頭部(ビーム)バルカン!それに(GUND)ビット…!こいつ、本物のGUND-ARM(ガンダム)だ!

※一応憑依のタグを追加しました

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初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりですm(*_ _)m
以前GQuuuuuuXで短編を書かせて頂いた者本人ですのでパクリとかではございません。(前の話とは繋がっておりませんのでご安心を)

※オリ主の見た目は、ホラー嫌いの作者が作ったことで有名な某水族館ホラーゲームの主人公です。
かなりの名作ですので、是非


ファラクトってGQuuuuuuXでも通じそうな見た目してるよね

「ん……え、どこここ?」

 

目の前に広がるなんか近未来的な光景。……モニター、だよな?

 

訳も分からず辺りを見回せば――てか狭くない?カプセルホテルよりはマシだけど。

 

「これは、レバー…だよな?」

 

画面とかもめっちゃ新しそうなデザインだし……椅子の感じも凄い。

このライト?っぽいのもすげー。めっちゃ先進的だわ。

 

あ、ペダルっぽいのもあった――

 

――と、あれこれ一通り見て回った訳だが……うん、飽きた!

 

ずっと同じ景色見てたって飽きるだけだっての!狭いから歩いたりもできないしな!

 

「この文章何書いてるかわっかんねぇし」

 

画面を適当にポチポチしている中で見つけた、洪水起こしそうな情報の山々。

文字は分かる。英語だけど一応は読める。でも内容はわからん。

 

暇つぶしにポチポチしてたら赤くなって警報鳴ったし、下手なこともできんからなー。

 

「はぁーだる。寝よ」

 

目を閉じ、意識を闇に落とそうとした、まさにその瞬間。

 

PPPPPPPP!!!

 

「ッ!?」

 

けたましく警報が鳴り出し、何かを伝えだした。

慌てて瞼を上げて頭をぶんぶんと振るうと、目の前の画面に変化が生じる。

 

「な、なに!?なんなの!?」

 

画面いっぱいに広がる真っ暗な空間な中から、1部にカーソルが合わさり、勝手にズームされた。

そこに映し出されたのは……えっ

 

隊列を組むように並んだ、濃紺に塗装された1つ目の巨人達。それらの姿は大分、というかかなり見覚えのあるそれだった。

 

てか、あれって……

 

「ざ、ザク…?」

 

”ガンダム"に登場する敵組織、ジオン公国軍が運用する人型機動兵器。MS-06の型番を持つそれに酷似していた。……緑ではないけど。

 

「アニメ?え、すご、映像めっちゃリアルじゃん」

 

武器は、マシンガンとヒートホーク。なんかバズーカ背負ってるのもいるけど、基本オーソドックスな感じか。

 

はえー、すっごいなぁ〜

 

PPPPPPPP!!!

 

「今度はなに!?……ロックオン警報?」

 

呑気にぽかんと口を開けたところで、再び大音量で響き渡る警告音。

表示されてるのを見た感じ、あのザク達にロックオンされたってことなんだろうけど……あ、銃口が光っ――

 

「――っぁ〜〜!?!!」

 

ガタガタと激しい衝撃に襲われ、咄嗟にレバーを掴んだ。

勢いよく掴んだからか、レバーがガクンと倒れる。

 

「うぇっちょ!?」

 

それと同時に、強いなにかに引っ張られるような感覚に襲われ、目の前のモニターに映る景色も変化していく。

 

は、え?なん、なに!?

 

なんとか踏ん張ろうとペダルに足を乗せ――急激に感覚が変化した。

 

「うわぁぁぁぉぉぉ!?!?」

 

ぐるぐると回る景色に合わせてか、体全体を使ってぶん回され、胃の中から込み上げる何か(・・)の存在を、否が応とも感じさせられた。

 

「うっ、ぉえぇ……」

 

口元を抑え、何とか堪えにかか……え?

 

なんで、ザクが、こんなに近―――

 

ガァァン!!!

