「お前も二重装填が出来るとはな。それがとっておきの切り札か?」
「さあ、どうかな。雷天大壮2とでも言えばいいかな」
不敵に笑い合うマギとネギ。
「ネギ選手とナギ選手闘技場中央で睨み合う!!」
「どっちも闇の魔法の本気ってところか。まぁどっちが勝ってもおかしくはないんじゃねえか」
ラカンもニヤニヤ笑いながら解説する。
「どっどうなんネギ君勝てそうなん?」
「う、うーん」
木乃香はアスナに聞いてアスナはどうなんだろうかと首をひねっていると
「そうね、ナギ選手彼の戦闘技法は遅延呪文を基本にしているようです。遅延呪文は扱いが難しく魔法界でも使い手は少ないですが彼のソレは見事なものです」
「コジロー選手の時間稼ぎはナギ様に遅延呪文の準備をさせる為のもの。つまり今のナギ様は準備万端! きっと何か勝算があるんです」
「けど、相手のネギのおっさんはあの状態で相手の魔力を吸い取って力にしてしまう。変に長引けばジリ貧だよー。さぁどう出るか」
隣に高音と美空が分析していた。
「って美空ちゃん!? なんでアンタがオスティアっていうか魔法世界にいるのよ!?」
「いやっはぁ奇遇だねぇ! いや夏休みに遊びに来たら帰れなくなっちゃってね! まぁまぁ積もる話もあるけど…………あんたら今指名手配ってマジ?」
「う゛、今は積もる話よりも試合よ!」
強引に試合に話を戻すアスナ。その間にも試合に動きがあった。
「攉打頂肘!!」
ネギの八極拳がマギに迫るがマギは闇で防ぐがその間にもネギの連撃がマギを吹き飛ばす。空中に飛ばされたマギを追撃するために雷化したネギが攻撃を続ける。
雷天大壮2の付加能力、常時雷化。
「常時雷化。なるほどそれなら弱点の出がかりを潰されるを克服出来る!」
「おうよ! おまけに雷化中は思考加速、身体機動加速の特典付きだ! だが…………大兄貴は今の状態は闇でのオートガードをしてる状態だ。どんなに高速化してもあのオートガードを崩さなければ有効打を当てることは出来ない」
「ネギお兄ちゃんはすごく速くてマギお兄ちゃんはすごいレス!」
カモと千雨が分析する。
「禍津伊邪那岐」
マギの足下から闇で作られたマギの分身がネギを殴り飛ばした。
「この分身はアーティファクトの力で作った分身とは違う俺がもう1人いると考えた方がいい」
そして雷化し高速化してラッシュを続けるネギとそれを闇でオートガードしながら分身も使って連係攻撃をするマギ。先ほどのまでの操るやり方でブーイングの嵐だったのが今度は歓声の嵐となる。
「ラッシュラッシュラッシュ! 不死鳥のごとく蘇ったナギ選手の連撃がネギ選手の闇のガードをなんとか崩そうとし、ネギ選手の分身がナギ様とぶつかり合う!」
ネギのインファイトにマギと分身の連携攻撃が互角の戦いを見せていた。だが
「いまのぼーやは高速に動いているが純粋にパワー不足。その状態であのオートガードを崩すのは難しいだろうな」
リカードとテオドラと一緒に見ていた幻影のエヴァンジェリン、彼女の言うとおり雷化して高速で動いてのラッシュだが如何せんパワーが足りなかった。
「ああくそ! あのオートガードがいやらしいな! あれを崩す事が出来ればダメージが決まるだろうに! それに分身が本体を護って決まり手がない!」
「ぐぅ、ここまで来てやはり決め手にかけるということか…………」
リカードとテオドラも中々決め手に欠けた事にモヤモヤしていた。
「どうしたネギ、これがお前の奥の手か? だったら今の俺には届かないぞ。よく頑張ったろ、もういい加減降参してもいいんだぞ」
分身を解除したマギはネギに降参を促した。だが
「ふぅ…………ふふ、お兄ちゃん。僕、これが最後の切り札って言ったっけ?」
「ん?」
「罠にはまったねお兄ちゃん」
どういうことだと聞こうとするとマギの足が動かない。見れば影がマギの足を固定していた
「コタローか」
見ればダウンから回復した辛うじて意識を保っていた小太郎が影でマギを拘束した。その間にかなり後ろに下がったネギ。何か仕掛けてくる。マギはそう判断した。
「双腕解放!! 右腕固定 千の雷!! 左腕固定 雷の投擲!! 術式統合!!」
魔力を合わせて巨大な雷の槍を作り出したネギ。
「ネギオリジナル 雷神槍 巨神ころし!!」
「「…………ほぉ」」
巨大な槍巨神ころしを見てマギと後方で戦いを見ていた雪姫は感嘆の声をあげた。
「いくらお兄ちゃんのその闇の防御もこの槍では防ぎようがない。その堅牢の防御を僕の力が上回る。いくよお兄ちゃん」
「流石だな。オリジナル魔法でのパワー勝負でもな…………お前が出来て俺が出来ないと思ったか」
ネギの企みを理解して敢えてマギは乗ることにした。
「双腕解放 右腕固定 常世の終わり 左腕固定 炎の斬撃 術式統合」
マギもネギと同じように魔法を統合し、巨大で赤黒い剣を作り出した。
「闇神剣 邪神ごろし」
巨大な剣邪神ごろしを上へと掲げるマギ
「馬鹿な! ここに来てパワー比べ!? インファイトじゃないのか!?」
「ここに来てマギと勝負をするなんて、勝機があるとでもいうのか!?」
リカードとテオドラもネギが勝負に出たことに理解が出来ていなかった。勝機でもあるというのか
ネギの巨神ころし、マギの邪神ごろし。互いの魔力が集中する。そして先にマギがしかける。
「ふっ!」
邪神ごろしをネギに向かって振り下ろす。巨大な剣がネギに向かって落ちていく。
(まて、ネギにはアスナのハマノツルギがある。何故それを使わない)
そしてそのままネギに直撃しようとする。しかしネギは巨神ころしを放たない。
(馬鹿な! 死ぬ気かネギ!)
