オラリオに半人半霊がいるのは間違っているだろうか? 作:シフシフ
最後までお付き合い下さい。あと、最後の方にオリジナル展開があります(今更感)
やぁ、酷い目にあったハルプだぜ。
まぁしかし?簡単には転ばないハルプさんは妖夢にしっかりと「お返し」しましたからご安心を。
え?妖夢?妖夢なら俺の隣で寝てるよ。・・・・・・気絶してるね、うん。
何をしたのかと言うと、まぁくすぐり地獄を味あわせてやった。後悔はしていない。
・・・・・・途中で感覚共有されて俺も地獄を見たぜ・・・・・・思い出すだけで口元が笑っちまう。
しかし肺活量無限の俺に隙は無かった。んで、先に根負けした妖夢がぶっ倒れたわけだ。妖夢は脇と足の裏が弱すぎる。
え、アイズはどうしたのかって?アイズなら俺の隣りで寝てるよ。
知らん間にな!
いつの間にか寝てるよ・・・。2人を回収して帰らなきゃなぁ。
────ピキ。
む?壁にヒビが?
あっ、そうか、ここセーフティエリアでも無いし、普通の階層なんだ。モンスターくらい湧くよネ!
いやいや!もしやゼノスの可能性も有りますかもよ?ワクワク、ワクワク。
「キシャェエエエエエエエ」
『キャァァァァァァシャベッテナーイー!』
現れたよくわからんモンスターを即瞬殺。仕方ないね。
よーし、2人を引き摺って帰るぞー。
ん?しかし待てよ、俺。思い出すんだ男の俺!
今の状況を見てみろ、俺。美女と美幼女が並んで寝てるんやで。据え膳だよ据え膳。くっくっく、もう2人ともあられのない姿は見ちゃってるんだよなぁ、別に脱がしたところでっていう。
『よっこらしょ』
右肩に妖夢、左肩にアイズをのせる。
おっとと、バランス悪いなおい。うーむ、とりあえず気絶させてしまった謝礼として我が秘蔵の饅頭を贈呈しよう。ちなみに一つ500ヴァリスの高級品なんだぜ?
しっとりした食感に、噛むと溢れてくる餡子。粒餡もこし餡も好きなので両方用意するのです。残念な事に温かいお茶は手元にない、が、それは用意すればいい話し。
俺の能力って、やろうと思えばお茶会セット的なのも用意出来そうだしなぁ。万能だな!
「おい!ハルプ、そこに居たのか・・・ってぇ!?お、おい!アイズと妖夢はなんで気絶してんだ!?」
お、べート!べートじゃないか!助けてくれなかったべートじゃないか!・・・・・・助けられるわけねーけどな!
『あー聴くな。お前の夢を壊す事になる』
「いや、聞く。何があったんだよ」
ほほう、なかなか踏み込んできますね?・・・・・・はっ!ま、まさか友人から親友にクラスアップして、「隠し事は無しだぜ」まで来たってことか・・・・・・?!
な、なら仕方ないかな。うん。別に親友っていいよねとか思ってねーし。
べートになら話してもいいかなーってだけだし。というか!話しちゃいけない様な内容は無いし!
という訳で、限界まで神妙な顔をする。
べートもゴクリと喉を鳴らして真剣な顔になった。
『─────こちょこちょしてたら気絶した』
「・・・・・・は?」
『ブフォッ!ぶくくく!むりむりむり!何その情けない顔!!くくくっ、ダメだろずるいって!尻尾、尻尾ダラーんってなった!あは、あははははは!』
「てめっ、笑うな!!」
『ご、ごめん。くくっ、ひ、ひぃー!あは、くく・・・・・・ぶっ・・・・・・。ふ、ふー、ふー。OK、収まった。・・・・・・コホン。これで嘘は何も言ってないあたりが情けないね本当に』
べートが怒り心頭といった顔をしたあと、ふにゃりと力なく腕をだらんと下げる。
おやおや?もしや意中の人と友人に何かあったかと全力で心配していたのかな?
うんうん。わかるよその気持ち!いやぁ、気持ちの共有って素晴らしいね!
