ぼっち・ざ・ろっく! フラッシュバッカー
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美嘉 2026年07月30日(木) 20:10
#64「飛べない鳥」読ませていただきました。
前話での約束通り、ぽいずん♡やみは結束バンドの路上ライブを見にきましたね。もちろん路上ライブを拝見し、幾つものバンドを批評してきたライター目線で現在の結束バンドを評価するパートもとても丁寧に描かれていて素敵でした。しかし個人的には彼女がライブへ向かう途中のパートから既に意味深で印象的な美しくしい心理描写が置いてあり、それが強く目に留まりました。
電車で目的地へ向かうシーン、彼女は“夢を追いかけるバンド(結束バンド)“のライブを見に行くということに対し自分の“過去“へ向かうという矛盾するような感覚を覚えます。これは彼女がかつて何らかの形でバンドに関係し、そして叶わなかった“夢“を抱いていたという過去を暗喩していますよね。このワンシーンで周囲の人々が目的地へ向かう、即ち“未来“に向かっているのに対し、自分だけが“過去“へ向かっているという対比がとても美しく、個人的に好きです。
同じく、電車内で泣き出した赤ん坊に戸惑う親に対し彼女は自身と何か通ずるものを感じていましたね。仕方がないこと、当然のことなのに、それが場の空気を乱すという現象。過去に、彼女は彼女なりにぼっちのためを想って結束バンドに在籍し続けるべきではないと当然のように意見し、結果的にそれが原因で結束バンドの結束を乱してしまいました。この親子に対して抱いた感情と結束バンドに対しての行いの対比もまた実に巧みだと思いました。これらを表現するために彼女を公共機関である電車で目的地まで向かわせ、その途中にこの一連の出来事をスムーズに挟み込んだのは見事でした。また、電車から降りたあとの「地図があれば、道に迷わない。でも、どこへ向かえばよかったのかまでは、誰も教えてくれない。」の一文もかなり印象的でした。これは単なる移動描写ではなく人生そのものを表しています。ぽいずん♡やみはライターとしての仕事があり、一社会人として機能していますが、かつて見据えていたはずの人生の目的地を失ってしまった人のようにも見えます。このスマホのマップと人生を重ねる比喩がとても自然な表現で良かったです。
(10行省略されています)
そして目的地に着き結束バンドの路上ライブを拝見するぽいずん♡やみですが、この時の演奏描写が、実際に音楽をやっていないと出てこないような専門的なワードを駆使した表現がリアルで素晴らしかったです。特にぼっちに対しての評価が良かったですね。ぽいずん♡やみはライターであり、「上手い」の一言では済ませません。メンバー1人ずつを細かく評価しますが、ぼっちを見た時に「あの子の音は、今、“結束バンドの中” で鳴っている。」という結論に繋がりました。誰になんと言われようと納得できなかったことを、経験豊富な己の耳が「ああ。これは、バンドだ。」と証明してしまっています。皮肉なことにこのシーンは凄く説得力がありましたね。
そして間もなく彼女は星歌と再会しますが、まず星歌に格好について指摘されて、自分の服装について勝負服と言い返していましたね。しかしその直後、彼女は誰と勝負するつもりなのかと自問を繰り返し、最後は他の誰かではなく「自分の正しさか。」と自分の信念についても追求していました。これまで頑なに自分の考えを曲げなかった彼女ですが、ぼっちを始め成長した結束バンドを目の当たりにし、その自分の考えにほんの少しだけ疑問を持つようになったのかもしれません。相変わらず覆りはしませんでしたが…しかしそれはそれ相応の経験が彼女にあるということを物語っていると思います。