カッと目を見開いたネギ。まるでこれを待っていたかのように
「術式解凍!!! ネギ流闇の魔法!! 敵弾吸収陣!!」
多重の魔法陣を展開しネギは邪神ごろしを止めた。
「敵弾吸収だと!? 馬鹿な不可能だ!」
(このパワー比べが罠だったわけか。だがこんな大量の魔法陣いつ頃書いたんだ?)
マギはいつこの魔法陣を書いたのか考え、理解した
(あの最初の雷化した時のラッシュ。あの時にこの魔法陣を書いたのか。ネギの奴最初からこれを狙ってたのか)
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
(お兄ちゃん、確かに今の僕の力じゃお兄ちゃんに届かないけど)
「掌握!!」
ネギはマギの邪神ごろしを掌握してしまう。そして雷化の高速移動でマギに肉迫する。
(お兄ちゃん自身の力ならどう!?)
マギのボディにネギの拳が深々と突き刺さる。
「ごほぉ!!」
(俺の力を吸収されてしまったか。やるじゃねぇかネギ…………!)
血反吐を吐くマギ。効いている。
(これが最初で最後のチャンス!!)
殴り飛ばされ大きくのけぞるマギ。
「太陰道。気弾・呪文に拘らず敵の力を我が物とする闇の魔法究極闘法…………私ですら完成形を思い描きながら技術的障害の多さと、費用的効果を考え開発を断念した幻の技法だ。本当に完成させるとはなぼーや」
ネギの成長に感心している雪姫だがな…………と続け
「自分の弟がここまでやったんだ。兄のお前も応えてやらないとなマギ」
マギの事を信じている雪姫だった。
「術式解放!! 完全雷化!! 千磐破雷!!!」
千磐破雷でマギに全力タックルをかまし、闘技場の端まで追いやる。そして八極拳の連撃を浴びせる。
(なるほど。これは結構やばいな…………!)
マギはネギの力を過小評価していた訳ではなかったが、今の攻撃はかなり効く
「右腕解放 魔法の射手雷の千一矢!! &加算魔鬼力!! 雷華崩拳!!」
雷の魔法とマギの力を加算した雷華崩拳がマギの体を抉るように当たる。血反吐を吐き大きくのけぞるマギ。あまりの威力に闘技場の結界に罅が入る。
「右腕解放!! 巨神ころし!!!」
右腕を解放し巨神ころしを放つ。槍がマギの体を貫いた。
「おお!! 解放雷神槍!! 千雷招来!!!」
そして強力な雷をマギへと落とす。白雷がマギを包んで見えなくなってしまう。
「うわあああああああああああ!!!」
ネギは最後の力を振り絞る。手から血が噴き出し始めても絶対に雷の力を緩めたりしない。ネギの強力な雷の魔法で障壁の罅がどんどんと大きくなり、ついに障壁は破壊されてしまった。
「障壁が壊れたです…………!!」
上空に居た夕映は障壁が破壊されたことに開いた口がふさがらない。
煙でマギが見えなくなってしまったが、煙が晴れると
「こっこれは…………!」
巨神ころしに貫かれて白くなってしまい、ピクリとも動かないマギの姿が
「勝利!! ナギチーム完・全・勝利ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「勝った…………?」
歓声が闘技場に響き渡る。
「かったぁ!!」
「こここ、今度こそ本当に!?」
「ネギ先生!!」
「今度こそホンマに勝ったぁ!」
「すげぇ!!」
「ネギ!」
アスナ達もネギの勝利に歓声を上げる。
「まじかよ、本当に勝っちまうなんて」
バルガスはネギが勝ったことに驚きを隠せていないが
「へっやっぱり化け物じゃねぇか。ったくてめぇて奴はよ」
トサカは不貞腐れながら笑うのだった。
(勝てた…………のか? …………全て出し切った。千の雷5本は僕のほぼ限界、試合中唯一の好機に僕に出来る全てを叩きこめた! それでもお兄ちゃんに勝てたなんて信じられない。けどこれで優勝だ…………!)