「おまえらなぁ・・・・・・ほら、行くぞ、みんなお前ら探してんだからよ」
うげ、マジか。べートのせいにしよ。
『えー、連れてきたのべートじゃん。俺達悪くないもんねー』
「はぁ!?おまっ!フィンに言われて戻ってみりゃあ居なかったじゃねーかテントに!」
・・・・・・せやね。もうあれだ、言い訳できないな。だが!ここで諦める俺じゃねー!友人との絡みはくだらないものが何だかんだ一番楽しいんだ!!
『みょん?』
「覚えてません。みたいな顔してんじゃねーぞ!蹴るぞ顔」
『アイズでガード安定ですね』
「それは蹴れねーな。後が怖い」
ほー、即答とは。熱々ですね?
『ほっほー?それはコッチの意味で?それとも姉妹の報復的な意味で?』
「あぁ?・・・・・・後者に決まってんだろ?」
『にひひー、隠さなくても良いのにー。全部お見通しなんだぜ?友達だからなっ!』
あぁ、早く地上に戻って春姫に絡みたい。絡みに行きたいのに色々と大変で絡めてないー。妖夢はそこそこ話せているらしいけど、じっくりコトコト煮込むが如く、のんびりと話は出来ていないらしい。
「うっせぇな、ほら行くぞ」
ちぇー、ノリ悪いなーべート君よ。
・・・・・・くく、悪いことを考えてしまったぜ?
『重いからアイズ持ってね。へいパース!』
「はっ?はぁ!?ちょちょっ、ちょ!!あっぶねぇな!気絶してんだろ?!もっと丁寧に扱え!!」
『あ、アイズに関しては寝てるだけです』
「はぁ!?」
いやぁ、べート弄りは楽しいなあ!
でもなぁ、今はイケメンのべートも、いずれは狼耳オジサンに変わっちまうんだもんなぁ・・・・・・時間ってやつはどうしてこうも残酷なんだぁ!
「・・・・・・」
『あの、べート?なんだかカチコチだぞ?体の動きとか、違和感だらけだぜ?・・・・・・あっ、察し』
「うるせえ!!ちげーよ!ちげーからな!いいな!?」
『おれ“じゅんすい”なイイコだから、なーんにもわからなかったよ?おとこのひとの身体なんて構造すら分からないよ。うん!』
ボク、純粋!飴を渡されたらホイホイついて行っちゃうぞ!
・・・・・・手を出したら手が無くなるぞ☆妖夢に手を出したら首が無くなるぞ☆あと、魂と存在も。
「てめぇな、違うつってんだろ。いいか、よく考えろ・・・・・・このまま俺達が拠点に帰ったらよ、絶対に色々言われるよな?馬鹿ゾネスとかによ。最悪気絶してる妖夢を見たらタケミカヅチ・ファミリアの奴らも食ってかかってくるに決まってる。そんで、結局俺がボコられるんだ」
『馬鹿な、学習・・・・・・だと!?』
あだっ!?頭殴るなよ。痛くはないけどさ、ビックリするだろ。それにしても、固くなってたのは恐怖からか。まぁ、あんなボディブローとか喰らいまくってたらそりゃぁ嫌になるよね。
「あー、だからギリギリまでは俺が運ぶ、そこからはお前が運んでくれ。いちいちやられるこっちの身にもなれよ」
おー、もしかしてこれってお願いかな?
『ねぇねぇべート、それってさ、俺に対するお願い?』
「あぁそ・・・・・・まて、それって回数制限とかあるのか?これに使うのはもったいねぇ気がする」
なんだ、違うか。
『んー?制限なんて決めてねーですぜ。いや待てよ?友達は10回、親友は無限、家族も無限ににしよう!』
「他人は?」
『あー、他人かー。1回?』
「そうだな。・・・・・10回か、あと何回だ?」
えっと、2回位しかベートのお願い聞いてないぞおれ。つまり8?
うぅ、と言うよりも!さらっと親友じゃないって言われたー!悲しい。
『・・・・・・8回位かな。ぷんすか!』
「そうか・・・・・なんでキレてんだよお前・・・・・・」
知らねーよーだっ!
それにしても、ベートは俺に何を頼むつもりなんだろうか・・・・・はっ!わかったぞぅ!アイズが振り向くように可能性弄って!とかかな!?
