言葉を紡ぎ、物語を語ることで、現実に働きかける者――『語り部』。

そんな者たちが存在する惑星《アースコア》。

ある日、幾重にも重なる大災害が人々を襲った。

荒れ狂う嵐、押し寄せる大津波、そして次々と発生する異常事態。

冒険者たちが救助に奔走する中、その場には一人の小柄な少女の姿があった。

少女の名は、カナリア・シンフォニア。

人々から《沈黙の語り部》と呼ばれる、どこか呑気で不思議な少女。

彼女は書を開くこともなく、誰にも聞き取れないほどの小さな声で『語り』を紡ぐ。

その小さな声が、世界に何をもたらすのか。

そして、なぜ彼女は《沈黙の語り部》と呼ばれるのか。

これは、言葉が現実を動かす世界で、一人の少女と、彼女を取り巻く人々が紡いでいく物語。

その幕が、静かに上がる。