とある一般聖兵の日常   作:チョコラBB

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番外編は主に掲示板のネタを参考にしています。
また番外編はいったん終了です。


番外2話

一護とジュダスが入学してひと月ほど経過した。

あれからは座学を中心とした授業が多く、生来勤勉かつ真面目な一護とジュダスはなにごともなく一般生徒と親交を深めながら過ごしていた。

 

だが先週から本格的に実技授業が開始となり、いくつかの問題が発生した。

具体的には2人のレベルが高すぎて一般の教員では教えられないこと、一護が霊圧お化けの癖に制御が甘く鬼道の暴発被害が大きいこと、一護が卍解を2週間程度で習得するなど隔絶した才能マンのため無意識に生徒はもちろん教諭、一般隊士の心までも折るなど、8割一護、2割ジュダスくらいの割合でトラブルが発生していた。

尚、“霊術院の奇行種”の異名を持つジュダスだが、彼の技術はちゃんと理屈があり修練の結果として身に着けたものなので同級生へのアドバイスなど非常にタメになるものも多い。

その上長年我の強い聖十字騎士団(特にバンビーズ)と接した経験、滅却師の指導者を押し付けられた就任したハッシュヴァルトの補佐を行っていたため、かなり霊術院に溶け込んでいた。

(※一護も別に嫌われてない。でもそれはそれとして無自覚の才能の暴力で周囲の心をへし折る。)

 

「それで・・・何でまた俺なんや・・・・。俺結構忙しいんやけど他の奴らは?」

 

いつか歩いた霊術院の廊下を二人の男が教材を台車に載せて歩いている。

一人はひと月前もここを訪れた五番隊隊長「女死神が選ぶ瀞霊廷で一番抱かれたい男」平子真子。

もう一人は片目を長い髪で隠したどこか陰のある美男子、吉良イヅルである。

 

「辞退しました。そのため京楽総隊長より平子隊長が指名され、僕は雛森君に「隊長・副隊長がどちらも頻繁に不在は不味い」とのことで頼まれました。」

 

「そうか・・・雛森め逃げおったな。まあ毎度ハイライトが消えられるよりええわ、吉良よろしゅうな。」

 

「はい。」

 

「それはそれとして京楽の髭は全部剃ることにするか・・・ジュダスも巻き込むか?」

 

哀れ京楽春水、縁も所縁もある復讐が彼を襲う。

(京楽総隊長は性癖で副隊長を選任している疑惑があります。BYジュダス)

 

「まあ・・・二人の実力を考えるなら教える人材が霊術院におらんのは分かっとったからそれはええわ。周囲の心をへし折るのも・・・死神の常識を教えればええ。一護は理解しとって周囲の心へし折るようなクズじゃない。」

 

「そうですね。鬼道については・・・まあ状況と僕たちが悪いとしか言えませんね。本来段階を踏んで霊圧の制御法や鬼道を教えなければいけないのに度重なる危機的状況においてゆっくりと学べる状況になかったこと、それにも拘らず僕たちが不甲斐ないばかりに彼に頼り、彼がソレに応え続けた結果として、制御が疎かなまま強大な霊圧を身に着けてしまいましたからね。」

 

「そうや。俺らの責任や。だから俺らが一護に協力するのは別にええんや。ええんやけど・・・」

 

「けど?」

 

『私では不服ですか?平子隊長?(CV速〇奨)』

 

「当たり前や!ボケ!!」

 

平子たちが押す台車の上には椅子の拘束された謎の着ぐるみ。

黒崎一護専用鬼道教導装置が鎮座していた。

中の人は秘密だが、優秀だが危険人物でもあるとある(・・・)人物をそのまま無間より出してはいらぬ混乱が生まれる・・・とごねた四十六室対策として生み出された特殊拘束具で、その強度及び封印能力は非常に優秀なものである。

 

『・・・ところでこの拘束具のデザインは・・・ウサギかな?』

 

