学校では親友で同志のお仲間さんとのいつも通りの楽しい時間。
でも今日は何かが違って。
お仲間さんが取り出したチケットが明日を変える? かもしれない……、そんなお話。
第29話は、第1幕~第10幕、の10回に分けて公開します。
第1幕:前日
第2幕:当日~アトラクションスタート
第3幕:ライブ~扉の先へ
第4幕:ねばねばトラップ
第5幕:コインランドリーとお風呂屋さん
本作は今野隼史(辺境紳士社交場)・アークライトの『のびのびTRPGザ・ホラー』の二次創作です。
ソロプレイのルール「カードをもとに物語を書く」に従って記した二次創作です。
登場人物の名前は『立場(的なもの)』から決めているので、
『女子高校生 → 学生』、『その友達 → お仲間』、となっています。
先に記しとく設定、
学生(主人公)とお仲間、は女性、
作中の「ダリル」は通貨単位、1ダリル=1円くらい、
と言うことで。
使った(引いた)カード
キャラクター:女子高校生
イントロダクション:VRの筐(はこ)
シーン1:ねばねば
カード1:闇:ネット配信中
シーン2:荒れ果てた公園
カード2:闇:江戸から来た
シーン3:決闘
カード3:闇:恐ろしきは人
シーン4:浄化された魂
カード4:光:カレー好き
シーン5:ショッピングモール
カード5:闇:霊能力者(NPC)
クライマックス:世界の希望
クレジット
ゲーム名:のびのびTRPG
ゲームデザイン:今野隼史
発売元:株式会社アークライト
© 2021 FRONTIERPUB / Arclight, inc.
第1幕:前日
こんにちは、私は『学生』、一般教育学校の2年生です。
いくらか前にお父さんの仕事の都合で王都に引っ越してきました。
学校はもちろん転校して、今は王都西一般教育学校に通ってます。
学校に通い始めて少しして、どうしてだか分からないけど学校に行けなくなって、どうしてだか分からないけど学校に行けるようになって、そのまま行けるのが続いて今に至ってます。
学校に行くこと。
今の私には毎日が楽しいことでいっぱいです。
楽しいこと。
学校に行けば友達、お仲間ちゃんに会えます。
お仲間ちゃんは私のいちばんの友達で、いちばんの同志です。
いちばんの友達なのは私とお仲間ちゃんは趣味が同じだからで、いちばんの同志なのも趣味が同じだからです。
同じ趣味。
私もお仲間ちゃんもBLのラノベが大好きです。
もちろんBLのラノベにもいろいろあって、だから私とお仲間ちゃんの好みはぜんぜん違います。
でも私もお仲間ちゃんもBLのラノベが好きなのはぴったり同じです。
だからいちばんの友達でいちばんの同志です。
そんな楽しい日が続く毎日のある日のことです。
ピピッ、ピピッ、ピピッ、
目覚まし時計の音で目が覚めます。
でもすぐに起きるなんてもちろんできません。
だからお布団の中から腕を伸ばして枕元を探ります。
目覚まし時計を探して……、ありました。
音を止めます。
お布団の中で体の動きも止まって、また眠ってしまいそうです。
でも起きないとダメです。
お布団の中で、
んー、と体を丸めて、
んー、と体を伸ばして、
また動きが止まって、
せーのっ、で体を起こしました。
いつもと同じ時間です。
ベッドから出て、パジャマから制服に着替えます。
デスクの横に置いてあるかばんを取り上げて中身を確認します。
今日の時間割り通り、教科書もノートもきちんと入ってます。
それと……、デスクの上の文庫本、3回読んだ本です。
もう1回読むのは……、考えて今日は持って行かないことにしました。
かばんを持ってダイニングへ。
「おはよ」
キッチンにいるお母さんに朝のあいさつ。
「おはよう」
お母さんから返ってきます。
かばんを置いて、テーブルに着いて、朝ごはんです。
「いただきます」と食べ始めます。
食べながら時計を見るといつもよりちょっと遅めになってます。だから急いで食べます。
全部食べて、
「ごちそうさま」
言ってから食べ終わった食器をキッチンに移します。
食器をシンクに置いて、ダイニングに戻ります。
お弁当をかばんに入れて、かばんを持って、玄関に向かいます。
「行ってきまーす」
そう言って、お母さんからの、
「行ってらっしゃい」
を背中に受けながら家を出ます。
家を出て、少し早足でバス停を目指します。
バス停に着いてすぐ、バスが来ました。ぎりぎりで間に合いました。
バスに乗ります。
このバスは始発から近いから、だいたいいつもいくつか席が空いてます。
今日も空いてる席がいくつかありました。だからそのひとつに座ります。
バスが動き始めます。
走り出したバスの中で考えます。
今日、学校に行けば明日はお休みです。
明日はどうしよう……。
