-リューネ・カザマ-
19歳。大阪出身。第4特務支援小隊、通称「ウィッチ小隊」の隊長。マコト・カザマの実姉であり、弟を溺愛するあまり単騎で出撃するほどのブラコンにして狂戦士。艶やかな黒髪のロングヘアが特徴であり、抜群のプロポーションの持ち主。市街地戦仕様に改修された専用の黒い陸戦型ガンダムに搭乗する。階級は中尉。
身長173cm。スリーサイズはバスト96cm、ウエスト57cm、ヒップ88cm。
※原案はMrR先生。
カリュブス機の頭上から現れた、「新手」のMS。レイチェル機を庇う形でズゴックの眼前に着地した、その機体――市街地戦仕様の黒い陸戦型ガンダムは、紅く輝く
(また「新手」か!? 全く、人気者はツラいぜ……!)
逆袈裟の軌道で振り抜かれたビームの刃は、「四海竜」最強のカリュブス機ですら避け切れなかったのだ。レイチェル達を更に上回る「新手」の出現に冷や汗をかくカリュブスは、眼前の黒い陸戦型ガンダムから迸る異様な
『……惨めなものだな、ジオンの敗残兵共。ジャブロー攻略にも失敗し、このような場で果てるしかないとは』
上半身の装甲を強化した、市街地戦仕様の陸戦型ガンダム。そのパイロットを務めるリューネ・カザマ中尉は艶やかな黒髪のロングヘアを靡かせ、鋭い眼差しでカリュブス機を睨み付けている。レイチェルやアンジェラにも劣らぬ抜群のプロポーションの持ち主である彼女は、その身に纏っているノーマルスーツをぴっちりと緊張させていた。
豊満に実った爆乳。細く引き締まったウエスト。安産型の曲線を描いた巨尻。その凹凸の激しいボディラインをくっきりと浮き立たせているノーマルスーツの生地が、彼女のグラマラスな肢体を際立たせている。色白な柔肌から漂う芳醇な色香も、彼女の美貌に彩りを添えていた。
『あ、あれは姉さんの陸戦型ガンダム……!? まさか、姉さんもリューコ達を助けるためにここへ……!?』
『……強くなったな、マコト。姉として誇らしいぞ。後は……この私に任せておけ』
オデッサ作戦でも数多の戦果を挙げていた女傑にして、マコト・カザマの実姉。そんな彼女の参戦に弟が瞠目する一方、リューネは自身の元を離れたマコトの成長した姿に微笑を溢している。周囲のレイチェル達も、リューネ機の参戦には驚いているようだった。
『黒い陸戦型ガンダム……!? まさか、あなたはウィッチ小隊の……!』
『第4特務支援小隊のリューネ・カザマ中尉だ。……弟がいつも世話になっているな。第5陸戦小隊』
第4特務支援小隊、通称「ウィッチ小隊」。その隊長である彼女が単騎でここまで乗り込んで来る事態は、レイチェルとしても想定外だったようだ。先日の防衛戦で大きく消耗していた部隊の所属機が、この場に駆け付けて来るとは夢にも思わなかったのである。
『……それはどうも。あなたが来るなんてちょっと想定外だったわ。ウィッチ小隊は先日の防衛戦で、ほとんどの所属機が大破したから動けないって聞いてたのだけど』
『私の陸戦型ガンダム以外は、な。部下達は地下の基地でゆっくりと休ませている。彼らには、あの防衛戦で随分と無理をさせてしまったからな』
『それで隊長のあなたが、たった1機でここまで来たって言うの? 無茶するわね』
『無茶なものか。姉として、マコトの晴れ舞台を見逃すわけには行くまい』
『ふふっ……あなたも相変わらずね。弟離れはまだまだ先ってことかしら』
『……やれやれ、モテる男は辛いねぇ。次から次へとイケてる女が群がって来やがる。俺は構わねぇぜ? 2人纏めて汗だくになるまで、っていうのもたまには良い』
『案ずるな。汗だくになる前に終わらせてやる』
『第2ラウンドはこれからよ!』
