ゲマトリア確定の異形としてブルアカに転生したオリ主がアビドスを救う話。
 脳内でアビドスがちょっとアカくなったのは許して欲しい。

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ピラミッドの主は何を思う

 転生した。いつも通り寝たと思えば転生ですよ。それも人外に。

 乾いた肉体、全身に巻かれた包帯、端的に言えばミイラですね。

 棺桶を押し開きながら起き上がったら配達員と思しきロボットのあんちゃんと目が合った時はビビったなあ。

 って、そんな事はどうでも良いんだよ。重要な事じゃ無い。

 重要なのはここがどんな世界なのか、という事だ。ミイラやロボットが存在する世界だから近未来かつファンタジーだと予想は出来るが……。

 まぁ、取り敢えず街を歩いてみるか。

 

 

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 いやここ物騒すぎるだろ!

 住民は二足歩行の犬猫やら、ロボットやら、銃を提げた女子生徒!

 あちらこちらで銃の撃ち合いでドンパチ!

 こんなんじゃ命が幾ら有っても足りやしない!

 でも、お陰でここがどんな世界かは検討がついた。

 女子生徒の頭に浮かぶ晄輪が決定的だったな。

 

 ブルーアーカイブ。

 

 透き通るような世界観で送る、学園×青春×物語RPG。

 その実生徒達は全員が武装しており、銃撃戦が日々あちこちで巻き起こる美少女版GTA。

 学園都市キヴォトスは広大で、自治区によって風景は様変わりするのだが、そこも検討がついている。

 何せ街の外には砂漠が広がっているのだ。そしてその癖この街は人で賑わっているのだ、時系列すらもある程度判別がつく。

 アビドス高等学校。砂嵐によって砂に吞み込まれた事で生徒数数千人から生徒数5人まで落ちぶれてしまった学園。

 だが俺の目の前に広がるのは人で賑わうアビドス自治区の姿。恐らくは原作開始から数十年前、砂嵐に襲われる前のかつてのアビドス高等学校なのだろう。

 

 ──うん、決めた。

 

 折角の機会だ。アビドスの凋落と戦ってやろうじゃ無いか。

 

 

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 アビドスの凋落と戦ってやろうと決意してから俺は──盗作をしていた。

 まぁ聞いてくれ、具体的には原作のメインストーリーVol.1を『アビドス廃校対策委員会』と名付けて小説としたのだ。あとがきに「これは創作ではありません。数十年後に巻き起こる現実の未来です」と書き加えてな。

 そうして書いた小説だが、有り難い事にこうしてサイン会を開ける程度にはヒットしている。大多数の人は予言部分は信じずに純粋に娯楽として楽しんでいるようだが……。それで良いさ。

 

「あの……()()、この物語は未来で起こる現実だって、本当ですか?」

 

 目の前の生徒のように、信じてくれる人も居るからな。

 

「本当だとも。証拠は出せないが、未来で起きる砂嵐が私の予言を証明するだろう」

 

「…………………………」

 

「自然災害は止められない。だが、砂嵐に備え、アビドスの凋落を防ぐ事は出来る」

 

「どっ、どうすれば!?」

 

「それは皆で考える事だ。だが、私の考えを伝える事は出来る。その気があるなら、サイン会が終わった後に喫茶店にでも行って話そう」

 

 

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 サイン会が終わった後、待っててくれた生徒と合流し、宣言通り喫茶店の個室で向かい合う。

 

「さて……まず一つ言える事がある。それは何をするにしてもカネが必要だ、と言う事だ。借金漬けになって自治区を切り売りしたアビドスがそうだったように」

 

「そう、ですね……何をするにしても、まずお金が無ければ……でも、お金なんてどうやって……」

 

「ん?カネを用意するのは簡単だぞ?通貨発行権を握れば良いんだから」

 

「通貨、発行権……?つまり、円を刷れるようにすると言う事ですか!?」

 

「違う。円じゃない。アビドス自治区内で使える、アビドスの独自通貨を発行するんだ。単位は……仮にピトスとでもしておこう」

 

