ハイスクールⅮ×Ⅾ 碧い猛獣と赤き龍帝   作:BLUE@

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始めての悪魔のお仕事

小鳥が囀る朝、俺は黒歌と白音の胸の中で目を覚ました。

 

俺を包む二人の体温、感触、匂いが再び眠りへと誘うがそれを何とか振り払いながら二人を起こさない様に起き上がると周辺は昨日の激しい行為の跡が残っていた

 

(……やったんだよな、俺は二人と)

 

それを認識した瞬間、脳裏に目の前で激しく乱れ狂う二人の姿が思い浮かぶ。

自分があんなに激しく二人を求めていた事に驚いたが、二人の幸せそうな寝顔を見ると悪い気はしない。

 

(責任はしっかり取らないとな)

 

俺は二人の頭を撫でながらこれからの事を考えていると二人の目が開いた。

 

「おはよう、二人共。体の調子は大丈夫?」

「おはようにゃ、イッセー。ちょっと違和感があるけど大丈夫にゃ」

「おはようございます、一誠先輩。私も少しありますが大丈夫です」

 

そう言って二人は甘えるように密着してくる。その可愛らしい姿に頬が緩むの感じながら抱きしめる力を少し強める。

 

「とりあえず、風呂に入るか」

「一緒に入るにゃ」

「お供します」

 

こうして俺達は風呂で汗と汚れを落として学園に向かった。

 

登校の際、友人二人、というか同じ教室の生徒達に黒歌と白音と共にオカルト研究部に入部することを伝えたら、男子生徒を中心に物凄いブーイングを受けた。

 

 

―――

 

 

俺が眷属悪魔に転生してから数日。

 

悪魔の活動時間である深夜に町中を自転車でチラシを配っていた。

 

何でも現代の悪魔は魔法使いや悪魔信望者が儀式をするタイプじゃなく、簡易版魔法陣を自らで配ることにより、より効率的に契約を結ばせるらしい。

 

無論ただ適当に配るのではなく、リアス部長から渡された悪魔の科学が生んだ秘密道具である携帯機器に表示された契約するであろう人物宅へと配達する。

 

新人悪魔の最初のお仕事。ついでに市内の地理の把握と運動もできるからかなり有意義な時間だ。

 

更に悪魔社会の勉強や人間界での活動内容の把握など学ぶことが多いため、この作業も大事な仕事だ。

 

しかし、点滅する箇所が多いな。毎日チラシを配っても無くならないのだから、悪魔の仕事とは案外身近なものなのかもしれない。

 

そんな日々を過ごしていた放課後。

 

「イッセー、貴方のチラシ配りも終わり。よく頑張ったわね」

 

部室の魔法陣が輝く中でリアス部長は俺を労ってくれる。この人はこういったことをきちんとする人なのだ。

 

他の部員、副部長の朱乃さん、木場、黒歌、白音が居る前で頭を撫でられるのはいささか照れくさいがリアス部長は眷属との触れ合いが好きなんだろう。

 

なんか黒歌と白音が羨ましそうに見てるけど、家に帰ったらやってもらおうかな。

 

「改めて、貴方にも悪魔としての仕事を本格的に始動して貰うわ」

 

悪魔としての仕事。人の欲望を叶える、堕落への導き。

 

「はい、頑張ります」

「そんな気負わなくて大丈夫よ。最初だからレベルの低い契約内容からしてもらうわ」

 

俺の様子に微笑ましげに笑う皆。

 

今回の仕事は何でも新しく来た依頼人らしい。新人の初仕事には丁度いいのだろう。

 

朱乃さんが魔法陣へ俺の悪魔としての刻印を読み込ませている。これが終われば転移用の魔法陣を使用できるようになるらしい。

 

「終わりましたわ」

 

準備が終わるまで仕事のマニュアルを読み込んでいた。悪魔の仕事も合理的なんだなあ。

 

「さあ行ってきなさい!」

「はい!」

 

 

―――プスンッ

 

 

「「「……え?」」」

 

準備が終わり、いざ召喚といった所に、まるでエンストを起こしたかのように気の抜けた音が響いた。

 

『これは恐らく無理矢理悪魔に転生した不具合だろうな』

 

皆で首を傾げているとドライグが原因を答える。

 

『今相棒の魔力の流れが不安定になっている。そのせいで召喚の魔法陣に上手く流れないんだ』

 

え?それは大丈夫なのか?

 

『ま、肉体を鍛えたら悪魔の駒が馴染んで魔力の流れが安定するだろう。とりあえず、猫又姉妹に魔力の流れを安定してもらえば機能するはずだ』

 

ドライグの助言通り、黒歌と白音に頼んで流れを安定してもらうと今度は問題なく機能した。

 

「いってきます」

 

皆の生暖かい視線に居たたまれない気分のまま依頼人の元へ飛んだ。

 

 

―――

 

 

転移した場所は漫画家の様な部屋だった。多種多様のペンが置かれた机や何かの資料がぎっしりと詰め込まれた棚に囲まれていた。

 

「ご指名、ありがとうございます。こちら悪魔契約サービス、グレモリーでございます」

 

俺は取り合えず、目の前の男性二人に直前に教えてもらった挨拶を始めると目をぱちくりとさせていた。

 

「まじか。本当に召喚出来ちゃった」

「すげぇなこれ」

 

二人は興味深くこちらをみてくる。

 

「まずは自己紹介だな。俺は漫画家、春野秋一」

「同じく漫画家、夏崎冬木」

 

苗字と名前が正反対なんですけど。

 

「「ペンネームは二人合わせて春夏秋冬です」」

 

ジャ〇プ漫画で二人一組の漫画家の話があったなぁ。何だっけ?あの題名。

 

その後、この二人の話を聞くとどうやらバトル系の漫画を描こうとしているらしく、その参考資料として俺達悪魔を呼んだらしい。

 

「で、君は何が出来るんだい?」

「できれば格闘系の奴が良いんだけど」

 

まあ、バトル漫画なら格闘が良いよね。なら、大丈夫か。

 

「一応、体術などは一通りできます。見ますか?」

「「ぜひ!」」

 

この後、師匠から習った一通りの型を見せると二人は刺さる物があったのか矢継ぎ早に型についての質問攻めにあったが初依頼は無事達成した。

 

次の日の放課後。

 

主であるリアス部長から今回の仕事の件でお褒めの言葉を頂いた。契約後に書いて貰うアンケートで高評価、次も指名したいと書かれていたそうだ。

 

「この調子で、次も頑張ってね」

「はい!」

 

こうして俺の悪魔家業は順調なスタートを切ったのだった。

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