転生しても戦争だった  ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~   作:ガンスリンガー中年

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すいません。1回、誤投稿してしまい、消去しました。
日付変更前に投稿しようとして焦りました。

さて、今回は転生狙撃手視点の「イタリアでの戦の終わり」についてなど……







第397話 「クリスマス前まで戦争は終わる」が珍しく実現したかもしれない話 ~”英雄宮”のローマ支店にまつわるエトセトラ~

 

 

 

”クリスマスまでには戦争は終わる”

 

 もはや使い古された感のある戦争に関する慣用句だ。

 そして、それが実現される可能性は可能な限り低い。

 

「でも、もう終わっちまったんだよなぁ。戦争」

 

 今はまだ12月中旬だ。

 

 ああ、下総兵四郎(ヘイシロー・シモサ)だ。ルビがなんかおかしい? 諦めろ。俺はもう諦めた。

 

「日伊の政府が戦争から”警察行動”に宗旨替えからじゃねーですかい? まあ、実際に警察庁からも人員来てますし」

 

「ああ、鴻上さんと相沢さんか……なあ、警察ってああいうんで良いんだっけ?」

 

 いや、前世記憶が邪魔してるのが理解してるが……バズーカで壁ぶっ壊して、グレランで催涙弾放り込んで、『身柄確保? ナニソレオイシイノ?』的なノリで短機関銃と散弾銃と拳銃ぶっ放し、問答無用で全員蜂の巣とかだぜ?

 

「テロリスト相手にゃ、情報噴き出させる必要がある時以外は”現場処理(・・・・)”が基本って言いますからね。それにSATが出張るような案件は、『射殺前提の凶悪犯』が相手なんで、平常運転と言えばそれまでなんでしょう」

 

 ああ、そうそう鴻上さんや相沢さんと直接顔合わせたのは2週間くらい前。

 ミラノとその周辺都市での”北イタリア社会主義共和国”残党狩りの最終局面だ。

 あの頃には機甲化されてる軍の正規部隊よりも、火力は小さいが小回りの効く治安組織部隊の方が活躍の場が多くなっていて、俺たち皇国陸軍の狙撃隊は、その性質上、彼らの支援(サポート)に回ることになったんだ。

 俺と小鳥遊君が組まされたのが、鴻上さん達の”第08小隊”だったって訳。

 

 SATにせよSSTにせよ、狙撃手の腕は良いんだが、如何せん数が少ない。

 当り前だよな? 本来なら想定するのは少数の武装犯、場合によっては単独犯だ。その規模の相手なのに狙撃手をそれこそ、中隊以上で集中運用するなんてことやるわきゃないんだから。

 

(「戦争なら」本末転倒もいいとこだが、「警察行動での治安活動」ならそれもありなのか?)

 

 都市ゲリコマ相手だと、狙撃手というのは正規軍相手より更に効果的だと言われている。

 何しろ、「建物の陰に隠れて奇襲を仕掛ける」のが基本戦術のゲリコマに対して、スナイパーは「同じく隠れて、意識の外から狙撃という奇襲を使う」から効果的なカウンターになるのだ。

 「いなくても作戦ができない訳じゃないが、いたら絶対に使う」のがアーバンスナイパーってもんだ。

 

「まあ、そういうもんかもな。ただ、もう1週間も待機が続くとな……」

 

 そう、北部のミラノ近郊を活動拠点(ベースキャンプ)としていた俺と小鳥遊君だったが、八日前の任務を最後に出動はなく、三日前からローマへと戻り待機状態になっていた。

 まあ、どういう訳か同じくローマ待機になったSATやSSTの狙撃班員と意見交換会などがスケジュールに組み込まれてたり、”試製下総43式狙撃銃”のプレゼンとデモンストレーションをSATやSSTのお偉いさん相手に豊和銃器の特派員と臨時チーム組んでやったり……

 いや、確かに下総43式は、ほとんど『8㎜マウザー弾仕様の豊和M1500ショートアクション』だから、確かに命中精度良いし治安系にも向いてるけどさ。

 

「そういや、今日は定時退勤でしたね?」

 

「今日”も”さ。一昨日も昨日も定時だし」

 

 ローマの治安は極めて安定的。

 いや、何者かが治安活動で暗躍してる気配あるんだけど、まあ、秩序(みかた)側なら気にしないことにしている。

 うん。サイレンサー付きのPPKを片手にガンファイトする10代らしきGジャン少女とか俺は見ていない。

 