限界が来て雷天大壮2を解除したネギ。勝てたことに未だに信じられないようだった。
「ああ…………」
「そんな…………」
風香と史伽はマギが負けた事にショックを受けていた。だが
「マギさん…………立って!!」
「マギさん…………マギさぁぁぁぁぁぁぁん!!」
亜子とのどかは信じていた。マギがまだ立ってくれる事を
「────ぅぅぅぅぅぅぅぅ」
小さなうめき声が聞こえてきたと思いきや
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
のどが張り裂けそうなほどの咆哮を上げながら、カッと目を見開いたマギはガッと踏ん張ると腹に刺さっていた巨神ころしを掴むと思い切り引き抜いた。
「ごほぉ…………見事だなネギ。俺がここまでダメージを受けるなんてな」
ダメージが大きいせいか腹の修復が遅い。
「はは…………流石はマギさんだな」
千雨はマギが立ち上がったことに乾いた笑い声を出した。
マギが復活したことに観客はまさかのどんでん返しに歓声を出せず引いていた。
「お兄ちゃん…………なんて凄い人なんだ」
ネギは改めて自分の兄が凄い人だと実感した。
「だが、俺も結構ボロボロだ。それにお前ももう立ち続けるのも限界だろう。それにこれ以上だらだら続けてもあれだから──けりつけようぜ」
「うん、そうだね」
そう言ってネギは雷の暴風を固定して掌握した。
「何だお前全力出してなかったのか?」
「これは保険だよ」
そうかと笑いながらマギは双腕を解放固定する
「双腕解放 右腕固定 常世の終わり 左腕固定 闇の斬閃 術式統合」
今度は巨大な剣ではなく、一振りの刀が現れた
「闇刀 冥王」
闇で作られた刀を居合いの形で構える。ネギも拳を構える。観客は理解した次の一撃で決まると。
そして動いた。
マギの姿がゆらりと揺れ、そのまま消えた。
「え?」
ネギは一瞬だけ判断が遅れてしまった。それが命取りとなった。
次の瞬間にはマギはネギ懐へと入っていた。そして鞘から黒い刀身が抜かれる。
「抜刀 神威」
そしてマギが抜刀した斬閃は…………空間を斬った。
(ああ…………お兄ちゃんは凄いな)
空間ごと斬られたネギはそのまま仰向けに倒れ、そのまま意識を失った。
「くっ空間を斬ったぁ!? ネギ選手の刀が空間を斬ってしまいました! そして斬られたナギ選手そのまま動きません! これはもう決まりました…………勝者ネギ選手!! 優勝はネギ・スプリングフィールド選手・雪姫選手です!!」
しんと静まり
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
闘技場を揺るがす大歓声が響き渡った。
「勝ったあ!」
「マギ兄ちゃんが勝った勝った!!」
風香と史伽はマギの勝利に大興奮。
「マギさん…………よかった!」
「マギさん、おめでとうございます!」
亜子、のどかはマギの勝利を喜んだ。
「まぁネギとマギ。どっちも俺達のレベルへとのし上がってきた。へ、あいつらの戦いを見てたらあいつの事を思い出しちまったぜ。なぁナギ」
ラカンは、マギとネギの戦いを見て友で仲間でもあるナギの事を思い出すのであった。
「あぁネギ君、惜しかったなぁ」
「ですが、ネギ先生は最後まで頑張りました。これは賞賛すべきものです」
「ネギ………………」
木乃香はネギが負けた事に残念がっていたが、あやかはネギの頑張りを賞賛し拍手をネギへと送り周りの者も負けたネギと小太郎に拍手を送ったのであった。
「マギお兄ちゃんはすごいレス! ネギお兄ちゃんも凄かったレス!!」
「無事マギさんが勝ったか。一時はどうなるかと思ったがトラブルなく終わってよかった」
「あぁそれに大兄貴と兄貴がこれまで以上に強くなった。これでフェイト達相手とも互角に戦えるだろうさ」
千雨とカモはマギとネギの戦いを見て、フェイト達との戦力差を分析していた。
こうして、拳闘大会はマギと雪姫の勝利で幕を閉じることになったのであった。
はい
今回はマギが勝利をする形となりました。