別の作品の執筆に息詰まってる時に唐突に思いついたネタ。

続けるかは気分次第だと思うので短編。



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とある少女の日常の話をするとしよう

西暦2000年。

 

突如として地球は丸ごと…

 

異世界に転生した。

 

宇宙は”異宙”へと変容し、異宙の生物の流入により、世界は混沌に包まれていた。

 

それから27年後…、人類はなんやかんや人類はこの世界に適応していた。

 

そんな、小さな星の話をしよう————。

 

 

 

 

 

 

 

 

とある学校のとあるクラスの教室。

 

窓側の一番後ろの席で机にぐでーっと突っ伏している一人の女子がいた。

 

その女子は制服のブラウスの上に灰色のパーカーを着ている。

 

髪は長く色素が抜けたような白い色をしており、寝癖でボサボサである。

 

「あー、ダッルゥー……」

 

彼女———藤崎レイは、机に顔を伏せたままそう呟く。

 

彼女は近寄り難い雰囲気を漂わせており、周りには遠巻きにされている。

 

しかしそんな彼女に近づく人物がいた。

 

「おっはよ〜、レーちゃん〜」

 

「んぁ?」

 

不意に髪をわしゃわしゃされ声を掛けられたレイは伏せてた顔を上げる。

 

そこには紫の…いやピンクに近い薄い紫色のロングヘアの美少女が立っていた。

 

「ああ、ミキか…おはよ」

 

「今日も朝から元気ないね〜」

 

「こちとら夜型人間なんですぅー…」

 

ミキの問い掛けに対して、気の抜けた声で答えるレイ。

 

そんなやりとりをしているとその横から二人の女子生徒が近づいてくる。

 

「おはよミキ、レイ」

 

「おはよう、二人とも」

 

「あっヒーちゃん、ノリピーおはよー」

 

二人に気づきミキが挨拶をする。

 

一人はヒサメ。水色のショートヘアー。こめかみから二本の小さなツノが生えており、スタイルは良く顔も美人の部類に入るだろう。あとお〇ぱい大きい。

 

もう一人はノリコ。黒髪のぽっちゃり体型の女子。

 

ミキ、ヒサメ、ノリコ。この三人とは高校に上がってからの付き合いだ。レイにとって友人と呼べる存在はこの三人ぐらいしかいない。

 

「レイ今日もひどい寝癖だな」

 

「それにクマもすごいし…ちゃんと寝てるの?」

 

「そーだよ!レーちゃん可愛いのにもったいないよ!」

 

ノリコとヒサメが言うとミキも同調するように声を上げる。

 

レイは幼さが残るものの整った顔をしており、身長は140cm台半ば程で小柄であるが、ヒサメに引けを取らない胸部装甲を持っている。自慢じゃないが。

 

しかしそれも寝癖だらけのボサボサの髪と目の下の隈で台無しである。

 

「せめて寝癖ぐらいは直そうよ〜!」

 

「そう言われても面倒だし…」

 

レイは指で寝癖を弄りながら気だるげに言う。

 

「も〜、じゃあもうミキが直してあげる!寝癖直しのスプレー持ってるから!」

 

「い、いいって、寝癖くらい…」

 

「だーめ。ほら、ジッとしてて」

 

レイが小柄でズボラだからだろうか。ミキもそうだがヒサメとノリコもよく世話を焼いて来る。

 

(まあ、嫌じゃないけど……)

 

そう思いながらもレイはされるがままになっていた。

 

 

 

 

 

 

一日の授業とHRが終わり、レイは友人三人とは道中で別れて帰路についていた。

 

街をしばらく歩いていくと見慣れた建物が見えてくる。

 

そこは2階立て一軒家のクリーニング店。『西洋洗濯舗 狗井』という屋号の看板が目に入る。

 

レイはその店の扉を開けると中に入っていく。

 

奥の方まで行くとアイロンがけをしている20代後半程の男性がいる。

 

「ただいまー」

 

レイはその男、このクリーニング店の店主である『狗井タクミ』に帰宅を知らせる。

 

「おう」

 

彼はレイの方を向かずアイロンがけをしながら短く返事をする。無愛想な態度だがいつものことなのでレイは気にしない。

 

「アンアン!」

 

するとレイの足元から子犬のような鳴き声が聞こえてきた。

 

目線を下に落とすとそこには一匹のチワワがいた。

 

