そうなるんであって、XM3では殆ど扱い易さに差はないんじゃないかなと。

どういうことなのか、以下長文で申し訳ありませんが、自分なりの考えを述べてみます。

旧OSにおける戦術機操縦は、言ってみれば自分の手足の延長として戦術機を捉え、自分の体のように
意のままに動かすことが操縦技術の極致ということだと思われます。
例えばTEにおいて「あの衛士は電磁伸縮炭素帯の使い方が上手い」みたいな表現が再三ありました。
あれは、恐らく生身でのスポーツ選手に「体の使い方や制御が上手い」というのと同じような
意味合いであり、戦術機のかなり細かい部位まで、衛士自身の制御が必要ということを示しているんでしょうね。

その旧OSで74式長刀を扱う場合、恐らくですが「機体を含めた全体を1本の刀に見立てる」という描写から推測するに、
機体の足先から頭部や主腕に至るまで、多くの電磁伸縮炭素帯を連動させないと十全に長刀の威力を発揮できない、
ということじゃないでしょうか。
腕か加えてせいぜい腰の炭素帯を動かして振りさえすれば、ある程度の威力を期待できるトップヘビーな77式に比べて、
そりゃ扱うのが難しいというのは容易に想像できます。

しかしXM3搭載機であればどうでしょうか。

XM3は「バルジャーノンの自機のように戦術機を動かしたい」という武の要望から産まれました。
それは複雑で高度な操縦技法や戦術機の構造を意識することなく、簡便なコマンド入力によってゲームで
技を出すように、戦術機を操縦することを目指している、と言い換えて良いかも知れません。

であるならば、刀、特に74式長刀を振る、という複雑で高度な技術が必要な行動だからこそ、XM3で一連のコマンドを
コンボ化しないはずはないのです。
旧OSでは複雑な制御を衛士自身が行わなければなりませんでしたが、XM3なら機体各部の細かい制御は大部分OSに丸投げ、
衛士は行動の選択とタイミングに集中すればいいということになる。
極論するなら、達人が長刀を振る時のコマンドをコンボ化してコピーしまえば、新兵であっても達人と同じように刀が振れると。
勿論だからといって、長刀を振れるだけの新兵が達人と同じようにバッサバッサと斬り捨て無双できるという
訳ではありませんが、その点では77式だろうと変わりませんしね。

こう考えていくと、XM3搭載機では77式より74式の方が扱える衛士が少ないなどという事態は発生せず
むしろ74式長刀から発生するモーメントが77式より小さい分、機体の制御が楽になり
負荷が分散するために電磁伸縮炭素帯や関節の消耗も抑えられるメリットが強調される可能性すらあると思います。

長々と書いてきましたが、何も77式より74式が劣ってるだと！許せん！ということではなくw
XM3の成り立ちやら機能やら後世での評価を考えると、本作でのそれに微妙な違和感を覚えたということなんです。

-追記-

ああなるほど。
自分はXM3はもっとゲーム的な操作になっているんだと想像してましたので、そこの部分でイメージが食い違っていたようです。
対戦型格闘ゲームみたいな感じであれば、武器が違っていようと、プレイヤーが同じ操作をすれば同じように攻撃できるんで、そういう意味では74式も77式も同じように扱えるだろうと。
XM3なら太刀筋や足さばきなんかも含めて、衛士のコンボ入力に対してOS側が状況を判断してある程度適切にモーションを合わせてくれる、みたいな。
その分、処理がクソ重くて従来のCPUではまるでパワーが足りない、と。
そんな感じで簡便な入力で複雑な動きを出来るのがコンボ機能の妙味であり、XM3をXM3たらしめる根幹機能であるという理解でした。
そういう意味ではキャンセルも先行入力も、本来はコンボを有効に活用するための補助機能であるとさえ。

でもそうやってXM3も細かい部分まで衛士側が意識して操作しないといけないとなると、本当にデグさん天才すぎますよね。
確か本作のデグさん横浜くるまで戦術機操縦経験ないはず（違いましたっけ？）
ゲーム経験なら、元は高校生だった武より段違いに豊富でもおかしくはないんですが。
ゲームとはかけ離れた戦術機の操縦で、いきなり武を圧倒するって改めて凄いというか何というか。

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