幻想郷は全てを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ……いや割とマジで   作:とるびす

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後日談に入ってから『あきゅゆか』の頻度が多いような気がする。気のせいかな?

それはそうと10月12日は摩多羅隠岐奈の日らしいですね。そうなの???


追記
2026/1/22 本編最終話に挿絵を追加しました。


名探偵八雲紫の事件簿:迷宮入りのトリニティ③

 

 

「いやぁ今日も沢山歩いたわー! 心地の良い疲労感とはまさにこの事よね!」

「ホントに満喫してるわねぇ」

「せっかくの異世界なんだから満喫しなきゃ損じゃないの。まあ、まだ貴女が見ている幻覚を共有してるだけって線は捨ててないんだけどね」

「そんな事言って、実際は科学神秘主義の寿命も近いんじゃない?」

 

 日はとうに暮れてしまい、朧げな蝋燭の灯火が頼りなく室内を照らす。時折、障子越しに稗田家の使用人が動く影が見える。それだけが時間経過を知る術だった。

 蓮子が睡眠欲に負けるまで今日の収穫を語り合うのが日課と化しつつある。隣り合わせの布団の中から、天井の闇を見つめながらね。

 

 その間、私は適度に蓮子へと相槌を返しつつ、眠気に負けないよう頑張っている。

 

「でも人の居る範囲から出られないってのがやっぱりネックよねー。遠くに見える山とかさ、東の端にある神社にも行ってみたいのに」

「無茶言ったらダメよ蓮子。人里の中を自由に動き回れるのだって特別に許可された事なんだから。異変が終わるまでは我慢よ」

「だけどさー」

「だけどじゃありません。無茶したら死ぬ世界だって事を忘れないで」

「また震えてるよメリー」

 

 当然でしょう。ああ、思い出しただけで恐怖のあまり身体中の震えが止まらなくなる。

 私が幻想郷で何度死にかけたことか……! しかもある日突然! 理不尽に! ようこそ此処はルナティックな世界。残機が幾つあっても足りはしない。

 この世の一寸先は真っ暗闇ですわ。だからこそ、安全圏から更に一歩引く勇気が大切なのだ。

 

「寒いならそっちに行ってあげようか?」

「結構よ。子供じゃないんだから」

 

 蓮子からの素敵な提案を拒否する。別に恥ずかしがってる訳じゃないのよ? むしろ私は隙あらば蓮子の温もりを摂取する機会を虎視眈々と狙っているわ。

 けどね、何というか……寒さを凌ぐ為に蓮子と身を寄せ合って暖を取るという行為に何故か忌避感を抱いてしまうのだ。蓮子が嫌いとかそんな話じゃなくて、シチュエーションそのものが嫌っていうか。不思議な話よね。

 

 ただ蓮子を保護する為だけに始めたメリー擬態生活だけども、私に関しても色々と新しい事実が見つかっているのは興味深いですわね。しかし女性はミステリアスな部分が多いほど魅力的になるとも言いますし、自分探しもほどほどにしておきましょう。

 

 

 

 意気揚々と色んな事を喋っていた蓮子も次第に疲れと共に口数が減っていき、やがては寝息を立てて眠りに落ちてしまった。蓮子は夜型の人間だからね、寝かし付けるのには毎度苦労しています。

 

 さて、ここからが私の仕事時間である。

 そろりそろりと足音を立てずに退室し、夢と現の境界を正常な状態に戻す事で、姿形をメリーから八雲紫へと変化させる。やっぱりいつものゆかりんフォームの方が落ち着きますわね! 

 

 蓮子が起きている間はメリーとしてしか活動ができないので、人間の寝静まる夜に八雲紫としての日常を過ごすのである。正直めっちゃ疲れる! 

 三徹目で随分と重くなった瞼を擦りながら応接間へと向かう。来客があった事を阿求からあらかじめ聞いているのだ。……隈を隠すために軽く化粧しておきましょ。

 

 準備を終えていざ入室。

 そこには我が愛しい一番弟子の早苗と、その保護者にあたる神奈子、そして幻想郷一の愉快な神様である秋姉妹の姿があった。勿論、家主の阿求もいる。

 互いの姿を認め、手を振って軽めに挨拶する。

 4人……もとい4柱はかつて私と苦楽を共にした謂わば戦友ですわ。あの日々も今となっては懐かしい。……まあ本当はあともう1柱神様が居たんだけどね。

 

 彼女達は、何でも私に用があって阿求に取り次ぎを頼んできたらしい。

 という訳で気を利かせてもらい、こうして場所と時間をセッティングしてくれたのだ。流石は阿求、できる女ですわ。

 

「こんばんはお師匠様! お久しぶりです」

「いつぞやの顔合わせ以来だな」

「紫さんおひさー」

「たまには守矢神社にも遊びに来なよー」

 

「みんな、元気そうでなによりよ。それと来るのが遅くなってごめんなさいね。私の方も色々と立て込んじゃって。随分と待たせたんじゃない?」

 

 なんせもう丑三つ時を更に過ぎようかという時間帯ですものね。この場には私しか妖怪が居ない。昼での活動を主とする彼女達にはなかなか辛いだろう。

 まあ私も三徹だからあんまり変わんないけど! 