……このところゲームセンターに行ってません。
ゲームセンター、良いと思います。
先輩さんに会えるかもしれませんし、格闘野郎さんとか、常連の方とかには絶対に会えます。
だからゲームセンターで決まりです。
でもゲームセンターに行くとして、私ひとりで行くか、お仲間ちゃんを誘うか……。
お仲間ちゃん、昨日は好みの作家さんのラノベ、新刊の発売日だったから学校が終わった後に西通りのブックストアに行ってます。
私も行きたかったけど、西通りに行ったらついついお買い物をしちゃうから行きませんでした。
それはそうとして、お仲間ちゃんは新刊を買ってるから明日は読書の日になると思います。
とすると誘わない方が良いかな。
うん、明日はひとりで行きましょう。
そこまで考えて、考えるのは終わりました。
考えるのをやめてまわりを意識すると制服姿がたくさんになってます。
この時間のこの路線を使うのは王都西一般教育学校の生徒がほとんど全部だから、いつもの光景です。
その先もバス停で止まるたびに制服姿が増えます。
そうしてバスは走って学校の最寄りのバス停に着きました。
制服姿が次々とバスから降ります。私ももちろん降ります。
バスから降りて学校へ。
制服姿の人の流れに乗って学校を目指します。
すぐに学校が見えてきて、近づいてきて、校門を通ります。
校舎に向かって、校舎に入って、教室へ。
教室に入って教室の後ろのロッカーに向かいつつ、教室のいちばん後ろの席、お仲間ちゃんがいます。
お仲間ちゃんは嬉しそうで、やっぱり新刊かな? でも難しそうな表情もあって、どうしたのかな? 気になります。
うん、まずは挨拶です。
「お仲間ちゃん、おはよ」
私の声に気づいてすぐに私を見てくれて、
「おはよっ」
挨拶の言葉が返ってきました。
お仲間ちゃんの表情、嬉しい、がメインになります。
「何か良いことあったの? ってラノベだよね」
お仲間ちゃんは大きくうなずきます。
うなずいて、
「だね、ゲットしてきた」
机に置いてたしっかりしたブックカバーの文庫本を手に取って見せてくれました。
「それと、もうひとつ良いことがあるんだけど……、
そう! その前に大事なこと!」
お仲間ちゃんは真面目な顔つきになります。
「大事なこと?」
「うん! そう!」
私の声にお仲間ちゃんの力の入った声が返ってきます。
「何かな?」
「3コマ目のノート、貸してもらえないかな?」
私はもちろん良くって、だからかばんからノートを出しながら尋ねます。
「宿題?」
「うん、何もしてなくって」
ノートを取り出して、ノートは私の手からお仲間ちゃんの手に移ります。
「ラノベ読んでたの?」
もうひとつ尋ねます。
「それもあるけど……、
良いことに気づいてね」
「良いこと?」
お仲間ちゃんが気づいた良いこと、何だろ?
ぜんぜん分からないからまた尋ねました。
「うん、宿題しなくても、学生ちゃんにノート借りれば良い、って」
お仲間ちゃんの答えです。
「それって良いことじゃないよ……」
あきれます。
「私が休んじゃったらアウトだよ」
ん? そう言う問題かな? 言ってから思います。
「そう、私もついさっき気がついた、
学生ちゃんがお休みだったら終わりだって。
でも休まなかったから結果オーライだね」
お仲間ちゃんの言葉に反応しようとしたところでチャイムが鳴りました。
「ありがとっ」
お仲間ちゃんの声に、
「うん」
そう答えました。
あわててロッカーに向かいます。
かばんから1コマ目の教科書とノート、それにペンケースを取り出して、かばんをロッカーに入れて自分の席に着きました。
席に着いてすぐ、担任の先生が教室に入ってきてホームルームが始まりました。
今日の予定とかのお話があって、お話が終わって、ホームルームが終わりました。
少しして1コマ目のチャイム。先生が教室に入ってきて授業が始まります。
先生のお話を聞きながらノートに書き込んで、時間がすぎます。
時間がすぎて授業が終わりました。
授業が終わって、お仲間ちゃんが気になります。
ロッカーに行って、1コマ目の教科書とノートをかばんに入れて、次の授業の教科書とノートを取り出します。
お仲間ちゃんに目をやるとノートを写すのに全力になってます。
声をかけようかと思ったけどやめておいた方が良さそうです。
だから何も言わずに席に戻りました。
2コマ目が始まって、やっぱり先生のお話を聞きながらノートに書き込みます。
時間がすぎて、2コマ目の授業が終わりました。
次の授業、3コマ目が午前の最後の授業です。
ロッカーに向かって、終わった授業の教科書とノートを入れて、次の教科書とノートを……、あ、そうだ、ノート。
お仲間ちゃんに貸してます。ノート、間に合ったのかな?
