全ての戦いが終わって力を使い果たし、姿を消そうとするサザントス。
しかし、戦いの前に「消えたくない」と助けを求めた彼に応えるように、選ばれし者――ミトスは指輪に願った。
『どうか…この人にもう一度機会を』
悲願への執着が薄れ、人の可能性を認めた今ならきっと、聖火守指長だった頃とは違う目線で世界を見てくれる。人を、救うべき対象ではなくこの世に生きる一つの命として見てくれる。
そう信じ、ミトスはサザントスに微笑んだ。
二人が光に呑まれ姿を消したのは、その直後だった。
――喧噪に包まれ、サザントスは目を覚ます。そこはフレイムグレースの酒場だった。
状況を呑み込めないサザントスに、酒場を訪れたロンドが大聖堂への同行を求める。
そこで判明したのは、神界での戦いを選ばれし者が制したことを、教会や守り手が把握していること。サザントスは酒場にいるだろうと、ミトスから手紙が届いたこと。当のミトスが、オルステラのどこにもいないこと。
手紙がまるで遺書のようであったこともあり、誰もが彼女へ哀悼の意を示した。
『敵であった者の回生を信じ、選ばれし者は己の命を代償としたのだ』と、美談のように語られサザントスは苛立ちを募らせる。
「ミトスが死んだ……? そんな筈は無い。あの者のがあのような顔で、私の生を願う筈が無い……!」
そうして一人ミトスを捜そうとするサザントスに、ロンドが待ったをかけた。
神界での戦いのあと、指輪は再び世界に散った。聖火守指長を継いだ者として、散った指輪を探さねばならない。――同じ“さがしもの”をするなら、手は多い方がいい。
「何より、僕もまたミトスさんに会いたいですしね」
「……いいだろう」
こうして二人は、同じ旅路を行くことになった。
しかしさがしものが見付からないまま月日は過ぎ、気付けば二人で教会からの指令をこなすことも珍しくなくなっていた。
そんなある日のことだ。ロンドと別行動中のサザントスはふと思い立ち、某所へ向かった。
確信があったわけではない、何か手掛かりがあればとだけ思っていた。
それが――当たりだった。
試練と問答の果てに辿り着いた一室で、彼女は眠っていた。……愛らしい、幼い姿で。
ミトスはかつての記憶は残っているようではあるものの、それ以外は見た目通りに幼い。
神界での戦いの最後について尋ねたいことがあるサザントスは、今度は彼女の姿を元に戻す術について探らねばならなくなったのだった。
しかし、戦いの前に「消えたくない」と助けを求めた彼に応えるように、選ばれし者――ミトスは指輪に願った。
『どうか…この人にもう一度機会を』
悲願への執着が薄れ、人の可能性を認めた今ならきっと、聖火守指長だった頃とは違う目線で世界を見てくれる。人を、救うべき対象ではなくこの世に生きる一つの命として見てくれる。
そう信じ、ミトスはサザントスに微笑んだ。
二人が光に呑まれ姿を消したのは、その直後だった。
――喧噪に包まれ、サザントスは目を覚ます。そこはフレイムグレースの酒場だった。
状況を呑み込めないサザントスに、酒場を訪れたロンドが大聖堂への同行を求める。
そこで判明したのは、神界での戦いを選ばれし者が制したことを、教会や守り手が把握していること。サザントスは酒場にいるだろうと、ミトスから手紙が届いたこと。当のミトスが、オルステラのどこにもいないこと。
手紙がまるで遺書のようであったこともあり、誰もが彼女へ哀悼の意を示した。
『敵であった者の回生を信じ、選ばれし者は己の命を代償としたのだ』と、美談のように語られサザントスは苛立ちを募らせる。
「ミトスが死んだ……? そんな筈は無い。あの者のがあのような顔で、私の生を願う筈が無い……!」
そうして一人ミトスを捜そうとするサザントスに、ロンドが待ったをかけた。
神界での戦いのあと、指輪は再び世界に散った。聖火守指長を継いだ者として、散った指輪を探さねばならない。――同じ“さがしもの”をするなら、手は多い方がいい。
「何より、僕もまたミトスさんに会いたいですしね」
「……いいだろう」
こうして二人は、同じ旅路を行くことになった。
しかしさがしものが見付からないまま月日は過ぎ、気付けば二人で教会からの指令をこなすことも珍しくなくなっていた。
そんなある日のことだ。ロンドと別行動中のサザントスはふと思い立ち、某所へ向かった。
確信があったわけではない、何か手掛かりがあればとだけ思っていた。
それが――当たりだった。
試練と問答の果てに辿り着いた一室で、彼女は眠っていた。……愛らしい、幼い姿で。
ミトスはかつての記憶は残っているようではあるものの、それ以外は見た目通りに幼い。
神界での戦いの最後について尋ねたいことがあるサザントスは、今度は彼女の姿を元に戻す術について探らねばならなくなったのだった。
| “おかえり” | |
| まくま:りじーとおるすばん | |
| 異幕:おさかなのクリーム煮 |