちゃんとフェイトちゃんがシグナムたちとやってきた。
「仁太さんが闇の書の主なんですか?」
「いいや、はやてが主だ。でも蒐集を命令したのは俺だよ」
「どうして!!」
「強大な力がほしいからさ!!それがあればこんな生活から開放される!!」
いきなりの俺の豹変になのはちゃんとフェイトちゃんは驚いていた。
「この力を手にするためにあんな歩けないガキのお守りをしてやったんだ!それが今日!!ついに開放されるのだ!!」
「そんなっ!仁太さんあんなにはやてちゃんのこと大切にしてたのに!!」
「世間体ってのがあるんだよなのはちゃん。体が不自由な妹を献身的に介護する優しい兄。世間がそう見れば俺が裏で何をやっていようが疑われなくなるだろう?そのための演技さ!!」
俺が言ってることが信じられないといった顔をしているなのはちゃん。
「自分の家族を利用するなんて!!」
フェイトちゃんは怒りに顔を歪ませている。
「家族?ああ、そういえば知らなかったねぇ。俺とはやてには血の繋がりなんてない。ただの他人だ」
「「えっ」」
俺が冷たく言い放つとなのはちゃんとフェイトちゃんは目を見開いて驚いた。
「はやてが闇の書の主とわかったから手に入れるために八神家の養子になったのさ」
本当は違うが真実を知る人はもう俺しかいないのでバレることはないだろう。
「何故魔法文化がない管理外世界の住人である君が闇の書の存在を知っているんだ!!」
そう言いながらクロノが飛んできた。
「これはこれは執務官殿。その答えは簡単さ!俺がミッドチルダ出身だからに他ならない!!」
「なっ!!」
この答えに驚くクロノ
「俺の本当の名はジン・タンヴェル。管理局の研究者と協力して夜天の書を闇の書にした一族の生き残りさ」
この偽名と経歴は全てグレアムさんに作らせて管理局のデータベースに偽造したデータを入れてもらったから本当のことだと思うだろう。
『クロノ君!その人が言った通りの記録があったよ!!』
「本当のことなのだからあるに決まっているだろう」
「ジン・タンヴェル!ロストロギアの所持及び使用、公務執行妨害などの罪状により逮捕する!!」
「はいそうですかと簡単に捕まるわけ無いだろう!やっと念願叶うのだから!!」
俺がそう言うとはやてがいきなり転移魔法で現れた。
はやてを転移したのはアリアだろう。
「えっ!!なんや!なんなんやこれ!!」
「はやて」
「えっ兄ちゃん?何でウチは屋上におるん?それになのはちゃんとフェイトちゃん、その格好は?」
「はっはやてちゃん。これはそのっ」
状況が飲み込めないはやてとどう説明していいかわからずにオロオロするなのはちゃん。
「はやて、愚かな娘よ」
「えっ?兄ちゃん、どうしたん?」
俺が妹ではなく娘と言ったことが理解できなかったはやて。
「俺とお前は兄妹ではない。俺はお前を利用するためにお前に近づいたにすぎない」
「なっ何を言っとんのかわからんわ!エイプリルフールはまだ先やで兄ちゃん!!」
「愚かな娘よ。お前の利用価値は今なくなった。お前との生活は苦痛で仕方なかったよ」
冷たく言い放つとはやての顔がどんどん青白くなり絶望の表情になっていくのがわかる。
本当ならこんな事はしたくない!でもこうでもしないとはやての未来が幸せなものにならない。
しょせん俺は本来ならいないはずの存在だ!ここで消えたって問題はない!!
「にい、ちゃん?」
必死に絞り出した声は震えていた。
「俺はお前の兄などではない。もうお前は用済みだ。闇の書よ」
俺が闇の書を呼ぶと俺のもとに闇の書が現れる。
「闇の書よ、守護騎士たちから蒐集しろ!!」
[蒐集]
「「「「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ」」」
「シグナム!ヴィータ!!シャマル!ザフィーラっ!!!」
蒐集されて守護騎士たちは消えていった。
「これでお前は一人ぼっちだ」
俺はへたり込んでいるはやての耳元でそうつぶやいた。
「あっあああぁっ!ああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
はやてが叫ぶのと同時にはやては闇の書へと取り込まれ管理人格が現れた。
「また終わってしまった」
何だを流しながら管理人格はそうつぶやいたのだった。