最終話:ワンピース
大海賊時代の終焉と世界政府の絶対的な地位の確立。
これにより、海賊達の夢とロマンは潰えた。嘗て、時代の勝利者であるゴール・D・ロジャーが残したとされる
新たな時代の勝利者であるアラバスタ王家のネフェルタリ・ビビによって再定義される
語呂、意味合い、ロジャーや白ひげが最後まで詳細を口にしなかった事。また、ロジャーの最後の言葉である『探せ!この世のすべてをそこに置いてきた!』というセリフがあるが、これも『探せ!この世のすべてを
情報操作がお手の物の世界経済新聞も流石にここまでやるのかと疑問視したほどだ。だが、ビビが一言ヤレと言えば、すぐに実行される。
その結果、世界が平和になった反面、コブラ国王の胃には甚大なダメージが溜まっていた。アラバスタ王家の第一王女にして、次期女王内定済みの実の娘が・・・何をどう間違ったのか数年で人知を超えた頭天竜人になっていた。信じて送り出した娘がこんな形で帰ってくる事になるとは、コブラ国王の想像の斜め上をいっており、賢王と名高い彼でも予想など不可能。
コブラ国王の胃痛原因の一つが、彼の娘であるビビが一人二役で父であり母でもある事だ。多様性を求められる時代であっても、誰もそこまで多様性は求めていない。だが、時代の最先端を進む王家として周囲の国家からは、『流石、アラバスタ王家!! 俺たちにできない事を平然とやってのける。そこに痺れる、憧れるぅ!!』と賞賛される。これで女であっても優秀な者の種を次代に残せて安心だ。その制度もアラバスタ王家を参考にして出来上がる。
ビビ達が王下七武海、四皇をほぼ殲滅してアラバスタに凱旋してきた。軍事同盟の者達を一目見ようと各国の要人やコネ作りをしたい者達がこぞってアラバスタに集結する。その様々な調整に追われて、アラバスタ王宮の勤め人たちは燃え尽きていた。忙しいというレベルを遥かに超える激務。
だが、そんな王家の勤め人たちにも喜ばしい事はあった。ビビの子供達も一緒という事だ。未来のアラバスタ王家を担う子供達。これには、コブラ国王が狂喜乱舞するほどだ。娘も当然可愛いが、孫の方がもっとかわいい。それは、世の中の親の真理だ。どんなに甘やかしても構わない。子供の教育は親の責任であるため、コブラ国王が自重する事はない。
両手に孫を抱きしめるコブラ国王はご満悦。更に、
「ねぇ、パパ。何で凱旋した実の娘よりソラとホタルの方を大事に扱うのよ。こんなの絶対に可笑しいわ。子供達ならわかるけど、どうしてかしら?」
「理由を知りたいなら、その胸に手を当ててみるといい」
ビビは、全く心当たりはない。それどころか、大海賊時代を終わらせてきた事を褒めてくれるとすら思っていた。だが、コブラ国王は世界的な功績よりも、義理の娘と義理の息子に対してアブノーマルな行為を強要していた事実を嘆いていた。何処で教育を間違ったのだろうかと。
王家の務めとして子作りは必須だが・・・戦場で高ぶった息子(意味深)を鎮める為に夫(ソラ)をはけ口にしている事を元・CP9達から報告がなされていた。流石に実の親であっても頭天竜人を否定できないレベルであり、世間様に顔向けできない。
「やましい事は何もないわ。自画自賛じゃないけど、完璧じゃない。アラバスタ王家として、世継ぎも完璧。国家運営に関しても、トンタッタ王国、リュウグウ王国とも懇意にしていて死角はないわ。ソラとホタルという天竜人の二人を娶っているんだから、そっち方面も滞りないし・・・向かうところ敵なしじゃないかしら」
「ビビの言う通り完璧だね。将来、子供達にはアラバスタ王家を継がせるのが良い。天竜人は私が死ぬまで引き受けるから、子供達や子孫に迷惑をかけないように配慮させるよ」
