二十年前。
突如として日本に現れた“魔物”は、兵器すら通じない常識外の存在として人類を襲い、社会を混乱に陥れた。
絶望の只中に現れたのは、未知の力──“魔法”を操る少女たち。
人々は彼女たちを「魔法少女」と呼び、守護者として迎え入れた。

年月が経ち、魔法少女は世界に馴染んだ存在となる。
協会の設立によって組織化が進み、成果に応じて順位付けが行われる仕組みも整った。
中でも十位以内の精鋭は「円卓」と呼ばれ、社会的にも象徴的な存在となり、メディアに姿を見せることすらある。
彼女たちはアイドルのように讃えられながら、同時に“正義”をめぐって互いに衝突することもあった。

そんなきらびやかな舞台とは無縁の生活を送る、一人の女子高生がいた。
一ノ瀬澪──どこにでもいる普通の少女。
今日もきっと、平凡な日常が続くと信じて疑わなかった彼女は、自分の身に迫る非日常など想像すらしていなかった。
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