「んで、飲みにでも行きたいか?」

 

 そういや、ローマに居るのに観光とかはあんましてないな。

 

「嫌ですよ。何が悲しくて大尉殿と酒場でまで顔を突き合わせなきゃならんのですかい。どうせ飲むのら美女の酌で飲みたいっす」

 

「じゃあ、素直に”離宮(ヤサ)”に帰るとするか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*******************************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リビア”三国連合(トリニティ)”を構成する1カ国、キレナイカ王国には”英雄宮(قصر المجاهدين(Pasr Almujahidin))”という俗称呼ばれる比較的小規模な宮殿がある。

 公的には「サヌーシー王室の数ある離宮の一つ」とされているが、要するに「少女、童女、幼女が多数派となっている下総兵四郎(シモヘイ)のハーレム御殿」だ。

 しかし、歴史上実在した多くのハーレムがそうであるように、”英雄宮”は「シモヘイの為に建てられたハーレム宮」であっても、シモヘイは断じて主でもオーナーでもない。

 ”英雄宮”はあくまでキレナイカ王家の”財産”であり、その主こそが……

 

 

【挿絵表示】

”ナーディア・キレナイカ”

 そう、王家の末姫である。

 簡単に言えば、「キレナイカ王国がシモヘイを王国に永久就職させるために、ナーディアに陣頭指揮を取らせて用意したハーレム」なのだ。

 そこにシモヘイの一切の意思は無く(事実、下総兵四郎は一言も「ハーレムが欲しい」という発言はしていない。その感覚はかつては庶民の日本人のステレオタイプだった)、「王家に都合の良いそこそこの家柄の家の三女以下の幼子」を中心とした人選ですらシモヘイの意思は関わっていない。

 ハーレム設立はキレナイカ王家の総意であり、人選はナーディアが中心となって厳選されたのだ。

 まあ、幼きハーレム要員を取り巻くシビアな現実は以前書いたが……

 彼女たちはいわゆる”名家”の出身ではあるが、初期メンバーの「ナーディアの妹分」たちも三女かそれ以下……

 そう、一般に家同士の政略結婚筆頭は長女であり、次女までは長女が何かあった場合(例えば、男児が生まれず長女が婿を取り家督を継ぐなどがあった場合の)”正統なスペア”としてそれなりに珍重される。

 しかし、三女以下となれば「良縁の嫁ぎ先に難儀する」事が名家としても多い。

 

 イスラム世界は基本的に強い男社会であり、それは原理主義とは正反対に開明的とされるイスラム神秘主義の”サヌーシー教団”とて例外ではない。

 であるならば、キレナイカ王家とサヌーシー教団が半ば公認している新進気鋭の英雄(بطل(batal))、最も新しき”イスラムの聖戦士(المحارب المقدس الإسلاميa(lmuharib almuqadas al'iislamiu))”と目されるシモヘイに嫁げるなら、十分以上に良縁と言えた。

 シモヘイは婚約者のナーディア、キレナイカ王家に囲い込まれているから権力はないが、権威だけは過剰なほどあるのだ。

 イスラム世界において”英雄”、”聖戦士”は特別な存在であり、時には王家すら上回る尊敬と支持を大衆から集める。

 大げさではないのだ。ただの英国人に過ぎない”トーマス・E・ロレンス(アラビアのロレンス)”は英雄と目されたからこそ、第一次世界大戦中の”アラブ反乱”において、主導的な役割を担うことができた。

 

 そして、少なくともリビア三国連合(トリニティ)、特にキレナイカ王国においての権威は、既にロレンスすらも大きく超える。

 リビア解放戦となった”ザバーニーヤ作戦”終了時点ですらも既に200名以上射殺していたとされる伝説の狙撃手……

 ”英雄”としての二つ名、武勇に並ぶ者なき”魔弾の勇者(سحر البطل آرتشر رصاصة(Sahar Albatal Artashar Rasasatan))”は伊達じゃないのだ。

 確かに狙撃手一つで人間も装甲目標も屠ってきたシモヘイの活躍は、「古の戦場(ジハード)で果てたイスラム戦士(mujāhidīn)」に通じる物があるかもしれないが……