「・・・兄様。もしかして、一緒に歳を取らないおつもりですか?」
ワンピース経由で老化と言うダメージを押し付けられるソラにとって、ワンピースがある限り不滅になれる。海賊が絶滅危惧種になるであろう今後の世界。次なる脅威は軍事同盟に他ならない。海軍と真っ向から衝突できる戦力など危険視されるに決まっている。
今はまだ、革命軍とかいう不穏分子がいるから海軍もそこまで敵対しない。だが、強すぎる力は問題になる。ソラは、海軍と軍事同盟の双方を繋ぐ中間理職になろうと思っていた。
「流石に子供や孫・・・子孫達が不幸になるのはちょっと見過ごせないからね。勿論、永久には見守れないし、全員も見守れない、子供がクズな人格なら見捨てもする。だが、セーフティーネットくらいにはなろうかと思っている」
「兄様だけ、ずっと若いままはずるいです。でも、ビビが公開する
既に、天竜人専用の通販サイト経由でワンピースの注文を多数貰っている。この軍事同盟と言う規格外の戦力保有が許容されるのは、ソラのワンピース製造能力が鍵だ。
「海賊王も自分が残した宝が
・・・
・・
・
アラバスタ王宮に集まる取材陣たち。軍事同盟が四皇並びに王下七武海を粉砕した事と海賊達が追い求めていたワンピースを公開処刑する場になる。海賊王に匹敵する知名度を誇る頭天竜人のネフェルタリ・ビビ。
その彼女が、王配であるソラとホタルを公的の場に連れ出して爆弾発言をするとの事で世界は注目する。今度は何をやらかすんだと。これが、今までの実績と成果が辿り着いた果てだ。
着飾った王女と王配。王配は、天竜人という事もあり民間人からは警戒されるかと思われたが、何故か憐みや同情といった感情がソラ達にも伝わる。天竜人という立場だが、世間に出回る情報から完全にビビに食われた立場に思われていた。
その雰囲気を察するビビ。
「他国ならまだしもアラバスタでこの扱いは、納得いかないわ!! 私は、これでもアラバスタの為に色々と頑張ってきたのよ。バロックワークスという秘密結社に潜入したり、悪魔の実を食べたり、海賊を根絶やしにしたり、天竜人を王配に迎えたり、王下七武海と四皇をつぶしたり・・・こんなの絶対に可笑しいわ」
「正直、私も可笑しいと思うよ。この二年で殺した海賊が5桁になっている。ビビ、貴方がNo.1だ!! 貴方が居たから全てうまくいった。多少、生き残りの海賊がおりますが余命は長くない。これで次代の子供達は、安全な時代を過ごせるでしょう。ビビに惚れこんで全てを賭けた先見の目を褒めたいほどです」
アラバスタ王家の子供達の未来。子供達が安心して暮らせる未来を作り上げたという一点で見れば、まさに素晴らしい。その子供達がビビ、ソラ、ホタルの才能を余すことなく引き継ぐ事で様々な問題が起こるが、些細な問題だ。
だが、これで満足しないのがビビだった。ビビはソラに内緒で秘密裏にある悪魔の実を探させている。それは、元・黒ひげ海賊団の船員が保有していた物であり、病気を製造し感染させることができるという極めて危険度が高い。その病気の中でビビが狙っているのは、女になる病だ。
その使い道は・・・言うまでもない。『女を孕ませていい奴は、孕ませられる覚悟のある奴だけ』という事を素でやろうとしていた。近い将来、アラバスタでは真の男女平等を実現する未来を生きる国家になる。
その第一段階として、今から世界に宣言がなされる。
『大海賊時代は、終わりを迎えました。だからこそ、私は宣言します・・・
傍聴者たちも
人と人をつなぐ大秘宝、改め、大卑宝。