 

 互いの近況報告も程々に、本題へと移るよう促す。

 

「それで今日はどうしたのかしら、守矢のみんなが揃いも揃って。……失礼、全員ではなかったわね。小傘の姿がないわ」

「実はそれも含めての相談で……」

 

 小傘が人里住まいのブルジョア妖怪だったのも今は昔。現在は守矢神社の専属金物師として暮らしているらしい。早苗と仲良かったしね。

 

 言いにくそうに顔を伏せる早苗に代わり、神奈子が言葉を引き継ぐ。どうやら少々苛ついているみたいね。分かったから怒りで周囲の空間を歪ませないでほしいわ。穣子の顔がぐにゃぐにゃになってますもの。

 

「これは今朝方に稗田の賢者様と共有した情報でもあるんだがな……現在、妖怪の山は厳しい入山規制が敷かれている。どうやら天狗の仕業らしい」

「天狗が? それはまた排他的な……。まるで一昔前の物々しさですわね」

「そのおかげで布教活動に麓まで降りて来ていた私達は山から締め出されたという訳だ」

「なるほど、把握いたしました」

 

 妖怪の山でこうした大きな動きが起こる時っていうのは、大抵天魔の命令によるものが殆どですわ。つまりはたての指示だと思うんだけど。

 マヨヒガが妖怪の山に存在する関係上、橙あたりが異常を察知してないとおかしいような気もするが、やっぱり仕事が忙し過ぎて家に帰れてないのかしら? 

 それに妖怪の山には華扇も居を構えている。妙な動きをすれば彼女が抑止に入るはず。

 

 なんだか妙ね(名探偵の勘)

 

「小傘さんだけで何日も留守番なんてできませんよ! 今頃悪い妖怪達にボコボコのギッタギタにやられて、神社が乗っ取られてるかも……! ああ心配です……!」

「大袈裟な。小傘は腐っても大妖怪よ?」

「そうなんだけど……ねぇ?」

「小傘ちゃんだもんね」

 

 この言われようである。まあ気持ちは分からないでもないので、私からはノーコメント。

 小傘もやる時はやる子だと思うんだけどね。

 

 と、今は妖怪の山の異常についてですわ。

 阿求を見据える。

 

「確か例の件(メリー捜索)について、はたてと華扇、あとてゐに書状を持って行ったのよね?」

「はい。使いの者を走らせました。しかし……実は」

「……届かなかったと」

「妖怪の山は先の通り、足を踏み入れる事が許されず門前払い。てゐさんの方は、迷いの竹林を突破できなかったのです。案内役の兎が全員出払っているみたいで」

 

 うぅん、何だか嫌な感じね。妙な行き違いが発生している気がするわ。

 私がスキマで直接会いに行くのもいいが、妖怪の山に関しては事前の情報無しに突っ込んだら天狗から袋叩きに遭いそうなのよね……。永遠亭は普通に行きたくない。具体的に言えば永琳と純狐さんに会いたくない。

 

「という訳だ紫。お前からもガツンとあのバカ天狗共に言ってやってくれ」

「ま、まあ言葉は選ぶとして、何でそんな状況になっているかの確認は取らなきゃなりませんね。貴女達の憤る気持ちは分かるけど、ここはひとまず私の顔を立てて、妙な衝突は起こさず人里で待機しててくださいな」

「事を大きくするつもりはないよ。山の妖怪達とはなるべく仲良くやっていきたい」

「ありがとう。なるべく早く帰れるように動くから待っててね」

「お願いしますお師匠様!」

「ふふ、任せなさい」

 

 こうした小さな揉め事も地道に解決していくのが、幻想郷の管理人としての仕事ですわ。酷寒異変や蓮子の事もあってかなり首が回らない状況だけど、何とかしましょう。

 はぁ……久々の社畜タイムですわね。

 

 さて、これで話は終わり──。

 

「あっ、私達(秋姉妹)は別に相談があるんですよ!」

「この異変はいつまで続くんですか? まさか秋まで続くなんて、そんな訳ないですよね!?」

「あー……どうでしょうね。うふふ」

「「紫さん!?」」

 