 

「〜〜〜〜〜!う"っぅゔぉえ…」

 

あかん、ちょっと吐いちゃった……

 

「て、てか…とまって、止まって……」

 

口から吐き出た吐瀉物が、ふわふわと宙を舞っているという超常現象を目にするも、グロッキー状態な中では気にする余裕もなく、スルーしてしまう。

 

そんなことより…誰か、助け…何とかして……

 

レバーを掴む手に力を込め、必死に振り飛ばされないように踏ん張る。

 

「んぶぶっぐぶ……んむ?」

 

そろそろ手が限界を迎えそうになり、なんとかしなければと焦りが募る。

けど、だからと言ってどうすればいいのかもさっぱり分からない、お手上げ状態。

 

もうこの際諦めて身を任せようかと思い、力を抜きかけたついその時……たまたま目を向けた方向に表示されていた、とある文章が目に入った。

 

なん、だこれ……?

 

「推奨、パーメットスコア、2?」

 

パーメットスコア…?パーメットスコアってなにさ……いや待て、なんか聞き覚えが……ぁ!?

 

「待って待って待って待って!!」

 

やめてお願いそれだけは本当勘弁して――っ、あぁ……

 

手遅れ。

頭に流れ込んで来る様々な情報に、俺の脳裏にその3文字が浮かび上がった。

 

基本スペックデータを含む機体詳細、各種システムを管轄するコンピュータから送られてくるリアルタイム情報、パイロットとのパーメットリンク構築状況、相対する敵MSの解析結果……情報の洪水に思わず目眩がしそうだ。

 

……けど、お陰でコレ(・・)の正体もわかった。

なんで宇宙世紀に水星ガンダムがあるのかは気になるけど……でも、今はこっちでしょ。

 

「行こうぜ――ファラクト」

 

口元を拭い、操縦系を握り直す。

GUNDフォーマットのお陰で操縦法は理解できた。今度はこっちの番だ。

 

「散々撃ちまくってくれてありがとう。倍にして返してやるよ!」

 

ブラストブースターを吹かし、暴れ散らかしていた機体を制御、急制動の反動を受けながら、高速で飛び出す。

 

流れる視界の端に目標を収めながら、長いロングバレルが特徴的なファラクトの専用武装、"ビームアルケビュース”を構え、狙いを定める。

 

まずはメインカメラ、確実に持っていく!

 

「ターゲットロック、そこ!」

 

引き金を引く。

 

「よし」

 

銃口から放たれたビーム弾が、正確無比にザクの頭部を貫く様に、拳を握り締める。

 

元より高い安定性を重視した設計が施されており、GUNDフォーマットの知覚リンクと合わせ、かなりの狙撃性能を有する本武装。

 

この程度、御茶の子さいさい……なんだけど、実際当たってみれば感慨深い気持ちになる。

 

「感傷はあとだけどな」

 

あと3機残ってるんだ。センチメンタルに浸るのは終わってから。

 

PPPPPPPP!!!

 

っと、気づかれたか。

まぁでも問題はない。こっちはガンダム、それもあのファラクトだ。

 

「この機動性にはついて来れんだろ!」

 

スコアだって3以上は使うつもりもないしな!

 

……4以上になると流石に死ぬかもだけど、3までだったら死なないのはPrologのナディム・サマヤで分かってるからな。

GUNDビットの為に3までは解禁しても、4は絶対使わん!

 

「言ってる間にか」

 

こちらの速度についていけず、思わず棒立ちになったところで、目標をセンターに入れてスイッチ。これでおk。

 

「こいつら…2機1組で動いてる時はそこそこいい動きなんだが……相方潰されると途端に悪くなるよなぁ」

 

戦術だか作戦だか知らんけど、相方やられたからって動揺し過ぎだ。

 

腕部サーベルラックからビームサーベルを取り出し、急加速。

 

「ほいっと」

 

すれ違いざまに胴を袈裟斬りに、真っ二つにする。

泣き別れた機体からバチバチと電流が迸り――爆散。

 

さーって、残るは……ぇ?

 

「ば、ばく、はつ…?い、今…俺、こ、殺し……あ、っえ?」

 

いま、おれ…なにを、したんだ……?

