どうしてだか学校に行くのが不思議じゃなくなって。
一緒にお弁当を食べて、趣味の話をして。
放課後にはふたりで西通りに行って。
学生さんに何が起こるのか……、そんなお話。
第25話は1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目の8回に分けて公開します。
また本作『友達ができた日(7日目)』は 第23話『仲間ができた日(7日目)』と「並行」しています。
こちらもご一読いただければ幸い。
本作は今野隼史(辺境紳士社交場)・アークライトの『のびのびTRPGスチームパンク』の二次創作です。
ソロプレイのルール「カードをもとに物語を書く」に従って記した世界観を使って記した二次創作です。
『のびのびTRPGスチームパンク』のプレイヤーキャラクターの「名前」を「キャラクターの名前」にしているので、
PC「機械屋」→「機械屋さん」
PC「少女」→「少女ちゃん」
等々となっています。
先に記しとく設定、
学生(主人公)と先輩、は女性、
店長、等々は男性、
作中の「ダリル」は通貨単位、1ダリル=1円くらい、
と言うことで。
クレジット
ゲーム名:のびのびTRPG
ゲームデザイン:今野隼史
発売元:株式会社アークライト
© 2021 FRONTIERPUB / Arclight, inc.
7日目
目が覚めました。
体を起こして目覚まし時計を見ると時計が鳴るわずかに前でした。
目覚まし時計を止めます。
今日もベッドから出て、制服に着替えて、かばんを持って、かばんの中には文庫本。
朝ごはんを食べて、
「行ってきまーす」
の声で家を出ます。
バス停でバスに乗ってやっぱり空いてる席に座ります。
バス停のたびに制服姿が増えて、学校のバス停で降ります。
もちろん私も。
学校へ歩いて、学校の中を歩いて、教室を目指します。
教室に入って、お仲間ちゃんはもう来てました。
「おはよー」
声をかけます。
「おはよっ」
言葉が返ってきました。
「今日もおべんと、良いかな?」
尋ねられて。
もちろん、絶対に良いです!
「うんっ!」
笑顔で答えました。
お昼が楽しみ。
そう思ってるうちに午前の授業が終わりました。
授業が終わって昼休み、お昼ごはんの時間です。
ロッカーからお弁当を出して席に戻って。
「おべんと、良いよね?」
お仲間ちゃんが来ました。
「もちろん良いよ」
正直な気持ちです。
お仲間ちゃんは前の席の男の子に確認して座ります。
お弁当を広げて、食べながら話します。
「難しいの、読んでるんだね」
お仲間ちゃんが言います。
きっと私の本のことです。
「これ?」
本に視線を向けて尋ねます。
「そう、とっても面白いけど、とっても難しいって。
有名な作家さんでしょ?」
お仲間ちゃんの言葉、ちょっと違うかなって思います。
だから答えます。
「そうだけど……、
面白いけど難しい、じゃなくて、難しいから面白い、かな」
「あ、そっか、そうなんだよね。
難しさの理由知ったら面白すぎて抜けられなくなっちゃうって」
お仲間ちゃんの言葉、その通りです。
「うん、面白すぎになっちゃう」
「じゃあ、学生ちゃんも抜けられなくなっちゃったの?」
またその通りです。
「その通りだよ、
難しい理由分かったら抜けられない」
お仲間ちゃんは少し考えて。
「私も分かりたいんだけど……、
やっぱ難しかったね」
?
難し「かった」ってことは。
「お仲間ちゃん、
読んだこと、あるの?」
「ずっと前に1冊だけね。
面白いって聞いて、じゃあ読もうって思って読んだんだけど、ぜんっぜん分からなかった。
ハッピーエンドなのは分かるんだけど、どうして? ってぜんぜん分からなくって」
最っ高に的確な言葉です。
「それが良いところかな。
理由が分かったら一瞬で全部つながって、納得できて、ハッピーエンドすぎるって思えるよ」
「なるほど」
お仲間ちゃん、こくこくとうなずきます。
「それにこの作家さん、話にパターンがあるからパターン分かったら難しいところすぐつながるかな」
今度は「ん?」って感じになって、次の問い。
「じゃあ……、パターン分かるくらい読んだんだ。
もしかして全部、とか?」
「うん、ブックショップにあったのは全部押さえて、
後は古本で買って、
全部になった、かな」
一瞬呆然になったお仲間ちゃん。
次の瞬間の言葉。
「えっ!?
本当に全部!?
すごすぎだよ!」
お仲間ちゃんの声に答えます。
「それくらい面白い、って感じかな。
面白いのが分かったら全部読みたくなる」
「んー、やっぱそうなんだ……。
学生ちゃんの話聞いたらチャレンジしたくなるね」
きりっとした表情で言います。
「私の、貸そっか?」
提案します。
でも返ってきたのは、
「それはダメだね」
続きは、
「私って自分を追い込まなきゃダメな人だから、
自分で買って、買ったんだから最後まで読まなきゃ、くらいにしないとダメ」
「なるほど」
良く分かりました。
私の本の話をして、次はお仲間ちゃんの本の話。
「お仲間ちゃんは有名どころを押さえるタイプなのかな?」
尋ねます。
「有名どころ、って言うか、
人気作って『当たり』は間違いないからね」
確かにその通りです。
「それに私が追いかけてるのって5つともストーリーがワンパターンだから」
ん? 「5つとも」?
