「させるかよ!!」
クロコダインとの手合わせからそう時間は経っていない。
ハドラーに腹を貫かれそうなアバンを助けようと俺はハドラーの顔に蹴りを入れ吹き飛ばす。
「ぐっ、なんだぁ!貴様は!!」
「さぁ、来いよ。魔王さんよ」
「いいだろう…!まずは貴様から血祭りに上げてやる」
アバンside
「(……分かってはいましたが私では歯が立ちませんか……)」
アバンとポップがダイの住むデルムリン島に降り立って3日。
かつてアバンが倒したはずのハドラーが魔軍司令となり蘇った。
魔法の威力は段違い。格闘戦も同様に。
アバンが爪に腹を貫かれそうになったその刹那。
閃光の如く、金色の戦士が戦場を切り裂いた。
ベジットside
向かってくるハドラーの爪を弾き、カウンター気味の蹴りを入れる。
続けて横殴りの蹴りで横に吹き飛ばす。
「ふっ、こんなもんか?」
「キサマァ!!この地獄の炎により焼け死ぬがいい!!メラゾーマ!!」
激昂したハドラーがメラゾーマを撃ってくるが全て脚で蹴り弾く。
続けてイオラの雨。それも全て弾く。
所詮は王子戦法、無様なもんだ
「はぁ……正直期待外れもいいとこだぜ、無駄なんだよ。無駄、お前如きがどう頑張ったって俺には勝てやしない」
「なんなのだ!!貴様は!急に割り込んできては!!」
「俺か?俺はベジット。言うなら、宇宙最強の戦士って所だな」
「ふざけた事を言いよって!!」
さらにキレたハドラーが俺に格闘戦を仕掛ける。
「テメェなんか足だけで十分だぜ!」
全て足蹴りで捌き的確にダメージを通す。
腹に一発だけ貰い、森の中へと吹き飛ぶ。
「どうだ!!バカめ!!油断しているからだ!」
「…全然効かないな、もう終わらせてやるよ、綺麗さっぱり消し去ってやる」
俺は両手に気弾を作り出し、気功波……かめはめ波の構えをとる。
「かぁ……めぇ……はぁ……めぇ……」
「……はぁぁぁぁぁ!!!!」
「なっ…何ぃ!?」
ハドラーの身体が気功波に飲まれ、消え去る……消せてるかな
「ふん、随分と呆気なかったな、大丈夫か。お前たち」
俺はそう、アバンたちに話しかける。
「え、えぇ……私達は。それより貴方は何者なんです?」
「さっきも言わなかったか?まぁいいか、俺はベジット。最強を追い求める戦士ってとこかな」
「あなたの目的は…?」
アバンが静かに問いかける。俺を見定めるかのように
「ここに強い気を感じたからな、そしたらアンタが貫かれそうになってたんだ。助かるしかないだろ」
「そ、そうですか。ありがとうございます」
「大丈夫だ、ハドラー……だったか?アイツは殺せたのか?」
「いえ……おそらくキメラの翼で逃げたでしょう」
キメラの翼……原作でもそんな感じだったな……あ、覚醒イベント潰してんじゃんやっべ…
「そうか、はぁ……」
「ねぇ!ベジット!すっげぇ強いんだね!」
原作主人公のダイが俺に話しかけてくる。
「……まあな、お前もあれくらいならすぐできるようになるよ」
「そうかなぁ……あ!じゃあさ!俺に修行付けてよ!ベジット!」
「……ああ、いいぞ」
「やった!!あ、でも先生の修行が終わってからでも…」
「ダイ君、ポップ。そのことなんですが、私はハドラーに大敗を喫しました。自分自身を鍛え直そうと思います」
「な、何言ってるですか、先生。俺なんかもっと教えてもらう事ありますよ!」
「ポップ。貴方達は今の私なんかよりずっと強くなれます。もっと高みを目指してください。そしてこれは私が修行を終えるまで預けておきます」
「先生……こんなの俺受け取れねぇよ!」
「ポップ。」
静かだが、決意のこもった声。
「これは“未熟だから渡せない”のではありません」
アバンはアバンのしるしを差し出す。
「未熟だからこそ、預けるのです」
「……!」
ポップの手が震える。
「私は一度、世界を救ったつもりでいました。しかし今日、思い知らされました。私では届かない高みがあると」
視線がベジットへ向く。
「ですが貴方達なら届く。ダイ君、ポップ。あなた方は私の誇りです」
「せ、先生……」
「私が戻るまで、どうか生き延びてください。そして、強くなってください」
ゆっくりと頭を下げる。
⸻
(悪くねぇ師匠だな)
湿っぽいのは好かねぇが、嫌いじゃない。
「話は終わったか?」
「はい。ベジットさん、ダイ君を……いえ、二人をお願いできますか」
「まとめて面倒見てやるよ」
ポップがビクッとする。
「お、俺も!?」
「当然だろ。弱ぇまま死なれても困る」
「な、なんだとぉ!?」
ベジット君:唐突に原作最強候補2人を鍛えることになって内心焦ってる
アバン:なんやこいつつっよ……
ダイ:つっよ……
ポップ:つっよ…
ハドラー:理不尽な乱入やめろ