むかし、一人の剣に生きる女がいました。
誰かにとっては特別で、誰でもない彼女にとっては普遍。
ですが、彼女の父にとって彼女は、できそこないでした。
 
だから、彼女は磨き続けることを決意したのです。
Same old. Same old...
毎日、変わらず、ただそうであるように。
 
彼女のその姿をして、敗れた者たちは皆語るのです。
 
――鮮やかなり天元の花。
――その剣、無空の高みへ届く。
 
彼女の旅はまだ途中。
高みへ至ったものかもわかりません。
ですが、彼女の在り方は変わりません。
Same old. Same old...
ただ風の向くまま、あるがままに。
今日も彼女はいつか、どこかを旅し続けるのです。
 
これは史実とも、彼女とも違う、誰かの軌跡の途中。
紛れ込んでしまった一人の女剣士の、冒険活劇。
 
 
 
 
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