夢想少女ノ魔女裁判   作:タイホくん

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日常パート その11

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───同日 某時刻 牢屋敷内 玄関ホール───

 

(推奨BGM「Sar-gedy-静-」♪50)

 

 食堂で解散した後、みなさんはそれぞれ使えそうなものがないか探すため、牢屋敷の各地に散らばっていきました。

 私も牢屋敷内を探索するべきかもしれませんね‥‥。

 

クア

 「篠宮クンか。そこに突っ立ってどうしたんだ?」

 

 振り返るとリクアさんがいました。

 

コト

 「あ、リクアさん。えーっと、私も皆さんみたいに動き回ろうと思ったんですけど、どこに行けばいいか思いつかなくて」

 

クア

 「なるほど‥‥。ちょうど昨日探索した倉庫にもう一度訪れようと思っているのだが、よければ篠宮クンもどうだ?」

 

 リクアさんは顎で玄関の方を指します。外に出て倉庫の方へと回ろうという意思表示でしょう。

 

コト

 (どうしましょう。このままリクアさんについていくか、それとも他の場所を探索しましょうか‥‥)

 

コト

 (私は‥‥)

 

※作者注※

ここからは任意探索パートになります。下記の選択肢の中から一箇所だけ選ぶことができ、選んだ先にいるキャラクターとの交流を見ることができます。ようするに《自由行動》というやつです。

展開上、選ぶことができるのは一箇所だけなのが原則ですが、すべて見たい場合はもう一度ここに戻ってきて選び直すようにしてください。

なお、任意探索パートでのやり取りは“ストーリーの伏線”にはなりますが、“裁判パートの伏線”にはなりません。要するに、ここで選ばなかったシーンの内容が裁判パートで重要になる、といった展開は起こらないという意味です。安心して好きな場所を選んでください。

早く本編を進めたいという方は、リクアについていく選択肢を選んでください。

 

 

 

───任意探索パート選択肢───

 

【中庭に向かう】

【焼却炉へ向かう】

【音楽室へ向かう】

【物置へ向かう】(5月19日解禁)

 

【リクアについていく】(5月21日解禁)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――これより下へのスクロールを禁ずる―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――これより上へのスクロールを禁ずる―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【選択肢へ戻る】

 

コト

 「いえ、私は中庭に行ってみようと思います。何か生活の役に立つものがあるかもしれません」

 

クア

 「そうか。じゃあ私は倉庫に向かうよ。気が向いたら来てくれ」

 

 リクアさんは踵を返すと、玄関から屋外の方へと向かっていきました。

 

コト

 「では‥‥中庭に向かうとしましょう」

 

 私は中庭に向かうため、ラウンジの方へと歩みを進めました。

 

 

 

───同日 某時刻 牢屋敷内 中庭───

 

(推奨BGM「望むのは日常」♪33)

 

 ラウンジを通り抜けて、私は中庭にやってきました。

 

コト

 (他の場所と違って物資は乏しいかもしれませんが‥‥ここで何かレクリエーションを催せそうです)

 

コト

 (ここにいればそのアイデアが思い浮かぶかもしれません)

 

 中庭は四方を壁に囲まれていますが、吹き抜けになっていて空が見える構造です。一方で木々が生い茂っており、木陰も多く点在しています。

 

ヅハ

 「‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

ヅハ

 「ふぅ‥‥」

 

 中庭をグルリと見回していると、木陰で休むシヅハさんの姿を見かけました。木の幹にもたれかかり、目を閉じてリラックスしている様子です。

 彼女が来ている黒いフードの存在も相まって、木陰と一体になって大きな黒い塊がぽつんとあるような光景です。

 おそらく一休みしているのでしょう。私は邪魔しないようにソーッとあたりを探索します。

 

ヅハ

 「あ、篠宮さん。もしかして、休憩ですか?」

 

 うっかり小枝か木の葉でも踏んでしまったのでしょうか。シヅハさんは私の存在に気がついたようです。

 

コト

 「いえ、中庭で何かできそうなことがないかなーとウロウロしていただけです。その‥‥休憩の邪魔でしたね」

 

ヅハ

 「そんな事はありません。‥‥よければ篠宮さんもいかがですか」

 

ヅハ

 「ここはいい心地です。ここでの出来事を全て忘れられそうなくらい‥‥」

 

 シヅハさんはポンポンと自分の隣を手で叩いて私を招きます。まだ何もできていないのに休憩というのも変な話だと思いますが‥‥折角のお誘いですし。

 

コト

 「じゃ、じゃあ失礼します」

 

 私はオズオズとシヅハさんの横へと腰掛けます。柔らかい草が包み込むように私を出迎えてくれます。そのまま私はシヅハさんと同じように木の幹に背中を預けました。

 心地の良い静けさがあたりに広がります。聞こえるのはシヅハさんのゆっくりとした呼吸と、時折風に揺れてカサカサと音を立てる木の葉や枝の音だけ。この数日の喧騒を忘れて心地よく過ごせそうな環境でした。

 

コト

 「確かにこれは‥‥落ち着ける雰囲気ですね」

 

ヅハ

 「そうでしょう‥‥。ゆっくり、深く息を吐ける。そんな静かな環境です」

 

 シヅハさんの声は、深呼吸をするようにゆっくりと落ち着いた声色でした。

 

ヅハ

 「それにここは、光と影のコントラストが絶妙です」

 

 シヅハさんは左手を空に向けて伸ばすと、僅かに目を細めます。彼女の顔のあたりにはわずかに陽光が差し込み、その瞳に反射してキラキラと輝いています。

 