やがて彼女は江ノ島のトビを例えに、才能について語り始めます。ここで出てくる「才能は、求める者にのみ与えられるとは限らない。」「飛べない鳥もいるのよ。」というセリフがとても印象的でした。過去の感想でも何度か指摘させていただきましたが、この一文には松本大洋先生の漫画作品「ピンポン」のキャラクターのセリフを彷彿とさせられました。「ピンポン」は一言で言うならば「天才と凡人の残酷な現実」を体現したような作品です。空山さんが「ピンポン」に影響を受けたかは存じませんが、私は少なくとも「ピンポン」で描かれた“才能“というテーマが本作「ぼっち・ざ・ろっく!フラッシュバッカー」においても、その“才能“にまつわる物語が次章で更に展開されていく気がしてなりません。
今回この#64話は次章のタイトルでありアジカンの楽曲でもある「無限グライダー」を意識されて書かれましたよね。作中に「無限グライダー」の歌詞の一部がさりげなく挿入されていたり、“無限“というワード、そしてグライダーを暗示するトビの存在。トビの飛び方って、身近な鳥であるスズメやカラスと違ってグライダーのそれなんですよね。これは鳥の専門用語で帆翔というそうで、原理はグライダーと全く一緒だそうです。
前回にもトビというワードが出てきましたが、その時はこれがまさかグライダーを表していたとは思いもしませんでした。本当に空山さんの作品は色んなところに深い意味が込められたワードが散りばめられていて、それらを探し、解き明かすようにして読み返すのがとても楽しいです。
次章も楽しみに待っていますね。心から応援しています。
※追記
すみません。感想文に脱字が見つかったので再投稿させていただきました。大変失礼しました。
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ssを読む程度の能力 2026年07月27日(月) 23:36
(全てを僕が敵に回しても光を微かに感じてるんだ)
原作では一巻飛ばしてあっさりと謝罪して以降の常識人キャラだったぽいずん☆やみのはまじあき先生も描けなかった過去とは(描いたのかな)
他メンバーを敵に回してもスカウト対象の後藤ひとりを怒らせてもボーイフレンドを怒らせても尚彼女の特技に光を探しスカウトをしようとするぽいずんやみの昔の心理とは
誰も誰もまだ知らぬ
(14行省略されています)
赤ちゃんをなんとかしてあやしながら瞳に何かをみようとするやみ、モブバンドを見てどうなるかわからないからまあいいかとそっぽを向く愛子、彼女についてまだ形になっていない謝罪をしながらも星夏姐さんと三度目の口論をするぽいずん☆やみ。
しかし少し結束バンドが成長したことを認めた彼女。
そして空を飛ぶ鳥に自分を例えて語る夢とフラッシュバック。
次回予告に書かれた意味深な過去のセリフアドリブ。
本当に深い深い海底みたいにめちゃくちゃ深く深く掘り下げられてるじゃないですか。赤ちゃん、高校生バンド、バンドを諦めながらバンドに間接的に関わってる店長に対してのぽいずんやみ百面相を観ることができました。
星夏さん、遠慮なく渾名でディスってますね。そりゃ沢山嫌なこと言ったしぼっちちゃんを引っ剥がそうとしたしボーイフレンドを怒らせたからねぇ。しょうがないね。
次回、このライターの過去が明らかになるんですね。
誰かになれなかったライターのヒストリーを次回も楽しみにしてます。
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(Good:1/Bad:0) 86話 報告
空山 零句 2026年07月28日(火) 06:30
ssを読む程度の能力さん、感想、お待ちしておりました! ありがとうございます!
そう言っていただけて何よりです。愛子はサブキャラとして他の方々の創作で見かけることはありますが、裏主人公として描いている作品は相当希少…(少なくともハーメルンでは…)のはずですので、次回以降、愛子の今後───『何者』になることを願ったカノジョの、物語にご期待頂けると嬉しいです。マリアナ海溝並には深掘りする予定です。
またの感想、是非お待ちしております!