 秋姉妹にとって死活問題なのは分かる。でも私に言われてもね、どうしようもないわ。

 私は肩を竦めてすっとぼけるしかない。

 

 季節の消失した幻想郷において、秋神様達は完全に置き物と化しつつあった。

 外の世界の季節事情と何も変わらない気がしたけど黙っておきましょうね。

 

 

 

「さて、またやる事が増えちゃったわね」

「はぁ……この調子だと幻想郷縁起の執筆はまた延期ですね。いつになったら再開できるのやら」

「まあ書く内容が増えて良かったじゃない」

「監査するだけの人は気楽で良いですね。羨ましい」

「と、ところで異変の件なんだけど」

 

 はい、すみませんでした。黙ります。阿求からの殺気が増したので慌てて話題を変えましたわ。

 最近私と阿求の力関係が逆転してるような気がする。まあ別に良いんだけどね。阿求の方が仕事できるのは当然だし。私は落ちこぼれ賢者ですわ。

 

 山のように積み上がった藍からの報告書や他賢者への質疑書を処理しつつ、情報共有に努める。

 

「気候はまた一段と寒さを増したわね。まるで全球凍結を再現するように」

「主な河川や湖は全部凍り付いてますので、あながち間違いでもないかもしれません。穣子さんと静葉さんではありませんが、このまま異変が続くようではまずい事になります」

「私達妖怪はともかく、人間にとっての限界は刻一刻と迫っているものね」

「メリーさんの件もありますし……」

「そうね」

 

 このままでは幻想郷のあらゆる生物が氷像と化す日も遠くないだろう。そろそろ私達も手段を選んでいる場合ではなくなってきたのだ。

 勿論、私だって毎日蓮子と遊び呆けてるだけじゃない。その最中にも様々な対策を考えている。

 

 考え付いた寒さ対策としては、地底からさとりのペットの鬱ほちゃん──もとい霊烏路空を召喚して、人工太陽による幻想郷の温暖化を狙ってみたりとか。

 思えば空ちゃんには異変でのペナルティが何もない状態だから、今回を機に幻想郷の面々に管理者側として顔見せしてみてもいいかもしれないわ。

 まあ全てはさとりと話し合ってからだけど。

 

 幻想郷に居るかどうかも分からないメリーの捜索はほぼ阿求に頼りっきりなのも何とかしたい所ではある。あの子マジで死んでないかしら? 

 

「異変解決の進捗はどうでしょう? このところ余り有力な情報が得られていないような気がしますが」

「そうねぇ、それで霊夢もイラついているわ。魔理沙からも特に報告は上がってないし」

「……何故手掛かりすら見つからないのでしょうね。この異変に限って」

「確かに、言われてみれば不自然ではある。どんなに意味不明な異変でも霊夢なら原因を見つけ出せそうなものなのに」

 

 違う視点で考えてみるのも必要なのかもしれない。

 例えば、異変の原因が分からないのは黒幕の隠蔽技術が巧妙という事ではなく、そもそもの前提条件から誤っている可能性。

 

 幻想郷では常識を捨て去らねばならない。

 あらゆる事前知識は時に枷となる。

 

「紫さん自身の聞き込み調査はどうなんです?」

「私は今のところ夜しか動けないから、あくまで妖怪相手限定での話になるけどね。まあ異変に繋がるような有力な情報は得られてないわ」

「そうですか……」

「ただ妖怪達の中にもこのままでは不味いっていう認識は広まっているみたいよ。各々勝手に調査を始めてるし、中には自分の推理を強引に押し付けてくる奴までいるわ」

 

 私は黒幕じゃないのに何度襲われた事か……! みんなから疑いの目を向けられ過ぎてゆかりん大ショックですわ! オヨヨ。

 

 しかも先述した『強引に押し付けられる推理』も正直空想の域を出ない阿呆らしいものばかりだったわ。

 萃香は「地獄を根城にしてる残無って奴が怪しいよ!」とか言って霊夢と一緒に突撃した挙句クレーム付きで返品されるし、紅魔館の門番さんは「これは太歳星君(たいさいせいくん)の仕業に違いありません!」とか言って馬鹿馬鹿しい夢の話を延々と垂れ流してくるし。

 

 悲しいかな、やはり幻想郷の名探偵は私しか居ないようだ。ワトソン、もとい藍ねーちゃんが居ないから本調子ではないけど。

 

「調査の規模はこれ以上拡充しようがないし、これで打つ手無しなら幻想郷は終わりね」

「……やはり賢者の皆さんの全面的な合力が必要ですよ。なので、はたてさんやてゐさんに改めて使いを出します。あとついでに隠岐奈さん」

「ただの人間では門前払いのままですわ。ここは一つ、橙に様子を見てもらいましょう」

 

