世界は逆行した。
 くるくると、時計の針を巻き戻して。

 夢だと思ったその光景は自身の体験した悲しい現実。
 自身の手で愛する人を殺した記憶。自身が死んだ記憶。

 愛する人と二度目の『はじめまして』をしたその日、熾葉は全てを思い出し、これが夢ではないことを悟ったのだった。

 もう二度とあんな悲劇は起こさないと、幼い少年は王になることを決意する。
 波瀾万丈のその先にある眩しい光を手にするために。

 そして穏やかだった日常は、熾葉が学院に入学した日を境に変わり出した。

「おれは、あなたが生きる世界が欲しいんです」
「そのためなら、なんだってできるから」


 ――これは、あなたと綴る恋文(ものがたり)
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