周りを振り回して時に不憫な目に遭います。
ある日、ミーティングを終え、兵達が散り散りになっていく
ミーティングルームで、椅子に座っていたフィーリウスが
珍しく呟いた。
「あ⋯」
「フィーリウス様?どうかされましたか?」
隣に座っていたガイウスが横の主を見て、
その隣のバネッサもガイウス越しに様子を伺う。
フィーリウスは二人を交互に見ると、
言いにくそうに俯いたかと思えば、
再び呟いた。
「足が痺れたみたいだ⋯」
フィーリウスの言葉に2人は顔を見合せた。
「痛い⋯のか、これは⋯」
フィーリウスの反応からしてどうやら初めての経験のようで、
彼は戸惑っている。
しかし立ち上がろうと体に力を入れた
フィーリウスを見たガイウスが、
「あ、フィーリウス様、あまり動かさない方が⋯」
制止するよりも先に、
フィーリウスは無理に足を動かし、
瞬間、目を見開いて声を上げる。
「あんっ!」
「「!」」
その声に2人は強く反応し、途端に周囲を警戒し始めた。
「な⋯ひゃうっ!⋯ん⋯っ」
小さく震え、目に涙を浮かべるフィーリウスは、
自覚なく再び甘い悲鳴を上げる。
「フィーリウス様、動かないでください」
「お声も我慢なさってください」
ガイウスとバネッサは瞬時にフィーリウスを隠すように
席を立ち、周囲に目を見張る。
その場に居合わせた兵達はフィーリウスの嬌声に似た声に驚き、
ある者は口元を緩め、ある者はフィーリウスをじっと見ていた。
バネッサは、ち、と小さく舌打ちした。
ガイウスがその様子に気づき、フォローするように
フィーリウスに声をかける。
「もう少し経てば痺れが収まるはずです」
「わ⋯かった⋯」
ビリビリと足を支配する感覚に、フィーリウスは恐怖を覚える。
しかしガイウスとバネッサの言う通りにするしかないと、
じっと堪えていれば、確かに感覚が落ち着いてきた。
「もう大丈夫そうだ⋯」
自分の足をさするフィーリウスは、やっと安堵のため息を着く。
その間にガイウスとバネッサは周囲に睨みを利かせ、
フィーリウスを色目で見ていた者たちを退散させた。
「もうこんな目にはあいたくないな」
ふ、と笑うフィーリウスに、ガイウスとバネッサも
優しく笑んだ。
(危なかった⋯)
(私たちがいる時で良かったな)
フィーリウスの悲鳴は、
ガイウスとバネッサでさえ初めて聞いたものだった。
その何たる艶っぽいことか。
しかもそれを発するのは、幼さの残る、
美少女に見える少年なのだ。
これまでも多くの者の性癖を歪ませてきたであろう主に、
ガイウスとバネッサは内心でため息をつくと同時に、
主を守り抜く決意を改めて固めたのだった。
〜完〜
フィーリウス様のお付って大変だと思うんですよね