「それでも同じですよ!そのピトスを刷っても、そんな紙切れ要らないよと言われたらどうするんですか!?どうやってお金として機能させるんですか!」

 

「簡単だ。税を取れば良い」

 

「ぜい……税金ですか?」

 

「そうだ、税だ。例えば重量税でも取ろうか。1グラム毎に1ピトス払って貰う。これは円では払えない、ピトスでしか払えない……もしそうなったら、君ならどうする?」

 

「……ピトスを欲しがるでしょうね。ついでに、今まで以上に体重を意識するように……」

 

「これで、君は喜んでピトスを受け取る状態になった訳だ」

 

「……ハッ!?本当ですね……いや!よく考えたら払わなかった所で何も問題ありません!だって貴方に払わなかったからと言ってどうも出来ませんから!」

 

 銃を構えてフッフッフと怪しく笑う生徒。それは全くもって正しいが、生命の危機を感じるので切実に止めて欲しい。

 

「アビドスにも、ゲヘナの風紀委員会に相当する組織はあるね?」

 

「?はい、ありますけど……」

 

「では、税を生徒会に納めろ、治安維持組織が取り立てるぞ!……と言われたら?」

 

「……大人しく税金を払います」

 

「よろしい。これでほぼ無限に刷れる紙切れをカネとして有難がって受け取る構図が出来上がったね?」

 

「──そうですね。お金を刷れるなんて、何でも出来そうでちょっと怖いです」

 

「そうだ、通貨発行権があれば何でも出来る。重要なのは何をするかと言う事だが……」

 

 そう言って、俺は懐から一枚の紙を取り出した。そこに書かれているのは四角錐型の隔壁で囲まれた都市の設計図。

 

外殻都市(シェルターシティ)と言うのはどうだろうか?」

 

 エジプトと言えばピラミッドだろ?

 

 

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「ようこそおいで下さいました、()()()()()()()。アビドス高等学校生徒会長の()()()()()()です」

 

"うん、よろしくね"

 

「……………………」

 

"……どうしたの?"

 

「──ハッ!?……失礼いたしました。こう、貴方と一緒に借金を返す世界線が、本当にあったかも知れないと思うと……」

 

"『アビドス廃校対策委員会』だね"

 

「そうですそうです!予言に打ち出の小槌を作り出した知恵と、あのお方は本当に神秘的で……うへへ、少し興奮し過ぎちゃいました」

 

 話が弾みつつも、ある場所へ向かって、二人は歩を進める。

 

「──ここがあのお方のおわす場所です。くれぐれも、不用意な口振りはお控えください」

 

「これから貴方が会うお方は、事実上、このアビドス高等学校の王と言っても差し支えないのですから……」

 

"……うん、解ったよ"

 

"──じゃあ、行こうか"

 

 一息ついてから、シャーレの先生は扉を押し開けた。

 

「──やあ、待っていたよ。何十年もの長い間、ずっとね」

 

「まずは自己紹介と行こうか、シャーレの先生」

 

「今はフリードリヒと名乗っている。アビドス高等学校の校長、兼、アビドス準備銀行総裁」

 

「そして──ゲマトリアの一員だ」




 主人公の別名:ビッグファーザー、総書記、予言者。
 生徒会は書記庁、治安維持組織は憲兵団と呼ばれている。
 つまり、キヴォトスにアカが二校も居る事になる。
 原作のメインストーリーVol.1を描いた小説『アビドス廃校対策委員会』は予言の書扱いされている。
 現在はミレニアム・ゲヘナ・トリニティ・アビドスと四大学園として扱われている。
 砂嵐への対抗策としてピラミッド型の外殻都市を複数建設しており、その一件で技術や機材を提供したミレニアムとは蜜月の関係であり、四大学園のパワーバランスがミレニアム・アビドスに傾いている原因ともなっている。
 この世界のメインストーリーVol.3はアビドス・レジスタンス編であり、オカルトや陰謀論を好む思い込みの激しい生徒(仮称レジ子)が、ゲマトリアであるフリードリヒを疑い、彼の背後や悪事を探り、書記庁の『予言世代』と対立する物語となる。

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