疑問が出ました。
だから質問します。
「5つ、って、シリーズ5つ追いかけてるの?」
「うん、好みの作家さん5人のをね」
お仲間ちゃん、実はすごい人だ。
「それってすごいよ、
どんどん読んでるんだよね?」
「まあ……、そうだけど、
読みやすいのを5つだからね」
それはそうだけど……、
「すごい人に出会っちゃった」
正直に言いました。
お弁当を食べながらお仲間ちゃんの本の話をして、お弁当が終わったところで次の話題。
「学生ちゃん、あのフィギュアの話、知ってるよね?」
『あのフィギュア』、今大人気の、イケメンがいっぱい出てくるアニメ、私ももちろん見てます、の主人公のスペシャルフィギュアです。
私もいくらかは知ってます。
『スペシャル』なだけあって超絶クオリティで、でも、だから、お値段もそれ相当で。
「うん、今日から予約開始……、だよね?」
「そうそう!」
お仲間ちゃんは少しテンションが上がって。
と言うことはもしかして。
「もしかして……、予約するの?」
今度は少しテンションが下がって。
「それは……、
話になんないね……」
言葉が続きます。
「買うのは絶対に無理として、
西通りのキャラショップでサンプル展示するから見に行こうって思ってて、
学生ちゃんもどうかな?」
私も買うのは考えられないけど、実物が見れるのは嬉しいです。
だから、
「行く!」
即答しました。
午後の授業は西通りを楽しみにしてるうちに終わりました。
放課後。
ロッカーからかばんを取り出して、お仲間ちゃんと教室を出ました。
ふたりならんで校舎を出て、学校を出て、歩きます。
学校から西通り、少し距離はあるけど十分歩ける距離です。
だから趣味の話をしながらお仲間ちゃんと歩きます。
西通りに入って少し歩いてキャラクターショップに着きました。
女性向けのアイテムは2階なので階段へ向かいます。
2階へ上がってフィギュアのコーナー、スペシャルフィギュアを探して……。
探さなくても見つかりました。
いちばん目立つところに透明のケースに入って置かれてました。
ケースのまわりには何もなくって、まわりのどの角度からもフィギュアを見れるようになってます。
お仲間ちゃんと一緒にまずは正面からじっくり見て、その後フィギュアのまわりを一周しながらじっくりと見ました。
正面に戻って、フィギュアの下に値札がありました。
95,000ダリル……。
「話にならないね……」
私がつぶやいて、
「だね……」
お仲間ちゃんが同意してくれました。
とは言えチャンスはまだあって。
「まだミニフィギュアがある!」
次のチャンスに向かいます。
ミニフィギュア、これも大人気のアニメのフィギュアで小さいフィギュアです。
こっちだったら手を出せます。
ミニフィギュアのコーナーに移動。
でもミニフィギュアのコーナーの棚には何もなくて。
『ミニフィギュア全品売り切れました』
そう書かれた紙が貼られてました。
「……今日は日が悪いね」
今度はお仲間ちゃんがつぶやいて、
「人気あるからね」
私が同意しました。
ふたりでがっかりして店を出ました。
だけどせっかく来た西通りです。キャラクターショップでへこんで、それだけで帰るのは悔しいです。
だから西通りの店、いろいろ見てまわりました。
夕方が近づいてきて、そろそろ帰る時間。
私とお仲間ちゃん、家の方向的に西通りでお別れです。
少しさみしいけど……、
明日があります。
「じゃあ、また明日ね!」
私が言って、
「また明日!」
お仲間ちゃんから返ってきました。
帰宅して。
お母さんとならんで晩ごはんの用意。
私は何も言わないけどお母さんには分かるみたいで。
「今日も良いことあったのね」
そう言われました。
「うん、あった、
とっても良いこと」
私は絶対に笑顔で、だからお母さんは分かったんだ、って納得しました。
お父さんが帰ってきて、晩ごはん。
「今日も良いこと、あったのか?」
お父さんにも聞かれました。
「えっと、学校で楽しい子がいて、
もしかしたら友達になれるかなって思ってて、
じゃなくて、友達になりたいな、って」
「そうか、良い人に会ったんだな」
その通りです。
だから、
「うん!」
笑顔で答えました。
お布団の中で今夜も考えます。
今日のこと。
学校に行って、お仲間ちゃんとお話して、一緒に西通りに行って。
とっても楽しい1日で……。
でも……。
ゲームセンターに行かなかったから先輩さんとは会えなくて……。
お仲間ちゃんと先輩さん、やっぱりどちらも大事です。
だからお仲間ちゃんに会いたいし、先輩さんにも会いたいです。
明日は……。
やっぱり明日、決めることにしました。
続
お仲間さんと出会った学生さん。ですが、学生さんの中ではお仲間さんはまだ「友達」ではなく「同志」です。
一緒に弁当を食べて、ラノベの話をして、西通りに行ったけど……、です。
この辺りには学生さんなりに思うところがあります。
あと、先輩さんに会いたいと思ってますが、会えないでいます。これもどうなるのか……、次回の話です。
最後に、本作『友達ができた日(7日目)』は 第23話『仲間ができた日(7日目)』と「並行」しています。
こちらもご一読いただければ幸いです。
次回は『友達ができた日 (8日目)』です。
では、今後ともご贔屓のほどよろしくお願い致します。