次代に子供を引き継ぐ事が出来る宝として、性癖以外完璧な王女様・・・世界三大美人に数えられるビビ王女の口から放送禁止用語が飛び出した瞬間だ。頭天竜人が大海賊時代を本気で終わらせた歴史的な瞬間となる。
そして、アラバスタで語り継がれる事になる。
伝説のスーパーアラバスタ人・・・頭天竜人ネフェルタリ・D・ビビの名を。
◆◇◆◇
アラバスタ王国が緑化され、世界の経済を担うようになった時代。
かつての伝説を紙芝居で市民に聞かせる一人の男性がいた。彼は、金髪の若い男性であり、とても歴史を知っているような者には思えない。むしろ、出稼ぎに来た男娼に勘違いされるほどだ。
そんな怪しい男が街中で紙芝居をしているのを誰もが注目する。興味本位で集まった子供達は、流石に盛り過ぎでしょうという反応だ。
「伝説のスーパーアラバスタ人は、実在していた!! どうでしたか、アラバスタの実話を元に自ら作った力作です。歴史とは、いつか風化して忘れられてしまいます。ですが、今日、この場で聞いた事を少しでも長くアラバスタの子供達に覚えておいて欲しいのです」
「お兄さん、盛りすぎだよ。100年以上前にそんな女性が実在していたとか、本当なの?」
「アラバスタ王家相手に、そんなことをいったらダメだってお母さんが言ってたよ」
事実しか告げていないのに、酷い言われようだと男は嘆いた。だが、それでも歴史を伝えたいという気持ちは変わらない。男は、紙芝居を聞いてくれた者達にお菓子を配り、店じまいしてすぐにその場を去った。
アラバスタ王家の者達が謎の紙芝居をしている男を必死で探しているからだ。
・・・
・・
・
数刻後、男は船に乗って聖地マリージョアに向かう。そして、鳴り響く電伝虫の受話器を取った。
『何をしている、ソラ聖。五老星会議が間もなく始まるのに何処にいる?』
『申し訳ありません。少し故郷のアラバスタに足を運んでいました。会議は、映像電伝虫経由で参加しますので、ご容赦をください。それで、遂に私を五老星から解任していただける事になりましたか?』
ネロナ・ソラ聖。世界唯一の
『馬鹿を言うな。お前のような歴史を知りすぎた男を野放しになんぞできるか。それに、
『残念です』
ソラは、アラバスタで子孫の無事を確認していた。遠くから見守ろうと決意する。
「ビビ、ホタル。天国に行くのはもう少し先になりそうです。子供より長生きするのは、どうかと思いましたが、存外長生きも悪くありません。そちらに行く際は、土産話を数百年分持っていきます」
波乱の人生を歩んだソラ・・・
今後、彼の人生に幸あらんことを。
◇◆◇◆
海賊達が絶滅危惧種に追い込まれたおかげで貿易と冒険が盛んになった。その影響を受け、死に絶えた海賊達が隠したであろう財宝を探す大冒険に出る者達が増え始める。
その連中に共通して言える事は、絶対に海賊にはならないという事だ。海賊と言うレッテルを張られただけで、海軍が飛んでくる。しかも、引き連れてくる海兵は大佐以上が数名と言う凶悪な戦力。海軍は、大海賊時代が終わりを迎えたおかげで、
平和を享受したい市民には実に良い時代だ。
だが、海軍が広く展開するようになった代わりに横暴な海兵も存在する。そういった連中を取り締まるのが、swordの任務の一つだ。そして、軍用に新造された船に積荷を運ぶ者達がいる。
「がはははは!! 軍事同盟に無理を言って新造船を無期限で借りてきてやったぞ!! これで、爺ちゃんと大航海に出発じゃ」
「待ってくれよ、爺ちゃん。俺は、病み上がりなんだ。それに、何か大事な事も忘れている気がするんだよな」
