「やっほー。僕は女神フィリア。僕は悪い女神じゃないよ?」

世界の外からやってきた、感情も名前も持たない存在。
ひとりの少女を吸収して心を得た「それ」は、少女が信じていた女神の名を、自分で名乗ることにした。

少女が願った、戦争で理不尽に命を奪われない世界をつくるために。

……とはいえ、まずは今日のご飯と寝床をどうにかしなければ。

見た目は10歳ほどの女の子。文字は読めず、魔法も使えない。
宿屋のおばさんに助けられたフィリアは、掃除や皿洗いを手伝いながら、文字を覚え、本を読み、少しずつできることを増やしていく。

「今日は水が浮いたんだよ! すごいでしょ?」

女神らしく振る舞いたいけれど、褒められるとつい頬が緩んでしまう。
そんな自称女神の、小さな一歩を積み重ねる長い長い成長記録。