『へぇ……そいつは楽しみだ!』
レイチェル機の白い陸戦型ガンダムと、リューネ機の黒い陸戦型ガンダム。その2機が並び立つ姿は、多くのジオン兵にとっては絶望的な光景なのだろう。しかしカリュブスはむしろ、ようやく楽しめると言わんばかりに獰猛な笑みを露わにしていた。
次の瞬間、ビームサーベルを引き抜いた2機の陸戦型ガンダムが一斉に飛び掛かって来る。カリュブス機はスラスターを噴かして後方に飛び退きながら、両腕のメガ粒子砲で牽制射撃を試みていた。
『……ッ!』
『逃がさんッ!』
レイチェル機がシールドでの防御に転じた一方で、リューネ機は肩部に被弾しながらもそのまま直進して斬り掛かって行く。リューネ機の接近を許してしまったカリュブス機は、アイアンネイルでリューネ機を仕留めるべく身構えようとする。
『そこぉッ!』
『うぉッ……!?』
『ジャブローの土となるがいいッ!』
しかし次の瞬間、レイチェル機の胸部バルカン砲が火を噴いた。予期せぬ弾雨を浴びて一瞬硬直してしまったカリュブス機の眼前に、リューネ機のビームサーベルが迫る。かつてない殺気と
『女の方から責められるってのも嫌いじゃないが……!』
真正面からビームサーベルで叩き斬られては、さしものズゴックでもタダでは済まない。極限状態の最中、アイアンネイルでコクピットを狙う暇はないと判断したカリュブスは、咄嗟に操縦桿を倒して愛機のスラスターを全開にする。
『今日はそういう気分じゃねぇのよッ!』
『んぉおぉぅッ!?』
ビームサーベルを振るうリューネ機の懐に低姿勢で飛び込んだカリュブス機は、そのまま彼女の機体を頭突きで弾き飛ばしてしまった。転倒した陸戦型ガンダムのコクピット内で、リューネは上擦った野太い悲鳴を上げて爆乳を弾ませている。あまりの衝撃に思わず悩ましげな声を漏らしてしまった彼女は、羞恥に頬を染めて苦悶の表情を浮かべていた。
『んぉおぉっ……! んぉっ、ぉおっ……! んっ、はぁあっ、あぁんっ……!』
『お堅い鉄みたいな女かと思ってたが、一突きしてみれば意外と可愛い声で啼くじゃねぇか。ベッドの中じゃ普段もそんな感じかい?』
『くっ、ふぅうっ……! お、おのれぇえっ……! こ、この私がこんなッ……こんな恥辱は初めてだッ……!』
『はは、そりゃあ良い。あんたの初めては俺が頂いたってわけだ』
『……ッ! 貴様ァッ……!』
シートに肢体を叩き付けられ悶絶する彼女は、艶やかな黒髪を振り乱して豊満な乳房と桃尻をばるるんっと揺らしていた。白い柔肌から滲み出る汗からは濃厚な女のフェロモンが漂っており、コクピット内を芳しい匂いで満たしている。
自身の不覚を揶揄するかのようなカリュブスの言葉に頬を赤らめるリューネは、彼のズゴックをキッと鋭く睨み付ける。桜色の艶やかな唇から甘ったるい雌の吐息を漏らしている彼女の白い頬に、黒髪の先が張り付いていた。
(この黒いMSの姉ちゃん……かなり出来るな。他の連中もなかなかのモンだが、コイツは特に……)
一方。一瞬とはいえ自身に「恐怖」を与えたリューネ機の攻勢に、カリュブスはかつてない「手応え」を覚えていた。レイチェル以上の脅威を前に冷や汗をかく彼は、リューネ機を優先的に無力化するべく愛機を走らせて行く。
『やらせないわッ!』
『ちッ……少しは休ませてくれよなぁッ! こっちの身体は一つしかねぇんだぞッ!』
ズゴックの前に立ちはだかったレイチェル機の陸戦型ガンダムは、100mmマシンガンでの牽制射撃でカリュブス機を足止めして来た。カリュブス機は彼女を排除するべく、頭部の240mmロケット弾を連射する。
『貴様の都合など……知ったことかぁあッ!』
