幼馴染で隣人で許嫁な彼女と惚気たい   作:金枝篇

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言い訳をさせて下さい。
生徒会選挙編を書こうと思ってたんです!

でもね!YJ最新話(2021年3月11日)読んだら!
読んだらこっちの話したくなったんだ!!
もう溢れる情熱のままに!時間軸をすっ飛ばして!その話です!



YJ最新話(2021年3月11日)のネタバレが含まれています。





男も女も内緒話をしたい ~3年になった後の話~※

 さて、今は年度が替わった、春のことである。

 波乱の生徒会選挙は無事に終わり、体育祭で石上が救われ、学園祭こと『奉心祭』で我らが生徒会長と副会長の2人が無事にウルトラロマンティックな感じで結ばれた。

 その後、修学旅行で早坂を巡るちょっとしたトラブルがあったりもした。

 が! これらは! これらは! また語るとして!

 今はちょっと別の話だ!

 

 「……胸のサイズってどう思う?」

 「僕は大きい方かなあ……。……上で揺れてるのが見えるからさ……」

 「ちょっと垂れ気味が好きかな」

 「大きさに貴賤は無いけど、まあ僕も大きい方が好きだね。……御行は?」

 「俺に言わせるのかそれを!」

 

 3年A組の男子ら4人は集まって、珍しい話をしていた。

 猥談、とまではいかないが、まあそれに近い感じの話である。

 メンバーは、白銀に僕、田沼翼と……四条帝。

 春になって転入してきた四条帝は、姉:眞紀さんに事あるごとに茶化され文句を言われながらも、あっという間にクラスに馴染んだ。主に苦労人という感じで、特に白銀と距離が縮まったのだ。

 四宮家と四条家との争いは僕も聞き及んでいる。

 千花曰く『女子は女子で、なんとか大人たちに対抗する作戦を練ってるんですよ』との話。

 つまり帝と白銀の仲が良いのは、四宮家との戦いにおいて重要な要素となるだろう。

 ……まあ、白銀はそういう打算無しで接したから、あっという間に仲良くなったんだろうがな。

 

 「で、どうなの?」

 「…………さ、ささやかな方が好きだ」

 「ささやかな方が好きなのか、好きな人がささやかだったからなのか?」

 「言わなくてもわかるだろうが!」

 

 階段で集まっての馬鹿話である。

 幸い周囲に人は居ない。男子高校生らしいシチュエーションである。

 ここに居る面々は、大体白銀の事情を知っている。あるいは明白な『白銀御行×四宮かぐや』の関係こそ知らずとも、身内が知っている状況だ。そしてその誰もが、軽々に口に出さない、信頼と信用のおける人々。

 だからこそ白銀も、若干ツッコミを入れつつも、それなりに素直だった。

 

 「まあ、流石に白銀も悟りを開いてるわけじゃないからな……。というか寧ろ煩悩多いよね」

 

 煩悩も欲望も悪いことではない。

 好きな人と並び立ちたい、という意欲が今の白銀を作り、四宮さんとの関係を作ったのだから。

 

 「そうだよ。そりゃ俺だって少しはそういうこと考えるよ! 当たり前だろう!」

 「関係が進展するのも割とすぐな気がするなぁ」

 

 にへっと笑う翼君だった。

 

 「まあ、そうだね。僕は大分……回り道をしたというか……互いに距離が近過ぎた感じあるけど。進展するのは割とあっさりだったしな……」

 

 だよねー、結構進展するときはあっという間だよねえ、と頷きあう。

 帝は、なんで俺は友人2人の女関係を聞かなきゃいけないんだ? と言う顔をしていた。

 まあそういうな。慣れてくれ。

 

 「石上が色々精神的にショック受けてるから、生徒会室で惚気にくくてな……」

 

 石上優と、子安つばめ先輩との、卒業式での諸々……これも今度語ればいい。

 ただ、石上は一つ成長した。全力で努力をして、それでも恋人同士には届かなかった。その経験は、ちょっとばかり頭がぽわんぽわんになった瞬間もあったが、この先の彼を強くするだろう。

 ……とはいえ、そんな状態の石上の前で、いちゃつくは流石に僕もやめたかった。

 伊井野ミコとの関係なんかでも割と手一杯な状態だ。

 生徒会室は、いちゃつく場所ではなく、仕事をする場所――と今更のことを、僕らは認識た。

 

