前世でアニメ『ふしぎの海のナディア』の重度オタクだった俺は、病で命を落としたのち──あろうことか主人公ジャンの『実の兄』として生まれ変わった。

大好きなジャンの一番近くにいたい一心で、文系だったはずの俺は必死に勉強して頼れるアシストメカニックへと成長。そして俺には、人生において絶対に譲れない固い誓いがあった。

『原作の歴史は絶対に壊さない。ジャンとナディアのカップリング以外、絶対に認めない!!』

二人が悩み、すれ違い、絆を深めていくあの奇跡の軌跡を特等席で拝むため、推し活に徹することを決意する。

……だが、1889年パリ万国博覧会。

ついに訪れた運命の出会いの場で、成長した弟・ジャンが放った第一声は──。

「君、その肩に乗ってるの、本物のライオンかい!?」

初対面の美少女相手に、配慮ゼロのネジ&機械トークで撃沈しかける超絶恋愛鈍感男の弟。

対するヒロイン・ナディアも、人間不信でガードの堅い情緒不安定な多感少女。

「ダメだ……原作の展開は守るが、このままじゃ俺の胃が持たん!!」

破綻寸前の空気を必死の裏通訳で繋ぎ止め、ジャンの無神経発言を爆破処理し、ナディアのツンデレ期を温かい目で見守る兄。

グランディス一味の追撃、気球での脱出、ノーチラス号、そして無人島へ──。

二人の尊いハッピーエンドを見届けるため、影のアシスト役(兄)の過酷で尊い戦いが今、幕を開ける!