「・・・ワカメ大使や。」

 

「ワカメ・・・大使・・・?」

 

尚、拘束具の外見は十三番隊隊長朽木ルキア女史のデザインしたワカメ大使というクリー・・ゆるキャラである。

 

 

 

「邪魔するで。」

 

「邪魔するんなら帰ってー。」

 

「分かったーって何新喜劇させるんや!ジュダスぅ!?」

 

「ネタに乗ったのはソッチじゃないですか・・・。」

 

「フラれたからにはヤらざるおえんやろが!?」

 

「?」

 

鬼道の実技練習を行う実技場に到着した二人と一体は実技場の扉を開けて入場する。

その際ジュダスにネタをフラれて条件反射で返す平子。

そしてネタを知らず?を飛ばす吉良、愛しの怨敵 黒崎一護をガン見するワカメ大使、それらの周囲から静かに距離を取る訓練された一般生徒達。

出だしから中々混沌とした状況である。

 

 

「あーじゃあ気を取り直して鬼道の練習をするで。ジュダスのほうは出来るんやったか?」

 

「はい。見えざる帝国時代にユーハバッハ達が長年かけて陰から調査して得た情報の中に鬼道のこともありましたので。といっても聖十字騎士団レベルだと聖文字の能力を鍛えたりしたほうが効率的ですし、滅却師の誇りなど精神的な問題から一部の物好き以外学んだりはしていませんでした。俺はその一部の物好きに該当するので練習してました。」

 

「終わったこととはいえ瀞霊廷ガバガバ過ぎるやろ。ユーハバッハ達を褒めるべきか、死神全体の怠慢を責めるべきか悩ましいなあ」

 

『間違いなく後者だろう。といっても無能と退廃を極めていた当時の四十六室の手前、一部の特権以外は蔑ろとなり現世でいうコンプライアンスという言葉すら尸魂界には存在していなかったからね』

 

「ちっ・・・・」

 

ワカメ大使に痛いところを突かれたが、当時の瀞霊廷の状況を考えると否定できない。

それどころか詳しい精査もせず、虚化の実行犯と思われた浦原はまだしも、隊長格で功績もあり、被害者でもあった平子たちを即時処分しようとした四十六室は無能としかいえないだろう。

せめて前段階で隔離やら封印とかあっただろうに。

そんなんだから当時の四十六室は四十六室(笑)、賢者(賢者とは言っていない)、ゴミなどと陰でいわれるのだ。

 

「それに当時は護廷十三隊も争いを避けるために四十六室の言いなりでしたからね・・・。」

 

吉良の言葉を聞いてワカメ大使が口を挟む。

 

『そう言ってやるものではない。山本元柳斎重国は理解していたのだ。戦争の英雄どころかならず者といった方が近い自分たち初代護廷十三隊の生き残りが、一人で文字通り尸魂界を滅ぼされる自身が、政治をつかさどる四十六室と度々ことを構えては戦争となると考えて従っていたのだ。とはいえ些か以上に四十六室を増長させたようだが。』

 

「やめえ。正論ではあるがお前に言われると腹立つわ!特に今のお前にはな!!」

 

『ふふふ分かったよ平子真子。』

 

少し空気がピリつくもののワカメ大使のガワのおかげで致命的なものには至らない。

だがボソッとジュダスと一護が呟いた言葉がその空気を壊してしまった。

 

「どっちの言っていることも一理あるけど、現世では権力が集中しないように三権分立をして一応建前上はお互いを監視し合ってそういうマズい事態にならない仕組みを作っているのに・・・尸魂界って普通にヤバいんじゃね?」

 

「だよな~。ジュダスたちの滅却師の国はどうなんだ?」

 

「一応国王を象徴に置いた上で、政治は選挙で選ばれた政治家に任せるスタンス。日本の仕組みを参考にしてるから、もちろん三権分立だよ。まあ上層部は滅却師について知ってるから最終的には王家、滅却師に忖度してくれるけど。」