しかし今度はレイチェル機の前に駆け付けたリューネ機が、シールドとボディで全ての弾頭を受け止めてしまった。激しい爆炎の中から現れた黒い陸戦型ガンダムは、大破寸前の満身創痍となりつつも、その紅い双眸から闘志の光を放ち続けている。
『我々を……
『ぐぅうッ……!? こ、こいつぁ随分と情熱的じゃねぇかッ……!』
返礼とばかりに火を噴いた胸部バルカン砲の弾雨が、カリュブス機に襲い掛かる。咄嗟に両腕で防御したズゴックの全身に、凄惨な弾痕が刻み付けられていった。ズゴックの装甲すら穿つバルカン砲の威力に、カリュブスは思わず息を呑む。どうやらリューネ機の陸戦型ガンダムは、胸部バルカン砲も大幅に強化されているようだ。
『んっ、ふぅ、ふぅっ……』
『はぁっ、んはぁ、はぁっ……!』
カリュブス機との激戦を繰り広げ、心身共に消耗しつつあるレイチェルとリューネ。息を荒げる2人の女傑は、豊満な乳房を上下に揺らして全身を汗で濡らしていた。彼女達の柔肌を伝う汗の滴からは、蠱惑的な雌の匂いが絶えず漂っている。
『……いいねぇ、ようやくヒリつく勝負になって来た。とっととズラかるつもりでいたが……もう少しだけ遊んでやるとするか』
『……さすがは「四海竜」、と言ったところか。我々2機を同時に相手取り、なおも余裕を保つとは』
『けど、私達だってまだまだバテちゃいないわ……!』
豊満な肢体の隅々まで汗で濡れそぼるほど消耗し、その全身から蠱惑的な匂いを分泌させて息を荒げているレイチェルとリューネ。しかし彼女達はそれでもなお臆することなく、勇猛な笑みすら浮かべて「四海竜」に挑もうとしている。
そんな2人の扇情的な勇姿に不敵な笑みを浮かべるカリュブスは、この戦闘に「戦士」としての「昂り」を見出していた。彼はニヤリと口角を吊り上げながら、部下達の戦況を一瞥する。
『へっ、そう来なくっちゃなァ。おいポルセ、そっちの
『なかなか楽しめますぜぇ、この女。今はパワー負けして、良い声でヒィヒィ啼いてますがね』
『アンッ!?』
だが。拮抗している状況を保てていたのは、レイチェルとリューネだけだったらしい。獰猛な笑みを浮かべているポルセの
『はぁっ、んはぁっ、はぁっ、ぁんっ……! ご、ごめんレイチェル……! コイツのパワー、ちょっと……舐めてたかもっ……!』
『アン……!』
ゴッグとの力勝負に持ち込まれ、徹底的に叩きのめされ組み敷かれてしまったのか。コクピット内のシートに力無く背中を委ねているアンジェラは、扇情的に息を荒げながら、豊満な巨乳を上下にゆさっと揺らしている。
『んっ……くぅっ、んはぁあっ……! く、屈辱だわっ……! こ、この私が、こんなぁっ……!』
しとどに汗ばんだ褐色の柔肌からは濃厚な女のフェロモンが漂っており、その肢体を濡らす汗の滴が彼女の肉体を蠱惑的に彩っていた。苦悶の表情で頬を紅潮させながらレイチェル機を見つめている彼女の瞳は、かつてない屈辱と恥辱に潤んでいる。
『はぁ、はぁっ……! レ、レイチェル隊長、アン副隊長っ……!』
窮地に陥っているのはアンジェラ機だけではない。満身創痍の姿で片膝を着いているマコト機のジムも、アスピード機のアッガイに追い詰められているようだった。周囲の誰も、彼の援護には回れなかった。それほどまでに、「四海竜」は手強かったのだ。
『んはぁっ、はぁんっ、はぁっ、ぁっ……! ま、まだよ……私達の実力は、こんなものじゃっ……!』
『はぁっ、はぁあっ……! これが、ジオン地上軍屈指のエース集団「四海竜」……!』
『……たった2機を相手にここまで手こずったのは貴様達が初めてだ。相手が俺達でさえなければ貴様達の勝利は盤石だったのだろうが……相手が悪過ぎたな』
