見るもの全てが、輝いていた。
うちの地下で練習していた日々も、遠征帰りに寄ってみんなで歩いた商店街も、笑い合いながら買い食いして、笑い合いながら帰る日々も、演奏している時の、みんなのギラついた瞳も、全てが輝いていた。
友達ではなかった。志を共にする、運命共同体とでも言うべきか。利害から始まった関係も、数年でしっかりと友人関係と呼べるようになっていた。



けど、あの日。
私は全てを喪った。
私は仲間との夢を投げ捨てた。
青春全てをかけた夢を捨て去って。
生涯の目標の人を喪って。

それでもなお、未練がましく歌に縋り付く。
私に残されたものは、音楽しかないから。
音楽のない人生なんて、空っぽになってしまうから。
ギターを爪弾く時間だけは、捨てたくなくて。





将来の夢なんてない。
家族を、仲間を失って、生きる目標なんてない。
けれど、死ぬのは怖くて、父母に申しわけも立たなくて。

これは、夢を喪った少女が、もう一度夢を見つける物語だ。
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