転生しても戦争だった  ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~   作:ガンスリンガー中年

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過去最長、更新です。
そのくせ、イラストは1枚も無し。

そして、”史実でも同じ出来事”はありましたが、史実とは意味が違います。

さあ、久しぶりに合衆国書記長(笑)の見せ場ですよ~!
ええ。クリスマスに歴史が”動き”だします。








第411話 1943年12月25日、第32代アメリカ合衆国大統領は”史実にもあった”とある決断する ~日本皇国と合衆国資本の鉱物資源の結びつきが頭痛の種か?~

 

 

 

 1943年12月25日、午前8時(アメリカ東部標準時)……アメリカ合衆国第32代大統領の”フランシス・テオドール・ルーズベルト”は、その朝、高らかに宣言した。

 

「私は愛すべき合衆国市民に大きなクリスマス・プレゼントを贈ろう! 我々は今朝、ドイツの傀儡と成り果てたデンマーク王国が領有を主張していた”グリーンランド(・・・・・・・)”への”合衆国軍の無血進駐”を成功させた! これはなんら”中立法”に抵触することはない、純然たる”国防活動”なのだ!! 繰り返すが、ドイツの傀儡となったデンマーク王国にグリーンランドの統治能力は既に無く、実効支配を主張できる駐留軍も存在していなかった! 言うなれば、これまでグリーンランドは”被占領国の未占領地”であったのだ! この”空白地帯”を何故放置しなければならないというのだっ!? 私は合衆国大統領として、国防の長として国民の安全を最大限に確保する為、今回の駐留を決断したのだっ!! 合衆国市民よっ! もし、グリーンランドがドイツの手に落ちれば、我々はドイツからの直接攻撃にさらされることになっただろう! それを未然に防ぐためにドイツ人に先んじて、グリーンランドに進駐するしかなかったのだっ!!(I have a big Christmas present for my beloved citizens of the United States! This morning, we successfully achieved a bloodless occupation of Greenland, a territory claimed by the German-backed Kingdom of Denmark! This is a purely national defense operation and does not violate any Neutrality Act! I repeat, the German-backed Kingdom of Denmark no longer has the capacity to govern Greenland, nor does it have any troops stationed there that can claim effective control! In other words, Greenland has been an unoccupied territory of an occupied country until now! Why should this "blank space" be left unattended?! As President of the United States and head of national defense, I made this decision to ensure the safety of my people to the greatest extent possible! Citizens of the United States! If Greenland had fallen into German hands, we would have been subjected to direct attacks from Germany! To prevent that from happening, we had no choice but to advance into Greenland before the Germans!)」

 

 ドイツにアメリカを直接攻撃する意思も余力もないことを知っていた各国が、その第一報を聴いた時の反応は……

 

『『『『『はっ?』』』』』

 

 だったという。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 米軍の「第二次世界大戦での進駐」は史実にもあったことだ。

 理由は、「1940年4月のドイツによるデンマーク陥落により、”デンマークの植民地であったグリーンランド”がドイツの手に落ちる危険性があった」からだという。

 また、戦後にも、チューレ空軍基地という米軍基地がおかれ、それが2023年4月に”ピツフィク宇宙軍基地”と名を変え、2026年4月現在でも米軍基地として機能し続けている。

 まあ、史実なら一応、戦時下であることを加味すれば通る大義名分ではあった。

 

 だが……”この世界線”におけるデンマーク王国は、確かにドイツとは交戦したがとっくに国家主権は回復し、1943年12月25日現在はれっきとした独立国だ。

 より詳細を書くなら、史実と同様に6時間の戦闘でデンマーク王国軍は降伏したが、ドイツは「ドイツはドイツ軍の駐留と彼らの基地のための土地租借」だけを提示し、それをデンマーク王室と政府が受諾すると、翌日にはデンマーク王国の国家主権回復と王室の手厚い保護を確約した。

 ちなみにドイツの駐留軍の実態はレーダー基地と空軍基地、そして海軍の潜水艦基地と飛行艇基地だけで、占領軍とデンマーク国民に誤認されかねない陸軍基地は入っていなかった。

 真面目にドイツとデンマークの合意がなされた時点で即座にドイツ陸軍は引き上げたらしい(これは、バルバロッサ作戦の兵力確保という側面もあった)。

 つまり、”この世界線”においてドイツがデンマークを統治下においたのはごく短い時間だけで、例えば、「デンマーク王国は国際連盟で席を失ったことはなく、ほんの数日だけ空白があった」と記されている。