ミスズ機の陸戦型ジムとユキ機のガンタンクも、イーサン機との戦闘でかなり損傷してしまっている。中破手前の段階までダメージを負っている両機のコクピット内で、彼女達は息を荒げて全身を汗で濡らしていた。そんな2人の様子を静かに観察しているイーサン機のアッガイは、
『んはぁっ、はぁっ……! んもぅっ、最悪っ……! これ絶対、洗っても匂い残るやつじゃんっ……!』
『はぁっ……はぁんっ……。……早く、シャワー浴びたいっ……』
『マコト! ミスズ、ユキッ……!』
『士気も技量も申し分なし。ただこの場で俺達全員を倒せるほどの域じゃあなかったようだな』
『……っ』
『貴様、言わせておけば……!』
第5陸戦小隊の精鋭達すらも圧倒する「四海竜」。その圧倒的な実力を見せ付けられてもなお、レイチェルとリューネは闘志を剥き出しにして鋭く目を細めている。白と黒の陸戦型ガンダムは傷付きながらも、蘇芳色のズゴックに挑もうとしていた。
『そういうことだ。お前達では、俺達「四海竜」は止められん!』
『ぐぁあッ!?』
『マコト!』
『マコトッ……!』
しかしレイチェル達の乗機はともかく、他の隊員達の機体はすでに限界に達している。アスピード機のアッガイに蹴飛ばされたマコト機のジムは、力無く地面に叩き付けられてしまった。その光景に激昂したリューネの陸戦型ガンダムは、標的をアスピード機に切り替えてマコト機の側に駆け付けようとする。彼女達の戦闘を見守っていたリューコも、
『姉さん、リューコ……!』
『おおっと、あんたの相手はこの俺だってことを忘れたか? 油断してると可愛いおっぱいが傷モノになるぜ』
『くそッ……どけ! 私はお姉ちゃんだぞ!』
しかし、「四海竜」最強のカリュブス機を振り切るのは容易ではない。今度はカリュブス機のズゴックがリューネ機の行手を阻み、その両腕を広げていた。
弟の窮地に平静を欠いたリューネは激情のままに咆哮し、陸戦型ガンダムのビームサーベルでカリュブス機を排除しようとする。だが、本来の冷静さを失ったリューネ機の斬撃は、カリュブス機に容易くかわされてしまっていた。
『確かに連邦にしちゃあ、なかなか骨のある連中だったが……所詮お前らじゃあ、ここまでが限界ってことだ。観念しなッ!』
その様子を一瞥していたポルセ機のゴッグは「遊びは終わり」と言わんばかりに、巨大な爪を大きく振り上げる。その切先は、倒れ伏したアンジェラ機のコクピットを狙っていた。
『くッ……!?』
力尽きたガンキャノンにはもう、為す術がない。迫り来るゴッグのアイアンネイルを見上げるアンジェラには、死を覚悟することしか出来なかった。
――だが、次の瞬間。
『ぐぉあぁあッ!?』
突如、爆音と共に「砲撃」を受けたポルセ機が片腕を吹き飛ばされた。何の予兆も
『なッ……ポルセ!?』
『攻撃だと!? 一体どこから……うぐわぁッ!』
『発砲音も拾えないッ! 連邦め……近くに友軍機が居るというのに、こんな場所で無差別砲撃とはッ……うぁああッ!?』
『イーサン! アスピードッ! ちいッ、この上まだ他に増援が居たのかよッ……!』
ポルセ機だけではない。イーサン機とアスピード機のアッガイも、瞬く間に「砲撃」を受けて片腕をもがれてしまう。アスピードはこれが連邦軍による無差別砲撃と判断しているが、砲弾は寸分狂わず「四海竜」のMSのみに命中している。この現象が視界外からの「狙撃」であると気付いたカリュブス機は、砲弾が飛んで来た方向から敵機の位置を探ろうとしていた。
(まさか、あの崖上……!? おいおい、何の冗談だよ……! あんな距離から、当てに来やがったとでも言うのか……!?)