「ん、ただいまチャコ」

 

レイはしゃがみ込んでそのチワワを抱き上げる。

 

そのチワワの名前はチャコ。レイの愛犬である。どうやらレイを出迎えてくれたようだ。

 

チャコはレイに抱きかかえられるとレイの頬をぺろぺろと舐める。

 

「あはは、くすぐったいって」

 

レイはくすぐったそうな笑顔を浮かべチャコの頭を優しく撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜

 

 

「そしたらそいつがさ———」

 

「ハハハハ」

 

とある公園で、二人の男がだべっていた。

 

「…もし、そこのお二方」

 

すると声を掛けられ、二人の男は振り返る。そこに居たのは執事風の黒い服を着た黒人男性。彼の手にはサックス用ハードケースが握られている。

 

「少し質問させて頂いてよろしいですか?私…どんな音楽が好きそうに見えますかね?」

 

流暢な日本語で言われたよくわからない質問に二人の男は困惑する。

 

「どんなっ…て、いきなり何スか?」

 

「いいからいいから。ちょっと答えてくれればいいのですよ」

 

二人の男は訝しげながらも目の前の男の格好を見ながら考える。

 

「ウーン…そうねぇ…格好から見て…」

 

「ジャズとかじゃねーの?あ、意外にヒップホップとか?もう見るからにリズム感がありそうだし」

 

「ほう、なるほど」

 

その答えに男は笑顔を浮かべ…

 

 

「見かけで人を判断するなアアアアアアアアアアアアアアア‼」

 

ドガァッ!!

 

質問に答えた男を持っていたハードケースで勢いよく殴りつけた。

 

「だからおまえらはッ…我々と比べて生物的に下等なんだ!!地球に巣食うダニ共がッ!!」

 

「ガッ…ゴギャッ、ゲェ!?」

 

罵倒しながらドガドガと何度もケースで殴る。殴られている男はどんどん顔面が変形していき血まみれとなっている。

 

突如豹変した目の前の男にもう一人の男は呆然としていたが、すぐ我に返る。

 

「てッてめェ何すんだいきなり!!」

 

もう一人の男は堪らず今も友人を殴り続けている男の肩をつかむ。すると…

 

男の黒い顔に灰色の異形の顔が浮かび上がる。それはまるで魚類のよう。

 

「っ!?」

 

それに驚いたもう一人の男は掴んでいた肩から手を離す。

 

「ダニの分際で…私に触れるなあっ!!」

 

男は持っていたケースを投げ捨てる。直後、男の体は全身灰色の異形へと変貌を遂げた。

 

まるで魚人が鎧を纏ったような姿。魚類特有のギョロりとした目が男を睨みつける。

 

「あ…あ…」

 

男は恐怖で蛇に見込まれた蛙のように体が動かなかった。

 

すると灰色の魚人の指はまるで触手のように伸びる。それが男めがけて伸び、男の口に入り込む。

 

「モガッ!?モゴオオオオオ!!!」

 

男は苦しそうにもがくがそれを無視するように触手はどんどん体の内部へと入り込んでいく。

 

やがて触手は男の心臓まで到達し…心臓は燃えるように消滅した。まるで命の灯火が消えるように…。

 

灰色の魚人は男から触手を引き抜く。男には血の気はなく口をまるで魚のようにぱくぱくさせる。

 

すると男の肌の色は灰色となっていき…やがて男の体は灰となって崩れ落ちた。

 

「ヒッヒィイイイイイイイイイ!!」

 

先ほどまで殴られていた男は地面を這って逃げようとする。

 

しかし灰色の魚人はそれを許さず、彼の背中を踏み潰して地面に這いつくばらせる。

 

「ギエェ!タ、タヒュケテ…ハシュケテ…」

 

歯がほとんど抜けており、うまく言葉が喋れない。それでも男は助けを乞う。

 

「フン、ダニの声はよく聞こえんな」

 

灰色の魚人は手に灰色の三叉槍(トライデント)を出現させ、それを男の背に突き刺した。三本の鋭い穂先は男の肉体を貫くと男は動かなくなる。するとその遺体は先ほどの男同様に灰となって崩れる。

 

灰色の魚人は舌打ちする。

 

「どちらも失敗か…まぁいい」

 

そう言い灰色の魚人は立ち去ろうとする。

 

 

 

 

 

 

「よくないなァ…こういうのは…」

 

 

 