 「良いよなお前らは……彼女が居て……下心がない女が居て……。しかも岩傘、お前、藤原千花だけじゃなくてその姉妹とも仲良いんだろ……? 羨ましけしからん……」

 「仲が良いだけな! 間違っても囲ってるとかじゃないからな!」

 

 豊実姉と萌葉ちゃん。

 この2人とも仲が良いし、傍から見れば三姉妹を独占しているように見えるかもしれない。

 ただそれは大きな誤解だ。

 家族として、あるいは姉や妹として見ることはあっても、浮気はしない。

 向こうもそれを分かっている。

 

 まあ酔っぱらって愚痴を吐く豊実姉に思い切り甘えられたりとか。

 お兄さんお兄さんと呼びつつ、べたべたと、萌葉ちゃんが色々意図的に接してきたりとか。

 水着で風呂に乱入されたりとか。

 そういう『役得』はあるが、それだけだ。

 

 断じて深い関係にはならない!

 二人もそれを知っているからマジにはなってないのだ。

 僕の主張がかなり真剣だったからか、帝は「悪かった悪かった」と宥めつつ笑っていた。

 

 「で、白銀。……彼女と進展する気は、やっぱりある?」

 「付き合って3カ月だからな、そりゃな……」

 

 とはいえ踏み込めないもんだ、と白銀は息を大きく吐いたのだった。

 自分の欲望はありつつも、好きな人を傷付けたくない、というのは至極当然の考えだ。

 

 「とりあえず、白銀の家に招くところからだな。……逆は難易度高いだろうし」

 

 今までは早坂愛がフォローしていたが、彼女は今まで住み込んでいた四宮の家を出たらしい。

 大分ラフな格好で学校生活を満喫しているのも、目撃している。

 彼女が居ない状態で、四宮さんが白銀を招いて、問題が起きない筈がないのだ。

 

 「まあ、近い内に、そんな機会もあるんじゃないかな」

 「……何か企んでないだろうな」

 「無いよ」

 

 流石に人の恋路の進展に、直接のちょっかいを出すほど野暮じゃない。

 応援して良い時には応援するが、背中も蹴れば良いモノでもない。

 ただ、僕は千花経由で少しだけ女子の皆さんの会話内容を知っている、というだけだ。

 

 「まだ出会って時間が短いが」

 「うん?」

 「………岩傘がイイ性格してるのは分かったよ」

 

 帝の言葉は、階段に吸い込まれて消えていった。

 因みにこの会話を、四宮さんが聞いていたのだが、それは勿論、知らなかった。

 

 ◆

 

 「……で、話せる範囲だと、どうなの、その辺」

 「ん……そうですね……。……眞紀さんは、帝君の性癖聴いてショック受けてましたけど……」

 

 わしわしと髪を撫でると、ぐりぐりと顔が押し付けられた。

 大きな犬や猫を相手にしている気分だ。

 

 「ただ、恋愛相談には、何時も通りちゃんと乗ってました。……昨年ですけど、柏木さんが……かぐやさんに色々教えてたのはちらっと聞いていましたから。――まあ、その、行為に至る経緯は、流石に言いにくい話でしたが」

 「僕も女の子の生々しい経緯を聞くつもりは無いけど……」

 

 よいしょ、と腕を使って体ごと引き寄せる。

 豊満な肉が直接触れて、こそばゆい。

 千花も同じだったようで少しくすぐったそうな顔の後、足を絡めてきた。

 

 「僕ん時の話もしたの?」

 「……女の子同士の秘密ですってー」

 

 分かってるよ。僕も聞く気はない。

 代わりに目線を合わせて、ゆっくりと髪を梳くことにした。

 ほんのりと汗で湿った髪や肌からは、甘い香りがする。

 この部屋にいるのは2人。

 場所は、岩傘家にある、僕のベッドの上。

 布団の下に服は無い。

 要するに、ちょっとした運動の後だった。

 

 「性癖の開示だけなら兎も角、僕も、具体的な話とかしたくないし……」

 

 口に言えないことは結構やってしまったし。

 部屋の片隅には割とマニアックな性癖の年齢制限本もあって、それも知ってるわけで。

 体を重ねる方法にも、色々あるわけで。

 衣装を変えるとか……立場や呼び方を変えてみるとか……道具とか……部位とか……。

 流石にグッズ沢山とまではいかないが、まあ健全な範囲(関係を持ってる時点で健全ではないと言われたら、おっしゃる通りとしか言えない)で、とてもイチャイチャをしている訳で。