「なぁ、ハルプ」
『なぁに?』
にまにま。とベートの顔を見つめる。ぐふふ、どんどん顔が歪んでいくぞベートォ、明らかに頼み辛い内容だったんだなぁ?
「・・・・・いや、何でもねぇ。お前、表情変わりすぎだろ」
『はは、やっぱりそうだよなぁ。アイズ振り向かせて、なんて言えないよな!』
「んなもん頼まねぇわ!バカかてめぇは!ったく、早く行くぞ。途中までは運んでやるから」
『え?運ばせて下さい?いいよいいよ』
「だー!もうてめぇは一々突っかかってくんじゃねぇ?!」
『だが断る!』
ベートとの関わりが結構なくなるぞそんな事したら。だからヤダネ!
「はぁ」
『ため息つくと幸せが逃げるぞー』
「るせぇ」
やっぱり楽しいなあ。
私ことヤマト・命は突如行方不明となった妖夢殿達を捜索していた。アイズ殿と一緒という事なので万が一の事は無いでしょうが、それでも心配になってしまうのが人の情というもの。
私は心を鎮め、スキルの範囲を限界まで拡大する。ここは34階層。私のレベルでは気を抜いたら何時死ぬかわからない場所だ。
すぐ後ろに千草殿と桜花殿が居ることを確認しながら、慎重に進む。
そうして暫く進んでいると妖夢殿の反応を捉えた。
「見付けました!」
「でかしたぞ命!」
「流石だね命ちゃん!」
「それほどではありません」
褒められるのは嬉しい事ですが、まだまだ精進が必要です。私の魔力がそれこそ無尽蔵に潤沢ならば、常日頃からこのスキルを使用して位置把握に務めるのですが・・・・・・。
『ただいまー』
少し走っていくつかの通路を抜けた先に、ハルプ殿を見付けました。・・・・・・おや?なぜベート殿が居るのでしょうか。
それに、何処か焦ったような顔をしていますね。
・・・・・・っ!妖夢殿とアイズ殿が背負われている!?
「な、何があった!?」
「ご説明を!ハルプ殿!」
「あわわわ、待ってて今みんなを呼んでくる!」
「待て!行くんじゃねぇ!!」
「ひぃう!?」
一人で走ろうとした千草殿をベート殿が厳しい声で止めました。そこにはやはり、焦りが含まれている。
まさか、あのお二人が倒れるような相手が・・・・・・?
にしては服は汚れていない、いったい何が・・・・・・。
「おいハルプ、お前余計な事は言うなよ?」
『それってお願い?』
「・・・・・・おう」
益々不安にさせるような事を・・・・・・。
・・・・・・!分かりました、命、わかってしまいましたよ。
「ハルプ殿、折り入ってお願いがあります」
『ん?なに?』
「何があったのか、懇切丁寧に、正直に申してくださいませんか」
「なっ!待てハルプ!」
『OK!家族の願いが優先だからな!』
なぜベート殿が焦るのですか?
ちらり、と桜花殿達を振り返るも皆首を傾げてしまいます。
『大丈夫だよベート。懇切丁寧に正直に言うから、ベートを陥れたりはしないさ!』
「ホントだろうな?」
『おう、誓うぜ』
ほっとしたようなベート殿。いったい何があったのか・・・・・・
『じゃあ、教えて上げるよ。それが──────』
「は、はぁ。こちょこちょですか・・・・・・」
そうです、こちょこちょですよ命。全く、ハルプってば一切容赦しないんですから。
もう気絶した振りしてずっと運んでもらうんですからね。
『そうだぜ。ここだけの話、妖夢の弱点は脇と足の裏だ。そこを責められると妖夢は笑い転げて動けなくなる』
「なるほど。つまりそこを重点的に攻めれば勝てる、と」
いや、何が勝てるんですか?どんな戦いなんですか?そんな戦いしましたか私達。してないですよね?こちょこちょ対決なんてしてないですよね?
