勇者ヒンメルが死んで4年後。
のちに“おとぎ話”として語られることになる、一人の少年が生まれた。

少年は無名の魔法使いとして旅に出て、やがて青年になる。
本来なら世界はゆるやかに平和へ向かい、魔法は昔話になっていく――はずだった。

この大地は、本来と歴史が少しだけ違う。
魔法史の裏で銃社会と超科学が交差し、いくつもの派閥がそれぞれの正しさを掲げて動き出す。
混線していく時代を、謎多き魔法使いの青年は、淡々と、時に気まぐれに歩いていく。
人助けも、戦いも、出会いも別れも――積み重なる選択の果てに、彼の生涯はいつしかおとぎ話になる。

これは、ひとりの人生を軸に、世界を変えた偉人たちを含む多くの視点が織りなす長編群像劇。
同じ出来事が、立場の違いによって別の意味へと書き換わっていく。
混雑していく歴史がどこへ向かうのかを、ただ楽しむための物語。
零落のアウフ:無名の魔法使い
  旅の始まり()
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