逆光源氏 〜私は悪くないもん!~   作:イベリ

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健気な一人の読者の嘆願に応え、深淵から舞い戻りました。


○○しないと出られない部屋〜脱衣ジェンガ編〜

『さぁ!リヴェリア嬢も落ち着いたところで!次のお題に行ってみよう』

 

「なに私が取り乱したみたいな言い方してるんだ神ヘルメス。どちらかと言えばベルが乱心したんだろう。」

 

「あはは、ちょっとハッスルしちゃったよね。」

 

頭にたんこぶを2つこさえて、ベルは正座したままヘラヘラ笑っている。経緯としては、リヴェリアとハッスルしようとしたら、寸前でゲンコツを落とされたのだ。

 

本当にギリギリだった。

 

「あはは〜じゃない!義理とは言え母親を犯そうとしたやつの言うことか!?」

 

「でも、母さん抵抗しなかったじゃん。」

 

「そっそ、そん、そそそん、そんなはずないだろう!?」

 

色々とギリギリだった。本当に。

 

「ねぇ、今からでも続きしよ?ね?」

 

「や、やめろぉっ!わ、私を誘惑するなぁ❤」

 

『意志よわよわやないかい。もうやりたくてやりたくて仕方ないやないかい。』

 

「やかましいぃ!そ、そんな事より速く次に行け!ベルのベルが暴れ出す前に!!」

 

「そこまで節操無いわけじゃないんだけど。」

 

ベルの言葉すら届かない今、リヴェリアは言い訳が欲しくて仕方ないのだ。

 

『リヴェリア嬢のお願いということで、ロキ。次のくじ引き引いてくださーい。』

 

「随分と軽くなったな。」

 

『流石に何日も拘束してるのはねぇ。』

 

「なんで今さら常識を持ち出してきた。その常識があるならこんなとこに閉じ込めるな。」

 

『さて次のお題は──こちら!!』

 

「無視すんなコラ。」

 

ウィーンと機械的な音共にモニターが現れ、次のお題がデカデカと映された

 

『ドキドキ!脱衣ジェンガ!』

 

「だ、だだだ、脱衣、ジェンガ…!?」

 

『ちなみに全部いってもらうからね。』

 

「ほう、負けたら全裸ということですか。面白いッッ!!」

 

「べ、ベルお前!私に負けたら全裸を見られるってことだぞ!?いいのか!?」

 

「僕は一向に構わんッ!」

 

「頼む!戻って来いベル!!」

 

「というか、母さん。負けたら全裸になるんだよ?」

 

「は!?そうだった!?」

 

失念していたことを思い出し、一気に冷や汗をかくリヴェリア。

 

『はい、ではスタートー』

 

雑に部屋の真ん中に置かれたジェンガの傍に渋々座った。

 

『ほな、じゃんけんで先攻後攻決めよか!ほーれじゃーんけーん』

 

『ポン!』

 

同時に出したベルとリヴェリアの手はグーのあいこだった。

 

『あーいこーで』

 

『ショ!』

 

『しょっ!』

 

『ショ!』

 

『ショォッ!』

 

またもやパーのあいこ。

 

それから、何度やってもあいこが続く。10回目を過ぎたあたりでロキがいい加減に痺れを切らす。

 

『どんだけあいこ出すねん!?以心伝心というかもう繋がっとるやろ!?』

 

「そんな、ロキ。お似合いカップルだなんて…」

 

『言ってへんでー、戻ってきーやベルー?』

 

「不毛だからもう先にベルがやってくれ……」

 

「じゃあ、ありがたくもらうね。」

 

少し頬を染めながらベルに先手を譲ったリヴェリア。しかし、ベルの次の行動でこれから始まる勝負が熾烈なものであることを知る

 

「────そおい!!」

 

『は?』

 

ガシャンと崩されたジェンガのタワー。茫然とそれを眺める。

 

何を思っているのかは理解ができなかったが、ベルが勝ち誇った笑みを浮かべていた。

 

そして、ベルの考えに真っ先に至ったのはヘルメスだった。

 

『なるほど、考えたねベル君。』

 

「流石ヘルメス様。僕の考えなんてお見通しなんですね。」

 

『それほどでもないさ。けど、君もなかなかえげつないことをするもんだ。』

 

『なんでこいつら理解しあってるん?普通にキモいんやけど。』

 

「ど、どういうことだベル…!勝負を捨てる気か!?」

 

リヴェリアの言葉に薄く笑ったベルは、余裕綽々いった具合に語る。

 

「今回のこのゲームで、リヴェリアが僕にどんな感情を抱いているのか、なんとなくわかった。ゆえにこの結論なんだよ。」

 

「どどどど、どんな感情だっていうんだっ……!ごほん……いや、まったく理解ができん!」

 

「リヴェリア、僕は服を三枚しか着ていない。上下の寝巻にパンツだ。それに比べてリヴェリアは夜用のニーソックスにちょっとエッチな下着、最近買ったかわいい猫ちゃんの肌着、その上に厚めのローブ。僕の方が不利なのは明確。」

 

「それがどうしたというのだ!」

 

『寝間着の中身全部知っとる事にはもう突っ込まんのね。わかったウチもそうするわ』

 