 

「忖度って・・・それで良いのか?」

 

「自分たちが楽しく暮らすために作った国だから問題ない。因みに俺は生前は大臣だよ。」

 

「へえ~。」

 

「でも今だったら政治の仕組みを変えるのに丁度良いかもしれないな。既得権益を持っていた大貴族はもちろん権力を持って好き勝手していた綱彌代家も潰れて四十六室も若返って今のところ随分とマシになっているから反対勢力も弱い。

後は英雄 黒崎一護の名声を使ったり、最悪は京楽総隊長がダブル剣八を引き連れて四十六室とOHANASHIすればどうにかなるんじゃないか?」

 

「俺の名声ねえ。実感ないけどまあそれで良くなるんなら全然使ってくれて構わないんだけど。」

 

「あとは四十六室の中で存在感を示している阿万門ナユラは

そちらの吉良副隊長と懇意だからその縁を使えばいいんじゃない?」

 

「「・・・・・」」

 

『フハハハハハ!!』

 

急に政治的クーデーターの話を、しかも聞けば聞くほど割と今の状況ならイケそうな現実味のある案がポンポン出てくるのを頭を抱えて聞く平子、そして急に自分に流れ弾が来て二つ目の穴が開いたような顔の吉良であった。

そして自身がかつて武力により行おうとした尸魂界の破壊を、自身を阻んだ“戦争の英雄“黒崎一護が武力以外の方法で思案している光景は、ワカメ大使の何か琴線に触れたようで、大笑いしている。

 

「・・・一旦話を止めえ。あんまそういう話を人前ですんなや余計なトラブルを引き込むで。」

 

平子が真剣な顔で忠告を行う。

まだ学生の身分で今のようなことを言っていたら、どこで誰の耳に入るか分からない。

もしどっかの馬鹿が手を出して来たらジュダスは躊躇なく報復するだろうし、一護は積極的に手を出さずとも彼のために何か仕出かしそうな連中がたくさん居る。

折角平和が戻ってきたのに戦争などまっぴらである。

 

「お、おう」

 

「はい」

 

「よし!話は戻って鬼道の話や!ジュダスはどんな腕前や?」

 

「90番台を詠唱破棄で打てます。」

 

「よしお前はそこらへんで寝とけ。一護のほうはどんな腕前や?」

 

「まだ詠唱を覚えれてなくて・・・」

 

「それは自分でどうにか覚えや。とりあえずカンペ見ながら術の制御を練習やな!「少しお待ちを」ってジュダス今度は何や!?」

 

「黒崎は霊圧の調整が不得手で馬鹿みたいに霊圧を込めて鬼道を打ちます。」

 

「で?」

 

「平子隊長は縛道の一 塞や縛道の四 這縄ってご存じですか?」

 

「当たり前やろ、塞は両手を腰の後ろで拘束する術で這縄は霊力を縄状にして相手を拘束する術や。」

 

「その通りです。コレらを黒崎が使用した場合、前者は両手首を拘束通り越して骨を砕きます。また後者はこうなります。」

 

「~~~~~縛道の四 這縄!!」

 

平子が演習場に立って詠唱を行う一護を見るとカンペを片手になんとか詠唱を行い、人型に向かって這縄を発動する。

一護の霊力を糧に縄、密林にいそうな大蛇の如く太く長いが、が構成される。

その縄は黒く染まりどこか禍々しく、高速で人型に巻き付いて拘束する。

縄はそのまま人型を締め付け、バキバキという音と共に圧し潰し、切り裂く。

次の瞬間、人型はバラバラに破壊され地面にその残骸を散乱させた。

 

「・・・破道かな?」

 

「相手を拘束じゃなくて処刑やないか・・・。」

 

『oh・・・』

 

