有坂成蔵の娘は、父の作った三十年式歩兵銃を最も巧く美しく扱う男としか結婚しないと決めていた。
そして1900年冬、旭川で一人の二等卒を見つける。
──男の名前は尾形百之助。問題は、兵卒のままでは結婚できないことであった。