「な、なんだか楽しそうだね。でもここってモンスター湧く場所だよね?」
『そうだな。だけど、俺が居るんだぜ?モンスターなんか湧かせませんとも!・・・・・・1匹湧いたけど』
チートずるい。私も他にお願いしてみますか・・・・・・例えばお菓子沢山とか!・・・・・・く、食いしん坊じゃ無いですからね!
「なるほど、何と言うか・・・・・・一発拳骨だなこれは」
『えぇ!?桜花なんでなんで?!俺ってば呼ばれたから付いていっただけなのに!』
やっちゃえ桜花!ハルプは悪い子ですからね!私なんて強引に連れてかれましたからね!・・・・・・あれ?ついて行ったんでしたっけ?
「誰に呼ばれたんだ?」
『ベートに呼ばれたんだぜ!』
「おまっ」
「・・・・・・ベートさん、何かしたか」
「ちげぇって、俺はアイズにコイツらを呼ぶように言われたんだよ!」
あらら、桜花から謎のオーラ的サムシングの力を感じます・・・・・・。ゴゴゴゴぉ、って感じですね。
怒りの桜花、鉄拳は誰に飛ぶのか!
「なんでそこでアイズさんが出てくる?」
「知らねぇよ、だから探し回ってたんだろうが」
「はぁ・・・・・・なるほど、もしかしてあれかハルプ。模擬戦でもしてたのか?」
『おっ、いいね桜花!冴えてるよ!』
「茶化すな。どうなんだ?」
『はい!ハルプは答えますよぅ!ズバリ、命の奪い合いをしておりましたー!』
「「「「はぁ!?」」」」
えぇ・・・・・・もう少しオブラートに包みましょうよハルプ・・・・・・あぁそうか、懇切丁寧に正直に、でしたね。
『まぁ俺死なないし?正確には殺し合いじゃ無いけどな!奪われる可能性があったのはアイズだけだ』
「てめぇ・・・・・・!」
「待ってくれベートさん。・・・・・・ハルプ、何でそんなことをしたか、答えてくれるか?」
・・・・・・あの、ハルプ?なんか喜びの感情が流れて来てますが。怒られて喜んでます?それともみんなの顔が見れて嬉しいんですか?
『いやぁ、なんか愛されてる感じがしてイイね!んで、答えな訳だが─────アイズはゼノスを受け入れる事が出来なかった』
「「「「!」」」」
『だから、決意を固めさせた。意志をねじ曲げた。過去と別れさせた』
「なるほど、な」
ハルプの真面目モードです。出来れば正面から見たかったですね。横顔をチラッと見でもすればバレちゃいますし、耳を澄ませておきましょう。
『だからもう安心していい。アイズがゼノスを殺して犯罪者になる事は無いぜ。もし俺の言葉を聞かず、過去を捨てられず前も向けないのなら───その首を刎ねるつもりでいた』
は、ハルプぅ、正直に言い過ぎですよ!ベートに嫌われますよ?折角のお友達なのに。
「おい」
『ん、何?』
「アイズは平気なんだな?」
『おう。・・・・・・寝顔、見てみたか?』
「あぁ?───────チッ、ありがとよハルプ」
『へへへ、幸せそうに寝てるだろ?起こしてあげるなよ?』
「お前さっき投げたけどな」
『まじスマソ』
んー、めでたしめでたし?ですかね。
「まぁ、それとこれとは別の話だ。さぁ、ハルプ。拳骨だ」
『桜花!?』
「ハルプちゃんがみんなに心配かけるからだよ!3人でこの階層を歩くの怖かったんだからね!」
『うぐっ!で、でも同時にいい思いを出来たんじゃn』
「〜〜〜!!」
『いだだだだ』
「おっ、おい千草!?何をしてるんだ!」
「ハルプ殿・・・・・・意地悪が過ぎますよ。反省してください」
「全く・・・・・・タケミカヅチ様に言って叱ってもらうか」
「そうだねそれがいい!」
「申し訳ありませんハルプ殿、庇い立ては出来ないようです」
『えーー?!やだやだやだお尻ペンペンは嫌だ!』
「なら拳骨だ。いいか?」
『うぅ、はぁい』
ゴツン!と聞いてるこっちが痛くなるような音が響きました。
恐ろしいですねぇ。
「で?妖夢、お前は何時までねているつもりなんだ?」
「あれ?バレてました?」
流石桜花ですね。私の「おやすみの術」を見破るとは・・・・・・!
