【出産】。
それは妻や夫が人生の絆を確かめ合う契り事。
それは医者や助産師が日々立ち会う『生命の神秘』。
それは斯くも美しくもあり残酷な様相を見せる時もある瞬間。
方や朗報を聞き喜び讃える集団。
方や悲報を聞き哀しみ嘆く集団。
だが、それもまた運命であると各々は納得し日常に慣れて征く。
そのように人々は幾星霜を経て生き抜いてきた。
今日この時この瞬間にまた、新たな命が芽生えようとしている…。

【ーーーーーー豪華絢爛な部屋で自宅出産を試みる夫婦が居たーーーーーー】
「頑張れ!リリィ‼︎」
「くぅう…。」

彼等の髪は雪景色の中で煌るような銀の色をしていた…。

「頑張れ!!!」
男性は厳しさの中に優しさを垣間見させる風貌を感じさせ、
「んっ!!!」
女性は儚い中に芯の強さを感じさせる面持ちを持つ。

「もう少しです!!!」
助産師の掛け声で一踏ん張りをする女性。




カァアアアア…ペッ!!!




痰を吐き出すが如く擬音を出し捻り出され産まれたのは、赤ん坊だった。
彼は生まれて数十秒、息をしていなかったのだ。
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