そう思ったところに、
「学生ちゃん」
と、お仲間ちゃんの声。
声の方を見るともちろんお仲間ちゃんです。
「ノートありがと、何とか間に合ったよ」
お仲間ちゃんからノートが返ってきました。
「うん、まずは良かった、のかな?」
ちょっと不安になります。
「もちろんだよ。
それから、1コマ目と2コマ目のノート、後で貸してもらえないかな?
ノート写してたらぜんぜん書けなくって。
昼からの授業の間に写しちゃうから」
分かりました、お仲間ちゃんは借金を返すために借金する人、です。
「それじゃ、お昼からのノート、どうするの?」
確認します。
「あ、そっか、
どうしよ?」
あきれます。
「そうだ、昼からのは宿題出ないから、後でノート貸してもらえないかな?」
「良いけど、どうするの?」
質問に質問します。
「うん、家で写したら良いでしょ」
本当にあきれます。
「それじゃ宿題してきたのと変わらないよ……」
「確かに……、そうだね、
やっぱり宿題してきた方が良いね、うん」
そこまでお話をしたところでチャイムが鳴りました。
だからお話はそこまでで、席に戻って、授業が始まりました。
授業。
お仲間ちゃんは宿題が間に合ったからどうにかなったみたいでした。
授業が終わって、午前中の授業は終わりで、お昼休みです。
教科書とノートをロッカーに入れてお弁当を出して、お仲間ちゃんのところに行きます。
お仲間ちゃんのひとつ前の席の子に確認して席を借ります。
お仲間ちゃんもお弁当を持ってきて、お仲間ちゃんと私、それぞれ座りました。
お弁当を広げて食べ始めます。
食べ始めて、ひとつ思い出しました。朝のお話です。
「お仲間ちゃん、朝、良いことある、って言ってたよね?」
「……うん、言ってたね」
思い出しながら答えてくれました。
「ラノベともうひとつ、だっけ?」
「あ! そうだ!
大事なこと忘れてた!」
大事なこと? 何なのかな?
お仲間ちゃんはお弁当を食べる手を止めて、制服の内ポケットに手をやります。
封筒が出てきました。
私も手を止めます。
「これなんだけどね」
封筒から紙? が出てきました。
お仲間ちゃんは私に見せてくれて、テーマパークの招待券が2枚です。
テーマパーク、王都でいちばんのエンターテイメント・スポットです。
「父さんが会社でもらってきて、それを私がもらって、
学生ちゃん、一緒にどうかな?」
嬉しすぎるお誘いです!
「もちろんだよ!」
お仲間ちゃんに即答します。
「それとね、
こんなのもあってね」
封筒からまた何かを出します。
今度は何だろ?
お仲間ちゃんが取り出したのは今度もチケットみたいだけど……。
チケット? をしっかり見ます。
『VRアトラクション体験会招待券』だそうです。
「えっと、VRアトラクション、ってもしかして……」
「そう、あれだよ!」
お仲間ちゃんの言葉にテンションが上がります。
「新しいアトラクション、だよね!」
「うん! そう!」
VRアトラクション、もうすぐオープンする新しいアトラクションで、今はまだ「とてもすごいアトラクション」としか発表されてません。
そのアトラクションの体験会、嬉しすぎます!