美嘉 2026年07月24日(金) 20:21
#63「フラッシュバック」(後篇)読ませていただきました。
前回を読んだ時にはあまり意識していなかったのですが、ぽいずん♡やみがトイレへ向かうのには実はすごく意味がありますね。前回の終盤ではトイレへ向かう途中の暗い窓、今回の冒頭では鏡が自分の姿を映す物として重要な役割を担っています。ここでぽいずん♡やみは過去の自分を思い出しながら、現在の自分を比較し、どこかその過去を振り切ろうとしているようにも見えます。やはり彼女には何か重たい過去が隠されているのはまず間違いないです。そしてその過去に味わった経験こそが、星歌との激しい応酬の中で、謝罪こそしつつもぽいずん♡やみにとって譲れない現実の厳しさ、残酷さという主張の表れだったのだと思いました。
また、タイトルに「フラッシュバック」を置いたことで、「過去が現在に侵食してくる」というテーマがより鮮明になっているとも感じました。
この後篇では、ぽいずん……(615文字省略されています)♡やみは星歌と話しているようでいて、実際にはずっと過去の自分自身と戦っているようにも捉えられます。鏡の描写から始まり、議論の最中ぽいずん♡やみの過去と折れない信念が何度も顔を出し、ある意味「フラッシュバック」というタイトルが内容そのものを表しているとも感じとれました。
また、現実を知り、期待も信じもしない立場でありながら星歌と口論してまで経験に基づく自分の信念を曲げず、無意識にぼっちの未来に執着していたぽいずん♡やみには大きな矛盾があります。ここに関してはアジカンの「フラッシュバック」の歌詞にある「あの日の未来がフラッシュバック」という矛盾を示した歌詞を想起させられました。
今回の後篇は何が正しいかを決める話ではなく、彼女が過去に縛られたまま、自分の正しさから抜け出せなくなっている姿を描いた心理劇として、とても読み応えがのある回になっていました。
まさかぽいずん♡やみについてここまで描かれるとは想像もしていませんでした。今後描かれるであろう、成長した結束バンドの路上ライブを見たぽいずん♡やみの反応が気になります。
最後に、今回ぽいずん♡やみのことをより明確に思い出すために過去の回を何度か読み返していたのですが、彼女が問題を起こす前章#57話「それでは、また明日」の前話である「宿縁」(後篇)の最後に虹夏が「また明日」と言っていることに気がつきました。このワードが次のタイトルに巧く繋げられていたのは見事でした。
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(Good:2/Bad:0) 85話 報告
空山 零句 2026年07月25日(土) 09:47
いつもありがとうございます、美嘉さん。
その観点に気づくのは驚きました。そこも意識していた点だったので…
ぽいずん♡やみについての考察も嬉しい限りです。ここまで読んでくださってる美嘉さんに一言伝えておくと、彼女の “一人称” には是非仕掛けを入れてますのでそこも含めて是非前回も含め読んでみてください。またの感想、お待ちしております。
ssを読む程度の能力 2026年07月22日(水) 21:32
彼女の心情、過去にあったことNicoTouchSTARWallsのダイバーが頭の中を鳴りっぱなしだった
夢半ばで居合抜かれた己と弾き語りに秀でた才能を持つ他者を被せて他のところへ連れて行こうとした結果、スカウトしようとしたぼっちちゃんから平手打ち食らうわボーイフレンドから八つ裂きにされかけるわ、星夏姐さんから電話越しで説教くらうわ…、ある意味このフラッシュバッカーはあの人もこの人も誰も彼もが主人公。そして彼女は未来に暗示をかけている
夢を追うものはいつか裏切られる。だから別のことをしたほうがいい。
そんな理由で妹と大切な友達を泣かせたシナリオライターは当然店長に怒られますな。
明確にはわからない勝手な憶測ですが佐藤愛子は大切な想い人の夢も目の前で切られ関係も絶たれて「本音を殺したつまらない誰でもない自分」になってしまったのではないでしょうか
だからといって勝手に重ねるのは…
(Good:1/Bad:0) 85話 報告
空山 零句 2026年07月23日(木) 06:06
ssを読む程度の能力さん、ご感想、お待ちしておりました! ありがとうございます。
NICO Touches the WallsのDiver聴きましたが、めっちゃ愛子の曲過ぎて思わず笑ってしまいました…。
「本音を殺したつまらない誰でもない自分」…素晴らしい観点ですね。
その答え合わせは、以降のエピソードで必ずお答えできると思います。原作におけるシーンに、この先繋がる形で。
このFBルートの愛子、このCH63においてはひとりのことを話してるようにみえて実はある人物と、自分自身を裁いてるのがポイントです。まあ、だからといって仰る通り勝手に重ねられる方はたまりませんけどね(´・ω・`)
またのご感想、いつでもお待ちしております!