 碌に休暇を取れていないあの子に面倒事を頼むのは申し訳ない気持ちになるわ……。私が留守にしてる数日間も多分結界管理に奔走してたんだろうし。

 ただ私から直接指示を出せて、なおかつ万が一天狗に囲まれても強行突破できるのは今のところ橙くらいしか居ないのよねぇ。霊夢? 血の雨が降るわよ。

 

「それじゃあ早速、橙に念話を」

「お願いします」

 

 

 ……。

 

 …………。

 

 ………………あれ。

 

 

「どうかしましたか?」

「いや、それが」

 

 橙の妖力は式の繋がりで感知できるのだが、私から送信されるメッセージが彼女に届く前に全て弾かれてしまうのだ。まるで強力な結界でも張られているような感覚。

 これはつまるところ……。

 

「着信拒否されてるわ」

 

 こういう事である。

 私って、いつから橙に嫌われてたんだろ。振り返ってみても心当たりが……腐るほど蘇ってきたので、私は考えるのをやめた。

 

 

 結局メンタルが粉々に破壊された私に碌な提案などできる筈もなく、その後は上の空で事務作業に追われる社畜賢者と化すのだった。

 

 そんな状態は夜更け時──憎き大敵、射命丸文の突然の来訪まで続くことになる。

 

 

 

 

 *◆*

 

 

 

 

 こうして自業自得の無策と、不運による多忙に迷探偵(ゆかりん)が翻弄されている頃、それを嘲笑うかのように、異変の真実へと到達する者が現れる。

 むしろ、彼女でなければこの段階で辿り着くのは不可能であったと表現するべきか。

 

 断片的でありながらも核心に迫る情報と、自身の評判など微塵も気に留めない強引な捜査。その二つが本来ならあり得ないスピードでの回答を可能にした。

 

 究極の絶対名探偵、摩多羅隠岐奈は勝ち誇ったような笑みを浮かべ、容疑者を不遜な態度で見下ろしている。というのも、隠岐奈には絶対の自信があったのだ。

 この巫山戯た異変に己の手で終止符を打てると思えば、自然と笑みが溢れるというもの。それも、その相手が相手だった。

 

「つくづく、お前ほど『飛んで火に入る夏の虫』という言葉が似合う奴はおらんな」

「なにそれ。私のこと虫って言いたいわけー?」

「そのままだろう? 少し吹けば飛ぶような矮小なムシケラが」

 

 隠岐奈が見立てた最有力容疑者、アゲハ蝶の妖精エタニティラルバは羽を捥がれ後戸の国に這いつくばっていた。

 気ままに幻想郷の空を飛んでいたところを無理やり拉致され、痛め付けられた挙句に監禁されたのだ。あまりにも強引過ぎる。この一幕をブン屋に切り取られれば幻想郷での好感度は益々低下するだろう。

 

「ちょっと強引なんじゃなーい? 何か聞きたい事があるなら普通に言ってくれればよかったのに」

「そんな面倒な手順を踏む必要はあるまい。お前がこのくだらない異変に深い部分で関わっているのは私の中で確定事項だ」

「なんだこの尊大椅子女!?」

 

 ラルバは秘神のあんまりな態度に眉を顰めながら、しかし知性を感じさせない模範的フェアリーフェイスでへらへら笑っている。

 大体の妖精は如何に自分が危機的状況に陥ろうが必要以上に取り乱す事はない。殺されたところですぐに復活してしまうからだ。

 

 とことん見下している隠岐奈へ媚び諂っているつもりなのか、今も芋虫のように身をくねらせながら形だけの命乞いを披露している。

 

「私にそんな力は無いってばー。ただの非力な妖精なんだから。ね、頼むよぉ許してくれよー」

「お前は本当に中途半端な奴だな。昔からそうだ、不完全な状態でこの世に生を受け、愚かな人間どもに半端な希望を与える半端な神」

「何のことを言ってるのぉ?」

「今もそうか。言う事為す事、全てがどっちつかずなのだよ。上手く扇動したつもりか?」

 

 秘神の目はラルバの本質を見透かしていた。これもまた彼女しか持ち得ない情報(記憶)に依る答えであった。隠岐奈の中に存在する秦河勝はラルバの本性をよく知っている。

 

 

 隠岐奈は八雲紫の式化から解放された後、神格の回復に努めながらとある調査を進めていた。

 それは、幻想郷同時多発異変の際に不覚を取ってしまった理由についてだ。

 油断、慢心、不運……隠岐奈自身の問題も多々あろう。しかし、それ以外にも看過できない不自然な点が幾つか散見されるのだ。

 