 ドイツは少なくとも今のところは約束を守っており、デンマークはバルト海随一の海運を担う国として発展していた。

 

 そう、つまりは国際社会的にどのような視点から見ても「現在進行形でドイツに占領されてなどいない」のだ。

 確かにデンマーク王国が植民地のグリーンランドに「ほとんど駐留軍をおいていなかった」事は事実だ。

 というのも、ドイツはソ連相手の戦争で手一杯で、とてもじゃないが北米大陸を狙う余力などない。

 グリーンランドの存在なんてドイツは忘れているに等しかったのだ。

 何しろ独ソ戦に全力傾注する為、日英とすら停戦したのが今のドイツだ。

 それを良く知っていたデンマークが、「グリーンランドは後方の安全地帯であり、治安維持に必要な最低限の兵力を置いておけばよい」と考えるのはむしろ当然だった。

 そもそも極北にあるグリーンランドは人口稀薄地帯(1940年代の居住人口2万人以下)であり、配備されていた守備隊は3桁であり、むしろ治安関係はデンマーク王国警察グリーンランド分派隊が担っていた。

 

 この程度の人口と兵力では、冬季戦装備を整え投入された万を数える米国正規軍に太刀打ちなどできる筈もなく、ロクな抵抗もせずに降伏したのも無理もない話だった。

 

 

 だが、このような状況を情報量の濃淡はあれど知っていた多くの国の反応は、『お前(アメリカ)は何と戦ってるんだ……?』状態になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 この米軍のグリーンランド進駐(侵攻)こそが、後の世代に

 

 フランシス・ルーズベルト(ダブスタクソオヤジ)の暴虐”

 

 の一つと主に日英で呼ばれる事になるルーズベルトの行動だった。

 米国がこのような暴挙に出た理由、それは根本的にはシンプルだった。

 ”日本による真珠湾攻撃”なんざ計画や草案すらない”この世界線”、米国大統領ルーズベルトの支持率は匍匐飛行(N.O.E)とは言わないが、ここ最近は低空飛行を続けていた。

 

「このままではまずい……」

 

 1944年は米国大統領選挙イヤーだ。

 ここ最近のルーズベルトは、合衆国有権者から距離を置かれていた。

 まずは支持率の足を引っ張ってるのは、”この世界線”では英国が受け取り拒否した為に、実質的に「対ソ支援オンリー」となった”レンドリース”だ。

 この時期のアメリカのマスメディアのほとんどは、モスクワから伸びたアカい鎖と首輪が繋がった国際共産主義(コミンテルン)走狗(イヌ)だったが、レンドリース品の送り先である”ソ連の悪逆非道”が国連で暴露されるなどして、その正統性が疑われるようになっていたのだ。

 特に杉浦千景が調査した”カティンの森”の実情は、アメリカ国内の主要マスコミは封殺したが、ラジオ電波に乗り連日カナダからの放送によって流布され、また赤色感染していない希少な独立系メディアや、ポーランド系アメリカ人コミュニティを中心としたアングラメディアを通じて流されたのが大きい。

 更に、ド・ゴールが「独断でジブラルタル駐留英軍に仕掛けた軍事衝突」ということに米国では公式になっている”ララシュ事件”における実質的な敗北も、ルーズベルトの人気低迷に拍車をかけていた。

 そして、更に致命傷になったのは独立系メディアを中心に暴露されたレンドリース品に関しての”米陸軍との対立”、”大統領、陸軍長官、参謀総長の三悪人からの陸軍への脅迫”事件だ。

 

 これが、結果として共和党議員を中心とする米政治家、アンドリュー・ヴァーデンバーグ”と”ロジャー・タフト”、”トーマス・SL・デューイ”、”ハルバートン・フィッシャー三世”、”ヨーゼフ・ウィリアム・マーティン・ジュニア”、”ブルーノーツ・バートン”ら反共・反ルーズベルトの有力議員らを勢いづかせたのだ。

 特に”トーマス・SL・デューイ”は、1944年大統領選の共和党からの対立候補として出馬予定なのがまずかった。

 

 いや、むしろここまでやって未だルーズベルトとその取り巻き一派(アカいフレンズ)が退陣に追い込まれてないあたり、ベリヤを首魁とする米国に広く深く根を張るアカいネットワークの影響力の強さを物語るが……

 しかし、いくらアカいフレンズが主要メディアを好きなようにコントロールしているとはいえ、その影響力は無限でも永遠でもない。

 ルーズベルトの支持率低迷がそれを表していた。

 

