崑崙山の遥か外れ、黒橙洞と呼ばれる小さな洞窟にて。

そこに住む一人の仙人は、人の世にも仙界にもほとんど関わらず、ただ静かに大地を見つめていた。

争いも、善悪も、彼にとっては大きな意味を持たない。

人も、妖怪も、仙人も。
生きているものは等しく愛おしい。

そんな彼のもとへ、風がひとつの知らせを運んでくる。

――封神計画。

やがて彼は太公望と出会う。

「……昔の人に似てると思った」

その言葉の意味を太公望は知らない。

もちろん、彼自身もまだ知らなかった。

遠い昔から続く縁が、再び動き始めていることを。

これは大地に生きる一人の仙人が、長い時の中で出会う命とひとつの物語。

そして――

昔の人によく似たあなたとの物語。