ナルト「三年ぶりだってばよ!」 サクラ「ヒナタならカレシ出来たわよ?」 《NARUTO -ナルト- 異彩伝 ~新たなる運命~》   作:北条 ゆう(いすわーる)

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《第二章 最終話:()の意志》

 地の底。深い闇。

 

「……ほう」

 

 かつての地下拠点とは異なる、新たな深淵(しんえん)の地下拠点にて、仮面の男は静かにその面を外した。

 

「期待通りだ」

 

 現れたのは、ひび割れた肌と不気味な瞳を持つ、だが《全盛期の若き穢土転生体(肉体)を手にした》うちはマダラ。

 彼の右目には、幾重(いくえ)もの同心円が連なる伝説の神眼《輪廻眼》。

 そして左目には、オビトに与えた右目と対になる《予備の写輪眼》が収まっている。

 そのその左目が、唐突に熱を帯び、ドロリと血の色を濃くした。

 

「実に、いい(なが)めだ」

 

 マダラが口端(くちは)(ゆが)める。鏡を見るまでもない。自身の左目の紋様が今まさにオビトの右目と呼応し、万華鏡写輪眼のそれへと変貌したのだ。

 視神経を通じて、オビトの視界が、彼の激情が、流れ込んでくる。

 空っぽの棺。悲痛に歪むカカシとリンの顔。

 

「愛が深ければ深いほど、それが失われた時の憎しみは極上の瞳力を生む」

 

 そして何より、オビトの激しい怒りと悲哀。

 

「オメデトウゴザイマス、マダラ様」

 

 足元の影から、黒ゼツが慇懃(いんぎん)(こうべ)()れて現れた。

 

「オビトハ完全ニ、アノ襲撃者ヲ《マダラヲ冒涜(ボウトク)シタ何者カ》ダト思イ込ンデイマス」

 

 マダラは左目に意識を集中し、前方の空間を凝視(ぎょうし)した。

 すると一点を中心に空間が螺旋状に()じ切れ、吸い込まれるように歪んでいく。

 

「これだ……時空間を自在に操る、神の跳躍(ちょうやく)……! 名は確か……《神威(カムイ)》といったか」

 

 マダラは試しにその歪みの中へ自ら突入し、別の場所へと瞬時に移動してみせた。

 

「くははっ! 素晴らしい!! この力があれば、忍界のどこであろうと問答無用に立ち入り、瞬時に姿を消すことができよう」

 

 再び新・地下拠点に戻ったマダラは歓喜する。

 

「もはや世界は俺の庭にも等しい! まさしく最強の万華鏡よ!!」

 

 黒ゼツが拍手する。

 

「コレデ《月ノ眼計画》ハ一気ニ加速シマスネ。尾獣ノ回収モ、モハヤ時間ノ問題」

 

 

 

 里の通りを、私服姿のミナトが歩いていた。

 かつてなら彼が一歩歩くたびに子供たちが駆け寄り、忍たちが敬意を込めて会釈(えしゃく)したことだろう。

 

「あっ、四代目様」

 

 一人の忍が立ち止まり、在りし日と同じく、反射的に頭を下げようとした。

 

「よせ……!」

 

 しかし隣にいた忍がその腕を強く引き、耳打ちする。

 

「あの男のせいで九尾が暴れ、里の仲間が沢山死んだんだ」

 

 だがミナトにも聞こえる声で。

 

「しかもアイツの妻は……《人柱力(化け物)》だっていうじゃないか」

 

 明らかな罵倒(ばとう)

 だがミナトは聞こえないふりをして、微笑みながらその場を通り去った。

 

「おじさん、リンゴをいくつかもらえるかな?」

 

 店主はかつて、ミナトが火影に就任した際、涙を流して祝ってくれた男だった。

 

「……お代はいらねぇよ」

 

「……えっ?」

 

 だが今、彼はミナトと目を合わせようともせず、大量のリンゴを乱暴に袋に()めると、ミナトにそれを押し付けた。

 

「二度とここには来ないでくれや……化け物を里に(まね)き入れた奴に売る物なんて、何もねぇんだ」

 

 ミナトは悲しげに瞳を揺らした。

 だが、すぐにいつもの穏やかな微笑を浮かべると、

 

「わかったよ……おじさん、今までありがとう」

 

 リンゴの入った袋は受け取らず、その場をすぐに立ち去って行った。

 

 

 

「見ろ、黒ゼツ。オビトが敬愛するあの四代目:波風ミナトの哀れな姿を……里を救った英雄でありながら、人柱力の家族であると露見すれば、即座に排斥(はいせき)され、最愛の妻と共に泥水を(すす)るような生活を()いられている」

 

 深き深淵の闇で。

 マダラは、これから波風一家に、そして彼らを支えようとするオビト達三人が直面するであろう絶望を予見し、愉悦(ゆえつ)(ひた)る。

 

「里というシステムが、ミナトたちをじわじわと追い詰めていく……その時、オビトはどう思うかな?」

 

「『コンナ世界間違ッテイル』ト痛感スルデショウネ」

 

 黒ゼツの返答にマダラは口を歪め、満足げに冷笑した。

 

「楽しみだ。あの三人が、俺の最高の同志(コマ)として、この偽りの世界に終止符(しゅうしふ)を打つその時が来るのが……」

 

【挿絵表示】

 




・あとがき

 著者の北条ゆうです。
 お読み頂き、有難うございます。お楽しみ頂けましたでしょうか?

 さて、ここでお話のストックを貯めるため、週一回連載を一度休止したいと考えております。
 キリの良いところまで書き上げましたら、週一回更新を再開する予定です。

 高評価、お気に入り、感想などなど、とても励みになっております!
 そして全ての読者の皆様、本当にいつも有難うございます(⁠^⁠^⁠)

 さて最後に宣伝を……
 実はAmazonでオリジナルのライトノベルを出版させて頂きました!

 『きっとあなたは運命の人だと思うから 《歴史オペラ ふぁんたじー×たいむ》』というタイトルで、ファンタジー世界に存在する、近未来の日本が舞台の小説です。

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 それでは、またお会いできる日を願って!
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