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さて、ここからは少し生臭い話になる。

 戦場の男は”飢え渇く”ものだ。生存本能をこれでもかと刺激された男は、無性に女が欲しくなるのが大半だ。

 米ソ兵と言えば、「戦場での民間人に対する婦女暴行」だが、この一致は偶然ではなく両国の共通項は「慰安所を設ける風習が無い」事だろう。

 そして、キレナイカ王家もナーディアも「本来の下総兵四郎という男は、本来はさほど性欲が強くない」事は百も承知していた。

 いや、だからこそ「彼好みの胸の平たい女」を集めたハーレムを作り、シモヘイの性欲を刺激し続けることで孕みっ娘を大量生産してそれを鎖として雁字搦めにし囲い込んだのだ。

 

 だが、ナーディアも夫との貴重な蜜月(きゅうか)を潰された挙句、まさかここまで身柄を忌々しいイタリアに拘束されるとは思っていなかった。

 

 そして、ナーディアもキレナイカ王家もふと気づいてしまったのだ。

 いくらシモヘイの元来の性欲が低くとも、これだけイタリア遠征で戦い続ければ……

 

『もつの?』

 

 そこまで長くない”戦場の過ごし方”なら、シモヘイが慰安所やら夜の女やらの世話になることはない。

 溜め込めるだけ溜め込んで、”英雄宮”に帰宅して思う存分、”全弾発射(フルバースト)”するだけだ。

 この時は、初潮(ブルーグ)を迎えたハーレム少女、童女、幼女達が『待ちに待った一夜一夜に孕み頃(ボーナスステージ)、到来!!』とばかりにオール! ハンデッドガンパレード! を仕掛けて来たりするのだが……

 

 だが、今回ばかりは長期の激戦で”帰宅迄持たない”可能性がある。

 よくよく思い出してみれば、シモヘイの好みは「胸が小さく薄く平たい軽装甲のような女」であり、身長や年齢にそこまでのこだわりはない。強いて言うなら、愛らしい女や愛嬌のある・可愛げのある女が好みらしい。

 

 誤解されがちだが、シモヘイは「幼女が好き」なのではなく、そもそも「胸の平たいという条件に幼子が入るから守備範囲」なだけだ。

 そもそも、そういう前提でなければ、出会ったときにロリでもペドでもない年齢のナーディアと結ばれる筈はない。

 

 では、なぜムハンマドとアーイシャの事例、「53歳のムハンマドは6歳の初潮前のアーイシャと結婚。彼女が初潮を迎えた9歳で初体験」になぞらえて、シモヘイが幼児性愛者かのように一部で認識されているかというと……

 その方が「娘を嫁がせたがってる権力者」に都合が良いからだ。

 何しろ、「子供はホルモンバランスなどの異常が無い限り、胸は平たい」、つまり誰にでもチャンスがあるからだ。

 

 

 

 だが、考えてもみてほしい。

 胸が平たいのがハードルというのなら、それをクリアできる「胸が薄くて面の皮が厚い女」は、イタリアにだっていくらでもいるだろう。

 もっと生々しいことを言えば、「キレナイカ王女を妻に娶る”魔弾の英雄”の子を孕んだイタリア女」なんて厄災、目に見えて禍根にしかならない。

 ならばとキレナイカ王室とナーディアは一計を案じたのだ。

 そう……

 

 

【挿絵表示】

「「「お帰りなさいませ、兄様♡」」」

 

 イタリア、戦災の傷跡薄いローマに”英雄宮の離宮(・・)を作ってしまえば良いと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




残念、ムッソリーニと先王がギロチンカッターされて以降、イタリアでやってたのは戦争ではなく警察行動でしたw
というか、イタリア国内での諸戦闘は、0ではないですが既に沈静化してるみたいですよ?

なので、今回はローマに戻ってきたシモヘイと小鳥遊君ですが……リビア(キレナイカ王国)から出張してきた幼女たちのお出迎えですw

まあ、割と真面目な終戦や戦後の展望とか話してきたので、ここいらで少しは平和(おバカ)な話題でも……
でも伏線は仕込みますw

えっ? 小鳥遊君のお出迎えはないのかって?
シモヘイが幼子にもみくちゃにされているのに、果たして小鳥遊君だけが無事なんて事が……

次回は、まあ、今回の続きになります。多分。
いえ、実はストックが既に切れているので、先行き不透明ではありますが、のんびりお待ちいただければ幸いです。

ご感想、高評価、お気に入り登録してくださると大変嬉しいです。
次回もどうかよろしくお願いいたします。








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