「そして、今回のリヴェリアの感情を利用し、確実に僕が勝ちリヴェリアを引ん剝く方法…それは…バサッ!」

 

ベルは、躊躇なくその状態を晒した。

 

暴かれたベルの肉体は、まさに人類の極致。長い年月をかけて人類が到達した極限の肉体。無駄の一切を省く、戦い、自分を守るためだけの肉体。

 

「僕が、脱ぐ事だッ!!」

 

「ばっ、ちょっ!?脱ぐことに少しは躊躇しろ!?」

 

『そうだ、流石だベル君……肉を切って骨を断つ…ならぬ、服を脱いで母に勝つ!』

 

「この策…むっつりのリヴェリアに破れるかな?」

 

自身の肉体の美を遺憾無く発揮するベルに、リヴェリアはもう前を向けなかった。

 

(不味い不味いマズイ!?前が見れんっ!あ、でも指のあいだからちょっとだけ……うおっ、腹筋ヤッバ……ぐふっ…なんでこんな私好みの体に……)

 

「私が育てたんだよチクショウッ!!」

 

といいつつ、指の間から思いっきりベルの玉体をガン見しているリヴェリアに、流石に情けなくなるベル。

 

「ふふっ、見えてる。リヴェリア思いっきりガン見してるの見えてるよ。」

 

「ガン見なんてしてないしッ!してないしぃ〜!?」

 

「それしてる人の言い訳だよ……」

 

『まぁ、ベル君の肉体は正にリヴェリア嬢を守る為に鍛え上げられた物だ。存分に堪能する権利はあるんじゃないかな?』

 

まぁ、その通りである。ベルの肉体、と言うよりも強さに起因するものは全てリヴェリアが関係している。彼を育てた、という部分に間違いは1片たりともないのだ。

 

「昔は、私に抱きついて『お母さんと結婚する!』って言ってくれたベルがこんなにも変わってしまった…!」

 

『そこだけ切り取るとなんも変わってへんけどな。』

 

『君昔から変わんないんだな。』

 

「僕は一途なんです。」

 

『それはもはや執着だよ。』

 

「普通に育てたつもりなのに…!」

 

『逆にベルが他の人と結婚してええんか?』

 

「〇ス」

 

『物騒で草』

 

「リヴェリア……そこまで僕の事を…!」

 

『そこにときめける君も大概だぞ?』

 

お互いから向く割とデカめの矢印に神ふたりが引きながらも、いい加減とばかりにゲームを催促する。

 

「仕方あるまい…最速で方をつける…!」

 

ベルが崩した事により先攻が移ったリヴェリアにより、ゲームが再開される。

 

まずは小手調べと、リヴェリアはタワー中央のど真ん中を抜く。

 

「し、慎重に……」

 

そーっと手を動かし、もう少しで抜けそうというところで、不意に視界にベルが入ってしまった。

 

「ふぐっ」

 

「え?」

 

ガシャンっ、と崩れたタワーに唖然としているベル。まさかこんな簡単に崩すとは思わなかったのか、本気で困惑していた。

 

「あ、ま、負け…」

 

『もうこれ負けに行ってるやろ?』

 

「………ち、違う!ちぎゃう!」

 

『うーん、でももうこれは逃れようがないって言うかねぇ?』

 

「…………」

 

「あ、あれ……ベル…?」

 

 

1番騒ぎそうなベルが俯いたまま何も言わない事に、嫌な予感というか貞操の危機を感じた。

 

「もうガマンできないや。リヴェリア。」

 

「……へ?」

 

スっとリヴェリアを抱き寄せたベルは、笑顔のまま続ける。

 

「ごめんね、ごめんね。耐えられなかった僕を許して。」

 

「はえ?」

 

マジで何がなんだか理解していないリヴェリアは、なされるがままだ。

 

『あ、ヘルメス。録画切っといて。こっからは不味いわ席外すで。』

 

『もうしてるよ。僕もそこまで野暮じゃない。行こうか。』

 

『は〜…子供の成長、早いなぁ……』

 

『……付き合うぜ、ロキ。』

 

『きっしょ……まぁ、せやな。お前と飲むんも、今日は悪ないか…』

 

スピーカーから聞こえる声にリヴェリアはおやおや?と流れがおかしい事に気がつく。なんか終わる流れになってない?とベルを見上げて身を硬直させた。

 

仏のように笑みを浮かべるベルの手が、後頭部に回り、顔が近くて、ベルの香りが拡がって、唇にやわい感触が押し付けられて、舌を貪られた。

 

次の息継ぎにベルの目をぼぅっと見上げれば、もうその目は捕食者の目にほかならなかった。

 

あっ、食われる。

 

それが、リヴェリアの最後の記憶だった。

 

 

 

4日後、行方不明であった2人が見つかったと同時に、オラリオに正式に2人の婚約が報じられ、エルフはてんやわんやの大騒ぎ、ロキ・ファミリアでは、ようやくかよ…という喜びよりもやっとか…という感情が流れていた。

 

2人の様子は、常にリヴェリアかベルにベッタリとくっ付いたまま恍惚とした表情を浮かべていた。ベルは、大人の顔つきになった。

 

 

Fin

 




ごめん、これ以上はだれる気しかしなかった
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