「それじゃOKってことで、
なんだけど、これ明日のチケットでね、
大丈夫かな?」
「大丈夫! うん! 大丈夫!」
お仲間ちゃんの言葉に私はこくこくとうなずいて答えます。
「じゃあ、決まりだね」
明日のテーマパークが決まりました。
「それで、待ち合わせとかはどうしよ?」
お仲間ちゃんに尋ねます。
「そだね、
体験会って特別のイベントだから8時半に集合らしくって、
……7時半に王都中央のバスターミナルでどうかな?」
お仲間ちゃんからの提案。
私はもちろん賛成です。
「うん、じゃあ、7時半に……、路線図の前、かな?」
「だね、7時半に路線図の前で決まり!」
明日の予定が決まりました。
テーマパークのお話が終わってお弁当に戻ります。
お仲間ちゃんとお話をしてる間はお弁当を食べる手が止まってました。
でもお昼休みはその間もすぎていて。
だからお弁当の残りを急いで食べました。
お弁当を食べ終わったら、もうすぐお昼休みは終わり、の時間になってました。
お弁当箱を片付けてロッカーに戻します。換わりに午後の授業の教科書とノート、それに午前の授業のノートを取り出します。
午前のノートはお仲間ちゃんに。
「それじゃ、これね」
2冊を渡して、
「ありがと、持つべきは友だね」
そう言ってもらって自分の席に戻りました。
お昼休みが終わって午後の授業、2コマのひとつ目が始まります。
授業はやっぱり先生のお話を聞きながらノートに書き込みます。
だけど、明日のテーマパークが気になって、ノートは埋まっていくけど先生のお話は何も入ってきませんでした。
授業が終わって、お仲間ちゃんが気になります。
お仲間ちゃんを見ると、ノートを写すのに真剣になってるみたいです。
声をかけようかなって思ってたけど、邪魔しない方が良いかなって思って声をかけるのはやめました。
午後の授業の2コマ目、今日の最後の授業です。
授業が始まって、やっぱりテーマパークが気になります。
だからやっぱりノートは埋まっていくけど先生のお話は何も入ってきませんでした。
時間がすぎて授業が終わりました。
「ふう」
ひとつ息をはいて、これで今日は終わりで明日はお休みでテーマパークです。
「学生ちゃん」
お仲間ちゃんの声です。声の方を見るともちろんお仲間ちゃんです。
「ノートありがと、助かったよ」
笑顔のお仲間ちゃんがノートを差し出して、ノート2冊が返ってきました。
「それじゃ、これね」
午後の授業のノート2冊、お仲間ちゃんに渡しました。
「ありがと、本当に助かるよ。
えっと、明日返すね」
そう言ってくれたけど、
「明後日で良いよ?」
私は特に急ぐことはないからそう言います。
でもお仲間ちゃんは、
「だめだめ、明日って言っておかないと、明日になったら明後日で良いか、って思っちゃって、明後日になったら授業中で良いか、って思っちゃうから。
うん、自信あるね」
「確かに……、そうだね」
借金を借金で返す自覚はあるみたいです。
お仲間ちゃんと私、ロッカーからかばんを出して、教科書とノート、それにペンケースを入れて、ふたりで教室を出ます。
「テーマパーク、楽しみだね」
お仲間ちゃんが言って、
「うん、楽しみ」
同意します。
廊下を歩いて校舎を出て。
「明日って、VRアトラクションだけじゃないんだよね?」
お仲間ちゃんに質問です。
「だね、体験会はお昼までには終わるらしいから、
昼からは普通にテーマパークで遊べるね」
そう返ってきました。
学校を後にして、バス停に向かって、バス停に到着。
「くーっ、早く明日にならないかな」
お仲間ちゃんの声、楽しみを抑えられない感じです。
「明日の朝までがまん、かな?」
私の声も「楽しみ」でいっぱいだと思います。
でも、
「しかないよね」
返ってきたお仲間ちゃんの言葉はきっと私以上です。
バス停で少し待って、今日は私が乗るバスが先に来ました。
「それじゃ明日ね!」
「うん、明日!」
お仲間ちゃんの声に返してバスに乗ります。
バスの中から窓越しに、お仲間ちゃんに小さくバイバイをします。
お仲間ちゃんも私にバイバイをしてくれました。
バスが動き出して、走り出して、バスに揺られます。
明日はテーマパーク、それだけでも楽しみだけど、VRアトラクションの体験会、どんなのだろ、わくわくします。
テーマパークで頭の中がいっぱいで、VRアトラクションが頭の中をぐるぐるします。
そんな間にバスは走っていつものバス停に着きました。
バスから降りて家へと歩きます。
歩きながらやっぱりテーマパークとVRアトラクションが気になります。
VRアトラクション、本当にどんなのだろ。『VRアトラクション』って名前と「とてもすごいアトラクション」しか分かってません。
でも、だから、余計に気になってわくわくします。
考えながら歩いて家に到着しました。
ドアを開けて、
「ただいまー」
良いながら家に入ります。
キッチンから、
「おかえりなさい」
お母さんの声です。
声を受けてから自分の部屋に向かいます。
部屋に入ってかばんをデスクの横に置いて、制服から普段着に着替えます。
着替え終わったら部屋を出てキッチンへ。
キッチンではお母さんが晩ごはんの準備をしていて、
「手伝うね」