 

わなわなと操作レバーから手を離し、震える自らの体を掻き抱く。

 

お、俺が……殺した、のか?自分の、意思で…

 

「ち、違う!なにも、ころしたかったんじゃ……」

 

でも、でも……やったのは、俺…なん、だよな……あ、は…はは、ははは……

 

「あぁ…ぁ」

 

頭を回す気力すらも失い、何も考えられずに呆然としてしまう。――しかし、現実は待ってはくれない。

 

PPPPPPPP!!!

 

小刻みに震える指先を見つめていると、再び凄まじい存在感の警報音が鳴り響く。

4機――いや、1人は俺が殺したから3機か……の中で唯一胴と頭が泣き別れていなかったザクが、拳を握り締め突撃してきた。

 

「ッぁァ!!」

 

武器すら持たない捨て身の特攻。

胸部装甲に何度もマニュピレーターを打ち付けられ、コクピットが衝撃に襲われる。

 

「〜〜〜!!」

 

強固な装甲を持つとはいえ、いつまでもは持たない。対処しなければ……でも、対処って、どうやるんだっけ…?

 

思考がまとまらない。正常な判断ができない。おかしいのは分かる。でも…どうにもできない……

 

埒が明かないと思ったのか。

それとも、無抵抗に殴られるがままな俺に活路を見出したのか、右手に握られたままのビームサーベルが奪い取られた。

 

ザクに構えられたサーベルの刃が向けられ――

 

「ぇっ」

 

――た瞬間、ザクの胸部をビームの光が貫いた。

 

胸部に穴を開けたザクは、少しの間痙攣するように震えた後、ジェネレーターにでも引火したのか、爆炎を巻き起こしながら宇宙(ソラ)に散る。

 

「な、にが…?」

 

理解できない。なんで急に……いや、原因は分かってる。でも、あのビーム……いったいどこから?

 

うろうろと視線を彷徨わせ……見つけた。

 

「あれは…ビット?」

 

何度も軌道を変えながら高速で飛び回る赤い物体。

どこか見覚えのある形状をしたそれは、まるで俺の様子を伺うかのように、俺の周囲を周回していた。

 

ファラクトのメインカメラがビットへと向いたことで、見られていることに気付いたのか、姿勢制御スラスターを無数に噴射させ、方向転換し飛んでいく。

 

そして、そのビットが飛んで行った先には……

 

「あれって……」

 

全身を赤く染め上げた異形のMS。

骸骨かのような不気味な頭部は、昆虫の複眼のようにも見えるデュアルアイと、各部に設けられた補助センサーにより、まるで8つの目を有しているかのようにも見え、全体的に細身なシルエットもまた、その身を覆う赤い塗装も相まって、まるで血に染まったスケルトンかのような印象を抱かせる。

 

……でも、なぜだろうか。

そんな、あまりにも知っている姿とはかけ離れているというのに、このMSがあの機体(・・・・)だと分かってしまうのは。

 

瞬間、電子音声を鳴らしながら、照合システムの解析結果が表示された。

 

「……やっぱり」

 

『gMS-α』・『RX-78-02』…なぜか2つ表示されたのが気がかりだが……やっぱり、こいつは、このMSは……

 

爆散する前に手放され、漆黒の宇宙を舞っていたビームサーベルを回収し、サーベルラックには戻さずに構える。

 

さっきまではグチャグチャだった思考も、こいつが出てきたおかげでまとまってきた。そこは礼を言う、だが……目的が分からない以上、警戒させてもらう。

 

「お前の目的なんだ?なんで俺を助けた?」

 

チャンネルを開き、赤いガンダムに向けて呼びかける。

 

「聞こえてないのか?」

 

だが、何度呼びかけようとも、赤いガンダムから応えは帰ってこない。

挙句スラスターから青い軌跡を迸らせ、急速にこの場を離脱して行ったのだ。

 

「なっ!?」

 

驚きに目を剥くが、すぐさま追いかけたりはしない。

……あの赤いガンダムには不審な点が多すぎる。ただでさえこんな状況なんだ、余計なリスクを背負うべきではないだろう。

 

「……なんて、頭では分かってるんだけどな」

 

言葉とは裏腹に、赤いガンダムの追跡の為に、即座に機体を動かす準備を整える体。

 