コト

 「光と影のコントラストですか?」

 

ヅハ

 「ええ‥‥。光と影、一見、対の存在でお互いの存在が必要不可欠のように思われますが、単独の存在であることも可能なものです」

 

ヅハ

 「ですが‥‥過度に強すぎるとそれは人々にとって強い“痛み”になりかねません」

 

 シヅハさんは太陽の方をじっと見つめます。当然強い光が差し込んできたのか、彼女はキッと目を先ほどよりも細くすると、今度は影の方へと目を落とします。

 

ヅハ

 「強すぎる光は人を照らしつけ、全てを白昼の元に晒し、そして焦がします」

 

ヅハ

 「逆に強すぎる影は人が進むべき道に暗雲をもたらし、全てを闇に押し隠し、そして飲み込みます」」

 

ヅハ

 「両者はどちらかが極端にあっても駄目ですし、極端になくても駄目です」

 

ヅハ

 「ちょうどいい塩梅、ちょうどいいコントラストがあって初めて光と影はお互いの真価を発揮できるんです」

 

 シヅハさんは近くに落ちていた木の葉を拾って指につまむとくるくると回し始めました。

 

ヅハ

 「適度な光は進むべき道を示してくれます。明日へと向かう意味を見出すことができます」

 

ヅハ

 「なによりも‥‥光なくして影は存在しえません」

 

ヅハ

 「適度な影は疲れた時に逃げ場となって安息をもたらします」

 

ヅハ

 「そして、影は光を支えます。光の存在があるからこそ、影は存在できます」

 

ヅハ

 「ならば‥‥光を支えるのが影の役目です。そういう影に私はなりたい‥‥常日頃からそう思っています」

 

 思えば。昨日彼女は、こんな事を話していましたね‥‥。

 

 

 

 

───────

 

クア

 「常盤クンは気が利くし、よく働いてくれる。頼りにしているよ」

 

 リクアさんは目を細めて優しそうに笑います。

 

ヅハ

 「黒衣(くろご)の私は‥‥精々皆さんの手助けをすることしかできません。いくらでも働いてみせます」

 

ヅハ

 「私にできる仕事ならなんでも任せてください‥‥!」

 

 シヅハさんの声は小さくか細いものでした。ですが、そのか細い声から紡がれる言葉は、彼女の人を支えたいという気持ちがにじみ出ているように感じ取れました。

 

───────

 

 

 

コト

 「シヅハさんは影として皆さんを支えたい、ということでしょうか」

 

ヅハ

 「ええ。影という対局の存在があって初めて光は輝けるのですから。光を支えることができるのは、影にいる者だけです」

 

 風に揺れる木々がざわざわと音を立てます。隣にいるシヅハさんは軽く拳を握っていました。

 

ヅハ

 「今の私たちの状況で言うならば‥‥真壁さんは、“光”です」

 

ヅハ

 「突然連れ去られて、どうすればいいか分からず右往左往していた私たちに道を示してくれました」

 

ヅハ

 「彼女は光として私たちの背中を押してくれているんです。なら、その背中をさらに押してあげるのが、影である私の役目です」

 

ヅハ

 「私は‥‥彼女の役に立ちたい」

 

 “影”を好む存在でありながら、彼女は“光”を求めているようです。それは、彼女の中にある光と影の論理に基づくものなのでしょう。

 いわば縁の下の力持ち‥‥彼女が目指す理想像はそこにあるのでしょう。

 

ヅハ

 「さて。休憩はこのあたりにしておきましょう‥‥。私は真壁さんのところに行きます。倉庫に向かえば‥‥多分会えるはずです」

 

 シヅハさんはスッと立ち上がると、木陰のあるところを通ってラウンジに帰ろうとしています。

 

コト

 「あ、あの。噴水の前を突っ切ったほうが早いんじゃ」

 

 思わず声をかけてしまいました。彼女の行動が少し奇妙に映ったからです。

 

ヅハ

 「いえ‥‥大丈夫です」

 

 歩みを止めたシヅハさんは私の方を向きます。しかし視線は陽光の注ぐ噴水周辺の方へと注がれていました。私も思わず立ち上がり、シヅハさんの方へと向き直ります。

 

ヅハ

 「光の存在は私にとって必要不可欠です。さっきも話したように、影は光なくして存在しえませんから」

 

ヅハ

 「けれども同時に‥‥私は“光が怖い”んです」

 

コト

 「光が‥‥怖い?」

 

ヅハ

 「‥‥ええ」

 

 彼女の瞳は、噴水から反射してきた光を受けてまたもキラキラと輝いています。その瞳は光に対する恐れの他にも‥‥光に対する憧憬を含んでいるように私には見て取れました。

 

 眩しかったのか、それとも煩わしかったのか。彼女は再び木陰の方へ視線を戻します。木々の隙間から注ぐ光が彼女を僅かに照らします。それさえも拒むように、シヅハさんはフードを深く被り直しました。

 

ヅハ

 「だから私は影に逃げ込んだ。私は光の下を“歩けない”‥‥。‥‥いえ、“歩いてはいけない”んですから」

 

 そう言って彼女は踵を返しました。木陰を選んで。光を避けるように彼女の姿はラウンジの方へと消えていきました。

 

 その足取りは落ち着いているようでいて、どこか追い詰められた姿のようにも見えました。

 彼女は光を避けているのでしょうか。それとも‥‥光に縋っているのでしょうか。

 

 去りゆくシヅハさんの背中は、なにも語ることはありませんでした。

 

【リクアの元へ合流する】

(5月21日解禁)

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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