私はお母さんの横に立ちます。
「おねがいね」
いつも通りで晩ごはんのお手伝いをします。
しながらお母さんとお話です。
「良いことあったの?」
お母さんに尋ねられます。
「え? どうして?」
私はまだ何も言ってないけど……。
「声が違うわ、
とっても嬉しそうよ」
なるほど。
「うん、明日なんだけど、お仲間ちゃんとテーマパークに行くことになった」
「テーマパーク?」
私の言葉にお母さんの疑問。
「テーマパークのチケットもらったから一緒に行かない? って。
あと、VRアトラクションの体験会のチケットもあるって」
「そうなの、
それじゃ楽しみね」
お母さんに分かってもらって、
「うん、楽しみ!」
楽しみ、と、嬉しい、がいっぱいの言葉を返します。
「お礼、きちんと言うのよ」
「うん!」
お母さんにやっぱり、楽しみ、と、嬉しい、がいっぱいの返事をしました。
お話をしながらもちろん手は動かしていて、晩ごはんができあがっていきます。
いくらかの時間がすぎて、
「これでできあがりだね」
「お手伝いありがとう」
晩ごはんができあがりました。
後はお父さんが帰ってきて、できあがった晩ごはんを温め直したらOKです。
晩ごはんができあがって、お母さんと私、テレビを見ます。
夜の早い時間のニュースです。正直つまらないけどほかの番組はもっとつまらないからニュースを見ます。
いくらか時間がたって、
カチャリ、
玄関からドアが動く音です。
お父さんが帰ってきました。
「おかえりなさーい」
言いながら玄関に向かいます。
玄関にはお父さんがいて、
「ああ、ただいま」
言葉が返ってきました。
「おかえりなさい」
お母さんも言います。
「ただいま」
もちろんお父さんの声が返ります。
「ごはん、できてますよ」
「ありがとう、着替えてくる」
お母さんに答えてからお父さんは着替えに向かいます。
お母さんと私は晩ごはんの仕度、できあがってる料理を温め直します。
温まった料理から順番に盛り付けてダイニングのテーブルに移します。
もう少しで晩ごはんの準備ができあがり、のところでお父さんがダイニングに入ってきました。
「良い匂いだな、今日も美味しそうだ」
お父さんが言います。この言葉、お父さんは毎日言ってます。
でも、とりあえずで言ってるんじゃなくて、心底思って言ってます。
最後の料理をお母さんがテーブルに置いて、晩ごはんができあがりました。
お母さん、お父さん、それに私、それぞれの席に着きます。
3人で「いただきます」をして晩ごはんが始まりました。
ごはんを食べながらお話が始まります。
「学校はどうだ?」
お父さんから私に。
「うん、良い感じ、楽しいって言うか……、
自然な感じ、かな」
そう返します。
「でも無理しちゃだめよ」
今度はお母さんから。
お父さんもお母さんも私が学校に行ってなかったときのこと、もちろん知ってるから、いつも心配してくれてます。
でも、
「もう大丈夫だよ、
うん、絶対に大丈夫って自信ある」
本当に自信あります。
「そうか、だったら大丈夫だな」
お父さんは笑顔になりました。
「やっぱり、お仲間さんがいるから?」
「うん、それもあると思う」
お母さんに答えます。
「お仲間さん、良い友達だな」
お父さんはやっぱり笑顔です。
「だね、お仲間ちゃんは……」
言いかけて、そうです、大事なことです。
「そう! 明日ね、テーマパークに行ってくる!」
お父さんに言います。
「テーマパーク? 急にだな、
何かあるのか?」
「お仲間ちゃん、招待券あるから一緒にって誘ってくれて、
だから」
お父さんの言葉に答えます。
「そうか、
なら……、小遣い、あるのか?」
えっと、それってもしかして……。
「うん、大丈夫、だと思うけど……」
「なら、後で小遣いだな」
お小遣いをもらえることになりました。もちろん嬉しいです。
「お父さん、甘やかさないで」
お母さんはそう言うけど、
「せっかくのテーマパークだ、
小遣いを心配しながらだと楽しくないだろ」
「本当に甘いんだから」
お父さんはもうお小遣いを決めてて、お母さんは少しあきれてました。
晩ごはんが終わってお母さんと私はキッチンで後片付け、お父さんはリビングでテレビを見ます。
後片付けが終わって私はお父さんのところへ。
インフォメーション端末を取り出して、
「お父さん、お小遣い、良いかな?」
尋ねます。
「ああ、そうだな」
お父さんもインフォメーション端末を出します。
お父さんと私、インフォメーション端末を操作して、近づけて、同期させます。
ピッ、と音がして処理は完了です。
インフォメーション端末を見ると3,000ダリルが入ってました。
「お父さん、ありがと」
お礼の言葉をお父さんに。
「無駄遣いしちゃだめよ」
お母さんはそう言うけど、
「せっかく行くんだ、しっかり楽しんでくると良い」
お父さんが言ってくれました。
お小遣いをもらって自分の部屋に向かいます。
部屋に入って、やっぱり明日のことを考えてわくわくします。
何だか気持ちが落ち着かなくて、ラノベを読もうかと思っても読めなくて、それじゃ、休み明け、明後日の授業の予習はどうかなって思うけどぜんぜん手が着かなくて、少し困ります。
?