美嘉 2026年07月17日(金) 20:01
#63「フラッシュバック」(前篇)読ませていただきました。
前回の終わり際、突然ぽいずん♡やみの元にかかってきた電話は星歌によるものだったんですね。星歌と電話で会話をするぽいずん♡やみですが、彼女はライターとしての経験を踏まえ「才能は、正しく使われるべきだ。」という信念の元、自身の主張は間違ってないと思い込んでいます。ですが星歌との会話が進むにつれ、自分が結束バンドではなくギターヒーローとしてのぼっちにだけ目がいっていたことや、春樹が何故あそこまで怒っていたかを気付かされましたね。
そしてぽいずん♡やみが星歌から「彼氏がいるか」と問われた時、彼女は「居たことある」と答えます。この時、前章#57「それでは、また明日」(前篇)冒頭のぽいずん♡やみの心理描写にある「飛べねぇ鳥もいるんだよ」「お前に、お前なんかに、何が分かんだよ」という意味深なセリフを思い出しました。もしかすると、このセリフは過去……(435文字省略されています)に付き合っていたぽいずん♡やみの彼氏のセリフだったのではないかと想像します。
今回終わり際の「虚ろな瞳。何も眼孔に景色を映していない、未来を喪った女子高生の姿だ。」という一文は特に印象的で、ここで見えているのは、我々読者がこれまで見てきた原作超えの毒舌ライター「ぽいずん♡やみ」の姿ではなく、「佐藤愛子」という一人の傷ついた人間でした。彼女もかつては未来に夢を馳せていた希望の持ち主だったのだと思われます。今後、ぽいずん♡やみの過去について明かされる回があるかは分かりませんが、彼女に関する話も少し気になります。
また、今回のタイトルでもある「フラッシュバック」はアジカンの楽曲を模したものですよね。今作中に、フラッシュバックの歌詞にある「摂氏零度」や「超伝導」というマニアックな単語を違和感なく情景描写の比喩表現として用い、その後即座に「フラッシュバック」のタイトル回収をされていたのは実に見事でした。相変わらず引用の仕方が巧みで今回も素晴らしい回となっていました。
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(Good:1/Bad:1) 84話 報告
田部みのり 2026年07月16日(木) 11:35
佐藤にもそれなりに辛い過去がありそう……それはそれとして、そういえばきくりさんが出てきてないですね。ぼっちちゃんに彼氏が出来たと知ったら衝撃でシラフに戻りそう笑
(Good:1/Bad:1) 84話 報告
空山 零句 2026年07月16日(木) 14:10
田部さん感想お待ちしておりました!いつもありがとうございます!
裏主人公適性を付与された代わりにお労しさも跳ね上がる愛子ちゃん…。
いよいよFBルートの彼女の核心も描けそうです。お楽しみに…。
確かに……(笑)
でもある意味、逆に「なんでぼっちちゃんには彼氏出来て私には出来ないんだよォ……今夜はやけ酒だァ!」とか言ってそうなきくりさん……
そうそう、ちなみにきくりお姉さんのエピソードも尺の都合上、実は意図的にカットしてます。
彼女に関しては、またいずれ書き下ろしエピソードを用意する形で構想しているのでご要望や感想などまたありましたら是非お待ちしております!
