人形はギイギイと身体を軋ませて、ゆっくりと私の後ろを着いてきます。とても困ります、武装を外しているとは言えです。
怖いものは怖いのです。
先日の出来事を考えてしまうと、不用意に逃げると首を斬ろうとして来るので、すごく怖いです。しとりとひとえも私の傍に控えて、フランス人形が襲ってこないかを警戒している。
ただ、私を守るために近付きすぎて、むしろ歩きにくくてちょっとだけ困ってしまいます。やっぱり、こういうのは先に対処するべきでしょうか。
「ん!母様を虐めるのはやめて!」
「かーさまは、よわよわだからメッ!」
よわよわ、虐める。
事実なので仕方ないですが、私は自分の子供から見てもよわよわで情けないお母さんなんだと再認識して、ものすごく悲しくなりました。
「わた、し、も、いく」
「……もう母様を斬らない?」
「きら、な、い」
コクリ、コクリ、と頷くフランス人形。
しとりとひとえは怪しんでいますが、しっかりと反省したのなら許してあげ、そう思っていた次の瞬間、フランス人形は包丁を振りかざしてきました。
やっぱり、自動人形は自動人形でした。
そう考えながら、人形の手を竹刀で弾き上げ、包丁を取り返してくれたしとりにお礼を言いつつ、ひとえを見るとものすごく怒って、左こぶしを握り締める。
「かーさまに酷いことしないで!!」
「がっ!?」
メキャリッ…!とフランス人形の頭が千切れ、銀色の疑似体液が地面に噴き出してしまい、私は口許を押さえて気持ち悪さと申し訳無さに眉を下げる。
「ひとえ、ごめんなさい。私が弱いからこんな酷いことをさせてしまって」
「ひーはだいじょーぶ!」
ニコニコと笑うひとえの頭を優しく撫でてあげ、ゆっくりと手に付いた手を疑似体液を拭き取ってあげ、消毒液と除菌剤を使って疑似体液を拭き取り、しっかりと手洗いをしてもらいに、しとりに連れていって貰います。
「……戻りなさい」
そう言って私はひみつ道具「復元光線ライト」をフランス人形に当てて、壊れる前の身体に戻してあげると彼女は困惑したように自分の身体を触っている。
「もうお痛はダメですよ?次に悪いことしたら許しませんからね」
「わかった」
フランス人形はコクリと頷いていますが、あまり信用はしていません。こんなに酷いことをしていたのですから、素直に助けるのも少し躊躇いました。
左之助さんが帰ってきたら、説明して引き取ってもらえる場所を探してもらうべきですね。しかし、どうして私の首ばかりを狙うのでしょうね。