突然聞こえてきた声。灰色の魚人は足を止め、後ろを振り返る。

 

声が聞こえた方から足音のようなものが聞こえる。

 

暗がりでよく見えないがゆっくりとした足取りで何者かががこちらに近づいてくるのはわかる。

 

足音は段々と大きくなる。そして、街灯の光によってソレの姿が露わになる。

 

全体的に巨躯な体格で鎧のようなボディ。竜の頭部を模した形状の篭手のような両腕。頭から生えた巨大な二本角。

 

そしてその前身は灰色の魚人と同じように灰色だった。

 

「でも、楽しそうだね。教えてよ—————何が面白いんだ…?何がそんなに楽しいんだ…」

 

「っ!?」

 

灰色の魚人…『スティングフィッシュオルフェノク』は目の前の灰色の竜人…『ドラゴンオルフェノク』が放つ異質な雰囲気に飲まれ、思わず後ずさる。

 

両者の間に沈黙が訪れる。

 

先に動いたのは———…ドラゴンオルフェノク。

 

ドラゴンオルフェノクはその巨躯に似合わぬ速度で一気に間合いを詰める。

 

「!!」

 

スティングフィッシュオルフェノクは即座に三叉槍(トライデント)を振りかざすが反応が遅れてしまったため空振りに終わる。

 

ドラゴンオルフェノクは強靭な腕でスティングフィッシュオルフェノクを殴り飛ばした。

 

 

吹っ飛ばされ、近くの噴水に激突しその衝撃で噴水は崩壊。スティングフィッシュオルフェノクは瓦礫と共に噴水の水に沈みながらも体勢を整えようと起き上がる。

 

だが、すでにドラゴンオルフェノクは目の前まで来ていた。

 

スティングフィッシュオルフェノクは再び吹っ飛ばされる。今度は地面の上を転がる。

 

「グゥッ…」

 

ドラゴンオルフェノクはジリジリとスティングフィッシュオルフェノクに迫る。

 

「まっ待てっ!!」

 

ここで初めてスティングフィッシュオルフェノクがドラゴンオルフェノクに対して口を開く。

 

「なぜ同胞でありながら私を襲う!?答えろ!!」

 

その問いに対し、ドラゴンオルフェノクは鼻で笑うのみで何も答えない。

 

その反応にスティングフィッシュオルフェノクは苛立つが、同時にある噂を思い出した。

 

「…そうか、オルフェノクでありながら人間や異宙人どもの味方をし、同胞のオルフェノクを何人も粛清しているというのは…貴様か」

 

その言葉を聞き、ドラゴンオルフェノクは止まる。そして口を開く。

 

「…そうだけど?」

 

「ふざけるなっ!!我々はオルフェノク!!人類の進化形…選ばれし存在!!地球の真の支配種族なのだ!!貴様は忌まわしいと思わないのか!?不完全で下等な人間と突然現れ地球を我が物顔で跋扈する異宙人どもを!!本来生態系の頂点に立つべきなのは旧人類(にんげん)でも寄生虫(いちゅうじん)どもでもない!!我々オルフェノクなのだ!!」

 

激高しながらそう訴えるスティングフィッシュオルフェノクだったが……ドラゴンオルフェノクはため息をついた。

 

「はぁ…くだらない」

 

「なんだと!!」

 

「ひとつ訂正させてもらうよ。僕は別に人間や異宙人の味方じゃない。僕はただオルフェノクが嫌いで…———————お前らの敵ってだけだ」

 

「オルフェノクの面汚しがっ!!裏切り者がアアアアアアアアア!!!」

 

叫ぶとスティングフィッシュオルフェノクはその形態を変化させる。下半身は魚の尾のようになり、見ようによっては人魚のようにみえる。そしてその体はフワフワと宙に浮く。

 

スティングフィッシュオルフェノクは手に持つ三叉槍(トライデント)を構え、それを前方に突き出した状態で全速力で体当たりのように突っ込む。

 

ドラゴンオルフェノクは避けることもせず仁王立ちしたままである。

 

ドラゴンオルフェノクとスティングフィッシュオルフェノクの距離はどんどん狭まっていく。

 

そのまま速度を緩めずドラゴンオルフェノクに突撃するスティングフィッシュオルフェノク。

 

その直後

 

ドラゴンオルフェノクの姿が変わる。

 

