王族として生まれた彼女──ロザリアは、若くして〝大公〟の爵位を与えられる。
そして、元敵国から接収した、海に囲まれた孤立領地の運営を任されることとなった。
「拝命致します」──美しく、凛とした姿で王命を受けたロザリア。
しかし、彼女の頭の中では、前世で得た歴史の知識がぐるぐると巡る。
敵国の領地、海で隔たれた島──反乱が起きれば、確実に死ぬ。
夢や希望ではなく、現実的すぎる恐怖が先に浮かぶ。
治安維持、衛生改善、税制改革、法整備。
生き延びるため、反乱を起こさないため、そして与えられた役目を果たすため。
有能な執務官たちと共に、ロザリアが一つずつ積み重ねた政策は、やがて領民の生活を変えていく。
後世では、名君と語られる彼女は、今日も怯える。
「間違えたら、死ぬ。だから、良い領主になろう」
これは、〝大公ロザリアの領地運営録〟──後の名君が、どのようにして生まれたのかという、記録である。
※本作は他サイト(小説家になろう・カクヨム)にも掲載しています。
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第1部:接収領地の大公
- 第1話:終わりと始まり (改)
- 第2話:コンセントのない世界 (改)
- 第3話:羽虫の声
- 第4話:王族教育は体力勝負
- 第5話:議事録の向こう側
- 第6話:値踏みの晩餐会 (改)
- 第7話:日光から隠れた旅路 (改)
- 第8話:サインの重さ (改)
- 第9話:白薔薇の入城 (改)
- 第10話:為政者の言葉
- 第11話:見えない民
- 第12話:分かたれる祝杯
- 第13話:有能という病
- 第14話:地に足をつける
- 第15話:誰かの怒りの矛先 (改)
- 第16話:後始末の値段
- 第17話:神殿という窓口
- 第18話:腹を満たす正しさ (改)
- 第19話:書類にない街 (改)
- 第20話:救済の線引き
- 第21話:区別という仕事
- 第22話:笑わない目