拠点の空き部屋。
縛られた男が目を覚ます。アインズ様たちには見せず、俺が一人で対応する。
「起きたか」
「だ、誰だ!?」
怯える男に、俺はナイフも突きつけず、淡々と告げた。
「質問に答えれば帰す。南の森について知りたい」
「し、知らない!」
「……それ、嘘だな」
俺が《腐った目》で見透かすと、男の顔色が変わる。
俺は盗み聞きした情報をチラつかせ、「お前が南へ行ったことがあるのは知ってる。だが、全部知ってるとは思ってない」と、相手に『全部話さなくてもいい』という逃げ道を作ってやった。
すると、男は堰を切ったように話し始めた。
「ダークエルフは南方だ。特定の川を越えた先、特徴的な巨木のあたりに複数の集落があるらしい……。俺たち王都の者とは交流がないが、狩人がたまに接触するくらいだ」
正確な住所までは不明だが、これで十分だ。
最後だけ、姿を隠したアインズ様が精神系魔法を使用し、男の記憶から方角や地形に嘘や誤認がないかを確認する。俺が聞き出した情報と完全に一致していた。
「十分だ」
「これで南へ絞れますね」
ついでに、俺は尋問中、一つだけ聞いていた。
「法国軍が捕まえたエルフが、どこへ運ばれるか知ってるか?」
男は「捕虜は南西側の人間の拠点へ集められると聞いたことがある」と答えた。
ミーシャの母親の伏線。だが、俺は目を細めただけで、それ以上は深追いしなかった。今の任務はダークエルフの村だ。
用が済んだ男は、アインズ様によって誘拐から尋問までの記憶を綺麗に消され、「酒場の帰りに疲れて寝落ちした」という自然な空白に調整された。
俺が王都の酒場近くの人目につかない休憩場所へ男を戻し、遠くから無事に起き上がって帰宅するのを確認して、ようやく任務完了となった。
グリーン・シークレット・ハウスで、俺が入手した情報を地図へ反映する。
南部の川、森林、巨木。推定されるダークエルフの活動圏。
アウラが目を輝かせて地図を眺めた。
「ここまで分かれば探せるよ」
「お前ならな」
「次は私の番?」
アインズ様が正式に命を下す。
「アウラ。明日から南方の捜索を頼む」
「はい!」
マーレも「ボ、ボクも――」と言いかけたが、大人数で動けば村に警戒されるため、まずはアウラ単独の偵察となった。
これまで調査の中心だった俺は、少し変な感覚を覚えていた。
(新人の次はアウラか。……まあ、あいつなら俺より森は上手いか)
俺は素直に、自分の手番(役割)を彼女へ渡した。
夜の拠点外。
明日の装備を確認しているアウラに声をかけられる。
「八幡。私が村を見つけたら、ちゃんと褒めてよね」
「何でだよ」
「ここまで八幡が頑張ったんだから、最後だけ私が持っていくの悪いじゃん」
俺は少し笑い、夜風に吹かれながら言った。
「仕事に最後だけも何もねぇよ。……まあ、見つけたら褒めてやる」
アウラがニヤッと笑う。
「約束だからね、お兄ちゃん」
「また約束増えたよ……」
遠くに広がる大樹海。俺は南を見た。
その先に、俺たちの探しているダークエルフの村がある。
そしてこの時の俺はまだ知らない。
その偵察の途中で、アウラが『アンクルウルサス・ロード』という、極めて都合のいい“協力者”を拾ってくることになるということを。
挿絵のリクエストです。
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おまかせ
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八幡+シャルティア
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八幡+アルベド
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八幡+デミウルゴス
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八幡+コキュートス
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八幡+アウラ
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八幡+マーレ
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八幡+アインズ様
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八幡+メイド達