 1944年には確かに「ソ連から欧州における第二戦線の構築」依頼で”大きな作戦(ノルマンディー)”を控えている。

 しかし、今の支持率ではその作戦の実行すらも、国民の支持が上がらずおぼつかないのが現状のルーズベルト政権だったのだ。

 

 だからこそ、ルーズベルトとその”アカい取り巻き(フレンズ)は、大統領選に勝てる支持率獲得の為、明確な勝利(・・・・・)を求めたのだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 1980年代から90年代のアメリカでは、「アメリカの認定にする”悪”に向けて放ったトマホーク巡航ミサイルの数だけ大統領の支持率が上がる」という話がまことしやかに囁かれていた。

 それが事実かどうかはさておき、「何らかの戦いで勝利すれば支持率が上がる」のは当然である。

 アメリカが標榜する”自由と正義”は、大統領を含む合衆国市民のアイデンティティであり、国家的にその手の承認欲求に飢えている。

 おそらく、「自分達がそういう存在だと信じたい(アメコミヒーロー・コンプレックス)」なのだろう。

 

 ルーズベルトの”独特の人種感(日本人ヘイト)”から、斃すべき悪を日本人としたいところだろうが……

 そうは問屋が卸さなかった。

 

 日英同盟が史実と違って崩せず、ABCD包囲網など夢のまた夢、それどころか”この世界線”の日本皇国は「米国が貿易黒字を出せる優良貿易相手国」だ。

 迂闊に手を出せば、民主党・共和党を問わず「対日貿易で稼いでいる有権者を選挙区に持つ議員」からどんな突き上げや報復を食らうか分からない。

 特に最近は対日貿易額を跳ね上げている”鉱山・資源企業”団体から何を言われるか分かった物じゃない。

 

 

 

 少し洒落にならない話をしよう。

 もし、「米国の国内採掘鉱物資源」であるなら、大統領令でも出して対日輸出に歯止めを強行できる可能性も在った。

 だが、彼ら米国系鉱物資源業者が行っているのは、「アメリカ本土の鉱物資源」ではなく、「中国・国民党実効支配領域(自称”中華民主共和国”。民主中国、デモクラティカ・チャイナ=デモ・チャイナ)で採掘された地下資源・鉱物資源の日本への転売」だ。

 

 これには少し解説がいるだろう。

 元々、”この世界線”の日本皇国は、かつて日清戦争に勝利し台湾島・海南島と共に朝鮮半島の付け根から渤海に突き出た遼東半島を手に入れていた。

 日露戦争でもこの遼東半島守備を成功させ(同時に樺太島全域を掌握)た。

 第一次世界大戦を日英同盟を順守という名目でフル参戦し、史実ではドイツ領だった青島周辺だけだったが、”この世界線”では大陸から渤海に突き出した山東半島全体を日本皇国領へと編入される事になったのだ。

 

 だが、不気味な勢いで治安コストなどなどが跳ね上がりつつある大陸の両半島を持て余していた日本皇国に「両半島を高値で購入」を持ち掛けたのが、ルーズベルトが牛耳る前で赤色感染する前のアメリカ合衆国だった。

 そう、ルーズベルトが台頭する前の20年代、第一次世界大戦終結後から28年の世界恐慌の間まで、日本皇国とアメリカ合衆国は英国が警戒するほどの”蜜月期”にあった。

 

 そのような空気の中。日米両国で締結されたのが”渤海海峡通商条約”だったのだ。

 アメリカ資本への遼東半島・山東半島の売却に成功した日本皇国は、”上海共同租界”からの離脱のみならず、「管理コスト超過」を理由に朝鮮半島も含めた大陸事業からの全面撤退を表明し、厳格に実行した。

 つまり、”この世界線”では、”第一次国共合作”の破綻によって勃発した”第一次国共内戦”には一切日本皇国は、関わっていない。

 

 逆に米国は米領リャオトン(遼東半島)、米領サントン(山東半島)を起点に国民党との関係を強化・進化させ、それが清国皇帝の末裔たる愛新覚羅家の”消滅”の引き金となり、同時に国民党の支配領域は史実の満州+華北5省(山東省、山西省、斉斉哈爾省、河北省、綏遠省)+河南省&安徽省、江蘇省(ただし、前述の理由で遼東半島と山東半島は除く)となったのだ。

 この領域にルーズベルトのニューディール政策とチャイナロビーが結びついた事で米国領の二つの半島と国民党地域を渤海湾を半円周上に巡るように敷設された”この世界線”における満鉄とも言える”米国満州鉄道網(American Manchuria Train Network:AMTN)”が誕生したのだ。