 隠岐奈の殺害を目論むのなら、あれ以上に適したメンバーは居なかっただろう。

 

 よく分からない理由で隠岐奈から離反した挙句、最期は己が存在を賭けた純粋な妖力で鎬を削った前時代の亡霊レティ・ホワイトロック。

 四季の力を操る事で仲間へのバフと隠岐奈へのデバフを同時に行い、しかも唯一隠岐奈を殺す手段を保持していた風見幽香。

 秘神を前にしながらも物怖じせず自らの意地を貫き、最後には一矢報いた幻想郷最速の天狗、射命丸文。

 そして無限の可能性と爆発力を峻烈に見せ付け、秘神を超えた最強の妖精チルノ。隠岐奈の命を脅かした唯一無二の存在。

 

 この4人以外に隠岐奈を倒せる者は、あの瞬間の幻想郷には居なかった。よりにもよって考え得る限りで最悪の面子と戦う羽目になってしまったのである。

 成り行きと偶然で考えるにはあまりにも隠岐奈にとって都合が悪過ぎる。

 故に何者かの手引きを疑ったのだ。

 

 そしてチルノを経由してエタニティラルバの存在が浮上し、それが今回の捜査にも繋がった。

 絶対秘神たる自分の殺害に一時は成功しかけた油断ならない妖精。それも周辺関係を洗えば次々に欠けていたピースが埋まっていくではないか。

 

「昔から力自体は大した事なかったが、それでも私や太子様はお前を危険視した。その理由が恐ろしいまでの扇動力だ。今回もそうだろう?」

「こじつけじゃんか!」

「自分の手を汚さずに敵対者を追い詰めていく手腕はかつてのままだな。まさか口先だけで幻想郷をここまで引っ掻き回してくれるとは」

 

 ラルバの非難の声には耳を貸さず、一枚の後戸を手元に召喚しながら独り言のように推理を垂れ流す。秘神の行動はいつだって独り善がりなのだ。

 

「幻想郷を満たす黄泉の冷気。これを誰にも気付かれず大量に持ち込むには様々な障害がある。無限に近い広さを誇る地獄を獄卒どころか閻魔や女神にすら見つからずに何度も往復し、生者の痕跡を残さない」

 

 ヘカーティアとの問答、続々と提示される各地の情報、それらを都度思い浮かべながら隠岐奈は言葉を続ける。

 

「故に、その可能性を持つ者は大いに限られると当初は考えていた。馬鹿正直に犯人を絞り込めば強い奴しか候補に残らんからな。私や紫まで疑われた」

「だってあんたらが一番怪しいじゃん!」

「それが落とし穴だったのよ。この異変の始まりは矮小な者がコツコツと積み上げた結果に過ぎない。そうだろう? 幻想郷の羽虫よ」

 

 隠岐奈は学習していた。

 如何に矮小な羽虫であろうが侮る事なかれ。その執念が限界を上回った時、奴らは途方もない爆発力を生み出すのだと。その牙は絶対的な強者にすら届き得る。

 羽虫とは……『妖精』とは、そんな種族なのだ。

 

「失敗したなエタニティラルバ。弱さを隠れ蓑にしても我が目は誤魔化せんぞ」

「……」

「後戸の国へ追加招待だ。出てこい異変の下手人よ」

 

 手元の後戸が勢いよく開かれ、先にあった物が強制的に引き摺り込まれる。ラルバの時と同じ拉致の手口だ。嫌に手慣れている。

 

 そして後戸の国に頭から落ちてきたのは、緑髪のサイドテールが印象的な妖精だった。ラルバや三妖精とは違い特徴の少ない形状をしている。

 恐らく個体名を持つに至らない、強い力を持った妖精。種族で言えば大妖精となるのか。

 

 突然の召喚に面食らっているようで、呆けた表情でラルバと隠岐奈を交互に見ている。

 

「こ、ここは……?」

「あーあ、大ちゃん捕まってやんの」

「ラルバちゃんが捕まってる、ってことは」

「そ、アイツが摩多羅隠岐奈」

 

 素っ気なく暴かれた秘神の正体。大妖精にとってはやはり衝撃だったようで、緊張に表情を強張らせながらも、同時に憎悪混じりに睨み付ける。

 妖精などという生命のなり損ないに強い殺意をぶつけられた事は隠岐奈にとっても新鮮なことだった。興味深げに声を漏らす。

 

 平時であれば存分に歓談を愉しみたいところではあるが、生憎の緊急事態である。己を律して賢者としての職責を全うする。

 