MS-05L「ザクIスナイパータイプ」すら凌ぐカリュブス機の視野を駆使しても、視認が困難であるほどの遠方に位置する、遥か彼方の崖上。そこから窺える、微かな陽光の照り返し。
その輝きが陽を浴びた「砲身」の光であると勘付いたカリュブスは、自分達が圧倒的に不利な状況下で狙われていることを悟る。その上、こちらを狙っている「砲手」はとてつもない遠距離から正確に砲撃を当てて来ているのだ。
(無差別砲撃の類じゃねぇ……! 3発も撃ち込まれてるってぇのに、砲撃音すらほとんど拾えなかったわけだ……! 戦闘濃度のミノフスキー粒子散布下で、あんな長距離での砲撃を……!? 一体……どういう
遥か遠方からこちらを「砲撃」している連邦軍の新手。その常軌を逸した射撃精度に戦慄するカリュブスは、引き攣ったような苦笑を浮かべている。
(巷で噂になっている「ニュータイプ」……! 下らない与太話だと思っていたが、こりゃあもしかすると本当に……!?)
ここに留まっていては勝ち目はない。それほどの危機的状況なのだと理解すると同時に、カリュブス機も片腕を砲撃で吹き飛ばされてしまう。遥か彼方から襲い来る鋭い砲撃が、ズゴックの爪を粉砕した。
『うぐぉあぁッ!』
『隊長ッ!』
『……へへっ、面白え。連邦にもあんな奴が居たとはなァ。お前ら、今日のところは引き上げだ! 撤収するぞ!』
『了解ッ……!』
反撃など絶対に叶わないほどの遠距離からの、一方的かつ正確無比な砲撃。これではまともな「戦闘」など成立しない。即座にそう判断したカリュブス機の指揮の元、「四海竜」の面々はこの場から退却するべく、水中に飛び込もうとする。
すでに「森夜叉」を乗せた潜水艦が海への脱出を果たしている今、無理に戦闘を続ける必要もない。カリュブス達は迷うことなく、母艦に向かって潜行して行くのだった。
『い、今のは友軍の攻撃……? 発砲の音なんて全然聞こえなかったけど……と、とにかく助かったわ……! ありがとうマコト、皆っ……!』
一方。半ば放心状態でその様子を見送るしかなかったリューコは、緊張の糸が切れたようにシートに背中を預けていた。砲撃が飛んで来た方向を一瞥する彼女は、その視線の先に居るのであろう友軍機や、この場に駆け付けたマコト達に人知れず感謝している。
かくして。「四海竜」との遭遇という危機に直面した
「……さすがね」
そんな中。愛機である陸戦型ガンダムのコクピット内でレイチェルは独り、妖艶な微笑を浮かべて口元を緩めていた。リューネを含む彼女の仲間達も安堵の息を吐き出し、胸を撫で下ろしている。
ヘルメットを脱いで艶やかな髪を振り乱し、芳しい汗の香りを解き放った彼女達の柔肌からはフレグランスな匂いが漂っていた。シートに背を預けた女傑達の肉体から匂い立つ、濃厚なフェロモン。雄の情欲を煽るその芳香は、ノーマルスーツの内側でますます蠱惑的に熟成されている。
「この子の『ご主人様』なだけはあるじゃない。……憎たらしいほど、惚れ直しちゃうわ」
現在は第5陸戦小隊の隊長機となっている、白い陸戦型ガンダム。この機体の
◇
――その光景を、遥か遠くの崖上から観測していた1人の女性パイロット。彼女は豊満な爆乳を左右に弾ませながら、険しい面持ちで「四海竜」の撤退を見送っている。レイチェル達以上に、ノーマルスーツをぴっちりと緊張させている彼女の豊満な肢体は、扇情的という言葉でも足りないほどにグラマラスであった。
驚異的な射程距離を誇るRX-75「ガンタンク」。その「操縦手」を務めているスタイル抜群の爆乳美女はヘルメットを脱ぎ、ウェーブが掛かったブラウンの長髪を靡かせつつも、苦々しい表情を浮かべていた。ジオン地上軍屈指のエース集団を、あと一歩のところで取り逃がしてしまったためだ。
『……敵MS4機、撤退して行きます。この遠距離から水中への砲撃では、さすがに撃破は見込めないかと』
