他作品パロディ多め。
タイトル通り、主人公のモブ君が女性に性転換して地柩セトと同い年のタイミングで産まれた話です。
主に桝完女学院を舞台にした話となります。
色々モブ君に設定追加してるので、オリ主タグと転生タグ付いてますけど、3周目とかではありません。
以下コピペ。
ファイト? そんなもの、うちにはないよ…。
この作品は原作のネタバレを含みます。
この作品は"雨 唐衣”氏原作の「俺の切り札は光らない」の二次創作となります。
ハーメルン作品URL_https://syosetu.org/novel/380950/
レガシー編までのネタバレを含みますので、できれば最新話まで読み終わってから二次創作であるこの作品を読むことをお勧めします。
―一ひと繋ぎの秘宝
※元ネタはツギハギ漂流作家です
今は昔、陽キャギャルありけり。
この者、かつて教会所属の聖座十二位でありながら、なんやかんやで破門されたり。名をば地柩セトとなむ言いける。
セトって呼ぶべし!
さて、このセト、明るい高校生活をとギャルデビューしたものの、元が教会の箱入り娘なのでめっちゃムリしてた。
なにせ、今まで節制とファイトだけだったので、流行がわからない。
お嬢様学校なので教師に睨まれる。
ファイトの無い緩い雰囲気に馴染めない。
他のギャルが連れてくるヤンキーの相手がツラい……。
もう限界マヂ無理ぴえん超えてぱおんだったのです。
そんなメチャ限界セトの放課後の事。
仲間ギャルの誘いを断り、使っていない空き教室に入ったのでした。
「あぁ〜、もう無理!
もう限界!ギャルとかわかんない!
セトごめんなさい。ボク全然上手くできないや……」
ひとしきり愚痴を吐き、少しスッキリして教室を出ようとしたら……、視界の隅に、机の上にカードを広げていた女子高生ありけり。
「あ、あの……今の聞こえました?」
セトの呼びかけに顔を上げる女生徒。そのバストは平坦だった。
彼女は動かしていた指を止め、セトに向かって笑顔を見せました。
可愛らしくも、明らかに作り笑顔らしい胡散臭さでニッコリと。
「いいえ。何も聞こえませんでしたわ」
「嘘だッ!」
この時のセトは、少々情緒不安定だったのです。
だからって、いきなり怒鳴るのはないでしょ。めっ。
「……私視点ですと、先にこの教室にいたのに、突然貴女が入ってきて独り言を何やら呟いていたのですが、コレは
「ぐぬぬ……」
正論に何も返せないセトでした。
ここで押し黙るから、危機感がない、恋愛戦デッキが素ドローでエグゾ待ちとか呼ばれる未来が来ちゃうのです。
ちなみに、女生徒は呟いたと言いましたが、教室中には丸聞こえな音量でした。心遣いですね。
不満を隠そうとしないセトに、少女はカードを纏めてシャッフル。見事な手つきです。
「では、ファイト致しましょう」
「ふぇ?」
「私が勝てば、私は何も聞かなかった。貴女が勝てば……まあ、どうにでも」
一瞬、鋭い目つきに変わったかと思うと、立ち上がりテーブルファイト用に机を動かしていきました。
この世界は揉め事を、とりあえずファイトで決めようとする性質があったり無かったりするのです。
「でも、ボクデッキ持ってない」
「私が二つ持ってますわ。お好きな方をどうぞ」
セトは不可思議に思いました。
メインデッキとサブデッキ、複数のデッキを持つファイターは珍しくありません。
ですが、共鳴するカードはファイター固有のため、他人のデッキを借りたとしても、まともに動くはずがないのです。
つまり、どちらを選んでも、目の前の女生徒が勝つだけなのです。
―一ですが、セトは末席とはいえ、プロ最高峰。十二の聖座に就いていた実力者です。
たとえ、借り物のデッキでもただの女子高生に負ける事などありえません。だよね、セト。
女生徒はさっき机に並べていたカードから作ったデッキと、太ももに装備していたデッキケースから取り出したデッキの二つを並べました。
ちなみに、太もものデッキケースは
「片方は、ゴブプラをメインにしたアグロ寄りのデッキ。妨害札も多いのでコントロールにも向いておりますわ。
もう一つはノンクリバーンデッキです」
「のんくりばーんでっき」
「クリーチャーが入っていないデッキです」
セトには彼女が何を言っているかわかりませんでした。
ファイターと共鳴するのは主にクリーチャーで、それが一枚も入っていないカードなど、ただの紙束ではないかと思ったのです。
もう片方も、支配の容易いゴブリンプラントのようですし、どちらも女生徒本来のデッキではないのでは、と思ったのです。
「の、ノンクリバーンデッキで」
「どうぞ」
女生徒がさっきいじっていたデッキを渡されたセトはさらに驚きました。
そのデッキには一切の共鳴力が入っていないのです。
まるで機械が組んだような錯覚を覚えたセトは、一瞬ためらったものの、デッキ内のカードを確認し、シャッフルを始めました。
本当にクリーチャーが入っていない――セトは違和感を拭えないままに、ファイトを始めます。
「うわー、だめだー!」
案の定、負けてしまいました。
戦いの場に迷いを持ち込んではいけませんね。
「GG、対戦ありがとう御座いましたわ。
終盤、コストが足りませんでしたわね。全体除去が発動していれば、そちらの優勢でしたわよ」
カードをラストの盤面に再配置しての感想戦を始めていく女生徒。
その態度にセトはいとおこぷんぷんドリームでした。
「でも、絶対に妨害札握ってたでしょ」
彼女のファイトはそういう戦い方でした。致命的なダメージだけは無効化するのに、それ以外はまるで無頓着なままに受けているのです。
デッキ内容を知っているとはいえ、手札を見透かされているような奇妙な感覚があったのです。
女生徒が手札を公開すると、二枚持っていました。
隙を生じぬ二段構えです。
「いつから持ってたの?」
「最初のは2ターン目のドローで引きましたわ」
しれっと答える女生徒。ライフを削られながら何ターンも抱えていたわけです。
そうだ。このコは重要な局面まで手札を使わないんだ。まるで――
セトは過去ボッコボコにされたファイトを思い出して、ひどい顔になりました。イヤな……事件でした……。
感想戦の後、再戦したりデッキを交換したりと、気付けば遅い時間になっています。
「あら、これでは平日大会も終わりましたわね。
今日はそれ用にデッキ調整していたのですが」
「あ、ごめんなさい。ボクのせいで」
女生徒はセトの前に人差指を立てて、謝罪を止めました。
そして、最初の時とは違う、いとかわゆし笑顔を向けたのです。
「楽しかったから満足ですわ。ところで、貴女のお名前は?」
地柩セトを知らない人間がいた――セトは衝撃でした。
中学生の時に聖座として選ばれ、天才として持て囃されていた地柩セトを知らない人がいる。
それも、Lifeとは無縁ならともかく、名門の桝館女学院で放課後にデッキを調整しているような生徒が――
セトは思わず笑ってしまいました。
目の前のこの娘にとって、自分は偶然出会ってファイトしただけの女生徒に過ぎないのだと。
そう理解してしまえば、何だか心が軽くなったような気がします。
そして、女生徒に右手を差し出しました。
「ボクは一年い組、地柩セト。キミの名は?」
「私は――」
今回は完全に見切り発車なので2話以降の展開まだ考えてないんだ。あはははは(土下座)