時には戦争が起きていても、世界は概ね平和だった。その平和を粉微塵に変えたのは『零災』……全てを零へと変えた世界規模の大災害だった。
世界を一度混沌へと叩き落とした『零災』から世界は変わってしまった。
『フィールド』と命名された特殊な球状の異空間が突然現れるようになり、その中では適性がない者が死に蝕まれる。体が少しずつ結晶化していき、最後は結晶の塊となって命を落とす。一度入ると自力での脱出など、当時は不可能とされていた。入ったら最後、出るには管理者を倒す必要があった。
管理者……ゲームで言うところの敵のボス。敵は総じて『ホロウ』と呼ばれ、フィールドはホロウの管理者の力により展開されていて、管理者を倒すことでフィールドは解除される。しかし結晶化してしまった部分はフィールドから帰ってきても戻らない。理不尽な現象。
人間は追い詰められた。立て直すのは不可能に思えた。だから立て直すのではなく適応することにした。長い時間と犠牲を経てフィールド内に居るホロウを倒すと消える代わりにとある物質を落とす。それは『マテリア』と呼ばれ、マテリアを基に作り出されたのが『エレクヴァイト』という物質だ。
時が経ち現在。フィールドが発生した際に中へと入り、管理者を倒して物質を持ち帰ってくる者たちのことを『レイダー』と呼んで世間に浸透している。一つの職業となっているが、フィールドに適性を持つ者は多くはない。故に世間はレイダーのことを英雄視していた。
エレクヴァイトによって造られた対ホロウ用特殊強化装備『月詠』という2本の刀を手に持ち、顔を仮面により隠して独自の制服を身に着けた少女もまた、歴代で2番目の若さでレイダーとなった実力者であり、世間からの人気も強かった。
そんな仮面の少女は裏の顔。表の顔は普通の女子高生。友人も居て、まあそれなりの生活を送っている。そんな彼女は、ある人物と関与することとなる。
公的に認められてフィールドに入る者達とは違い、権利なく勝手にフィールドに入り、管理者を倒してマテリアを回収し、独自のルートで売る裏稼業の者達のことを『バッカー』と呼ぶ。
表のレイダー。裏のバッカー。彼女達のこれからはどうなるのか。