美嘉 2026年07月01日(水) 20:05
#62B「あのバンド」 - Birds of a Feather Flock Together - (後篇)読ませていただきました。
前回はぼっち視点で、ステージに上がり準備が完了したところで終わりましたが、今回はそのシーンの春樹達の視点から始まりましたね。
かつてのQuartet Bindのメンバーによる会話があり、彼らの現在が明かされていました。個々で活動していた彼らを10年以上ぶりに集結させるきっかけを作った春樹は本当に良い仕事をしたと思います。あの日、父親である正樹に正面から向き合い、頼り、真剣に相談した結果ですね。前回のあとがきに空山さんは結束バンドとQuartet Bindを繋げるために春樹を描いてきた旨を話されていましたよね。まさに、こんな奇跡的な場面を作れるのは春樹しかいません。今回で春樹自身が語っていたように、偶然のようで必然であったようにも思います。
いざ演奏が始まっ……(1164文字省略されています)た時、春樹は「それが鳴り響いた瞬間、俺の中で雨が降った」と表現し、初めて結束バンドを観たあの嵐の日のことを鮮明に思い出していましたね。原作でも「あのバンド」は結束バンドの原点と言っても過言ではない楽曲だと思いますが、本作では更に、音楽に精通した春樹が初めてぼっちを認め、救われ、惹かれた、という極めて特別な楽曲になっていると思います。彼は当時のそれを「一本の強い糸が、ほどけかけた四人を無理やり繋ぎ止めるかのような音。」と表現しますが、「今は違う。」と言い、以前を「ぼっちが結束バンドを支えた演奏」だとすれば、今回は「他の3人もぼっちを支える演奏」となっていて、この辺りを比較し成長した結束バンドが上手く表現されていたのが良かったです。
また、演奏披露後、正樹がぼっちにかけた「君は、俺だ」の一言に春樹の心境が複雑になるのも印象的でした。実の息子であり、憧れ、そんな父親のようになりたかった春樹の立場からすればその言葉は羨ましいという感情が出てきて当然です。しかし春樹はそれ以上に、正樹がぼっちを見てくれることを喜んでいました。春樹はとうに自分が前に出る立場に区切りをつけていて、その代わり完全に結束バンドを全力で支える側としての立場を明確にしています。このセリフを読んだ時、#62話Aのタイトル「君は僕に似ている」を思い出し、ある意味ぼっちと春樹、正樹は似ていると思いました。また、書かれている通り、結束バンドとQuartet Bindはバンド名まで似ています。これらは冒頭のシェイクスピアの引用の意味と重なっていますね。彼らは単に音楽好きの集まりではありません。それぞれが音楽に人生を狂わされ、それでも音楽を捨てきれないという同じ傷を持った鳥同士が自然と同じ空に集まるという、#62話の話全体を象徴していると思いました。
この#62話A~Bは、春樹と正樹の和解、Quartet Bindの再集結、そしてプロによる師弟関係の構築という、いよいよ未確認ライオットへの本格始動というある意味始まりの回となっていましたね。そして、今回特に印象的だったのは、誰一人として「過去を取り戻した」わけではないことです。正樹の指は治らず、Quartet Bindがかつての形に戻ることもありません。それでも彼らは、その喪失を抱えたまま次の世代へバトンを渡します。だからこの章は、単なる再会や再起の物語ではなく、喪失を受け入れた者たちが未来へ希望を託す継承の物語として描かれているのだと感じました。
そしてラストで突然現れたぽいずん♡やみに関する電話。ここまで温かな空気で締めたあとに新たな火種を投げ込む構成は非常に巧みで、「ここから第7章はまだ終わらない」という期待感を強く抱かせる良い締め方だったと思いました。とても続きが気になります。
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(Good:1/Bad:0) 83話 報告
空山 零句 2026年07月16日(木) 14:15
美嘉さんも、いつも素晴らしい感想ありがとうございます。
一字一句しっかり読ませていただいてます。またのご感想、お待ちしております!