平子と吉良は茫然とし、流石のワカメ大使も言葉を失う。

まさか術の失敗とかでなくて、拘束用の初歩の縛道が相手を破壊しつくす新種の破道になるなんて誰も思わないだろう。

 

「どないせえっちゅうねんコレ・・・・。」

 

「あいぜ・・・ワカメ大使はどう思いますか?一応アンタが天才なのは間違いないので意見を聞きたいんですが。」

 

『そうだね。ジュダスも鬼道を使えるから承知だと思うが、通常霊力の制御や詠唱による効果への変換など失敗することが鬼道の失敗とされる。だが黒崎一護の場合、詠唱を覚えていないという明らかな鍛錬不足があるが、それら二つは上手くいっているのだ。』

 

「失敗しとるやないか?」

 

『確かに制御に失敗しているようだが、それらは全て霊力の込め過ぎという1点が原因となっている。後は単純に彼の術による破壊を気にしない場所で回数をこなし、段階的に込める霊力を減らしていくことで十分解決できる事象だ。・・・どうせ威力過多ならば最初から詠唱破棄で威力を落として習熟し、追々詠唱を覚えて威力を上げていけば効率的だろう。』

 

「なるほどなあ」

 

「流石はワカメ大使。」

 

「でもそれでも威力が強すぎますよ?的も縛道の一や二であの様です。とてもじゃないけど習熟するまで保つ場所も的もありませんよ?」

 

『私にいい考えがある。』

 

「なんやワカメ大使。」

 

『無間だ。かつて更木剣八もその力を覚醒させるため卯ノ花烈と共に修練を積んだのもソコだ。』

 

「なるほどな・・・」

 

ワカメ大使の言葉に全員が感心する。

中の人の性格はダークマターだが有能なのは間違いない。

全員の顔が明るくなる。

 

『だが問題は的だな。ただ威力を調節するならば十分だが、やはり命中精度を考えると的を用意して練習するのが一番なのだが・・・』

 

「それなら俺に目星があるわ。」

 

『ほう・・・それは何だい平子隊長?』

 

「まあ落ち着けや。オイ!ジュダス、イヅル的に必要なものは何や?」

 

「頑丈?」

 

「最悪壊れてもいいものかつ長時間確保し続ける事ができるもの」

 

「そうや。ついでに勝手に治るものが此処に有る(・・)やろ。」

 

「「「・・・」」」

 

一護、ジュダス、吉良は静かに椅子に拘束されたワカメ大使の方を見る。

 

『何を考えている!平子真子!?罪もないワカメ大使に何をする気だ!?』

 

「慌ててるふりして催眠掛けましたね。解いときます。」

 

「ええ!?」

 

「ようやったジュダス。」

 

『ジュダス・ランパードっ!!』

 

ジリジリとワカメ大使に近づくジュダス・平子・吉良

その背後でストレッチを行い、気合十分な一護の姿が見える。

 

「堕ちたか!?黒崎一護!?」

 

「俺はみんなを守りてえんだ・・・。」

 

『くっ・・・良いだろう。私は敗者で貴様は勝者だ。その勝者が望むならば従おう。だが!私は敗者のままでは終わらないっ!いずれ君たちを超え、私が霊王も滅却師の王も超えて天に立とう!!』

 

「黒崎一護はあんな人物でしたっけ?」

 

「結婚して子供もできれば一護だってそりゃ変わるやろ。」

 

「昔はグリ〇ンドールでしたけど今はスリ〇リンかな?ワカメ大使はここでいいですかね?」

 

ジュダスが台車を転がし適当な壁のそばにワカメ大使を配置する。

 

「いいと思うよ。」

 

「どうやろレイブン〇ローやないか?イヅルは間違いなくス〇ザリンやろうなあ。」

 

「ワカメ大使は?」

 

「アズ〇バン」

 

全員がワカメ大使から離れたことを確認して一護は深呼吸を一つ。

 

「破道の一 衝!」

 

長い長い鍛錬が始まった。

 

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