 今もこうしてピロートークをしている。

 内容は少々物騒だけど。

 

 「……そっちの話し合いは……どう? 上手く行きそう……?」

 「上手く行くかは、分かりませんけれど。……子供達だけのパワーでも、やれることはあるかなって」

 「うん……」

 

 卒業までの時間は短いし、白銀のスタンフォード留学までの時間はもっと短い。

 幸いにも――果たして本当に幸運なのかは置いておいて――四宮の本家・もとい長男の黄光(おうこう)は、交際に限って言えば咎めはしてこないとは耳にした。

 この辺は我が岩傘家の情報収集能力によるものだ。

 四宮かぐやを、政略結婚の道具として使うつもりはあっても、それ以上は必要ないということらしい。

 

 「だから……今、二人が交際してるのも……今はまだ、咎められてない……」

 「いつまで続くか分かりませんけど……」

 「出来れば、今の頭首を……雁庵さんを、何とかしたいよね……」

 「お爺さんの話、使えそうです?」

 「どうだろ」

 

 実は僕の祖父と、四宮雁庵さんの間に、縁がある事が判明したのだ。

 

 随分昔の話になるが……夏休みに、どこに行くか、という話題を上げたことがある。

 石上を除いた当時の生徒会4人で「海が良い」「いや山が良い」と議論した結果「河に行こう」となった。

 で、その約束を……伊井野ミコが参加した後で、実行したのである。

 秋の大型連休を使った、生徒会役員同士の交流会ということだ。

 

 まあ田舎で大きなトラブルらしいトラブルは無かったが……。

 僕の祖父(元軍人。現農家&地主)は、四宮雁庵と同級生であることが判明したのである。

 母:暁(あき)は雲鷹氏と接点がある事も判明したし。

 

 「……頼れるところは頼るけど……過信も出来ないかなって……」

 「使えて1回くらい、と」

 「そんな感じ……」

 

 逆に言えば、1回は直接のアポを取ることは出来るだろう。

 それをどんな風に生かすか、だな。

 

 四宮本家との喧嘩に対して、大っぴらな援助は、僕の実家は出来ない。

 幾ら我が家が日本最強の報道機関だとしても、四宮本家とのガチ戦争になった場合、倒産こそしなくとも大打撃を受ける。四宮本家もダメージを受けるだろうが、致命傷には届かない。

 ……経営者として、親父はそれを看過できないだろう。

 飽く迄も『子供のヤンチャ』で済む程度までなのだ。

 

 そしてそれは、千花――藤原家の方が、大ごとになるだろう。

 大地さん万穂さん、どちらもとても、優しく、優秀で、僕と娘(千花)の関係を歓迎してくれる大人だ。

 彼ら彼女らに不利益が掛かるような行いは出来ない。

 政治家生命が断たれるなんて真似は絶対させられない。

 

 「……難しい顔してますね」

 「……ピロートークにはちょっと重い話題だったね……」

 

 もぞもぞと動いて、姿勢を変える。

 ううむ……悩ましいが、とりあえず横に置いておこう。

 未知の要素で状況は好転するかもしれない。

 横に嫁が居るのに、ずっとこんな話をするのもなんだな。

 

 「気分、変えよう……。……面倒なことは、考えないで……」

 「考えないで?」

 「…………もっかい」

 

 顔を近づける。

 首筋を軽く舐めると、ふにゃふにゃと反応された。

 

 「やぁん! いーちゃんが捕食者の目をしてます……!」

 「さっきまで僕の上に居た癖に」

 

 翼君の、下から見上げると揺れる、というのは僕も良く分かる。

 たゆんたゆんだ。ばいんばいんだ。ゆさりゆさりだ。

 指摘すると千花は頬を染めてそっぽを向いた。

 逃がさないように後ろから抱きしめる形をとる。

 抵抗する様子はない。むしろちょっと腰を持ち上げる格好だ。

 

 「明日に……支障、出ないようにしましょうね」

 「明日は休みだから大丈夫」

 

 勿論ちゃんと避妊はしているから問題は無い。

 高校生の若さとパワーを熱量に変えて、もうちょっとはりきることにした。

 

 ◆

 

 で、そんな感じの週明け。

 

 「…………」

 「どうした、岩傘」

 

 何となく……いや本当に何となく、感じた感覚を口に出してみる。

 誰も周囲に居ないことを確認した上で。

 

 「…………白銀」

 「だから、なんだ」

 