積荷を担いでいるガープ大将。彼は、大海賊時代を終わらせた功績もあり無事に海軍大将に昇進した。そして、これからは権力を自由に使いゴミ屑共を粉砕する。勿論、彼の孫であるルフィを守る為にも、働いて功績ポイントを稼がねばならない。
”麦わらのルフィ”・・・ワノ国で軍事同盟によって、捕縛された。彼は、全てを失った事で廃人となったが奇跡の復活を遂げる。それを実現したのが、S-コックというガープが全財産をつぎ込んでベガパンクに製造させたセラフィムだ。そのベースとなった人間は、ワノ国で比較的綺麗な死体が残っていたサンジ。
そして、S-コックに備え付けられた能力は、メモメモの実。記憶を改竄できるというチートだ。これにより、ルフィは海賊としての数年の記憶。シャンクスとの記憶。サボとエースとの記憶など海賊に憧れるイベントを悉く抹消され、立派な海兵になるべく改造された。
「嘘つけ。お前、昨晩S-コックの飯を山ほど食っていただろう。爺ちゃんが知らないとでも思っとるのか!! 一人で何人分くうんじゃ、全く。あぁ、食糧は全て冷凍を忘れるなよ、クザン」
「人使いが荒いなガープさんは~」
元・海軍大将、元・黒ひげ海賊団・・・そして、swordの一員となったクザン。彼も同じく軍事同盟に捕縛され、S-コックにより記憶をいじられた。その結果、赤犬との因縁は消え去った。今のクザンは、若かりし頃にガープに憧れていた情熱を持っている。
この状況は、ガープにとって色々と複雑だ。だが、それでも最良に近い結果。孫息子と一番弟子と一緒に大航海できる。ここ数年の悪夢みたいな現実に比べれば、今のほうが100倍幸せなのは言うまでもない。
船長:ルフィ
副船長:ガープ
コック:S-コック
航海士:コビー
戦闘員:クザン
といった、過剰戦力の部隊が出来上がった。他にもswordから引っ張ってきた人材を多数採用しており、何処を航海しても何不自由なくやっていける。
幸せそうなガープを見たルフィは、祖父に一つ聞いてみたい事があった。
「なぁ、爺ちゃん。町で少し聞いたんだが、ワンピースってなんだ?海軍の爺ちゃんなら知ってるかなって」
「ワンピース?なんじゃルフィ、お前さんはそんなことも知らんのか。ワンピースってのは、チ〇コの事じゃ。お前にも付いているだろう?」
ルフィは、己の息子の位置を確認した。だが、そこには何もない。何故ないのか、どうしてないのか。海賊時代の記憶がないルフィには理由は分からなかった。
「爺ちゃん!! 大変だ。俺のワンピースがねぇぇぇぇぇぇ!!??」
「なんじゃ、そんな事か。安心せい。とある場所でしっかりと保管されとる。ただし、返してはくれんじゃろうから新しいのを購入するぞ。幸い、天竜人専用の通販を使えるからな。金さえあれば、新しい
ガープは、孫の命を救うだけでなく孫の息子まで再生しようと頑張る。
「そうなのか、じゃあ
孫息子の元気な姿が見られた。それだけでガープの心は満ち足りた。彼等が進む大航海には、革命軍が立ちはだかったりドラゴンとの決着なども待っている。
モンキー・D・ルフィがワンピースを手にするその日まで、彼等の苦難は終わらない。
作者的にはハピーエンド!!
そして、最後だからようやくソラの謎だった?悪魔の実をフルネームで公開してみました。
ば、バレバレだったけど最後位いいよね。
最後まで、お付き合いいただきました読者の皆様ありがとうございます!
ノリと勢いで完結できたのも読者の皆様のおかげです。
機会がありましたら、余談などでイーロンやケイミー、ルッチなどの話も考えたいと思います。もしくは、お馴染みの原作時空的に頭天竜人登場みたいな。
改めて、ありがとうございました!
また次回作をやる際はぜひよろしくお願いいたします。