「貴様が黄泉の国から冷気を盗み出し、幻想郷にばら撒いたのだろう?」

「それは……!」

「誤魔化さなくとも良い。お前達が何と答えようが処罰は変わらん。話に興じているのは私からの慈悲だよ。お前達の爪痕を再確認してから消してやろうというのだ」

「うるさいっ! よくも私の友だちを……! チルノちゃんを殺したなっ!!!」

「おいおい勘弁してくれないか。私はヤツの自爆攻撃に巻き込まれた側なんだが」

 

 動機も隠岐奈の想定通りだった。

 この異変は一から十まで全て、チルノの為を想って起こされた異変なのだ。

 

「大方、冷気を集めればあの氷精を復活させる事ができるとでも聞かされたのだろう? そこに這いつくばっているムシケラから」

「ムシケラじゃない! ラルバちゃんはラルバちゃんだ!」

「健気で気の遠い話だな。これだけの冷気を運ぶなど地獄と幻想郷を何度往復すれば良いのやら。貴様の能力を駆使しても途方もない回数が必要になるだろう」

 

 大妖精は瞬間移動の能力を持つ稀有な妖精だ。それも紫や隠岐奈のような空間を渡るタイプではなく、自然発生する形での移動。だから自分が居た痕跡は殆ど残らない。

 しかも地獄には妖精の成れの果てが沢山積もっている。また普通の妖精も相当数いるので、仮に姿を目撃されても怪しまれる事はない。

 ここでも妖精の脆弱性が疑いの目を逸らしていた。

 

 まさしく、大妖精は地獄で盗みを働くにはうってつけの存在であるといえよう。

 

「これではかの地獄の女神も気付かん訳だ。しかも畜生界や旧地獄に敢えて冷気の残滓を点在させる事で捜査の撹乱もやってのけた。妖精にしては随分と知恵が回る」

「……? ……??」

「なんだ話が難しくて付いてこれなかったか? 少しは見直したのだが、所詮妖精は妖精だな。オツムは例に漏れず残念なようだ」

「む、難しいことを得意げに言ってますけど! チルノちゃんが帰ってきてくれればお前なんてけちょんけちょんなんだから!」

 

 

「残念だが、あの氷精は復活せんぞ」

 

 

 空気が凍る。

 

「幻想郷を際限なく冷たくしていればアレが新たに自然発生すると思ったのか? はっはっは、そんな訳があるか阿呆め。お前は嵌められたのだよ」

「……?」

「あの氷精は己の全存在を賭けて私に勝った。その代償がそんなに安く付く訳がなかろう。一時的にも摩多羅隠岐奈を妖精の身で超越するとは、そういう事だ」

「でもラルバちゃんは、それでいいって。現にレティさんは復活して、チルノちゃんももう少しだって……」

「それよ」

 

 ここまで話が進めばもはや大妖精との問答など不要。言葉を切って捨て、再度ラルバへと向き直る。

 虚栄の妖精は終始無言だ。

 

「黒谷ヤマメを扇動し、リグル・ナイトバグを過去に回帰させ、レティ・ホワイトロックを()()()発生させたのは、そういう事だろう?」

「なんのことかなぁ」

「幻想郷の成り立ち、賢者、そして根源的恐怖を糧とする妖。全てが密接に関わっている事を知らなければ、奴らに賢者を襲撃させるなど考えん筈だ」

「あ、しってたんだ。助けてあげれば良かったのに」

「別に仲間ではないからな。同僚らも自分たちの犠牲で幻想郷が救われれば本望だろう」

 

 摩多羅隠岐奈とは独り善がりな神なのだ。

 

 根源的恐怖を糧にする妖怪は総じて強力である。

 病苦のヤマメ、飢餓のリグル、寒冷のレティ、闇夜のルーミア。解釈によっては生死の幽香、そして八雲紫も含まれるだろうか。

 軽く挙げただけでも尋常ではない面子だと分かる。特に前者4人は一つの時代を築いただけあって人々の心に刻み込んだ恐怖は相当なものだった。

 

 そんな悪夢達を打ち倒した者が後に賢者と呼ばれ、その賢者が作った幻想郷は、まさに妖怪にとってニューモデルの魔境となった訳だ。幻想郷の誕生は、人と妖怪の関係に対する新時代への解答であり、また区切りでもあった。

 

 隠岐奈に言わせれば、旧時代の遺物が復活し賢者を襲っている現状は甚だ遺憾である。自分と紫がやっとの思いで築き上げた『今』を破壊し、恐怖に対する認識を過去へ逆行させるなど到底受け入れられない。

 

「幻想郷を黄泉の冷気で満たしたのは所詮準備段階に過ぎんのだろう?」

「大ちゃんは必死にがんばったんだよ? そんな言い方しなくてもいいじゃん」

「氷精が蘇らないのでは、そこの大妖精の頑張りなど無意味じゃないか。踏み台にしているくせに白々しい」

「チルノは多分生まれるってば」

「器は同じ。しかし中身が違うのではな。失われた命は二度と回帰しない」

 