スロットルを開け、全開にして飛び出し、赤いガンダムを追いかける。

 

……だが、流石に葛藤する時間が長かったせいか、既に赤いガンダムは探知圏外へと消えていた。

 

「…」

 

まだ、なにもかもが分からないままだ。

なぜ俺はここにいるのか…この世界があの宇宙世紀だとすれば、ファラクトは一体なんなのか…そして、この()

 

想像すらつかない分からない尽くしの状況。

けれど――

 

「――あの赤いガンダムを追えば……なにか分かるかもしれない」

 

■□■□■□

 

あれから暫く。色々なコロニーを巡りながら、赤いガンダムの行方を追っていたところ……とんでもない話を耳にした。

 

「一年戦争でジオンが勝利、か」

 

今し方沈めた宇宙海賊(仮)から奪った、アイ○ッドのような端末をポチポチし、更なる情報を求める。

 

宇宙世紀0079に、赤い彗星とも呼ばれたシャア・アズナブルが連邦の新型MSガンダム及び、その運用艦ペガサスを強奪……もうこの時点でツッコミどころ満載だな。

 

「おっちゃんにサイコミュ搭載とかゼクノヴァとか、この宇宙世紀めちゃくちゃだな…」

 

ゼクノヴァが原因で研究開発が条約で禁止されたとかあるけど、これ本当に守ってるのか?絶対どっちも裏でこっそりやってるだろ……

 

他に違うところがあるとすれば…MAV戦術。

MS2機1組によるMAV、一年戦争時にシャア・アズナブルとシャリア・ブルにより編み出された戦術、らしいけど……シャリア・ブル、ねぇ。

 

「木星帰りの男が赤い彗星のマヴ、か」

 

ちっ、やっぱり掲示板からだと得られる情報も少ないか。かといって一般向けのウィ○ペディアじゃあまり変わりもない。

 

もっといい情報源を……うん?

 

「赤いガンダムが、サイド6近辺で確認された?」

 

他のサイトも漁ってみる。……同じこと書いてる。

ってことは、信憑性は高いか。

 

「行くか、サイド6」

 

ええっと?直近で確認されたコロニーは……

 


 

"マチュ”のエントリーネームでクランバトルに参戦している彼女、”アマテ・ユズリハ"は、今回のクランバトルにおいて苦戦を強いられていた。

 

「速い!それに、見えない…!」

 

此度のクラバにおいて、アマテは1人で参加している。

体調不良とマシントラブルにより、マヴとして出場する筈だった"HARAHERIMUSHI”こと”シュウジ・イトウ"の赤いガンダムも、同じポメラニアンズに属する"ジェジー”のザクもいない完全な1人。

 

外注した筈の相方も、また別のトラブルに見舞われ出場できず、アウェーな状況でのバトルを余儀なくされたのだ。

 

「まだマシンガンすら買えないんだから、違約金なんて払えないよ……」とはメカニックの”ケーン"の言。

 

それでも流石に1機ではマズいと、運営に連絡を入れようとした”アンキー"を止めたのは、ケーンの嘆きを耳にしたアマテだ。

 

いつぞや"ニャアン”に言った「勝つから、信じて!」という言葉を胸に、このクラバに挑んだというのに……この体たらく。

 

「動きが、読めないっ!」

 

シールドを構えてマシンガンの直撃を避け、スラスターを吹かしその場を離れる。

 

「うっ!」

 

――が、先に待ち構えていたザクのキックにより蹴り飛ばされてしまう。

 

「ぁぁっあ…!」

 

揺れるコクピットの中で、衝撃に喘ぐアマテ。

強制的に肺から空気が吐き出され、息が苦しくなる。

 

それでもなんとか体勢を立て直し、ヒートホークの斬撃を受け止める。

 

「うぅぅんぬッ!」

 

ザクのモノアイ目掛けてヒートホークを振るうGQuuuuuuX(ジークアクス)の中で、アマテは額に汗を垂らす。

 

(劣勢。このままじゃジリ貧だ。どうしよう…どうしよう!)