「今の砲撃で確実に仕留めるつもりだったんだが……。あの4機、こっちの動きが見えてもいないのに無意識に直撃だけは回避していたな」
『全員、かなりの手練れだったようですね……』
「その手練れ相手にレイチェル達があそこまで持ち堪えてくれたから、俺達は座標を推測する時間を確保出来たし、京都の新兵達を助けることも出来たんだ。それだけで十分さ。……マコト伍長のお姉さんまで乱入して来たのは誤算だったけどな」
彼女からの報告を受けた「砲手」の青年も、ガンタンクの頭部キャノピーから雄大な密林の絶景を見渡し、神妙な表情を浮かべている。この位置から「四海竜」を砲撃していた彼は、カリュブス達が相当な実力者だったことにも勘付いているようだ。
『……ごめんなさい、少尉。私がもっと早くこの砲撃ポイントに到達していれば……』
「気にしなくて良い。レイチェルだってこっちの狙いに時間が掛かるから、派手にミサイルをバラ撒いて奴らの座標を教えてくれていたわけだしな。ガンタンクの移動速度を考えれば、むしろ速過ぎるくらいさ。君のおかげで間に合ったんだ。ありがとう、ヴィヴィー」
操縦手としての自身の未熟さがこの結果を招いたのだと、「ヴィヴィー」と呼ばれた爆乳美女は自責する。しかしそんな彼女を責めることなく、砲手の青年は穏やかに声を掛けていた。
レイチェル機の陸戦型ガンダムが牽制として撃ち放っていた、ミサイルランチャーの弾幕。その爆炎が僅かに照らし出した4機の影から標的の座標を推測していた「砲手」の青年は、ピンポイントで
ボディに「07」とマーキングされている1機のガンタンク。その双肩に搭載された120mm低反動キャノン砲の砲口からは、攻撃の激しさを物語る硝煙が立ち昇っていた。
『少尉……』
青年の優しさに触れ、甘い声を漏らす美女は恍惚の表情で頬を染めている。下腹部に籠る雌の本能が、彼女の貌を扇情的に蕩けさせていた。1mを優に超える規格外の爆乳が、愛する雄に媚びるように揺れ動いている。
ノーマルスーツの内側でじっとりと汗ばむ、白く透き通るような柔肌。そこから分泌される濃厚なフェロモンが、ヴィヴィーと呼ばれている彼女の「劣情」を物語っていた。
「……」
一方。そんな彼女の慕情を他所に、ガンタンクの頭部キャノピーを開いてコクピットから立ち上がった「砲手」の青年は――ヘルメットを脱ぎ、ジャブローの風を浴びていた。艶やかな黒髪を靡かせる彼は、燃えるような紅い瞳で朝陽に照らされた水平線を見つめている。その双眸は僅かに、物憂げな色を帯びていた。
「まだ……戦いは終わってくれないんだな」
「
この宇宙世紀を流血に染める戦いの歴史は、まだ始まったばかりなのだということを――。
◇
「……っ」
そして、この頃。ジャブローから遠く離れた都市で暮らしている1人の少年が、震える手で新聞紙を握り締めていた。何不自由なく家族と暮らしている平凡な少年だというのに、新聞の記事を見つめる双眸は歴戦の兵士にも迫る闘志の色を帯びている。
「……決めたっ! 俺は絶対……連邦軍に入って、MSパイロットになってやる! そして……こんな戦争を起こすような奴らを、1人残らず撃滅してやるんだっ!」
ジオン軍の地球侵攻に対する義憤。その攻撃に抗う連邦軍への憧れ。それらが合わさった興奮に身を震わせる、どこにでも居る普通の少年。しかし10歳という幼さでありながら、彼はこの時すでに「連邦軍のMSパイロット」という明確な
――彼の名は、タケル・レッドキャリバー。後に地球連邦軍のエリート部隊「ティターンズ」に入隊し、RMS-179「ジムII」のパイロットとなる少年であった。