「はぁ。全く、ほら帰るぞ」
『妖夢ー、起きてんなら言ってくれよなぁ』
「見抜けなかったハルプにはお仕置きです。このまま運んでください」
『なんで!?』
「んふふ〜、ひんやりしてて気持ちいいからですよ」
『俺は保冷剤じゃないんだけど?』
「今は私の保冷剤で車ですね!」
『・・・・・・まぁいいよ?お詫びにあげようと思ってた高級饅頭あげないからな』
「なっ!?そ、それとこれとは話が別ですよ!」
『別じゃないしー、対価なら今まさに払おうとしてるじゃん?運んであげる上に冷やしてあげるんだぜ?』
「ぐ、ぐぬぬ・・・・・・」
ん?これって饅頭かハルプを選べって事ですよね?なーんだ簡単な話じゃないですか!答えなんか一つしか無いですよ。
「みょん♪」
『あ、あるぇ?妖夢ー、降りないのか?』
「饅頭かハルプか、問われれば後者と答えますよ。当然です」
『一瞬迷ってたよな?』
「いえ、違います。ノリでぐぬぬって言っただけですもん」
『ふーん、そっか』
あはは、ハルプ、口元がにやけてますよ?嬉しいんですか?嬉しいんですよね?なら、私も嬉しいです!
「・・・・・・」
「っ!千草殿、落ち着いください!お二人の邪魔をしてはいけません!」
あー、千草から混ざりたいオーラが出てます!ハルプ、混ぜてあげますか?
ふむふむ、なるほど。可能性的には何もしなくてもほぼ確実に混ざってくるんですね?じゃあイチャイチャしてましょう!
え?イチャイチャじゃない?家族のスキンシップ、ですか。なるほどこれは家族のスキンシップだったんですね!
ふむふむ、イチャイチャは男女間で使う言葉なんですか!じゃあ私達とベートとかそういう事ですか?
それも違う?じゃあ何なんです?
あれは友人間でのスキンシップですか。なるほど。それをわちゃわちゃって言うんですね!分かりました!
「ほら、二人とも混ざってこいよ」
「な、なにをぅうわっ!」「きゃっ!」
『うおっと!っとと・・・・・・セーフ!』
おぉ、本当に来ましたね。ハルプナイスキャッチです。しかし、なぜ私を上に投げたのですかハルプ・・・・・・。
『よいしょっと』
「・・・・・・ナイスキャッチです」
『くくく、膨れるなよ妖夢』
「むー」
ハルプは変な時に意地悪ですねホント。照れ隠しですか?
『まぁね』
ぐぬぬ、ウィンクとは・・・・・・可愛いと思ってしまった私の負けですね。
それにしても、ナルシストの様で変な気分です。ハルプ、外見ちょっと変えたり出来ないんでしょうか。
『変えられたら変えるんだけどなー、男とかに』
「内緒のお話ですか?」
「ずるいよ二人とも!私達も混ぜてよー!」
『良いぜ。いやぁ、両手に花ってやつだな!』
「背中に私ですね!」
『背後から操る悪役かな?』
「それは前までのハルプ殿のポジションでは?」
『・・・・・・心が抉れた、墓穴ほったァ』
「あ、あはは・・・・・・」
「ざまぁ、ですよ。私を投げたからいけないのです」
そんなこんなでハルプとお仕置きという名のじゃれあいを続けていると、キャンプ場が見えてきました。ちなみに、ハルプの両サイドに千草達、背中に私、両腕でアイズを装備中ですね。ふふん、軽いでしょう!
先に報告に戻っていた桜花のお陰か、皆さん集合していますね。むむ、ティオネ達が走ってきます。
「アイズ〜!もうどこいってたの?!」
「全く、心配させないでよね」
みょん?起きてましたっけ?
「うん、ごめんね」
あれぇ?