 

今はなんとかしのげているが、このままでは遅かれ早かれ負けしてしまう。

 

「シュウジがいれば……ってダメダメ!」

 

思わず今はいないマヴの名を呼んでしまうアマテだったが、弱気になってはダメだと己を鼓舞する。

 

(でもどうすれば……)

 

スラスターから青い軌跡を描き、マシンガンの弾を右に左と回避しながら、アマテは考える。

 

しかし、考えても考えても打開策が思いつかず、ついには目がグルグル回るような錯覚すら覚え始めた、ついその時。

 

――1発のビームの光弾が、ヒートホークの柄を握るザクの右腕を狙い撃った。

 

「え」

 

遅れて炎を撒きながら爆発するザクの右腕。

突然の狙撃に驚いたのか、2機揃って慌ててその場を離れていく。

 

(なに……何が起きたの?)

 

あまりの衝撃にフリーズするアマテの前に、1機のMSが舞い降りる。

 

一目見ただけだと折れるんじゃないの?と心配になりそうな細身の体型に、肩に装着された大型のブースター。

右手にはこれまた長大なビームライフルらしき武装を保持している。

 

そして、そのMSの顔の形は、まさしく……

 

「ガン、ダム?」

 

シュウジの赤いガンダムに、アマテの駆るGQuuuuuuX、それら"ガンダム”の名を冠するMSのそれにどこか似ていた。

 

(なんで急にガンダムが……)

 

情報が渋滞を起こし、パンクしそうなアマテだったが、眼前のMSから通信が繋がり、ハッとした。

 

『大丈夫か?』

 

「あ、う、うん…」

 

モニターに映ったのは青い髪の女の子(・・・)

かけられた言葉とは裏腹の引き締められた表情や、吊り上がったその目付きからどこか気の強そうな印象を抱いた。

 

『2対1とはな。ヒートホークとシールドだけでよくやる』

 

「……、あー」

 

混乱していた思考が一瞬で冷える。それ完全に自業自得なんだよね……

 

『黄色のは頼んだ。水色のは俺がやる』

 

「へ?」

 

『大丈夫、君ならできるさ。なんせ"ガンダム”のパイロットだからな』

 

「ちょちょちょちょ!?」

 

『じゃあ行くぞ!』

 

「待って!」

 

聞く耳も持たずにブースターを吹かし、飛び去っていく黒いガンダム(ファラクト)

アマテはGQuuuuuuXの中で頭を抱えた。

 

(あの子全然話聞かないんだけど!?)

 

いくら非合法のクランバトルとはいえ、ルールくらいちゃんとあるのだ。

 

「このままじゃ大変なことになっちゃう……止めなきゃ!」

 

慌ててGQuuuuuuXをファラクトに向かわせるも、そもそもの推力が桁違いであり、中々近づけない。

 

ようやく先程までファラクトがいた場所へと辿り着いても、その頃には既に別の場所へと移動しており、改めて2機の推力の差を痛感させられる。

 

アマテが攻めあぐねている間にも、ファラクトはその高機動を活かした猛攻を繰り出しており、つい今仕方もまた火を吹いたビームアルケビュースによって、ザクの頭部メインカメラが貫かれたところである。

 

「追いかけるだけじゃダメ……そうだっ!先回り!」

 

直接ファラクトを追い回すのをやめ、ファラクトが狙いを付けた水色のザクの前へと割り込み、庇うようにシールドで機体を覆う。

 

『……なにやってるんだ。そこを退け』

 

「そういう訳にもいかないの!これ、クランバトルだから!」

 

『クラン、バトル…?』

 

なんだそれとでも言いたげな口調で、アマテの言葉を反芻するファラクトのパイロット。

 

(やっぱり!この子分かってなかった!)