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今回は外伝「オーガ・マスト・ダイ」の最終話で触れていた「森夜叉」の脱出シーンについて掘り下げる番外編の後編となります。「森夜叉」脱出の裏側で起きていたこの物語も、今話を以てようやく完結となりました。この戦いから生き延びた京都基地出身の新任少尉達は、後に宇宙に上がりア・バオア・クーで活躍していたことが「キョート・フラワーズ」の最終話(https://syosetu.org/novel/223795/106.html)で語られております。
また、今回のお話ではマコト・カザマの実姉「リューネ・カザマ」が参戦し、カリュブスを相手に激戦を繰り広げておりました。彼女やアンジェラ達についてはMrR先生がpixivの方で展開されていた設定がベースになっており、今回はそれらの内容を拙作の解釈で描写させて頂いた形となっております。
連載が終了してから随分経つ本作ですが、今でもこうして振り返ってくださる読者の方々がいらっしゃるというのは、大変光栄で嬉しいことだと改めて感じますね……本当にありがたいです。外伝「デザート・キングダム(https://syosetu.org/novel/223795/21.html)」でも主人公を務めていたレイン・ウォーミングに焦点を当てている、凛九郎先生作の3次創作「機動戦士ガンダム ghost chaser(https://syosetu.org/novel/271415/)」の方でも今年から新章が始まっておりますので、こちらもぜひぜひ!m(_ _)m
ちなみに「四海竜」のリーダーであるカリュブスにつきましては、X2愛好家先生の作品「九十九 光の気ままな実験録(https://syosetu.org/novel/357309/)」にも登場しております。こちらの作品のエピソード(https://syosetu.org/novel/357309/9.html)では、ジオンが勝利したGQuuuuuuX世界出身のカリュブスが燻銀な活躍を見せております。「オーガ・マスト・ダイ」では「森夜叉」の一員として活躍していたラアス・リュレウ・ソボミも登場しておりますので、ぜひご一読ください!( ^ω^ )
そして今話には、第1部「パンツァー・アンド・パンツァー(https://syosetu.org/novel/223795/1.html)」で主人公を務めていたリュータ・バーニングと、メインヒロインだったヴィヴィーことヴィヴィアンヌ・ル・ベーグが登場しておりました。作者にとってはこれが最後! というつもりで書き上げた章だったので、やっぱりラストはこの2人で締めたいなーと思っておりまして(о´∀`о)
それから今話に登場したタケル・レッドキャリバーは、エイゼ先生の3次創作「機動戦士Zガンダム―蒼窮の地球(ホシ)と宇宙(ソラ)(https://syosetu.org/novel/259093/)」に私が投稿した応募キャラでもあります。同作は「烈火のジャブロー」と世界観を共有しているグリプス戦役時代の物語であり、第3部「フルメタリック・メテオシャワーズ(https://syosetu.org/novel/223795/92.html)」でも活躍していたジャック・オコーネルが主人公を務めております。機会がありましたらこちらも是非ご一読ください〜(*^ω^*)
長くなりましたが、この物語を最後まで見届けて頂き誠にありがとうございました。また何か小話を思い付くことがあれば加筆があったりなかったりするかもですので、その時はまた遊びに来て頂ければ幸いです。ではでは!٩( 'ω' )و
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Ps
PS2時代の一部ガンダムゲーにおけるガンタンクは本当に恐るべき死神でしたからね……。その当時の恐怖体験を元に執筆させて頂いております:(;゙゚'ω゚'):