美嘉 2026年06月24日(水) 20:43
#62B「あのバンド - Quartet Bind -」(前篇)読ませていただきました。
前回のAでは他キャラクターは一切登場しない吉沢家による親子関係の再構築を描いた温かい回でした。次いで今回B前篇では前回春樹が父親の正樹を頼り、その計画を実行に移すという重要な回となっていましたね。
春樹はコーチングの話をするためにメンバーを招集しますが、軽い気持ちでその話ができるような心境ではありませんでした。それは春樹個人の長年のコンプレックスとなっていたQuartet Bindという大きな存在ということもあったと同時に、既に毎日ハードなスケジュールをこなしているメンバーへの心配もありました。以前の#60話「ミュージック」-Gloomy Good Bye-では結束バンドの4人以上に焦るように、寝る間も惜しんで各々の課題をまとめたノートを独断で作成し配っていた春樹ですが、今回は星歌の『お前があいつらを勝たせるんじゃない』『あいつらが勝つんだ』という重い言葉、そして怖いままでも前に進むというぼっちの成長の影響を受け、怖さを抱えつつも真正面から向き合い、コーチングを受けるかどうかを伝え、その判断を結束バンドの4人に委ねましたね。
冒頭で春樹は「人間、そんなすぐには変われはしない」と言っていますが、今回は「俺は、また先回りしていないか」と客観的に自分を見ることができるようになっていたのは春樹にとって大きな成長の表れだと思います。
(7行省略されています)
個人的に特に印象的だったのは、ぼっちと正樹の握手のシーンでした。これはぼっちの本質を非常によく捉えていた場面だった思います。ぼっちは人との会話が苦手ですが、音楽でなら人と繋がることができます。だからこそぼっちは正樹の手に触れた瞬間、それだけで正樹がどのようにして音楽に向き合ってきたのかを精密に把握していました。そして同様に正樹も「君のその手は、間違いなく相当な努力をしてきた人間のそれだ。俺には、君がよく分かるよ」と呼応しました。つまりこの2人は言葉ではなく、手を介し音楽を通じて会話し、互いを理解し合っていました。ぼっちが今に至るまでを他の誰よりも理解された感慨深いシーンでもあったと思います。
また、Quartet Bindの4人に披露する楽曲を選ぶ際にぼっちが「あのバンド」を選曲したのも良かったと思います。あの嵐の日、バラバラになりかけていた結束バンドをまとめ導くようにギターを鳴らした思い出の曲、いわばぼっちがギターヒーローから結束バンドとしてのギタリストに成り変わるような、ぼっちにとってとても大切な一曲だと思います。そしてこの曲の「あのバンド」というタイトルが今回ではQuartet Bindを示す比喩でもあり、巧妙なタイトル回収になっていたと思います。
それと、原作でのぼっちの「けっ、結束バンドの、結束カを観てください!」というセリフをここで使ったのも良かったと思います。ある意味、観客の前で言うより今後コーチングをしてくれる伝説のバンドマンの前で言う覚悟の宣言としてはピッタリでした。
今回B前篇は明らかに結束バンドの今後を左右するような極めて重要な回となっていましたが、原作にもある喜多ちゃんの不安定なぼっちの呼称や、緊張のあまり混乱するぼっちの自己問答など、いつもの結束バンドらしいコミカルなシーンもあり、シリアスに寄り過ぎずとても読みやすかったです。今後のQuartet Bindの絡みがとても気になります。
※追記
省き損ねた文を削除して投稿し直させていただきました。以後、文に誤りがないよう気をつけて投稿します。失礼しました。
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(Good:2/Bad:0) 82話 報告
プチ ID:RFWY4YG. 2026年06月21日(日) 17:18
読ませてもらってる一読者です
原作とはかなり違う展開面白いですね
ところでこの世界戦ってヨヨコとSIDEROSって出てくるんですか?