 

危なかったと、荒い呼吸を繰り返す胸を撫で下ろす。

 

『その、クランバトル?というのは…?』

 

「私もそこまで詳しくはないんだけど……ッ!」

 

困惑したような声色で近寄ってきたファラクトに対し、アンキーから聞いたクランバトルの概要を話そうとするアマテだったが、GQuuuuuuXのセンサーが捉えた、新たな機体反応に思わず目を向ける。

 

オメガサイコミュの思念操作によって望遠された映像には、こちらに向けて急行する特殊仕様に改装されたザクの姿が映し出されていた。

 

「軍警!?」

 

『ぐんけい…』

 

「軍警察で軍警!」

 

『軍警察……警察!?』

 

「とにかく逃げなきゃ!」

 

慌てて撤収の準備を始めるGQuuuuuuX。

ちなみに、先程まで2機のガンダムの様子を伺っていた黄色のザクは既に撤退している。ご丁寧に損傷した水色のザクを回収した上で。

 

『……迷惑かけたみたいだからな。時間は稼ぐ、その隙に逃げてくれ』

 

「え?」

 

焦りに焦った中での黒いガンダムからの思わぬ提案に、アマテが目をぱちくりと瞬かせる。

 

『大丈夫。なにせ、このファラクトはGUND-ARM(ガンダム)。”魔女の呪い"とまで称されたMSだからな、そう簡単にはやられんさ』

 

(やっぱり、あの機体もガンダムなんだ。…でも、魔女の呪いって、なに?)

 

疑問にこてんと首を傾げるアマテ。

双眸をこちらに向けるGQuuuuuuXを尻目に、ファラクトの中の()はとある決意を固める。

 

できれば使いたくなかったんだけどな……パーメットスコア、3!

 

――その瞬間、アマテの脳裏に妙な感覚が迸る。

 

「っ!?」

 

(なにっ!?これ……!?)

 

例えるならば、脳を直接ミキサーにかけられてるような……そんな嫌な感覚。

黒いガンダムから発せられるソレに、思わず体を震わせる。

 

アマテが思わず頭に手を当てる間に、ファラクトに変化が現れた。

 

真紅のツインアイが輝きを放ち、機体各部のユニットが赤い光を灯し出す。

そして、徐ろに両肩のアーマーを展開すると、アーマーの裏側から無数の小型GUNDビット"コラキ”が飛び出した。

 

「あれって…ビット…だっけ?というか、ちっちゃ!?」

 

『ハァハァハァ…!なにしてるッ!ハァ…早く逃げろ!』

 

「ごめ、なんか…頭が痛くて……」

 

『えっ…!?』

 

ツインアイをGQuuuuuuXに向け、硬直するファラクトだったが、ハッとして尚も接近する2機の軍警ザクに意識を向ける。

 

『行けッ!』

 

赤い軌跡を描きながら、コラキが漆黒の宇宙空間を飛翔する。

2基1組で飛び回り、間に挟み込んだザクの腕へと電磁ビームを放った。

 

『っ!なんだっ!?』

 

『どうしましたか!?』

 

『クッ!あのビットらしき兵装、危険だ!あれのビームに当たるとスタンするぞ!』

 

『なんですって!?』

 

慌ててコラキの電磁ビームを回避しようとしたザク目掛けて、ビームアルケビュースの砲撃が放たれる。

 

『くそ!』

 

『あの距離から!?』

 

粒子ビームが貫通し、バチバチと火花を散らし出した左腕部をパージした1機と、相方を庇いながら周囲を舞うコラキから逃げ回るもう1機のザク。

 

『そこッ!』

 

そこに、高速で飛行するファラクトから、隙間を縫うような配置のビームを放たれ、ただでさえ少ない逃げ場が奪われていく。

 

「すごい…っ!、うぅ……」

 

そんな黒いガンダムの猛攻に、まだパイロット歴も浅い新米MS乗りは感嘆の声を漏らす。

 

彼女の体を蝕む妙な感覚は、今も尚彼女にまとわりついている。

時々感じる鋭い勘とも、ましてやキラキラとも違うこの感覚……彼女――アマテは、その正体が気になって仕方がなかった。

 

(いつもみたいに――シュウジといる時みたいにすれば……なにか分かる?)