 

 さて、今となっては延伸に延伸を重ねソ連のシベリア鉄道と連結されることにより「旅順からモスクワまで繋がる鉄路」、レンドリースの”太平洋・渤海ルート”として有名になってしまったが、実はもう一つ重要な役割がある。

 それは「国民党支配領域の循環貨物輸送」だ。

 特に資源地帯を巡るそれは重要視されていた。

 

 なぜなら、この米領となった二つの半島と国民党支配領域には多くのアメリカ資本、とりわけ鉱物資源開発資本が入り込み、国民党支持の現地人と手を組むことにより多くの採掘事業を展開していた。

 

 さて、日本皇国は公式には中国大陸は「国民党と共産党の係争(内戦)状態」という立ち位置を取っており、彼らの主張する中華民主共和国も中華人民共和国も国家として認めていない。

 だからこそ、「外交のある米国の企業」を仲介して鉱物資源を購入するという購入手法を取っていた。

 

 それが前述の「一旦、中国の鉱物資源を現地米国資本が買い取り、日本に転売することで利ザヤで儲ける」というビジネスモデルだ。

 これは取引額から空前の大成功を収めていた。というか、対日貿易で今や貿易額トップであるのがこの「未加工鉱石の転売」だった。

 

 特に中国進出している米国鉱物資源業者を喜ばせたのは、日本皇国が未加工の鉱石としても買い取りしてくれる上に既に利用価値がはっきりしているモリブデン(輝水鉛鉱)、タングステン(灰重石)、アルミナ(酸化アルミニウム)、蛍石(高精度レンズの原料・フッ素ガスの原料)だけでなく、今の所、用途がはっきりしていない故に国際的には価値がつけられていないモナズ石やバストネサイト(実はどっちもネオジムを含有)、ゼノタイムやログナン粘土(イットリウムを含有)、火成岩(ペグマタイト)(リチウムを含有)など、他の”今はその価値が判明していない”チャイナレアメタル買い取ってくれるのだ。

 ちなみにアルミナから既存のバイヤー法やチョクラルスキー法を組み合わせガリウム(ガリウム砒素も含む)を取り出す手法は皇国が秘匿してる技術でもある(特に未だ公式には”発見されていない”、半導体製造にも利用できるゾーンメルト法は国家機密)。

 

 万事が万事、「現地人が採掘した米領リャオトン・サントンに中華拠点を持つ米国系資源業者が(安値で)買い上げ、日本相手の鉱物転売ヤーになることで儲かる仕組み」を米国政府が現状では規制できないのだ。

 何しろ国相手の商売、安定して巨万の富を稼ぐことができる。

 そう、アメリカは「資本主義の国」であり、資本主義国家において「資本力を上回る政治力」は原則として存在しない。

 実際、”ベリヤの鼻薬(ケミカル)”で荒稼ぎしてる面々の金が流れて赤色感染ネットワークの資金源となり、現実でも中華マネー汚染者(パンダハガー)が米国政界で幅を利かせている事からもそれがうかがえる。

 

 

 

 こんな状況であるのなら、いくらルーズベルトやアカい側近がどう動こうと、簡単に敵国に仕立て上げられないのだ。

 だからこそ、「勝確が狙える適当な相手」を求めた。

 

 その思考が行きついた先が、”グリーンランド”なのだろう。

 確かにグリーンランドのデンマーク人もアメリカ軍も人的被害は皆無に近い。

 

 しかし、これがどれほどの事態を引き起こすか……世界はまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ルーズベルト、やらかしました(挨拶

いや、現実の米大統領がグリーンランドをやたら欲しがる理由の一つって、多分、史実第二次世界大戦中の”この出来事”の影響があるような?

でも、”この世界線”ではグリーンランド進駐の意味も大義名分も大幅に変っています。

さて、今回は米国大統領(ルーズベルト)の事情、その事情ゆえの行動がメインでしたが、果たして世界はそれをどう思うのか?

あと、”この世界線”における日本皇国の「まだ本当の価値を知られていない物も含めたレアメタルの仕入れルート」をようやく書けたんで、結構満足していますw
うん。これこそやんごとなき一族を筆頭に”転生者(サクセサー)”だらけの国の強みかなぁ~と。

さて、次回は「ルーズベルト大統領に対する世界各国のリアクション」かな?

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次回もどうかよろしくお願いいたします。




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