 生徒会室で、牛乳を紙パックで飲んでいる友人に、告げてみる。

 余談だが最近白銀家は、あの父上さんがYou●ubeでチャンネルを開設し、相当稼いでいるからか、ちょっとだけ食事が豪華になっている。引っ越しも間近だとか、圭ちゃんが画面に映ってスパチャを受け取ってるとか。僕も見たけど実に面白い番組だった。

 あの声で――しかも曲がりなりにも一会社の社長だったおじさまの人生相談だ。

 そりゃ人気出るわ。圭ちゃんも美人だし。

 

 「……ちゃんとお守りは使ったんだよな?」

 「ぶっふぅう!」

 

 猛烈な勢いで噴き出した。

 重要書類に絨毯に、白い液体が飛び散る。

 

 「な。なな、。なんの話だ! 俺は四宮とべ別に何があったわけでは無いぞ?」

 「誰も四宮さんとは言ってないし。『お守り』の中身も聞いた覚えないんだけど」

 

 カマをかけたら、引っかかった。

 いやあなんというか……今日見かけた四宮さんが、なんか……艶っぽかったのだ。

 で、白銀は……四宮さんを意識しつつ、素知らぬ顔で振舞っている。

 先日、男子4人で話していた時とは、何となく雰囲気が違ったのだ。

 あのモンスター童貞っぷりがなくなってる……気がしたのである。

 

 「ごほ、お、おま……ごほっ」

 

 牛乳が変な場所に入ったのは激しく咽ている白銀の背中を軽く叩きつつ。

 まあよかったじゃないかと僕は笑いかけた。

 

 好き合う2人が何となく距離が縮まったら、そのまま関係が深まるというのは、割とある話。

 白銀から手を出したというよりは、勢いに任せて四宮さんが手を出したのではないかな、とは思う。

 ウルトラロマンティック作戦の時も、肝を据えた彼女の方から白銀の唇を奪ったのだし。

 千花経由で柏木さんの話を聞いた感じだと「結局するときはあっさりすると思う」らしいし。

 

 「大丈夫。内緒にしておく。……大事にしてやれ」

 「お前に言われなくとも、責任とれるように俺は全力だ」

 

 スタンフォードに一緒に留学するプランも考え直していると聞く。

 そして、四宮かぐやは――『最後に思い出をください』と言うタイプでもないだろう。

 つまり、決戦は案外近い……のではないだろうか。

 

 「来るべき決戦の日に備えて、準備はしておく。何時でも声をかけてくれな」

 「勿論だ。その時は、よろしく頼む。……行くぞ、そろそろ授業だ」

 

 明らかに誤魔化しながら、彼は教室に歩いていく。

 僕も追いかけた。そして前々から思っていたことを、口に出す。

 

 「しかし、そこまで関係が進展したら……」

 「したら、なんだ」

 「いや、もう恋愛頭脳戦とかどっか消えたんじゃないかな、とか思った。告白もキスもセッ……まで終わらせたんだろう? となると残るのは……」

 

 ――天才達は恋愛脳。

 

 だけになるのではないだろうか。

 

 「ま、いいけどね」

 

 白銀を見つけた四宮さんが、身体を硬直させ、その顔を若干紅潮させる。

 一緒に行動していた千花と柏木さんが目敏く把握し、早坂愛は愕然とした顔だった。

 紀や巨勢は居ない。居なくて正解だ。絶対ばれる。

 

 この恋人らに幸あれ、と僕は思う。

 その為ならば、どんな障害も打倒できる。そう改めて確信したのだった。

 

 

 

 「ところで千花、なんか歩きがぎこちなくない?」

 「誰のせいだと。……腰が痛いんです……!」

 

 そんな内緒話があったそうな。




岩傘調も3-Aです。
出席番号3番。

岩傘調(3)→柏木渚(5)→紀カレン(6)→巨勢エリカ(7)→四条眞紀(8)→四条帝(9)→
四宮かぐや(10)→白銀御行(11)→駿河すばる(12)→田沼翼(13)→津々見竜巻(14)→
早坂愛(15)→火ノ口みりん(16)→藤原千花(17)→渡部神童(?)と言う順番。
外部進学組、意外とクラスの人数少ないのかもしれませんね、この感じだと。


YJを読んだ情熱に任せて書いた。後悔はしていない。
来週YJで休載なのが悲しいやら恐ろしいやら。

次の更新こそ生徒会選挙の白銀ターンから始まる……筈!
気長にお待ちください。ではまた次回!
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