 

額を抑えながら、考えに沈むアマテ。

そんな彼女を置いてけぼりに、展開された戦闘はますます激しくなって行く。

 

『こいつ!狙撃の精度が高すぎます…!』

 

『索敵能力も段違いだな…っ!MAV戦術が通用しない!』

 

漆黒の宇宙を黒いガンダムが駆け抜ける。

特殊仕様に改装したザクの性能でも追いつけないその動きに、2機のザクのパイロットはある疑念を抱いた。

 

『こいつまさか、サイコミュを!?』

 

『その可能性は高いな…!』

 

『違法兵器を…!』

 

……実際のところ、その怒りは的外れなものなのだが、状況的に見れば仕方ないだろう。

 

通常操作では追い付けない機動性に、無数の無線攻撃端末を操作するガンダムタイプのMS。

それこそ、GUND-ARMの存在を知らなければ、サイコミュ搭載型MSと勘違いしてしまうのも、無理はないのだから。

 

『グッ!』

 

『先輩…!クソっ!違法者が!』

 

各スラスターを巧みに吹かせ、上下を180°反転させた体勢で放たれた狙撃が、ザクの左膝関節を抉り取る。

 

相方のザクが少しでも気をそらせればとマシンガンを乱射するも、GUND-ARMたるファラクトには通じず、軽々と交わされる。

 

ならばと動きを止めているGQuuuuuuXを狙えども、狙いに気付いた彼により、先回りでコラキを配置され、これもまた失敗。

 

電磁スタンビームを放つ小型ビット兵器という、前代未聞のソレを警戒するあまり、思うように動けない2機の軍警ザクを、黒いガンダムの真紅のツインアイの光が貫く。

 

腕を持ち上げ、再びビームアルケビュースを放とうとした瞬間――

 

『っァぐぅ…!』

 

一際強い頭痛に襲われ、思わず操縦桿から手を離してしまう彼。

 

『今だ!』

 

『はい!』

 

動きを止めたファラクトに、2機のザクがヒートホーク片手に突撃する。

ファラクトに赤熱した刃が左右から襲いかからんとした、まさにその時、

 

「――――はぁぁぁぅおぉりゃぁっ!」

 

――割り込んだGQuuuuuuXがヒートホークを振り翳す。

 

『こいつ!?』

 

『動けたのか…!?』

 

咄嗟にヒートホークを回避したザクの中で、驚愕を顕にするパイロット達。

これまでの戦闘の中で、なんの動きも見せなかったGQuuuuuuXが、まさかこのタイミングで動くとは思わなかったのだ。

 

「君、大丈夫!?」

 

『おま、え……ッハァ、ハァ…あぁ』

 

「その頬……」

 

モニターに映る彼女(・・)の頬には毒々しく発行する赤い痣が浮かんでいて、どこからどう見ても身体にいいものとは思えなかった。

 

『だい、じょハァハァハァ…!』

 

「いや絶対大丈夫じゃないって!」

 

GQuuuuuuXの手でファラクトの腕を掴んだ―――その瞬間

 

「『ッ!?』」

 

なにかが繋がるような感覚と共に、”キラキラ"が目の前に現れた。

 

「キラキラ!?」

 

「なん、だ…?ここ……えっ?」

 

キラキラを見れたことへの喜びと、なぜこのタイミングなのかという疑問が入り交じり、不思議な気持ちになるアマテだったが、近くから聞こえたもう1人の声にガバリと顔を向ける。

 

「あれ?苦しく、ない…?」

 

そこにはまじまじと己の手を見つめる青い髪の少女(・・)がいた。

 

「あっ!」

 

「ビクッ」

 

「だ、大丈夫!?苦しそうだったけど!?」

 

「今は、へ、平気……」

 

掴みかかって来たりと、勢いの強いアマテに若干引きながら返す()

 

「本当に?嘘じゃないよね…」

 

「本当の本当」

 

信じられないとジト目になるアマテに対し、鷹揚に頷いた彼は、辺りを見回した後、じっとアマテを見つめた。

 

「な、なに?」

 

「図々しいのは分かってる……でも、手伝って欲しい」

 

「……。うん、わかった!」

 

アマテが頷いた瞬間、2人はキラキラと呼ばれる空間から脱し、それぞれの機体のコクピットへと戻っていた。

 

「えーっと……なんて呼べばいい!?」

 

『気にするとこそこか?……まぁいいけど。………エランって呼んでくれ』

 

「エランね!わかった、よろしくエラン!――ぅわっと!?」

 

『油断大敵』

 

「あ、ありがとう!」

 

GQuuuuuuXの背後へ忍び寄っていた、ザクに向けてビームアルケビュースを撃ち放ちながら、彼――エランは考える。

 

今の俺なら、もしかしたら……いや…時に歩くより、まず走れだ!

