古代遺跡が数多く眠り、冒険者たちが活躍するシデリア王国。

その地方都市リーヴェルに、一人の少女が暮らしていた。

少女の名は、イリス・アストレア。

艶やかな黒髪と、青と金のオッドアイを持つ、十歳の少女。

幼い頃から自分を育ててくれた大切な祖母が病に倒れたとき、イリスは一つの決意をする。

――お婆ちゃんの治療費を、私が稼ぎます。

その小さな決意を胸に、イリスは十歳という異例の若さで冒険者となった。

風魔法と、光の剣を生み出す不思議な魔法。

二つの力を武器に、少女は未知の世界へと歩み出す。

やがて魔法学院へ進み、数多くの出会いと冒険を重ねる彼女は、ある日、古代遺跡に眠る一振りの聖剣と巡り合うことになる。

しかし、それはまだ、少し先のお話。

これは、大切な家族を守るために冒険者となった一人の少女が、やがて「聖剣使い」と呼ばれるまでの――そして、その先へと続く物語。