アタシの名前は胸像火花!
雄英高校ヒーロー科一年B組!!
個性は…… ︎︎【爆乳】!!
「火花アンタ、自分でよく言えるね……その平たさでさ」
隣から飛んできた冷静な声に、アタシの自信が一瞬で砕け散る。振り向けば同じB組の切奈ちゃんが呆れた顔でこっちを見ていた。
「ひどい切奈ちゃん!!なんでそんなこと言うの!?これから大きくなるもん!だってお母さんは背も高くて胸もバインバインですごいんだよ!?」
「あんたはもう高一なのに身長147cmのAカップ。諦めな」
「うわぁーーーーん!一佳ちゃぁーーーーん!!」
一佳ちゃんに泣きつく。一佳ちゃんは優しいからきっと慰めてくれる……
「火花、男子が気まずそうにしてるから静かにしな?」
ちらりと周囲を見ると、確かに男子の何人かがものすごく微妙な顔をしている。特に常識人男子四天王の皆さんが!ごめんね!!
「ぐすん」
ここに味方はいないんだ……B組女子みんな大きいもんね……このクラス、アタシだけ置いてかれてる。希乃子ちゃんでかすぎじゃない?
でもアタシには一人だけ、仲間がいるよ。
「なぜ、こちらを見ているのでしょうか火花さん……」
茨ちゃんだけは仲間だって信じてるよ。来年も再来年もずっと仲間だよね?
そんなこんなで迎えた雄英体育祭。入学してまだそれほど経っていないアタシたちにとって、ここはあまりにも大きな舞台だ。もちろん緊張しているけども、それ以上に楽しみ!
ヒーローになるなら、こういう場所で自分の個性を見せてこそだよね!!
アタシの【爆乳】が、ついに世間に知られる……名前だけ聞いた人は、たぶんものすごい個性を想像するんだろうなぁ。まあ、実際かなりすごいんだけど?
アタシがそんなことを考えていると、選手宣誓が始まった。
「せんせー、俺が一位になる」
「ムカつくなA組はよぉ!!」
「ふざけてんのかぁ!!」
「ヘドロヤロー!」
男子たちが選手宣誓の爆豪くんに文句言ってる。確かにナメられてる感じはするよね。あれ?あの顔は……
「あ、あの人……」
「火花知ってんの?」
「うん、入試でバンバン爆破してた人だよ。同志かも!!」
「アンタと一緒にされても困るんじゃ……」
たぶん仲良くなれる!あ、首を掻っ切るジェスチャーしてる。やっぱ怖い人かも……
「では早速第一種目よ!障害物競走!!」
競走かぁ。アタシはあんまり得意じゃないや。機動力あるといえばあるんだけど。
「ルールは単純!このスタジアムの外周4kmを走ってもらうわ!コースを守れば何したってかまわないわよ!」
何をしてもいい?他の人を吹き飛ばしても……?いやいや、さすがに最初からそんなことをするのはまずい。
あ、でも物間くんが作戦立てて最初は実力を隠してた方がいいって言ってたしどうしようかな……
「さぁ、まずは様子見だ。ライバルたちの個性を観察するのさ!」
物間くんの作戦は理にかなってるんだけどね……
みんな個人で頑張ってるのにアタシたちだけクラス全体で作戦を立てて動くのっていいのかな?
ちょっと悩む……むむ……
「うーん……物間くんごめん!アタシは上位を目指してみる!!」
「よく言った胸像!頑張ろうぜ!!」
「俺は会場の空気見て柔軟に対応するわ」
「私も謀は好きませんので」
鉄哲くんと骨抜くんと茨ちゃんも上位目指すみたい。
なんだ、結局みんな自分の力で頑張るんじゃん!
よし、みんな頑張ろっか!
『スタートだァーー!!』
スタート直後、前方は氷が展開されてヒーロー科以外の大多数が足を拘束されちゃった!すごい、誰の個性だろう?アタシは後ろの方に居て助かった。
良かった〜!リタイアする人たちは可哀想だけど先に行かせてもらうね。
『第一障害はロボインフェルノだァーーー!』
目の前に入試でも見たゼロポイントロボが待ち受けていた。一体でも脅威な見上げるほど巨大ロボ!しかも何体もいる!?
さすが雄英……体育祭だからって手加減する気がない!
でもチャンスかも!ちょっと本気出しちゃおうかな!!
私は走りながらジャージの上着のチャックを全開にする。胸元にはアタシの個性に対応したサポートアイテムのスポーツブラ。ブラドキング先生に強制的に着させられた。
まぁアタシも助かるけど!
見えちゃうからね!!!
ゼロポイントロボの近くまで走りよると、アタシは狙いを定め大きく息を吸う。胸の奥に、個性の力が集まっていく感覚が生まれる。
そして自慢の個性を発動した。
「大・爆・乳!!」
ドゴォン!と特大の爆発がアタシの胸元から発生し、ゼロポイントロボを覆い隠す程の威力に周りの人たちは悲鳴をあげた。
胴部を中心にボロボロに破壊され仰向けに崩れ落ちたゼロポイントロボを黒い爆風と土煙の中確認し、アタシは走り出す。
今のところ、かなりいい感じ!
ふと視界の隅で爆豪くんがこっちを睨みつけていたので、アタシは親指を立て応えた。
「見たか!これが爆乳だ!!」
「……爆乳?」
爆豪くんの眉間にさらに深いシワが刻まれた。
「え、爆乳?」
「爆乳?」
「爆乳!?」
「どう見ても貧乳……」
「ちっさ……」
「もしかして爆乳ってのは……」
周りの人たちがアタシを見てヒソヒソ呟いてる……貧乳って言葉は聞かなかったことにした。
聞こえたけど。
聞かなかったことにした!!!
「オイ、チビ女...」
「え、チビ女ってアタシ!?」
「もしかして胸が爆発する個性ってか?」
「そうだよ、だから爆乳!!仲間だね爆豪くん!!!」
「仲間扱いすんじゃねェ!!!!!近寄んな!!!」
「えぇーーー!?」
怒鳴られた……やっぱり怖い人かも……
膨らみません
この先の展開も
火花ちゃんの胸も