 自分が愛したかつての八雲紫を思い浮かべながら、隠岐奈はそう断じた。

 

 それは先の異変で傀儡として暴れ回った少女達もそうだし、隠岐奈とて例外ではない。今の隠岐奈は紫に殺される前に存在した心を術式で巧妙に模倣した式神が勝手に独り歩きしているに過ぎない。

 新たに同一の存在が生み出されようが、本質は失われたままだ。

 

 紫ですら様々な細工を施してこれが限界なのに、自然現象から生まれる妖精に同じ精度の再生など到底不可能だ。発生するのはチルノと同じ要素を持っただけの氷精である。

 

 実際、隠岐奈は大妖精のことを哀れに思っていた。彼女は友を想う純真な心につけ込まれたのだ。

 大妖精はただ呆然と立ち尽くしていた。

 

「黄泉の冷気を幻想郷に持ち込んだのは、レティを呼び戻すためか。アレもまた外面だけで中身は全く別な代物なのだろうが」

「レティ様ねー。あの人はとっても優しかったけどちょっと不安定なところがあったよね。大した目的意識がなかったのがいけなかったのかなぁ?」

「それで今回の『新しい奴』には壮大な目標を与えてやったという訳か。なるほどしてやられた」

「おっ弱気かー?」

「いんや、反省しただけだ。私も奴にいい具合の目標を用意してやれば、裏切られることはなかったのやもしれん。悔やまれるな」

 

 難しい顔でそんな事を唸りつつも、隠岐奈の思考は別件に向けられていた。

 

 酷寒異変などという大層な名前で幻想郷を震撼させていた異変が、実は妖精一匹による地道な努力の結果起きた異常現象だったとは。それで済めばとんだ笑い話だった。宴会での良い肴になるだろう。

 

 だが賢者の抹殺が目的となると話は別。

 状況を見るに全盛期に近い力を取り戻したのは、現段階ではヤマメのみ。リグルとレティは比較的まだ可愛げがある方だ。ルーミアにいたっては姿すら見せていない。

 

 しかしこれから先で事態がさらに悪化し、仮に紫が奴らに斃されるようなことになれば収拾がつかなくなる。これ以上後手に回る訳にはいかないのだ。

 

 さらには奴らの真の目的も未だ分からない。ただ自分たちの全盛期を取り戻し、幻想郷をかつての地獄へと回帰させるのが狙いなのか? 

 それで結論付けるには……強い違和感が残る。ラルバの真意も不明だ。

 

 今回の騒動に最も深く踏み入ったのは隠岐奈である。それは間違いないだろう。

 だがそれでも、まだ肝心なピースが欠落しているような気がしてならない。

 

 ラルバを一瞥する。

 

「なに? 私に構ってる暇があったら異変を解決してきなよ。あんたの言うとおりなら外で暴れてる奴らを倒せば全部おわりなんでしょ?」

「ああ……そうだな」

「あんたの推理の中では黒幕な私の自白が聞けてないから不安なの? 妖精なんかの何を怖がってるのさ。そんなんじゃ賢者様の名が泣くんじゃなあい?」

 

 ラルバを大妖精諸共消してしまうのは簡単だ。しかし矮小なコイツらを処分したところで異変の推移には何も関係がない。ただ秘匿された真相が葬られてしまうだけ。

 

 ここに来て秦河勝としての意識が警鐘を鳴らしていた。「まだ早い」と。

 この違和感の正体は──。

 

 

「お前、まさか常世神ではないのか?」

 

 記憶の齟齬を自覚し、それが自身の考えを補強する最後のピースとなる。

 

「そうだ。()()()()()()()()()()()。貴様は、決して悪意に寄り添う神ではなかった。少なくとも人々の希望になろうとした心はあった筈だ」

「へー。河勝ったらそんな風におもってたんだ」

「黙れ。知ったふうな口を利くな」

 

 立ち尽くしている大妖精を突き飛ばし、ラルバの胸ぐらを掴まんと腕を伸ばした、その刹那。

 

 隠岐奈の腰から下が一瞬で凍り付く。

 反応する暇すらなかった。

 

「これ、は……」

 

「自分の考えが的中しちゃった事で『肝を冷やした』でしょ? なら私の射程範囲なのよね〜」

「……久しいな、レティ・ホワイトロック」

 

 秘神の背後に佇むは、殺したはずの妖怪。

 