(Good:1/Bad:0) 82話 報告
空山 零句 2026年07月16日(木) 14:10
プチさん、またのご感想、ありがとうございます!面白いと言っていただけてこれ以上嬉しいこともないです。励みになります。
同じ未確認ライオット篇でも違う印象を持ってくださっていたら嬉しいです。
ヨヨコやSIDEROSはもちろんこの世界線でも存在しますよ。CHAPTER #59「覚悟」(後篇)、CHAPTER #61「アンダースタンド」でもひとりや春樹が言及している形ですね。
ヨヨコ達に関してはアジカンモチーフの「Quartet Bind」が存在する都合、役割の重複を防ぐのと原作との対比も兼ねて、意図して出番を削っています。ですが、今後重要な場面で登場しますのでお楽しみに。
補足としては、このFB版でも原作同様のエピソードは、大幅な改変も加えていますが…基本春樹込みで通っていると思っていただいて大丈夫です! ほとんど展開が原作と同じになる&FB版オリジナルエピソードを描く尺が死ぬほどカツカツなのもあって意図的にカットしています。
(CH#62までだと「PV作成」「リョウの(山田家へ向かう)作曲スランプ」「十二月の星歌の誕生会」「ヨヨコと結束バンドの交流&ライブ」が該当します)
またのご感想いただけますと嬉しいです! お待ちしております。
美嘉 2026年06月04日(木) 20:02
# 62話A「君は僕に似ている」読ませていただきました。
前回、星歌の言葉に背中を押されSTARRYをあとにする春樹ですが、星歌の言葉が相当刺さっていたようですね。春樹の抱えるコンプレックスのひとつでもある父親の正樹に真正面から向き合う機会となりますが、その時の情景描写が繊細で、春樹がどれだけ悩み苦しんできたかがよく分かります。
また、本作の序盤からやたらと春樹が誰かを支えようとする性分の根拠が今になって明らかになった気もします。春樹は父親と二人暮しになり、音楽を諦め、生活を回す家族として、生活感において頼りない父親を支える側として過ごすようになりました。そしてそれこそが春樹が自分自身に唯一価値を見い出せる生き方になってしまっていたのではないでしょうか。しかし、そんな過去があった春樹だからこそ「ぼっちを支えたい、結束バンドを支えたい」というきっかけとなり今があるようにも考えられます。もしも……(1062文字省略されています)春樹がなんの苦労もなく音楽で成功していたら、きっと今の人間性と人間関係はなかったことでしょう。
やがて2人は食事を共にしますが、そこで本題に入りました。正確には、本題に入る前に春樹が本音を正樹に打ち明けましたね。この時、正樹の「辛かったろ」「偉いぞ」「頑張ったな」の言葉の数々は読んでいてとても衝撃を受けました。世の中のほとんどの人がそうなのかもしれませんが、私自身も、家族や友人、他の誰にも話さない苦しい過去と現在を抱えて今も過ごしています。それを一番身近な存在である親に受け止めてもらえることがどれだけ救われることか、涙する春樹の気持ちが痛いほど分かってしまい心がグッと締め付けられました。
これまで描かれてきた春樹から見る正樹の像は、どうしても越えられない壁、そして音楽に人生を壊された人間という存在だったように思えます。しかしこの食卓のシーンの正樹は、説教もせず、否定もせず、評価すらせずひたすら息子の話に耳を傾ける親としてあるべき存在となっていました。どんなに不器用でも、正樹は春樹にとって何ものにも変え難い立派な父親としての像が垣間見えた瞬間だったと言えると思います。
また、正樹の「冷めたら、また温めればいいさ」「冷めても美味いもんは美味い」というセリフ、そしてそもそもそれが親子丼であること。これら全てが今の春樹と正樹の親子関係を示す巧妙なメタファーとなっていたと思います。「冷めた親子関係もまた温め直せばいい。」「例え冷めても親子は親子。」私はそう解釈しました。
そして今回もまた、タイトルに用いられた楽曲、歌詞の引用が完璧でしたね。春樹はずっと才能のある父親とは別の人間、憧れの存在にはなれなかったと感じて生きてきましたが、父親の正樹から見る春樹の何かを守ろうとして全てを背負い込み無茶をする姿は自分によく似ていると思われていましたね。本作序盤で春樹がぼっちと接する時の急かさず否定もせずぼっちのペースに合わせる姿は今回の正樹の姿にそっくりでした。
私は前回を読んだ時点では、次回は早速正樹が動きだすものと想像していましたが全く違いました。正樹はまだ行動には出ていません。ですが、この回は行動に出る前の重要な回となっていました。
私は『ぼっち・ざ・ろっく!』が好きですが、今回はオリ主とその父親しか登場しませんでした。しかし私はそれでもこの回がとても好きです。冷めきっていたと思われていた親子関係が再構築されるような、優しく温かい回となっていました。話をAとBに別ける必要性をじゅうぶんに感じました。
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