その姿は先ほどとはまるで別物。鎧を纏ったような巨躯からスレンダーな体格へ。体には無数の筋が走りより禍々しく、龍を彷彿とさせる印象に。

 

ドラゴンオルフェノクは『魔人態』から『龍人態』へと変化した。

 

その瞬間、ドラゴンオルフェノクの姿がブレた。

 

「!?…グアッ!!?」

 

スティングフィッシュオルフェノクがドラゴンオルフェノクの姿が消えたことに驚くのも束の間…彼の腹部に強烈な衝撃。それはまるで雷に撃たれたかのような感覚だ。

 

スティングフィッシュオルフェノクは後方に吹っ飛ばされ、地面に激突する。その衝撃で地面は大きく陥没した。

 

すぐにスティングフィッシュオルフェノクは下半身を魚の尾から二本の足に戻し立ち上がるが、そこにドラゴンオルフェノクが迫り、目に見えぬスピードで何度も攻撃を

喰らわす。

 

その爪が振るわれるたびにスティングフィッシュオルフェノクは凄まじいダメージを受ける。

 

スティングフィッシュオルフェノクは必死に逃げようとするがドラゴンオルフェノクの俊敏な動きについていけずに逃げることが出来ない。

 

次の瞬間、スティングフィッシュオルフェノクは吹っ飛ばされ、地面に転がる。

 

(ダメだ…次元が違いすぎるっ!!)

 

スティングフィッシュオルフェノクは心の中で恐怖した。

 

目の前のドラゴンオルフェノクの強さは桁外れだったのだ。自身とは土俵が違う。ヤツが現れた時点で逃げるべきだった。魚が龍に勝てるわけがないのだから。

 

ドラゴンオルフェノクとマトモにやり合うのは不可能。スティングフィッシュオルフェノクはプライドを捨て、命惜しさに逃亡することにした。

 

だが…

 

「…?」

 

なぜか立ち上がることができない。起き上がれない。

 

疑問に思い自信の足に目を向ける。

 

足がなかった。腹から下が消失していることに気付く。

 

ドラゴンオルフェノクの方に目を向ける。ドラゴンオルフェノクはいつの間にか魔人態に戻っており、その足元に灰色の物体が落ちていた。それが自分の下半身であることに気づき、理解した。

 

ドラゴンオルフェノクはあの瞬間で魔人態となり豪腕で吹っ飛ばした。その竜頭装甲の刃と圧倒的パワーで自身の胴体は真っ二つになったのだと。

 

スティングフィッシュオルフェノクはそこまで考えると動かなくなった。

 

ドラゴンオルフェノクは倒れたオルフェノクを見下ろし、つま先で突くが起きる気配はない。

 

するとスティングフィッシュオルフェノクのそれぞれお別れした上半身と下半身から青い炎が噴き出す。やがて青い炎と共に灰となって崩れた。

 

死んだ。それを確認したドラゴンオルフェノクの体は白くなるように光る。

 

光が晴れるとそこにいたのは先ほどのドラゴンオルフェノクの図体からは考えられないほど小柄な少女だった。

 

「ハァー…、チャコの餌を買いにいった帰りに遭遇するなんて…運がいいんだか悪いんだか」

 

白髪の少女…藤崎レイはため息をつきそう言うとパーカーのフードを深く被り、近くに置いといた買い物袋を回収して歩き出した。

 

レイは先ほどのスティングフィッシュオルフェノクの言葉を思い出していた。

 

——我々はオルフェノク!!人類の進化形…選ばれし存在!!地球の真の支配種族なのだ!!——

 

 

「…僕たちはただの…死に損ないだろ」

 

誰にも聞こえない声でレイは呟いた。

 




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<異灰の彼此 キャラ紹介!Φ
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─藤崎レイ─

無気力ダウナー系ロリ巨乳JK。
ドラゴンの特性を持つオルフェノク。
ファイズ本編の北崎のように触れたものを灰にする能力はない。

種族:オルフェノク
身長:145cm
体重:??
誕生日:??
一人称:僕
血液型:??
好き:チャコ、友人3人
嫌い:オルフェノク
メモ:訳あってクリーニング店『西洋洗濯舗 狗井』に愛犬のチャコと共に居候している。



今回登場したスティングフィッシュオルフェノクの人間態の元ネタは『魔人探偵脳噛ネウロ』のキャラクター。詳しくはこちら↓
https://dic.pixiv.net/a/DR


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