 隠岐奈の許可無しには入場が不可能な後戸の国に侵入できた理由。それはレティが何処にでもいるからだ。

 寒気を俄かにでも感じるのなら、レティに超至近距離までの接近を許しているも同然。それに『寒気』とは肌寒さだけを指すのではない。

 冷めた心、冷えた肝、煮え切らない衝動──これらもまた、レティの管轄内。

 

 と、レティが手を翳す事で後戸の国を浮遊するバックドアーが次々と爆散し、招かれざる野蛮人達が呼び込まれる。隠岐奈の領域(テリトリー)である筈が、いつの間にか逃げ場なく包囲されていた。

 

「次の狙いは私だったのか。甘く見られたものだな」

「そっ、あんたはここで終わり。名探偵は事件の謎を解き明かすけれど、誰に伝えることもなく被害者の一人になってしまうの。かくして真相は迷宮入り」

 

 間髪を容れずばら撒かれたヤマメの病が隠岐奈の身体を蝕み細胞組織を破壊。その間にも吹き抜けとなってしまった後戸の国にリグル配下の蟲妖怪が侵入し、一面に犇く。

 既存の医学薬学に順応し更なる進化を遂げる未知の病原菌。そして軽く見積もって一匹で天狗十匹分の妖力を持つ群体が、億では済まない数で襲い掛かるのだ。

 

 永遠亭を潰した時と全く同じ手順である。この飽和攻撃に八意永琳は即座の対応ができず、因幡てゐを奪われ、挙句に蓬莱山輝夜を傷付けられてしまった。

 

 流石の隠岐奈も、孤立した状態でこの規格外共を同時に相手することは想定していない。

 

「私と大ちゃんはただの餌だよ。傲慢で不遜な魚を釣り上げるための、か弱い生き餌」

「ラルバ、ちゃん?」

「やったね大ちゃん。チルノの仇が取れるよ! これで浮き世もおしまいじゃあ!」

 

 一瞬で地獄絵図へと塗り替えられた風景に怯える大妖精には、ラルバに応える余裕などなかった。むしろ友達だったはずのラルバやリグルが異質な物に思えて、恐怖していた。

 自分の知る彼女らから、段々と掛け離れているような気がした。

 

 

 

「作戦自体は理に適っているが、肝心の目論見が外れたな。知らんのか? 最近は戦闘までこなせて初めて一人前の探偵なのだよ」

 

 足元から噴き上がった四色の波動が身体に纏わり付く氷塊を粉砕。更に自らの生命力を極限まで引き出すことで病の進行を握り潰す。

 この程度で止められるほど秘神の力は易くない。

 次々と殺到する蟲は隠岐奈から放たれる圧を突破できずにバラバラに我が身を散らしていく。

 

「ああっ、私の蟲たちが!?」

「怯まないで我が王! 幾ら殺されても補充は利く。最終的に圧殺しちゃえば私らの勝ちだ」

「そ、そんな酷いこと命令できないって! 私の手下は消耗品じゃないもん!」

 

「なんだ貴様、そんな軽い覚悟で私に挑んできたのか? 甘ったれるな

 

 如何に逼迫した状況下であろうと、隠岐奈は決して屈しない。太々しく不遜な笑みを浮かべ、理を知らぬ愚かな挑戦者に試練を与えるのだ。

 結果はどうなろうが、この姿勢を見せ付ける事こそ幻想郷を任された者の務めである。

 

「蟲畜生でも分かるように教えてやろう。今宵、貴様らが仕掛けてきたのは種と種の存亡を賭けた生存競争。純然たる殺し合いだ」

「ひ、ひぇぇ……」

「力は剥き出しの闘争心と命を捨てる覚悟のある者へと流れるだけだ。どれだけの戦力を掻き集めようが、命の一つや二つで躊躇する雑魚に私は倒せん」

 

 

 

此処(幻想郷)は私と私の愛した妖怪が作った理想郷であり、安息地であり、墓標だ。貴様ら如きにおいそれとくれてやるほど、安い場所ではないのだよ」

 





その頃、原作世界線で反則探偵と持て囃される筈のさとり探偵は、地霊殿にて密かに息を引き取った……。
お姉ちゃんの活躍、まだ時間かかりそうですかね…?

妖怪の山でバッドイベントがある時は大抵出払っている守矢組。すごい奇跡だァ……! なお小傘の不幸体質はそれを凌駕しました。ヤマメの病原菌でグロッキー状態です。

またオッキーナが勝ち誇った笑みを浮かべていたのは、名探偵ゆかりんに推理で勝ったからですね。幼稚園児にマウントをとる大学生みたいでやんした…。


いまいちネタが思い付かないので、なんか見たいランキングがあったら教えてくださいね♡
引き続き評価感想クレメンスですわ!
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