簡単なあらすじ
 探偵と毒舌屋の少女が組んで、事件を解決する話。

 とある作家によるあらすじ

 この物語で語られることは、まあ、だいたい、そのまま起きた。少なくとも、事件に関しては事実で、この物語の主人公となるふたりは実際にいた。シャーロック・ホームズ、フィリップ・マーロウ、エルキュール・ポアロ、……(著者的にはフィリップ・マーロウが一番近しいと思われる)なんでもいいが、そんな名探偵はたしかにこの霧の街にいたし、女神の憑依者だと思われる、美しき聖女も(彼女は自身が聖女であることを決まって否定していたけど)たしかにこの街にいた。中身のない甲冑だけ動く騎士とか、超能力者とか、その他もろもろも。

 この物語は、その彼らが、あるいは彼女たちが、歩んだ道程を私がある程度、脚色したとはいえ、写し取った記録だ。彼らが歩んできた歴史を忘れないために、彼女たちが背負った物語を忘れないために、この物語を後世に残すために、私の目と耳、そして話してきた記憶を頼りに写し取ったものだ。

 ゆえにどうか、辛抱強く聞いてほしい。イヴァン・カヴァーノとキクノ・ペトローヴィチの物語を。彼らの痛ましくも微笑ましい物語を。


ルール1:前書き、または後書きに書かれるのは、とある作家の独白である。
ルール2:本文に書かれているのは、その作家が書いた物語である。
ルール3:この物語に出る資料は、実際に作家が取り寄せたものである。
ルール4:作家は自身が書いた物語に別の登場人物として登場する。
ルール5:作家の独白の時系列はバラバラである。
ルール6:作家がこの物語を描いた目的はふたつある。(!)
X(Twitter)  ▲ページの一番上に飛ぶ