『おい、なんでお前らは寝てる振りをするんだ?』
「ししょー、冷たくて・・・・・・気持ちよかったから」
『・・・・・・やっぱり俺は保冷剤なんだなー』
クスクスと皆さんが笑う中、ハルプは腑に落ちないような顔をしながらも、口の端っこがにやけていました。
・・・・・・それにしても、ハルプは浮かない顔をしていましたが・・・・・・問題は解決したのでしょうか?
「全く、勝手な行動はよすんだアイズ。・・・・・・ハルプ君も頼むよ?」
「うん。・・・・・・ごめんなさい」
『はーい。任せとけ!』
ニコニコと笑いながら親指を立てるハルプ。
うーん、どうやら平気そうですね?結局、何だったんでしょうか・・・・・・?
森の奥の少し開けた土地で、眼帯を身に付け銀の髪を腰まで伸ばした女性、平行世界からやってきた大人の妖夢は溜息をつく。
「はぁ。なんで─────」
「すぅ──すぅ────」
彼女の目の前には少女が眠っている。彼女らの前にはある切株の上に並んだ木皿の数から見ても、山ほどの食材を喰らい尽くした事は想像に難く無い。
「なんでこの世界線に限って、ゼノスなんですか?私の決意は何のために・・・・・・」
幸せそうに眠る少女は黒い髪で片目を隠した姿をしている。そう実はこの少女、黒竜なのだ。赤黒い角のような物も頭から生えているし、尻尾っだってある。翼は小さい小悪魔の様なデフォルメされた可愛らしいものになっている。
「うぅ、ハルプの能力はチート過ぎます!と言うか、こういう事をするなら先に言って下さいよ!旅に出た意味がぁ〜」
妖夢は力なく項垂れる。おのれハルプぅと呻きながら木皿を片付けて
「むにゃむにゃ」
と眠る擬人化黒竜を見る。あどけない寝顔は数刻前の死闘が嘘のように感じる程だ。
「・・・・・・なぜ人の姿に?ハルプの趣味ですか?それとも強いと人に近づくとか、あるんでしょうか・・・・・・そう言えば妖怪も強い方は人の外見でしたね」
ふと、妖夢は考えてしまった。この黒竜の面倒を見るのは誰なのか、と。
・・・・・。
「ぇ、もしかして私が最後まで面倒を見なければならないパターンですか?嘘でしょう?・・・・・・片腕しか使えないんですけど、面倒見きれますかねぇ」
不安だなぁ、と呟きながらも満更では無さそうな妖夢。しかし、再び考える。
「・・・・・・一応ハルプに伝えた方がいいですよね?そうすれば桜花達にも会えますし。ついでに足りないものはハルプに貰いましょうか。チートですし、何とかなるでしょう。チートですし」
片付けを終え、ぐいっと背伸びをする。そして背負った楼観剣を確認し、服をポンポンと叩いて身だしなみを整える。片手で結える髪型は少ないので自然そのままで。
メイク道具などは何も無いし、準備は完了!
「と、言いたいのですけど・・・・・・この子、連れて行って良いんですかね?みんな攻撃してくるのでは・・・・・・まぁ外見的には人間ですから平気かも?」
「よっ」と人化した黒竜を担ぎ、歩き出す。
目指すはオラリオ、家族達が暮らす迷宮都市。
この妖夢は知らない。
オラリオでは異端児が既に受け入れられており、異端児を担ぎ上げて移動する輩がどのように見られるかを・・・・・・。
「おいっそこの貴様!」
「みょん?」
「その少女を離せっ!」「アリッサさーん!竜族と思しき少女を誘拐している眼帯付けたやばいのが居ますー!」
「退却ー!」「おいマシュー!撤退はするなバカ!」
「えっ、あの?私は誘拐犯ではなくてですね」
「ジョウジ、何が起きたか話してくれ」
「あの眼帯を付けた厳つい女がゼノスを攫ってるんです」
「何?──────────・・・・・・あぁ、そうだな。うむ。とりあえずお前達は他の警備を任せる。彼女は私に任せてくれ」
「え?い、いや・・・・・・「いいから」は、はい。よし、お前ら行くぞ!」「退却ぅー!」
「───────えぇ?」
「アゥ?」
今日もおらりおは平和です。
「え?」「?」
原作とはかけ離れた世界線、いいね?
誤字脱字報告、コメント、待ってます!