 

パーメットスコア…4ッ!

 

機体各部のシェルユニットが更なる発光を放ち、コラキの挙動がますます激しくなる。

 

『動きが…!』

 

『このビット、まだ早くなるんですか!?』

 

「今、だぅァ!」

 

『なっ!?コイツ!?』

 

コラキに目を奪われるザクへと、ヒートホークを振りかぶるGQuuuuuuX。

相手の隙を突いた攻撃は、見事に未だ五体満足だった方のザクへと叩き込まれ、脇下に痛々しい斬撃傷が刻み込まれる。

 

『無事か!?』

 

『な、なんとか…!』

 

慌ててもマヴのザクが間に割って入るも、その頃には既に次の攻撃の準備が行われていた。

 

「うぅんぬゥっ!」

 

『グわっ!?』

 

両膝を揃えた蹴りを胸部に喰らい、大きく飛ばされるザク。

 

「エラン!」

 

『あぁ!』

 

ビームアルケビュースを放り捨て、ザクを蹴り飛ばした反動で、こちらへと飛ばされてきたGQuuuuuuXへと手を伸ばすファラクト。

そのままガッシリと手を握り締め、機体全体を回しながら、腕部の駆動モーターをフル稼働させてGQuuuuuuXごと右腕を振り回す。

 

『行っけぇぇぇぇ!!!』

 

右肘関節から火花が迸り、真紅のツインアイが輝きを放つ。

 

ザクが正面に見えたタイミングでGQuuuuuuXの手を離し、GQuuuuuuXを高速で打ち出す。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁッ…!!!!」

 

ツインアイを瞬かせながら、ザクの前へと躍り出たGQuuuuuuX。上段に構えたヒートホークを両腕で確りと握り、雄叫びを上げながら斜めに向けて振り下ろす――!

 

『ガァァァ…!』

 

斬撃は見事に残った右腕ごとザクの頭部を切断し、過負荷を与えられたザクが機能を停止する。

 

『先輩…!畜生っ!』

 

『遅い!』

 

苦し紛れにマシンガンを乱射するも、スコア4のコントロール精度で全ブースターをフル稼働させるファラクトの前にはまるで歯が立たず、着実に距離を詰められる。

 

『ッはッ!?』

 

『終わりだッ!』

 

慌ててヒートホークの柄を握るも間に合わず、腕部サーベルラックから取り出されたビームサーベルを受け、頭部がグルグルと回りながら、宙を舞う。

 

ファラクトはその様を然と見届け、GQuuuuuuXの下へと向かうべく、スラスターを吹かせた。

 

「はぁ、はぁ…はぁ、はぁ……」

 

少し離れた場所にて、静止するGQuuuuuuXのコクピット内で、荒い呼吸を繰り返すアマテ。

何度か深い深呼吸を終えた頃、スラスターから青い軌跡を描きながら、黒いガンダムがやって来る。

 

GQuuuuuuXとファラクト――オメガサイコミュとGUNDフォーマット。2つの異なる世界において、"禁じられた技術を用い生み出された”という共通点を持つ、2機のガンダムが互いの双眸を向け合った。

 

「……」

 

『……』

 

お互いなにかを感じ取ったのか、なにか言葉を発するまでもなく、ただただ無言で見つめ合う。

 

そして、まるで示し合わせたかの如く、全く同じタイミングでそれぞれ反転し、各々の目指す先へと飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「うわっ!?」」

 

「いったぁぁ!いつつつ……」

 

「ごめんなさい。大丈夫ですか?」

 

「あ、い、いえ!こちらこそすみませ……!?」

 

くすりと笑って、アマテに向けて手を伸ばしたのは―――




第3話を見て、パッと思いついてしまった為、キラキラ及びクラバ辺りの詳しい設定が明かされる前に供養させて頂きました。

改めて、読んで下さりどうもありがとうございましたm(*_ _)m

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