楽しみなのに困るってどう言うことだろ?
でも明日が楽しみなのは間違いありません。
そんな感じでそわそわしてると、
「学生ちゃーん、お風呂入っちゃいなさいー」
お母さんの声です。
「はーい」
返事をします。
返事をしてからお風呂の用意、パジャマと下着を出して手にします。
部屋を出てお風呂場に行きます。
脱衣場で服を全部脱いで洗濯物のかごに入れます。
浴室に入ってかけ湯をして湯船に。お湯に体を沈めます。
お湯の温かさが体にしみこんできます。
しっかりと温まってはないけどいくらか温まったところでお湯から出ました。
お湯から出て、まず髪を洗います。
シャンプーを手に出して髪に。しっかり泡立てて髪を洗います。
十分に洗ったらシャワーでシャンプーの泡を洗い流します。
次はコンディショナー、手に出して髪に馴染ませます。
コンディショナーが髪にしっかり馴染むまでに体を洗います。
スポンジを手に取ってボディソープをスポンジに取ります。
何回か軽く握って泡立たせます。
泡立ったスポンジで体のすみずみまで丁寧に洗います。
体の全部が泡に包まれて、よし、シャワーのお湯でまず髪を、コンディショナーを流します。
次は体です。体を包んでた泡をきれいに流しました。
体中がすっきりして、改めて湯船に入ります。
肩までお湯に浸かってまたお湯の温かさが体に入ってきます。
じんわりと温かくて、それが気持ち良くて、至高の時間? かもしれません。
体が十分に温まって湯船から出ました。
タオルで体を荒く拭いて浴室から脱衣場に出ます。
バスタオルで体をしっかりと拭きます。
持ってきたパジャマを着ました。
これでお風呂はおしまいです。
ほこほこになった体でリビングに向かいます。
リビングではお父さんとお母さんがテレビを見てます。
「お風呂、終わったよ」
私の言葉に、
「それじゃ、お父さんも」
お母さんが言って、
「ああ、入ろう」
お父さんが言いました。
私は自分の部屋に戻ります。
部屋に戻って、お布団に入るにはまだ早い時間です。
だから何かしよう、って思うけど、ラノベを手にしても読めなくて、明後日の予習はって思ってもぜんぜんできなくて、困ります。
明日のテーマパーク、それもVRアトラクションの体験会、だから仕方ないです。
これはもう……、寝てしまいましょう。
明日は7時半にバスターミナルで待ち合わせです。だから6時に起きれば十分です。
目覚まし時計を6時にセットします。
部屋の明かりを消して、ベッドに上がってお布団に入りました。
明日のためにしっかり寝よう。
そう思うけどもちろんわくわくして眠れません。
VRアトラクションってどんななのかな? 気になります。だからわくわくします。だから眠れません。
でも、眠れない、眠れない、って思ってるうちに眠りに落ちて行きました。
続
作者初の『のびのびTRPGザ・ホラー』リプレイ小説、これにて第1幕は終幕です。
学生さんとお仲間さんは既出のキャラクターですが、主人公として『ザ・ホラー』のリプレイ回に登場です。
テーマパークには何かの予兆が……。
次回は『幻想!テーマパーク! 第2幕』です。
では、今後ともご贔屓のほどよろしくお願い致します。