『献身の聖女』ミラ。

どんな傷をも癒す事の出来る彼女は、自らの身も顧みず他者を救おうとする。
そんな彼女の姿は、多くの民衆から称賛されていた。

しかし、民衆は知らなかった。

彼女の力は、傷を自分の身体へ移すものだということを。それを知る周りの人間達は、それを是として自己犠牲に励む彼女を酷く憂いた。

そして、周りの人間は知らなかった。

「ああ、痛い、痛いです……本当に最高です!」

当の本人が、痛いのが気持ちいいドマゾであることを。

そんなことを露知らない人々は、今日も今日とて人助けに励む彼女を賞賛し、周囲の人間はそれを心配し、本人は快楽を貪り続ける。

───これはそんな、救いようのないドMと周りの人達のお話である。